千冬が日本IS戦技訓練校へ行ってから早3ヶ月。
大地は月面基地へ来て、製造が完了したムットゥーをハンガーで眺めていた。
「やはり、実物を見るとデカいな〜。これが可変して高機動で木星圏を飛び回ってたと考えると凄いな……これを作った人類…」
<スペック上では知っていたけど、フラットより大きいんだよねこの子。>
ー肯定、本機が見上げないといけない機体の生産はウォドム以外で初めてですね。ー
大地は新たに生産をしていたムットゥーが完成したという報告を受けて実物を見るべく月面基地に来ていた。
3カ月ほど前の月哨戒部隊からの定時報告で火星方面が怪しいと考えたため、哨戒部隊へのMS配備数増加と共に、火星探査部隊の編成をしていた。
今回は初回の探査であり、もし敵勢力が存在していた場合の情報秘匿性の高さを優先して編成は下記の通りになった。
火星調査部隊
・ギャルセゾン 3機
・ムットゥー 4機
・偵察衛星 2機
・長距離通信衛星 2機
編成的にギャルセゾン2機にMS4機を搭載し、人工衛星をもう1機のギャルセゾンに搭載して探査後はそのまま衛星は任務継続で定期的に月面基地へ情報を送る手はずとなっている。
だが、小型人工衛星4機分のスペースを使っても大型MS2機を運搬できるギャルセゾンのペイロードにはかなり余裕があったがそれには別の理由があった。
「ターンX、例の物は完成した?」
ー肯定、元からMSジェネレーター製造用にある程度資源は確保しておりましたので時間はかかりませんでした。ー
ターンXの発言後、ハンガー内にフラット2機が1つの大きなコンテナを大事そうに持ってきて大地の前に置く。
「大地様、こちらがご所望の品になります。コンテナ開閉時や取扱時はルナ様を展開なさって行ってください。」
「忠告ありがとう!わざわざ持ってきてくれてありがとうフラット達、引き続き頑張ってね!」
「勿体なきお言葉でございます。では我々はこれで失礼いたします。」
大地の礼に対して心身とお辞儀をしたフラット達は、そのままハンガーから出ていく。
それを見た後、大地はルナを纏いふわりと浮き上がるとそのままコンテナへ近づいて開閉スイッチを押した。
すると、コンテナはプシューと空気の抜ける音と共に側面開口部がゆっくりと開いた。
(まさか、俺がこんなものを作る日が来るとは思わなかったな……)
大地は、開いたコンテナ開口部からコンテナの中を覗き込む。
そこには、厳重にコンテナ内補助アームにて固定された4つのミサイルが存在しており、大地はそのミサイルに近づいて1つに触れた。
その大地の触れた部分には、ほとんどの人間なら見た瞬間これは危険な物だと判断できる、黄色い背景に黒丸を中心に三方に扇状の黒いマークが入った模様、いわゆる放射線シンボルのマークが入っていた。
それは、核ミサイルであった。
ISの世界でも核兵器の歴史は血濡れており、こちらでも世界大戦が行われた際、とある島国で使用された記録も残っている。
だが、現代と違い宇宙世紀で尚且つ∀世代の技術で作られたこの核弾頭の威力は折り紙付きであり、サイズは小型だが、∀劇中でロストマウンテンに巨大なクレーターを作るほどの威力は保証されている弾頭である。
数秒、大地はそれを見つめ続けていると視界脇に空中投影ディスプレイが表示され、ルナが話しかけてくる。
<大地、本当に束には言わなくてよかったの?>
「言う必要がないよ。多分俺が作れるのは知ってるし……作って持っていますって言うのは、言いにくいし言いたくない。これは保険なんだ……調査部隊が無事に帰ってこれるようにするためのね。」
<大地がそう言うならいいけど……>
「使わずにムットゥー達が戻ってきた時はそのまま分解して新たなMSのジェネレーターとして再利用してもいいしね!」
「そうだね!」
「作っておいてなんだけど……願わくば、この天を焼く剣が使用されないことを願うよ。」
大地とルナが話していると、ターンXから通信が入る。
ー大地様、今よろしいでしょうか?ー
「うん、大丈夫だよ。」
ー先程、system∀-99より通信が入りました。こちらへ転移して大地様とお話がしたいそうですがよろしいでしょうか?ー
「∀が!?大丈夫だよ!すぐ来るのかな?」
ー肯定、約20秒あればこちらへ転移するとのことです。了承と伝えますか?ー
「うん、お願いするよ。」
