IS‐ターンXと行く月面開拓‐   作:かげう

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32話ー月面防衛戦ー

 

 波、と言うのが妥当な表現であろう。

 

 轟音と共に粉塵から飛び出してきたのは押し寄せる波のごとく月面を埋め尽くす大量のBETAだった。

 その種類も多彩で、大きな緑色の甲殻を持ちサイのような見た目をした突撃級、サソリのような前腕を持ち、尾の部分に顔のような器官を備えた要撃級、他の個体より小型だが全体的に赤みを帯びた肌に人のような腕と胴体部に大きな口のような器官を持つ戦車級。

 落着したばかりだと言うのにこの出現量を見て、大地は驚いていた。

 

「……凄い数だな。」

<粉塵の中までは計測できてないけど、粉塵から突破してきた個体達だけで1個大隊はいるよ。後続も続々と粉塵から出て来ているね。師団規模を予想してるから計算上、現状戦力で対応可能だよ!>

「凄いな……作品では知っていたけど、この物量に対して戦術機で対応していた衛士は凄いと改めて思ったよ……落着したのが1つだけでよかったよ、2つでも現状厳しい戦闘になりそうだ。ターンX、指揮は任せたよ。」

ー肯定、各機へ、ウォドム隊のビーム砲撃一斉射後、ムットゥー隊は戦線を押し上げる。アスピーテは支援砲撃を開始しつつ戦線に合わせ前進。上空の哨戒、迎撃艦隊は落着予想地点へミサイル攻撃を開始、BETAの排出を妨害せよ。マヒロー隊及びグリムエッジ部隊は指示があるまで待機。ー

 

 ターンXの指示で各部隊が動き始め、ウォドム隊が射撃体勢に入る。

 各ウォドムの頭部メガ粒子砲カバーが前に倒れるように開き、砲身が露わになる。

 そして次の瞬間。

 

デュオォォォォォォォォォォォン!

 

 ウォドム隊による十数本のメガ粒子砲による閃光が侵攻してくるBETA群の先方へ突き進む。

 そしてその閃光は先陣を切って向かってくる突撃級達に触れると甲殻により一瞬だけ拡散されるがそのまま融解し、突撃級と後ろに追従していた要撃級と戦車級をも塵へと変えた。 だが、BETA群はそんなこともお構いなしに前進を続ける。

 そして、ウォドム隊のメガ粒子砲のリチャージタイミングでムットゥー隊が突撃、ウォドム隊の開けた穴をさらに広げ、本体落着ポイントへは上空からのミサイル攻撃が降り注ぐ。

 その頃には粉塵はおおよそ地面へ落ち切り、月面に放出されたBETA群の全体が見え始める。

 目視で見える範囲に本体部は見えておらず、落下の衝撃で地中深くへ潜り、更に潜行しているのか落着地点からのミサイルに対する迎撃行動は確認できず、ウォドム隊のソナーからは地中で動く存在が観測されていた。

 月面上に展開したBETA群を70%程殲滅したあたりでターンXでビーム攻撃をしていた大地が戦術MAPを見ながら呟く。

 

「思ったより、月面部のBETA群殲滅が早いね。」

<確かに、火星で観測していた、対ビーム個体達も少ないよね。光線級も落着してから一度も見ていないし。>

ー肯定、現在殲滅率は75%。艦隊攻撃により本体部からの増援は絞られています。現在対ビーム個体も少数であり、火星で観測された物より耐性は低いようです。光線級はおそらく本体周辺で防衛に配置されていると推定。ー

 

 ルナとターンXと意見交換しつつ、ルナやターンXが懸念していた対ビーム個体の数の少なさに大地は少し肩透かしを喰らった気分であった。

 

 フォボス在中の部隊から送られてくる火星BETA群及びモビルアーマー群の戦闘の観測で約1年程前からビームを弾く甲殻を持った個体が少数だが確認されていた。

 始めは突撃級の甲殻を腕部に持ち、ハシュマルのビーム数秒弾く通常より2回りほど大きな要撃級の個体の出現から始まり、今では要撃級の完全戦闘仕様個体、現状『騎士級』と呼ばれる個体が各師団規模のBETA群に1大隊程の数が配備されいている事が確認されている。

 騎士級の特徴としては、大きくなった体躯に合わせて両腕部に縦分割したビーム耐性のある突撃級の甲殻を盾のように装備し、突撃時は前方に甲殻を合体させ展開する。

 胴体後部に配置されていた頭部の様な器官は胴体全部に配置され、胴体の一部も甲殻で覆われていた。

 特徴的なのは、胴体後部に要塞級と呼ばれる大型BETA個体が装備する自在に伸縮し、強酸を吐き出す鋭利な衝角が付けられており、大地がその映像を見た瞬間ゲーム、ゴッドイーターに登場する『ボルグ・カムラン』かよと零していた。

