仮面ライダーヴラム&ニエルブ 呪界の騎士 作:まぜこみごはん
「人間の世界も悪くなかった」
ボッカ大統領を倒し、ストマック家との戦いを終えてもう数か月になった。
ストマック家がいなくなったことで、闇菓子がグラニュート界から消え、闇菓子という単語もこの世界では聞かなくなっていった。
グラニュート界と人間界の繋がりを壊したことで、人間界もグラニュートによって脅威にさらわれることはない。
繋がりを壊したことに後悔はない、そうしなければならなかったからだ。
こちらの世界にはなかった、人と人とのつながり、仲間という大切なものを作ることができた。
ショウマ 絆斗 幸果
この3人のことを俺は決して忘れないだろう。
「ラキアー! ここちょっと手伝ってくれるか!」
「だる……」
「あっお前! 今だるいっていっただろ!」
コメルが生きていた頃やっていた仕事をまたやるようになった俺は、ある洞窟で石堀りをしていた。
ここで掘る石は美味らしく、裕福層に人気らしい。
俺にとってはどうでもよく最低限生きていけるだけの資金があればいいので、定期的に呼ばれてはこの仕事をしている。
「はぁーでもお前がいて助かったよ、力あるやつがなかなかこなくてなぁ…」
「そうか、それはよかったな」
「ここで取れる石は絶品らしくてな、リピーターが多いんだよ。おかげで会社も波に乗ってるみたいだけど、でも俺らみたいな作業員じゃとても買える代物じゃねぇな」
「石ならその辺に転がっているだろ、感覚がわからん」
「ははっだな。金持ち連中の感性はわからないが、闇菓子だったっけな。それが市場に出回らくなって、一時期はそれを欲している連中の暴動がすごかったらしいぞ? 作っていた会社も突然なくなったみたいでな、その代用品として、こいつが売れているらしい」
「………そうか」
闇菓子には中毒性があり、コイツを手に入れるためならなんでもしていた連中が多かった。
突然ストマック家がなくなり、市場に闇菓子がなくなれば、そのことは想定がつく、それに関しては俺にはどうすることもできなかった。
ところが最近はその暴動も減少傾向にあり、この石が役に立っているようだ。
確かによくよく見れば普通の石とは違うような気がする、中から少し青白く光っているような……。
「ということで、コイツをお前に一つやろう」
「…なに? 取る気か?」
「バカ野郎、コイツは俺のやつだよ。ここの社長との接待の時に一つもらったんだ、受け取れよ」
「お前がもらったんだろ、俺はいい」
「何いってんだ、お前が来てから作業も楽になったし、こっちとしては助かってんだ。まぁ気持ち程度だよ、ほら」
そういって強引に俺の手のひらに渡してきた。
感謝されることは慣れてはいないが、人間界にいたころをふと思い出してしまった。感謝されること自体はそう悪くなかった、今までの俺なら受け取らなかっただろうが。
「…わかった、ありがとな。受け取っておく」
「いいんだよ。 よし、今日は上がっていいぞ、お疲れ様」
「ああ」
そうしていつもの帰り道を使って自分の家に戻ることにした。
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「帰って寝るか……ん?」
あとは特にやることもないだろうし、家に帰って寝るだけだ。
しかし作業した後は体力も使ったからなのか、腹が減った。いつもだったら川辺の石を拾って食べているところだが、今日は班長に渡された石がある、それでも食べながら帰ることにしよう。
しかし何か違和感があり、石を取り出してみると先ほどよりも青白い反応が強く見えるような気がした、何かに反応しているようなひかりかたにも見えるが――――。
すると帰り途中の横に、一本道ができていた。
いつもの帰り道にはこんな道はないはずだ、しかしその石をその方向へ向けると光が強くなっているのがわかる。
「いつもならこんな道はないはずだが……」
ふと脚がそこに向けられ、光が強い方角へ歩き出してしまった。
辺り一面は薄暗く、この石の光でどうにか道が把握できる程度だ。警戒しつつ歩いていると、あるものをみて立ち止まってしまう。
「まさかッそんなはず……! なんでここに扉が…!」