急な∀からの連絡に少し驚いていた大地だが、ミサイルから手を放して、ゆっくりとコンテナ内から出るとコンテナの前に∀と赤いカラーリングに塗装されたスモーが立っていた。
ルナを纏いながら∀を見上げると、∀はこちらからまだハッチの閉まっていないコンテナへ視線を向けて凝視し続けていた。
それに気づいた大地が∀に話しかけようとすると、ハンガー内に大きな声が響く。
「大地ーーーー!良く帰ってきたなーーーー!!」
大きな声の方であるスモーのコックピット部に視線を慌てて向けると、以前は僧侶姿だったが今は上下作業着に身を包んだコレン・ナンダーが立ってこちらに手を振っていた。
「コレンさん!お久しぶりです!あの時はありがとうございました!」
コレンに気づいた大地はルナを纏いながらふわりとPICで浮遊したままスモーのコックピット部まで上昇し、頭部装甲を部分解除してコレンと相対した。
「いいって事よ!お前さんのおかげで俺も姫さんと会えたしな!こっちこそ礼を言いたいぜ!それこそ、お前さん目の色が変わったしデカくなったな……イオンが匂うぞ……お前まさか……」
「ははは、流石はコレンさんだ……鼻が利きますね。えぇ、身体の殆どをナノマシンで再構成しました。ルナ達が俺を生かそうとしてくれた結果です。」
「そうか……大変だったな。それより大地!俺より会って欲しい人がいるんだよ!∀のコックピットへ行ってこい!」
「はい、わかりました。また後程お話ししましょう。」
「おう!」
コレンとの挨拶をそこそこに、大地は∀のコックピット部へ行こうとするがここでルナが止めに入った。
<待って大地!>
「どうした?」
<バックステップ!>
「急に……うわぁ!?」
大地はルナの忠告に一瞬迷ったが直ぐに行動した結果、難を逃れることに成功していた。
なんと∀が大地を素手で掴もうとしていたのだ。
大地が先程までいた場所に∀のマニュピレーターが空を切っていた。
それを見た大地は、即座に部分解除していた頭部装甲と腕部及びバックパックのブロッサムユニットを呼び出して∀に通信を繋いだ。
「何をするんですか!?」
この光景に呆気にとられるコレンと少し怒気を含んだ発言の大地に対して、∀はこちらを凝視して動こうとしなかった。
それに対し、ハンガー内に居たターンX及びムットゥーが全てを取り囲むように移動し取り押さえる構えとなる。
そこで、ターンXが∀に問いかけた。
ー……愚妹よ。何のつもりですか?ー
それに対して∀は顔だけターンXに向けると話しかけてきた。
ー謝罪、本機に争う意思はありません。今のは搭乗者の操作です。ロラン、なぜ月乃大地を捕まえようとしたのです?ー
ーなるほど、そう言うことですか。応えてもらいましょう、system∀ー99のパイロット、ロラン・セアック。ー
∀とターンXによる質問に対して、∀コックピット部が開き2人の人影が姿を現した。
「あなたが、天を焼く剣を何故持っているのですか?それで一体何をなさろうと考えているのですか?」
「ロランの言う通りです。話に聞いていた限り、穏健派で友好的な方だと聞いていましたが……まさかこのようなものを月に隠していたなんて……一体その力でどうなさるおつもりなのか聞かせて頂きたいものです。」
2人の人影であるロランと同乗していたディアナが大地に対して厳しい視線を向けながら発言していた。
「お初ですので名乗らせていただきます。MR社代表、月乃大地です。∀のパイロット、ロラン・セアック殿と……月の女王、ソレル家当主ディアナ・ソレル様でいらっしゃいますね?」
大地はブロッサムユニットを再び解除して2人の前まで浮遊して行くと心身とお辞儀をした。
それに対して二人は、間違いないと返答し、大地はそのまま話をつづけた。
「まずは、謝罪をさせてください。実際に核の威力を目の当たりにした方々への配慮が足りませんでした。私はこれで地球をどうこうするつもりはありません。これはこの後行われる調査任務にて必要な保険として製造を行いました。任務終了後、使われることがなければ解体しMSのジェネレーターとして再活用させる予定です。」
「それを信じろっていうんですか?」
「ロラン抑えて……大地殿、詳細は聞かせてもらえるのでしょう?」
「勿論です。ここですと詳細な説明ができませんので会議室へ参りましょう。そこで軽く飲食をしつつご説明と言うのはどうですかね?」
大地の提案に対して、ディアナは少し悩むそぶりを見せたが素直に了承した。
