IS‐ターンXと行く月面開拓‐   作:かげう

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12話ー白騎士始動ー

 前話より約1か月、現在大地は月面基地から物資を積載したヨーツンヘイムとアスピーテ級1番艦「アスピーテ」と共に地球の静止衛星軌道上へ来ていた。

 ここ2年近くで月面基地の大型生産施設は更に増設され、生産量は約2倍にまで跳ね上がり艦船の生産も1隻あたり3か月ほどかかっていたのが1か月でほぼ形になるようになっていた。

 そのおかげで大地がここ1か月で設計した『ヘルメスユニット』はすぐに完成し、大きさが大きさなのでヨーツンヘイムが格納庫と船外に部品を牽引、アスピーテも船外に部品を牽引、組み立て要員としてウォドム6機、ウァッド6機を艦載し輸送していた。

 

「地球をここまで近くで見るのは初めてです。大地様。」

「やっぱり新鮮に見えるかい?」

「そうですね、新鮮と言うことを当機達に理解できるかと言われればまだわかりきっておりませんが、遠くで見ていたものを近くで見たこの感覚は良いものだと思います。」

「それはいい傾向だね、いずれ地上に一部のMS隊を降ろしたいと考えているからその時は沢山の初めてを経験していこう!」

「はい、その時を楽しみにしております。大地様。そしてその容姿は初めて見ますが新装備の一環ですか?」

「そう、秘匿性と武装偽装を主眼に考えてみたんだ。」

 

 アスピーテの甲板でターンXに乗った大地と護衛のために待機しているウォドムが会話しているが、ウォドムの指摘通りターンXの姿はまた異様なものに変わっていた。

 全身の装甲部を灰色のナノスキンで作った包帯状の布で巻いて、まるでミイラ男の様な容姿になっており、背部キャラパスユニットは電子戦用ではなく、高機動仕様の大型スラスターベーンのみの仕様でオプション武装はない状態。

 そして、溶断破砕マニュピレーターのある右腕にはウォドムのメガ粒子砲とジェネレーターが覆いかぶさるように取り付けられ、左腕には大型の長方形状のシールドが装備されていた。

 大地はこの仕様のターンXを『ターンX・フェイカーパッケージ』と名付けていた。

 全身にナノスキンの特殊包帯を巻くことにより、ナノマシンを散布しなくてもスキャンやレーダー反応を妨害、∀からターンタイプだと認識させない処置を行った。

 だが、ギンガナムの様な感の良い男はそれでもターンXだとわかるだろうと考えた大地は見た目だけ似せた偽物だと思わせるために偽装武装も取り付けた。

 右腕部、ウォドムのメガ粒子はジェネレーターも取り付けたためターンX本体のエネルギーを使用せずに発射可能にし、Iフィールドの調整で短時間ではあるがメガ粒子砲のビームをサーベル状にも展開できるようにした。

 左腕に装備された大きな盾は、フラットの装甲板を使用し腕との接合部には特殊な緩衝材が使われたものになっている。そのためターンX側からエネルギーを供給すると∀劇中で驚異的な防御性能を発揮したハイパーバイブレーションが使用でき、∀のビームライフルでも最大出力でなければ数発は耐えれるとターンXとルナが予測していた。

 

<大型生産施設の増設のおかげでヘルメスユニットと一緒に完成できてよかったね!>

「そうだね、後はフェイカーパッケージで戦闘訓練を行ってギンガナムとの決闘に挑むよ。ナノスキンの包帯ってアイデアは出なかったから助かったよ、ルナ、ターンX!ありがとう!」

ー肯定、まさか過去の資料が役立つをは思いませんでしたがお役に立てて光栄です。ー

<えへへ、大丈夫だよ!それに私もちょっとイメチェンしてみたの!>

 

 そういうとルナは大地の前にホログラムとして現れたが、全身に灰色の包帯を纏って白く腰まで伸びた髪はポニーテールで纏めて髑髏の髪飾りがつけられており、大地の前でくるりと一回転して見せた。

 

「とても似合っているよ!」

<ありがとう!えへへ……!>

ー本機も包帯を巻いているのにー

「ターンXも凄く似合っているよ!正体を隠したダークヒーローみたいで!」

ー肯定、デザインは御大将閣下殿が考えたのです。当然です。ー

「さて、そろそろ減速終わるかな?ターンX指示出しお願いね!」

ー肯定、お任せください。ー

 

 とそんな感じで会話をしていると、2隻の減速シーケンスが終わり完全停止した。

 するとターンXから全機体へ通信が入る。

 

ーターンXから各機へ、これよりヘルメスユニットの組み立て工程を開始。ウォドム隊4機は作業位置へ、残り2機は強化ジェネレーターを装備し、デブリ等の外的要因排除行動へ移行せよ。ヨーツンヘイムは牽引パーツ及び格納庫パーツ放出後、月面基地へ帰投。マヒロー隊は放出パーツを指定位置へ整列後、ヨーツンヘイムの直掩につき護衛せよ。ウァッド隊はウォドム隊の組み立て作業開始時まで待機、作業開始後組み立て補助へ。アスピーテは現状待機、ヨーツンヘイムから切り離したパーツの組み立て作業終了次第指示する。ー

 

「こちらアスピーテ了解、待機を継続。」

「こちらウォドム隊了解。ウォドム1~4、作業位置へ移動します。5~6現在ジェネレーター装備中、180秒後所定の護衛位置に着きます。」

「こちらマヒロー隊了解、コンテナ整列作業後ヨーツンヘイムの直掩に入る。」

「こちらヨーツンヘイム了解、マヒロー隊所定配置確認、コンテナ放出開始。ウォドム隊が所定位置につき次第牽引パーツをパージする。その後、進路反転し帰投する。」

「ウァッドタイ、ラージャ、ラージャ!」

 