 モビルアーマー群の襲撃時はこの騎士級が率先して突撃級と共に先陣を切り、子機であるプルーマ達は容易に撃破され、一定数以上の騎士級に囲まれたハシュマルも何度か撤退を行っているほどである。

 また、少し前からモビルアーマー群の前線基地と思われる場所で未確認のモビルアーマーがもう1体確認されているが、それとの交戦は起きていない模様である。

 他にも、ビームを弾く大型の突撃級などが確認されているが、BETA側も試行錯誤中なのか1~2体ほどしか現状確認されていない。

 

「騎士級が居ると思ったんだけどな……やはり落着したばかりの本体による生産はコストが高くてできないのかな?」

<多分ね、もしかしたら1~2体は居るかもしれないけど。私なら本体の防衛につかせるかな。>

ー肯定、本機もそう考えます。大地様、殲滅率が80%を超えました。マヒロー隊及びグリムエッジ部隊を出します。ー

「わかった。俺も後続で突入部隊に続くよ。ターンXのセンサーならBETAの詳細なデータをとれるだろうからね。」

ーあまり肯定したくありませんが、本機とルナがサポートします。行きましょう。ー

<こうなったら大地聞かないもんね~、大地らしいけど。>

 

 こうして、大地はアスピーテから発艦する5機のメッサーで編成されたグリムエッジ部隊とマヒロー隊で編成された侵攻部隊の後方に位置取り、ターンXで発艦した。

 そして、ターンXにより残党BETAの捕獲をウォドム隊とムットゥー隊に指示し、その後アスピーテにて補給後、ハイヴ入り口の包囲を指示した。

 

 そして、ウォドム隊とムットゥー隊のおかげで掃討されたBETA達の亡骸を飛び越して本体の落着ポイントへ到達。

 ギャルセゾンに搭乗して向かっていたメッサー達は自由降下をして本体潜行部『ハイヴ』へ侵入し始めた。

 

「こちらメッサー1より勇敢なる同志諸君。これより我らグリムエッジ部隊の初任務!ハイヴ攻略戦を開始する。我々の任務はただ一つ、ハイヴ最下層に居ると思われるBETA落着ユニット本体へ、無傷で大地様及びルナ様、ターンX様をお連れすることだ。我々の進軍を邪魔するBETAは携行火器で薙ぎ払え、ビームが効かない相手はミンチドリルで削り取れ!大地様の納めるこの月面に土足で踏み込んできた事を後悔させてやれ!各機!我に続け!」

「「ウーーラーー!!」」

 

 自我を持たせたAIの駆るメッサー達の勢いよくスラスターを吹かしてハイヴへ突入する姿を見て、マヒロー隊と大地は口をあんぐり開けて見ていたように固まっていた。

 

「普段話してたメッサー達と全然雰囲気が違うんだけど……戦いで性格変わるのかな?あはは……」

<大地……思考プロセスなんか弄った?>

ー肯定、これは本機も予想外です。任務終了後思考プロセスのリセットを行いますか?ー

「あはは……今後地球で秘密裏に活動してもらいたくて参考資料が欲しいって言われたから特殊部隊とかが主役の映画やアニメのデータを渡した位だけど……まぁ個性があって良いと思うからリセットしなくて良いよ。」

ー肯定。ー

 

 大地が苦笑いしながらルナやターンXと話している中、突入したグリムエッジ隊に続きマヒロー隊も突入したことを確認して大地もハイヴ内へ侵入するのであった。

 

 

~ハイヴ内部~

 

 

 大地達がハイヴへ突入してから約1時間程が経過した。

 突入部隊がBETA群を殲滅した道を大地が着いていく形になっているが、大地の目の前の光景は圧巻であった。

 

「こちらメッサー4!要塞級を撃破!損害軽微!」

「こちらメッサー2!下層部への進路確保!ライフルリロード!メッサー3カバーせよ!」

「こちらメッサー3!カバーする!下層部より新たなBETA群確認!突撃級!」

「こちらメッサー1!同士諸君!マヒロー隊と集中射撃を開始!」

「こちらメッサー5!突撃級後方に要撃級に護衛された光線級を確認!全機注意されたし!」

 

 グリムエッジ隊の圧倒的な殲滅力とマヒロー隊の支援で正直、大地は『俺、いらねぇんじゃね?』と思うほどには順調にハイヴを攻略していた。

 だが、1つ大地には疑問があった。

 