それを確認した大地は、お茶や軽食を用意するためにコレンに案内を任せて食堂へ向かった。
事前に食堂担当のBOIDに連絡を入れていたおかげで大地が食堂へ着くころにはお茶と軽食の入った運搬用ケースが用意されており、大地はBOID達に礼を言ってそのまま会議室へ向かった。
会議室に着いた大地は、テーブルに着いた3人にそれぞれ紅茶の入った容器とサンドイッチを配膳し、そのまま自分も席に着いて現状の説明を開始した。
~大地説明中~
「……ディアナ様…これはどういう……」
「えぇ、……大地殿は、火星に何かいると推測しているのですね?」
「はい、少なくとも惑星間航行技術を持つ文明の類がいると推測しています。」
「なるほど、大地殿がなぜ核弾頭を装備させたのかわかりました。先程の言動は謝罪しましょう。」
「ご理解いただき感謝します。謝罪は素直に受けましょう……こちらも非がありますからお互い様と言う事で。」
「ええ、良しなに」
「えっと……僕は理解しきれていないんですけど…?」
「ロランはそう言うとこがちょ~っと天然だもんな~!俺もさっきの説明で大方理解したぜ。」
「えぇ!コレンさんもわかったんですか!?」
大地の説明に大方の察しがついたディアナとコレンに対して、ロランはいまだに理解できずに少し感情が高ぶっているのを感じた大地は更に説明をした。
「ロランさん、一応無人機部隊ではあるけど俺にとってはとても大事な機体たちなんだ。そんな機体達が1部隊で火星へ行き、他文明……宇宙人的な勢力と遭遇した場合、相手はどう行動すると思いますか?」
「そうですね……警戒する?でしょうか?」
「そうです。そしてそこで人間などの言語を返してコミュニケーションを取る類ならもしかしたら対話ができるかもしれません。ですが、コミュニケーションを取ることもできずに完全な敵対的行動をとられた場合、MS4機のみでどうにか撤退しないといけない状況になります。」
「ですが、ムットゥーなら可変して逃げれるんじゃないんでしょうか?」
「確かに可能でしょう。ですが、相手は惑星間航行技術を保有している可能性が高いのです。つまり、追っ手を差し向けてくる可能性もあります。それに、相手の規模や技術体系すらわかっていないのです。」
「そこで技術体系が出てくるのは何故なのでしょうか?」
「通信技術です。」
「あ……」
ここで、ロランもある程度気付いたようで大地は少し口角を上げる。
「先日、その相手の物と思われる小惑星状の飛来物を3個迎撃しました。2年前にも同様の物を迎撃している記録がありますが、個数は2個。2年と言う時間はある程度の速度を出した状態の慣性航行で火星から月軌道上まで移動が可能な時間なのです。つまり、2年前に迎撃された時点で彼らはそのことを知り、追加で飛来物を送ってきたものだと予想されるのです。つまり、高性能な長距離高速通信技術を持っていることも考えられるのです。」
「つまり、迎撃された情報が相手に素早く伝わって対応してきたってことですか?」
「そうです。そしてそんな技術を持っている相手が迎撃する戦力を保有しているというのは妥当でしょう。そんな相手にこちらのMSを拿捕された場合、解析され対策した部隊をこちらに差し向ける可能性もあるのです。」
大地の発言で目がだんだん見開かれていくロランに隣に座っていたディアナが発言する。
「ロラン……大地殿は相手が我々を『異物』として認識している可能性が高いと踏んでいるのです。私も話を聞いて思いました。おそらく相手は明確な敵対をしているでしょう。そんな相手を調査する部隊が捕まりそうな時の最終手段として、全ての情報を焼き相手に情報を渡さないよう核兵器を装備させようと考えているのです。私の考えに間違いはありませんか?」
ディアナの発言に大地は静かにうなずいて肯定を示した。
「その通りです。相手の通信手段が現状不明ですが、火星の空中及び軌道上で核を起爆させれば部隊の証拠隠滅と共に広域の電波障害を引き起こさせる事は可能だと考えています。仮にMS部隊が撤退に成功した際も機雷として運用し、追跡部隊の排除と補足までの時間稼ぎを使用用途と考えています。核の威力は情報として与えてしまいますが、核の威力で相手にこちらに来るデメリットの方が大きいと思ってくれれば御の字なんですがね。相手がもしそこから本格的な攻勢を仕掛けてくればもう恒星間戦争の幕開けになってします。その際はまた戦力の増強や防衛網の構築をしなければいけません。もし。核を使用し相手が引いてくれれば、火星への放射線汚染被害に関しては、ターンXの月光蝶ナノマシンを輸送し散布して中和する予定になっています。」