目にしたのは人間の血管のようなものが無数広がっている、黑く赤く、長くそれを見ようとすれば気分が悪くなりそうな扉だった。
あの時確かに俺はストマック家にあった扉をすべて破壊したはずだ。
ストマック家が隠していた扉? これも人間界に繋がっている? それになんだこの禍々しい扉は。
そんなことを考えている刹那、ラキアが近づいた影響もあるのか、血管が動き出している。
「なんだかわからないが…コイツも壊したほうがよさそうだな」
変身ベルトを取り出そうとした瞬間に、プリンテが近づいてきて震えながら肩に捕まりだす。プリンテの様子がおかしい、今までにこんなことはなかったはずだ。
「どうした…? なっ……!!」
今までにない反応をされたラキアは戸惑っていると、とたんに扉が開かれる。
吸収するようにラキアとプリンテは吸い込まれてしまい、扉が閉められてしまった。
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なんだかやかましい声が聞こえる。
これはおそらくプリンテの声だろう、自分の顔を揺さぶっているのか、視界がはっきりしていないが、姿は確認できる。しかもどういうわけなのか、どっプリンとぷるゼリーも横にいた、人間界に残ったはずがなぜここに。
「なんでお前らがここに…ああ、俺は大丈夫だから心配するな。ここはどこだ……?」
しかし考えることは山ほどある、どうやらどこかに転移されたようだ。
周りには森が多く、どこかも判断ができない。少なくともグラニュート界ではないだろう、匂いもどこか人間界にいたころを思い出す。
「まさか本当に人間界なのか? …ならショウマや絆斗もいるはずだ。」
あの扉が一体なんなのかはおいといて、ここがもし本当に俺が知っている世界なのだとしたら、きっとショウマや絆斗がいるはずだ。
しかし今の俺に、人間界との繋がりを絶った俺に、会う資格はあるのだろうか?
「…とりあえずここから移動しよう、街に行けば何か情報を聞けるかもしれない」
グラニュートの姿で出歩くわけにもいかないため、人間態へと変化し、肩にゴチソウを乗せて移動をしようとしたところ、どこか違和感を感じる。
姿を確認したわけではないが、自分の体が危険信号を送っている。ゴチソウも何かに気が付いて、落ち着きがないようだ。
「出てこい、いるのはわかって―――――ッ!!」
そう言葉を投げかけても姿を見せる様子はない。
しかし足音はどこかから聞こえ、聞こえた瞬間に何かと衝突し、吹っ飛ばれてしまう。
「(姿が見えなかった!? どこから…!)」
ダメージはあるが立ち上がれないほどではない、しかしぼんやりだが捉えることはできた。
「ヴヴ……!!」
四本足で、どこか禍々しい、触手のようなものが無数にある形の原型をとどめていない怪物だ。
グラニュートなのか? いやあんなグラミュートは見たことがない、下手に戦って深手を負うリスクだけは避けたい。
「逃げるぞ!!」
とっさにラキアは走り出し、それを追いかけるようにその怪物は追いかけてくる。
「(思っていたよりも早い…! 追いつかれるのは時間の問題か)」
スピードでは当然あの怪物のほうが早いのはわかっていた。
森の木を利用してジグザクで動いていても、正確に捉えていく姿はまさに狩人だ。
覚悟を決めて戦うしかないと思い、止まろうとした瞬間に誰かに引っ張られて、口を押さえられてしまう。
「静かに」
「――――――ッ!?」
体を押さえられて身動きがとれない。
追ってきた怪物はラキアを見失ってしまい、周りを探すも捉えることができず、違う方向にいってしまった。
「……離せ!!」
「ああわかってるよ、僕も離れたかったしね」
いった途端に体を揺らし、強引に離れ、俺の体を掴んできた正体を見た瞬間に、自然と体が後ろに下がってしまった。
「なんでお前が生きている…!! ニエルブ!!」
ストマック家の次男、ストマック社の技術開発担当のニエルブ・ストマック。
不敵な笑みを見せながら、ニエルブ・ストマックは蘇っていた。
まさかのニエルブさん復活!!
ここからどう呪術廻戦と繋がっていくのか、楽しみにしていただければ幸いです。
(※もしかしたら誤字めっちゃ多いかもしれないんで、許してください)