「これ、原作よりかなりの速さで地上潜行してないか……もしかして本体を母艦級BETAに搭載して無理やり高速潜行しているのか?」

<その可能性はあるね、大地の知識だと、BETAってシャフトって呼ばれる縦穴を掘削してその後にドリフトって呼ばれる横抗や、ホールと呼ばれる広間を形成していくんだよね?でもこの形って……>

「あぁ、そのはずなんだが……」

 

 ルナと大地は会話しながら、今まで進軍したハイヴ内のMAPデータを見る。

 そこには、シャフトと思われる物が螺旋状に地下を目指しているデータが表示されていた。

 おそらくこれも、火星でBETAが学んだことの一つなのだろうと大地は推測した。 

 火星での観測で、この落着ユニットが飛ばされる前に火星で新たに新造されてすぐのハイヴにハシュマルが突貫しシャフトを見下ろす形で地上からビームを連発、ハイヴを機能停止状態にしたことがあった。

 そのため、対策として新造ハイヴ初期の本体部を地下深くへ移動する際に直線的なルートを避けてビーム兵器対策を行ったものだと考えた。

 大地が思考していると、ターンXから報告が上がる。

 

ー大地様、潜行音源推定距離約500m先です。本体部より新たなBETA排出を確認、音紋照合……未確認個体です。要塞級より小さく、突撃級より大きい個体……騎士級と推定…数3。ー

「ついに来なすったか……ターンX、試してみたいことがあるから騎士級1体を俺達で撃破しよう。」

ー肯定、思考を読み取りました。各機に伝達します。ー

 

 ターンXの報告後大地は身構え、ターンXの指示でメッサー隊は射撃をマヒロー隊へ任せて自分たちはビームライフルを格納、それぞれがビームサーベルやミンチドリルへ持ち替えた。

 数十秒経ったあたりで、前方のシャフトのカーブから3体の騎士級が盾を構えつつ突撃してきた。

 即座に、メッサー達が騎士級を囲い込むような陣形になりミンチドリルを持ったメッサーに僚機としてビームサーベルを持ったメッサーが傍について騎士級を向かい打つ。

 

ドカァァンン!ギャリリリリリリリリリ!

 

 メッサーが突き出したミンチドリルと、騎士級の盾がぶつかり合い、空気がないため音はしないが地響きのように機体内に響く衝突の振動と共に、ハイヴ内に激しい火花が散りMSの照明以外の明かりがないハイヴ内を明るくする。

 大地の記憶によると、BETAの甲殻はモース硬度15以上(ダイヤモンドが10)と言うとてつもない硬さを誇っているが月面地下で何度も岩盤や金属鉱物を砕き、削り、何度も破損を経験し改修されていたミンチドリルにとっては厚めの岩盤位の感覚のようだ。

 数秒の接触ではあるものの、メッサーのミンチドリルが騎士級の盾をみるみるうちに削り取り始め、辺りに破片が飛散する。

 

「少し硬いが!それだけだ!各機、衝角攻撃に注意しつつ騎士級を抑え込め!」

「「ウーーラーーー!」」

 

 メッサー達が騎士級をミンチドリルで抑え込んでいると、騎士級の後方から要塞級と同様の衝角が伸びてきてミンチドリルを装備するメッサー1を貫こうとする。

 

ブオォン!ザシュゥゥゥゥゥゥ!

 

「我々は複数なのだ!やらせはせん!」

 

 ミンチドリル装備機の僚機として配置されたメッサー2が、衝角の伸びた触手部をビームサーベルで切り裂いてそのまま騎士級へ飛び掛かる。

 スラスターを吹かして飛び、頭部へビームサーベルを振り下ろすが頭部を覆っていた甲殻にサーベルが触れた瞬間、サーベル状に形成したビームが形を変えて湾曲する。

 だが、触れ続けている部分の甲殻が徐々に赤熱化していき数秒もせずに融解したが、その間に騎士級が一気に後方へ飛びのき互いに距離ができる。

 

「データを各機へ伝達!騎士級へのビームサーベル攻撃は突きが有効と判断。頭部甲殻のサーベルに対する切り掛かり耐久時間2.8秒!突きの場合さらに短縮と予想。」

 

 メッサー2の報告で、2体目の騎士級に飛び掛かっていたメッサー4が突き攻撃へと変更し、騎士級の頭部甲殻へビームサーベルを突き当てながら出力を最大に上げた。

 すると、1秒程の時間で甲殻を融解させつつ内部へ貫通、数秒暴れまわった騎士級だったが、そのまま崩れ落ちて沈黙した。

 

