IS学園でホモから逃げるために婚活する   作:アオノクロ

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 えー前回もう少しイチャイチャして欲しいという感想が多く、また自分もそう思ってたので追加です。

 シャルロッ党の皆さん申し訳ございませんでした。


√シャルロット+α

「ふへへへへへ」

 

 美女が笑っている。

 

 これだけだとただの美しい光景だが実際は薄気味悪い笑い方である。ナンパ癖のある男性でも外見に釣られて寄れば引き返すほどの薄気味悪さ。

 

 それが目の前で自分の上司なのだ。職員としては注意もしずらくせっかくの休憩室なので逃げたくもない、板挟みである。

 

「気持ち悪いですね」

「ひどくない⁉」

 

 普通に口に出た。ショックを受けているが事情を聴けば大多数が職員は無罪を証明するだろう。それほどだった。

 

「指輪眺めてずっと笑ってるの気持ち悪いですよ」

「詳細に気持ち悪いって言われた⁉」

 

 首にはならない。それくらいの器は持っている。というか大企業だが一般職員とトップの仲が良いのがデュノア社の特徴だ。と、外から思われているが実態は仕事面以外はポンコツなだけである。

 

「それで? 愛しのフィアンセに指輪を貰った上司様はこれから何をされるので?」

「い、いやぁ~フィアンセなんて」

「めんどくさい」

「めんどくさい⁉」

 

 またもショックを受けるシャル、めんどくさい。だって愛しの彼を会社に呼んだと思ったらアプローチは何もせず、向こうからの突発的プロポーズも気が付かなかった。気が付いて返事をしたと思ったら仕事以外はずっとニヤニヤ指輪を眺めるだけ、これがめんどくさくなくてなんという。

 

「というかこれからどうするんです?」

「え~? そりゃ一緒に住んで二人で暮らして、あ、新婚旅行にも行きたいな! ボクは日本に行きたいけど春明はどこに行きたいかな? それで子どもは二人くらいかな~? お互い一人っ子だし兄妹とか憧れるもんね」

 

 次から次へと出てくる願望、これまでの溜まっていたモノというか暴走する欲望というか聞かされるものはたまったものではない。うっとおしいと思いながらもひとまず確認すべきことがある。

 

「いやデートとか行かないんですか?」

「デー…………ト?」

「嘘だろおい」

 

 いろいろとすっ飛ばした結果付き合う以前のデートができていない。できていないものは把握できない。もちろんそんなシャルにデートの三文字があるわけがなかった。

 

「デート…………プール…………う、頭が!」

「あぁ、あの酷すぎたやつ」

「うっ!」

 

 いや一度プールに二人で行ったことがある。あるのだが酷かった。最後はデートらしいことをしていたのだが、寝落ちしたシャルにその記憶はない。あとで観測していた社員から聞いて絶望した。

 

「いや、まだ行ける! あの時から成長したボクなら春明をデートに誘える!」

「そっすねー」

「あの時以上の土下座を見せることができる‼」

「やめろバカ」

 

 もう会社の上下関係とかなかった。仕事のできる上司は恋愛方面は雑魚過ぎた。仕方のないので急遽人員が集められ、一般的なデートについての講習会が行われた。メモ帳を片手にやる気充分な上司を相手に遠慮のない罵倒が飛び交いボロボロになりながらも講習会は無事終了した。

 

「みんな知識あるけど経験者なの?」

「「「「ストライキ起こしましょうか???」」」」

「ごめんなさい」

 

 無事終了した。

 

 

 

 

 

「お待たせ」

「ま、待った⁉」

「いや待たせたのこっち」

 

 そして迎えたデート当日、男を待たせて後から来る方のが定番という言葉に従い、ちゃんと約束の時間前に来た。あいさつは間違えた。

 

「きょ、今日はよろしく!」

「服にあってんな」

「ふふ、ふへっ」

 