 各機体がターンXの指示通り動き始めて、ターンXは手に持っていた装備をキャラパスに格納しウォドム隊と共にヘルメスユニットの組み立て作業に入った。

 

『ヘルメスユニット』

 これは大地が、ルナとターンXと共に考えた艦船用外付けマスドライバーユニットである。

 今後のヨーツンヘイム級の定期便とは違う高速輸送手段としてずっと考えていた物で、コンテナからMS、戦艦より小さいサイズの宇宙船までを最小限の推進剤の消費で射出可能なユニットで今後地上に降りるMS部隊の修理パーツなどの急を要する輸送に使用する予定になっている。

 そしてこのユニットは全長3㎞にも及ぶユニットのため、外部ユニットからのエネルギー供給を前提とした設計になっており、試験的な意味でアスピーテへユニットを取り付けて運用し、後で現在製造を行っているヨーツンヘイム級輸送艦を改造したモデルに交換予定であった。

 

~数時間後~

 

 ウォドム隊とウァッド隊、ターンXの作業時は順調に進み進捗度が80%程になったタイミングでターンXのコックピット内にアラートが響く。

 

ービー!ビー!ビー!ー

「!?どうした?」

ー低軌道上に配置した偵察衛星より緊急入電。各国の軍事施設より多数の長距離ミサイル同時発射を確認。飛翔方向計算、すべてのミサイルが日本へ向けて飛翔中。ミサイル数現在集計中……集計完了、総数2341です。ー

「このタイミングで白騎士か!?少しでも止めないとな!ターンXの作業を中断!ジェネレーター装備のウォドム2機は俺の直掩に入って!」

「「承った!」」

 

 大地の号令でアスピーテから100㎞程離れ地球の方へ向き直り、その両隣に強化ジェネレーターを背負ったウォドム2機が移動してくる。

 

「ターンX、ウォドムのビームで迎撃はできるね?」

ー肯定、強化ジェネレーター装備機で可能です。ですが現在迎撃可能な飛翔中のミサイル群は洋上を高高度を飛翔中の1341発です。ウォドム2機と当機での迎撃は可能ですが残りの1000発のミサイルは海面または地上すれすれを飛翔中のため命中させることは困難です。ー

「クソ!とりあえず迎撃できるミサイルはすべて落とそう!ウォドム各機!ターゲットデータリンクを戦闘強度にして目標が被らないようにして射程内に入った目標へ随時射撃開始!俺も射撃を開始する!後は白騎士に任せるしかないか……歯がゆいな!」

「「承った!データリンク強度を戦闘強度へ!砲撃開始!」」

 

 大地が指示を出した後、ウォドム2機によるこの世界初めてのビーム兵器の実戦使用が行われる。

 デュオーーーーーン!と言う音と共にウォドム2機から極太の黄色い閃光が飛翔するミサイル群へ向けて薙ぎ払うように発射される。

 数秒後砲撃先の空中で無数の爆発のような閃光が見えた。

 大地も右手に装備しているウォドムのメガ粒子砲をターンXのジェネレーター出力も加えて薙ぎ払うように射撃、同じように数秒後薙ぎ払った場所で閃光が見えた。

 そうして数分間、3機は射撃を行い続けた。

 

「これであとは白騎士に任せるしかないかな……はぁ、篠ノ之束本当にやりやがったかぁ~」

<お疲れ様大地!初めての実戦にしてはいいと思うよ!白騎士事件については残念だけど……>

ーお疲れ様です御大将閣下殿、迎撃数1341発です。偵察衛星からデータ取得、残りの1000発は白騎士が日本領海内上空ですべて迎撃、太平洋上へ逃走を開始しました。ー

「報告ありがとうターンX、さてと……白騎士も逃げきるだろうしヘルメスユニットの組み立てに戻ろうか。ウォドム達もありがとうね!」

「「お役に立てて光栄です。当機は配置に戻ります。」」

 

 こうして大地は明日には今日の事でテレビも新聞も持たきりなんだろうな〜と考えながらアスピーテの方角へ移動を開始しようとすると

 

ウィーン!ウィーン!ウィーン!

 

 と今までに聞いたことのない警報音が鳴り響く。

 

「今度はどうしたんだ!?」

<大地!ついに姿を現したよ!>

「まさか!?」

ー偵察衛星よりSystemー∀99の反応を捕捉。ー

 

 その言葉を聞いて、大地の思考はフリーズした。

 

 次回へ続く

 

 

現在確認可能な月乃大地保有戦力

 

・ターンX(MS)1機 

・ターンX(IS)1機 

・ウォドム 5機 +25機 new  計30機

・フラット 10機 +20機 new  計30機

・マヒロー 20機 new

・ウァッド 20機 +20機 new 計40機

・モビル・リブ 20機+20機   計40機 

 

・アスピーテ級宇宙戦艦

 ・1番艦 アスピーテ

 ・2番艦 マウナケア new

 ・3番艦 キラウエア new

 ・4番艦 エトナ   new

・ヨーツンヘイム級輸送艦

 ・1番艦 ヨーツンヘイム

 ・2番艦 ムスペルヘイム new

 




お読みいただきありがとうございます。
久々に保有戦力書きましたが、中々に戦力が揃ってきました。
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