「こちらメッサー4!騎士級を撃破!メッサー3と共にメッサー1の支援へ向かう!」

 

 そして、メッサー達が1体目の騎士級へ火力を集中させていた頃、大地はメッサー5と共に3体目の騎士級を相手取っていた。

 

「メッサー5より大地様へ、本当に受け止めるだけでよろしいのですか?」

「大丈夫だよ、メッサー5。無策ってわけじゃないし、他のメッサーたちと同じく、ミンチドリルで足止めしてくれたらそのまま俺がターンXで狩るから。行くよターンX。」

「ウーーラーー!」

ー肯定、ジェネレーター出力を戦闘出力へ移行。ー

 

 そして、メッサー5が騎士級の突撃をミンチドリルで受け止めた後、大地はそのままターンXの身体をバラバラに分離し、素早く溶断破砕マニュピレーターで尻尾の衝角を切り裂くと、そのまま頭部以外の各ユニットが騎士級へ触れる。

 そのタイミングでメッサー5が後方へジャンプし距離を取ったと思うと騎士級の身体に紫電が走りまるで感電しているかのようにびくびくと身体を跳ねさせ始める。

 

「うわぁ……劇中で∀が動けなくなっていたけど……BETAにやるとこうなるのね……」

ー肯定、強制的に電磁パルスを用いて内部まで観測するシステムですので炭素系の生物に近い構造のBETA相手だとこうなります。ー

<なんか……凄い動きだね……内部構造と材質データの70%を取得。欲しい情報は大体手に入ったよ!>

「ありがとうルナ、それじゃぁ終わりにしようか。」

 

 ルナの報告を受けた大地は、再度ターンXの四肢を合体させてMS状態に戻ると解放された騎士級は迷うことなく盾を構えてターンXへ突っ込んでくる。

 それを見た大地は、迎え撃つように突撃し溶断破砕マニュピレーターを展開させ、騎士級の盾を真正面から受け止める。

 そして一気に両足を地面へめり込ませるほどに踏ん張りを居れると騎士級が徐々に地面から足が浮き上がる。

 徐々に浮き上がり足をワタワタとばたつかせ始めると騎士級に対して大地の駆るターンXはお構いなしに真上まで持ち上げると溶断破砕マニュピレーターによるビーム破砕フィールドを形成し出力を上げ始める。

 

「その装甲……どこまで耐えれるかな?」

 

 コックピット内でルナの頭部装甲内部の大地の表情にやりと笑う。

 徐々にビーム破砕フィールドの出力が上がり、ターンXから逃れようとしていた騎士級の動きが、数秒も経たずにもだえ苦しむかのような動きに変わり始める。

 可動部である甲殻が配置されず露出した皮膚のような部分が徐々にボコボコと膨れ上がり、じわじわと体液が吹き出し始める。

 

「ビーム破砕フィールド出力40%……耐性は高いな。メッサーやマヒローのビーム出力だと融解・貫通させるのは苦労しそうだ……そうだ、あのセリフを言わないと……!」

<また始まった……>

ー肯定……まぁ本機の登録名称はあってますから許してあげてくださいルナ。ー

 

 ルナとターンXの言葉を聞き流しながら、大地は一度騎士級を宙へ放り投げて落下してくる騎士級の頭部へ溶断破砕マニュピレーターの出力を一気に上げて突き出す。

 

「シャイニング!!フィンガァァァァーーーーーー!」

 

ビジジジジ!!ブシュゥゥ!ドッパァァァァァーーーン!

 

 ターンXの溶断破砕マニュピレーターが騎士級の頭部を掴んだかと思った瞬間、騎士級は掴まれた頭部の対ビーム甲殻に亀裂が入り砕け散ると同時に胴体が内側から破裂し、支えを失った甲殻部が地面へと落ちていきターンXはBETAの体液で真っ赤に機体を塗り替える。

 数秒後、大地は溶断破砕マニュピレーターを見つめながらターンXのメインカメラを光らせつつ呟く。

 

「ほう、シャイニングフィンガーとはこういうものか……!」

 

 大地のセリフと共に目の前で起きた光景を見て、ターンXとルナは呆れ、メッサー5は言葉を失っているように立ち尽くしていた。

 

ー大地様……ー

「どうしたのターンX ?」

ー後で本機を大地様が洗ってくださるのですよね?ー

「え……あ……」

ー自分で汚した愛機を洗わない主人などおりませんよね?ー

「……スゥーーーー……後程ピカピカにさせていただきます。」

ー肯定、楽しみにしております。ー

<あはは……私でやってても同じ反応だよ大地……>

「……返す言葉もございません。」

 