「大地殿はそこまで考えて……」
大地の言葉に、ディアナはかつて月の女王として背負ってきた重責のようなものを大地に感じ、悲しい表情で見つめていた。
数秒見つめていると大地の口が開かれる。
「これでロランさんもご理解いただけたということでよろしいですか?」
「は、はい!……その、先程はすみませんでした……謝罪します。願わくば、その天を焼く剣が鞘から抜けれないことを祈ります。」
「いえ、大丈夫ですよ。ご理解いただけただけで私は嬉しいです。祈っていてください……私も祈っています。」
心身と頭を下げてきたロランに対して大地はにこやかな表情で謝罪を受け入れていた。
すると、ロランの隣に座るディアナが大地に話しかけてきた。
「大地殿が∀やアースちゃんの言う通りの人物と確信出来て私は嬉しく思います。これで以前から懸念していた事項も解決しました。」
「懸念事項…ですか?」
「えぇ、私はこちらの世界に来た際、既に眠りについていた大地殿に付き従うルナちゃんとターンXの存在が心配でした。私たちの世界では彼のMS……正確には搭乗者によるものでしたがすさまじい戦果を上げておりました。故に、ターンXを駆る大地殿の人を見て、それ次第では私はロランと共に立ち上がらねばならないと思っておりました。ですが、3年の間に考えていたことが杞憂だったと今確信して安堵しています。」
「なるほど、そう言うことでしたか。私はルナもターンXも争いには正直使いたくないと思っています。戦うことがあるとすれば、それは大切な者を守るためです。」
ディアナの発言に対して大地は誠意をもって返答し、ディアナは安心したような表情になったが直ぐに表情を正し椅子から立ち上がると、女王の風格を出した。
「大地殿、もし恒星間戦争へ発展した場合には私達も協力を惜しまないと約束しましょう。ロランと∀、コレンを戦力として投入すれば良い結果になるでしょう。」
そのディアナの言葉に大地も椅子から立ち上がり片腕をディアナの方へ差し出し返答する。
「∀とロラン殿、コレンさんも協力してくださるなら百人力、いや千人力でしょうな。決して悪い方向にいかないよう最善を尽くす所存です。正式な協力状態になったと解釈しても?」
「ええ、そう捉えていただいて構いません。それに我々もかなりの援助をしてもらった身です。これくらいはお返ししないと釣り合いませんよ。」
そう言い、ディアナは大地の差し出してきた手を握り返し握手をした。
すると、コレンが大地へ近づいて腕を肩に回してくる。
「良かったな!大地!」
「えぇ、嬉しいです!こうして協力してくれる心強い味方が出来たんですからね。」
それに対して大地は嬉しそうな表情で対応していた。
その後、大地達は今後なにかあった場合の対応案などを考え意見交換をした後、ハンガーへ移動しロランにディアナ、コレンは∀のと共にワープで地球へ帰還していった。
それを見届けた大地は一息吐くと、ルナが実体化してきたので話しかける。
「それで、首尾はどうだったんだい?」
<ばっちりだよ大地、∀からテレポートの技術供与を受けれたからね。大地の考え通り、地球静止衛星軌道上から地上の間なら仮に存在するとしても銀河ネットワークには感知もされないし接続もできないみたい。>
「そうか、それならよかった。ターンX」
ー肯定、既に転送ゲートの設計図の作製を行っております。20分程で完成予定ですのでその際はご確認ください。ー
「ありがとう!これで地球との流通がスムーズになるから一安心だよ。」
大地とディアナ達が話している間に、ルナにお願いして以前から考えていた∀達からテレポートの技術について技術供与ができないかの確認をお願いしていた。
結果としては、ターンXとルナ、転送ゲートのみの使用に限定されるが許可が下りためにデータをターンXを受け取っていた。
そして、大地はふと思い出して声を発した。
「そういえば、俺かなり前の夢の中でしか∀のコア……アースちゃんだったっけ?その子に合わずに帰してしまったね……」
<あ……>
ーそうですね……失念しておりました。ー
「まぁ、次回合う機会があったらその時に話をしようかな。」
ーメモリーに保管しておきます。ー