 出会ったら自分の服を見せて感想を貰うべし、なお自分から言う前に言われたので顔が溶けた。デレデレだった。

 

「ど、どこ行こうか!」

「行きたい場所あるか?」

「えーっと、服見にいこ!」

「いいぞ」

 

 手を繋いで自分のペースに合わせてくれて車道側を歩いてくれて、文句のつけようがない。好きな相手、いや婚約者との逢瀬にシャルは脳が溶けていた。

 

「ハッ!」

 

 そして気が付けば夜、なんかおいしいディナーを食べた気がするが覚えていない。時間が飛んでしまった。幸せな時間は過ぎるのも一瞬というが、ここまでとは、シャルは恐れた。

 

 しかし、夜は始まったばかり。ここからが真の勝負だと気合を入れなおすと、

 

「春明! この後は!」

「すまん、仕事が残ってる」

 

 見事に撃沈した。

 

 婚約者は仕事の合間をぬって今日のデートに来てくれていた。その事実が嬉しくもあるし、仕事がうらめしくもある。なおその仕事を振っているのは自分の会社である。

 

 ぬわーと声にならない叫びをあげながらも手を引かれてついたのは自社、二人とも住んでいるので帰り道も一緒だ。

 

 途中で別れる時、抱きしめられて脳が茹った。

 

 普段なら気にしないひとりの時間が妙に長く、寂しく思えた。最後の温もりが惜しく、もっと長くほしいと思ったがそんな迷惑はかけたくないと、しまってあったワインを取り出した。

 

 

 

「はるあきぃー!」

「…………酔ってるな?」

 

 しばらく経って春明の自室、に現れたのはワイン瓶を片手に持って顔が赤くなったジャージ姿のシャルだった。ノックされたドアを開けて追い出すこともできずに、というかするりと横をくぐって入りこまれた。

 

「シャル」

「春明はもっとボクにかまえ!」

 

 ベッドに飛び込んだシャルが顔をあげて叫んだ。

 

「…………とりあえず仕事あるから」

「知らない! そんな仕事好きな春明のバカ! 構ってくれるまでここから動かない!」

 

 酔っている。酔っぱらいの相手をするときはまともに相手をしないことだ。しかし、

 

「いいのかなーボクここで寝ちゃうもんね、いまなら何されても起きないけど寝ちゃうもんね」

 

 スゥスゥと寝息が聞こえてきた。酔っているから寝るのも早い、と思われるが春明は気が付いている。

 

「ぐ、グーグゥー」

 

 見事な狸寝入りである。しかも下手な。

 

 このまま放っておけば酔っぱらいなので寝るだろう。だがそれを見過ごしていいのかと聞かれれば首を振るしかない。

 

「…………」

 

 無言でベッドに向かい、寝転んだシャルに顔を寄せる。整ったきれいな顔が赤くなりより魅力的になっている。そんな顔に手を添えて近寄らせると、

 

「んっ」

 

 そっと唇を重ねた。

 

「ん、んあ」

 

 離れることなくしばらくの間重なり続ける影、机のモニターだけが照らす部屋で一つになっていた。

 

「ぷはぁ」

「…………」

 

 ようやく離れると、息も荒くうるんだ瞳が見上げてくる。それに応えるように離れた手を伸ばすと、

 

 

 

 頭をなでた。

 

「え、なんでそっち?」

 

 おかしい、さっきまで潤んでこちらを見上げていた子犬のようなおねだりをする目ではなく、怒りに燃えた闘犬のような目になっている。

 

「いや仕事」

「なんでさ! ここまできたらもういいでしょ⁉ おあずけ食らうのも限界があるよ!」

 

 ベッドで押し倒されている方が叫ぶという何とも言えない状況なのだが、構うものかとキャンキャン叫んでいた。

 

「いいもんいいもん! ボクの権限で仕事減らすもん!」

「おい職権乱用」

「知らないもん! そんなことより春明との方が大事だし! …………それとも」

 