「お願いね。」
ー肯定、記録しました。ー
こうして、大地はハンガー内の核ミサイル収納コンテナをムットゥー達にギャルセゾンへ積み込むように指示した後、データ室へ向かいルナ、ターンX協力の元転送ゲートの作成に取り掛かった。
~2日後~
大地は、月面港の外で束と千冬と3人でISを展開し立っていた。
何故千冬がここにいるかと言うと、MR社へ定期報告のためIS戦技訓練校を休んで出社して来た所を束が連れてきたからである。
3人の視界の前には静止衛星軌道上に配置したヘルメスユニットと同様の物が設置されており、そのカタパルトは地球ではなく遥か宇宙の彼方を指し示していた。
そう、準備が完了したムットゥー達火星探査部隊が今から出発するのである。
「だー君、ついに火星にまでMSを送り込むんだね。しかも束さんの知らない形のMSだ~!後でデータ頂戴!」
「あれは、ムットゥーって言うんだ。この世界では初の可変MSになるよ。データはあとで簡易的なものを送るよ。」
「可変?つまり変形をするという事か大地?」
「そうだよ千冬さん。変形することによって高速で動けるようになるんだ。そのおかげでスペック上単機で火星の大気圏を突破して衛星軌道まで上がってこれるんだ。」
「大地はもう、束と一緒で地球を滅ぼせそうだな……」
「そんなことはしないよ。2人に危害を及ぼそうとする輩が現れるなら話は別だけど……」
「しれっと恐ろしいことを言うな。」
「まぁまぁちーちゃん!それだけ私達が愛されているってことだよ!」
「……っ束さん!」
「……ま、まぁそういう事なら……!」
こうして会話していると、ムットゥー達の最終確認が終わったのか4機のムットゥーがギャルセゾンに可変した状態で乗り込み始める。
なお、1度にギャルセゾンを3機射出するためギャルセゾンは大きなプレート状の射出補助板の上に縦に整列し接続されていた。
ギャルセゾンへの搭乗が完了すると、オープン回線で確認作業が始まる。
「ギャルセゾン1から2、3へ。最終確認を報告せよ。」
「ギャルセゾン2、ムットゥー3、4の接続確認。最終安全固定ベルト動作正常。各部及び各システムオールグリーン。」
「ギャルセゾン3、搭載衛星及び整備部品コンテナ、特殊作戦用コンテナ固定完了。最終安全固定ベルト動作正常。コンテナ内最終スキャン開始、スキャン完了。コンテナ内冷却システム異常なし。各部及び各システムオールグリーン。」
「ギャルセゾン1了解。MS部隊へ、最終確認をせよ。」
「ムットゥー1、2。ギャルセゾン1への接続問題なし。機体各部及び各システムオールグリーン。」
「ムットゥー3、4。ギャルセゾン2への接続問題なし。機体各部及び各システムオールグリーン。」
「ギャルセゾン1了解。大地様、準備が整いました。」
調査部隊の最終チェックが完了し、大地はふわりと浮き上がると調査部隊の左横で静止し声をかける。
「皆、過酷な任務になると思うけど、生存と情報秘匿を最優先にして無事帰ってくることを願うよ。調査部隊の任務完遂を祈る!」
「肯定。お任せください!」
大地はそう言い切ると左腕をカタパルトの進行先へ左腕を広げる。
すると、ターンXから通信が入る。
ーマスドライバーユニット、充填エネルギー臨界点へ到達。公転周期データ最終確認、照準微調整開始……調整完了。最終安全回路接続、各電圧正常値を確認。システムオールグリーン。射出します。ー
ターンXの発言後、マスドライバーから3機のギャルセゾンを乗せた射出補助板がすごい勢いで加速し、そのまま宇宙の彼方へ飛び出していった。
宇宙空間のため、射出した音などは大地達は感じることはできなかったが凄い速さで射出されたため、調査部隊はすぐに視界から見えなくなってしまった。
それを見届けた大地は、振り返って束と千冬の元へ行き月面基地へと帰投した。
火星の本格的調査が始まった。
次回へ続く
お読みいただきありがとうございます。
2026年になりましたね、今年もよろしくお願いします。
引き続き、年始のためバタバタして投稿頻度が落ち気味になりますが、今年も沢山妄想垂れ流して自給自足していく所存でございます。
原作突入まで後どのくらいかかるんだろうか……ははは
【御礼】
前話、前前話にて誤字のご指摘、誠にありがとうございます。
引き続きになってしまいますが、誤字などを見つけた際は是非ご指摘の程よろしくお願いします。