 耳を逆立てて叫んでいた犬が、尻尾も下げて丸くなる。袖をつかんでいた手はゆっくりとジャージのチャックへと伸び、そっと下ろされると、

 

「ボクのこと、やだ?」

 

 肌色の間が覗いた。

 

「そんなことない」

「なら……………………ほら春明だけだよ」

 

 さらに下ろされるチャック、最後まで下ろされて二つに分かれる。別れたジャージの下には肌色の大地、自分の横にあった手を持って窪みの上に乗せられた。熱い。お互い熱があるわけでもないのに、火傷しそうなほどの熱をお互いが感じていた。

 

「好きにしちゃって…………ほしい」

 

 何かが切れた。

 

 何かが切れたがゆえに、春明は脳死で動いた。

 

 すばやくシャルの上からどくと「え」机に向かった。

 

 シャルも起き上がって見るとモニターには、通話中の文字。片隅には角度の問題なのかシャルの金髪が少しだけ映っていた。

 

「え゛」

「また明日な」

「おいおいハルアキ、そこまで見せてお預けなのかい?」

「そうだぜ? せっかくなら最後まで見せてくれよ」

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 オーノー! と叫ぶ声が聞こえるなかブツリと音がしてモニターの画面が真っ暗になる。部屋の中は窓から零れる光だけになり、ほぼ暗闇に覆われる。

 

 ベッドに戻った春明を迎えたのは、

 

「スイマセンデシタ」

 

 片言でしゃべる、布団にくるまったシャルだった。酔いはさめているのに耳は赤い。

 

「ちゃんと時間はつくるつもりだった」

「ハイ」

「急ぎの要件だったし夜更かしして終わらせようと思ってあいつ等も付き合ってくれてた」

「モウシワケアリマセン」

 

 謝罪しか口に出せない布団に丸まったシャルをひっくり返して顔を覆う手を掴む。

 

「で、俺も我慢してたんだが」

「……………………えっちなこいびとでごめんなさい」

 

 瞳は潤んでいるし、ほほも赤い。さっきと同じ状態なのだが、立場は逆転していた。

 

「俺は好きだけど……………………さっきなんて言ったっけ?」

 

 あ、これ好きなやつ。ごくりと唾を飲み込んだシャルは酔いや勢いに任せることなく、改めて自分の言葉を吐いた。

 

「好きに……………………しちゃって」

 

 何も言わず見つめる婚約者、恥ずかしい自分のことを分かってもらえてるのだという嬉しさ、そして少しの恥ずかしさと期待を込めて、胸元に手を置くとねだるように上目遣いで、

 

「ほしい」

 

 

 

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 後日、社長と社長夫人に呼び出された二人は正座で怒られていた。

 

 ついに一線を越えたと社内中で話題になり、誰も仕事に手が付かない。そんな騒ぎの原因だから当然なのだが、自分の娘と義理の息子のお祝いでもあるのでなんとも言えない。仕方ないので休日にして社内でパーティーが開かれた。社長夫人は娘と、社長は義理の息子と、それぞれ別れていろいろと話した。泣いて笑って幸せには違いなかった。

 

 その後も結婚式だったり出産だったりことあるごとに会社全体で祝われるようになったという。




 イチャイチャかな? と思ったけどデートとか描写するとめっちゃ長いのでこれでご勘弁を

 どのキャラもそうなんですが書こうと思えばかなり長くできるんですよね。そうなると他のキャラが書けないので短くしてるのです。重ね重ね申し訳ない。

 なので活動報告にてリクエストを残して貰えるとそこから拾えるので、作者のメモ帳へ記録する感じで書かれるとありがたいです。→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=333722&uid=235477

 物足りないからこのキャラもっと書いてー! でも大丈夫です。そこから筆が走ることもあるので、拾われたらラッキーくらいでも大丈夫です。

 ではサラバ! 有料会員登録なんてものはない! それするとプレッシャーで潰れそうだから!
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