 立ち尽くすメッサー5を尻目に静かにキレたターンXと同情するルナと言うなんとも閉まらない状態の中、メッサー1から報告が入る。

 

「こちらメッサー1!騎士級2体の排除を完了しました!」

「あ、ありがとう!これで残すは本体だけだな…(ビー!ビー!ビー!)なんだ!?」

 

 メッサー1の報告で難を逃れようとした大地の乗るコックピット内に警報音が鳴り響く。

 

ー状況確認……本体部より高エネルギー反応及び重力波急激増大を確認。本体部ジェネレーター部位臨界による自爆行動と判断。各機至急退避せよ。大地様後退を!ー

「なんだと!?」

<大地!早く逃げよう!現在本体部を中心に0.8Gの引力を確認!引力上昇中!このままだと皆本体に吸い寄せられちゃう!>

 

 ターンXとルナからの報告で大地は一瞬で思考速度を高速化し現状を整理する。

 

(現在居るのは螺旋状の地下構造、メッサーもマヒローも速度は出せる機体だけど螺旋状で狭いハイヴ内を本体が爆発する前に刻一刻と上昇する引力を振り切って脱出出来るのか?それにハイヴ入口にもMS部隊とアスピーテがいる……部隊をまとめてテレポートって手は……本体の重力波の影響で部隊ごと転移できるほど空間に干渉できないから無理か……それにこの現象はおそらくマブラヴで登場したG元素ってのを使用した爆弾のG弾に似ていると考えればおそらく加害半径は数km~数十㎞はくだらない……どうすれば……いや待てよ……消せればいいのでは?ターンX!ルナ!)

 

 ある程度思考した大地は、ターンXとルナへ思考を伝達する。

 

ー肯定、システムロックを解除をルナへ申請。ー

<わかったよ大地、この方法しかなさそうだね。ルナからターンXへシステムロック解除を承認!>

「よし……二人とも行くぞ!グリムエッジ隊とマヒロー隊は速やかにハイヴより退避を開始!」

「メッサー1より大地様へ!ご武運を!」

「マヒロー隊!ラージャ!ラージャ!」

 

 こうして、グリムエッジ隊とマヒロー隊が撤退したのを確認後、大地の駆るターンXのバイザーから赤い光が灯る。

 それと同時に、目の前のハイヴ最奥にあると思われる本体部から紫とも黒ともいえるような光が紫電を纏いながら広がっている光景が見えた。

 

「まさかこれを∀戦以外で使うとは思わなかったけど……BETAの技術が手に入らなかったのは惜しいけど……やるか……」

<システムロック正常に解除!演算サポート開始、何時でも行けるよ!>

ー肯定、システムロック解除を確認、キャラパスユニットをパージ、ジェネレーター出力限定マキシマイズ、始動タイミングを大地様へ譲渡。いつでもどうぞ。ー

 

 ターンXが背部のキャラパスをパージしてハイヴ最奥に対して背を向けて立つとバイザーの赤色は更に明るくなり胸のX字状の装甲継ぎ目が虹色に発光し始め、周囲に鈴の音が鳴り響く。

 そして……

 

「月光蝶……起動!」

 

 ターンXの背部からナノマシンの奔流が吹き出した。

 

 

次回へ続く

 

 

~MR社医務室~ 

 

「だーかーらー!アタシが看病しているから大丈夫って言ってるでしょ!」

「ならん!私が看病をすると決めてここにいるのだ!お前こそ実家の手伝いに帰ったらどうだ!」

「今日は手伝いの無い日なの!あんたこそ鍛錬鍛錬って毎日言ってるんだから今日も鍛錬に行ったらどうなの!?」

「う、うるさい!今日は鍛錬をしなくても大丈夫な日なのだ!」

「はぁ!?ご都合主義にも限度ってもんがあるわよこの侍娘!」

「なんだと!?」

「なによぉ!?」

 

「ごほっごほっ……箒、鈴……2人とも…勘弁してくれ……」

 

「「一夏、うるさい!」」

 

「うるせぇのはテメェらだ!」

 

ゴチン!ゴチン!

 

「っ~~~~!?あ、あんた誰よ!」

「うぅ……ご、ごめんなさいオータムさん。」

 

「私は、今日一夏の坊主の看病を社長から任されてる秘書のオータムだ。病室でこんな騒ぎやがって!喧嘩するなら外でやって来い!次うるさくしたら……(ゴキゴキ)」

 

「「ご!ごめんなさい!」」

 

「ったく、スコールに言われてなきゃガキのお守なんて断ってるのによ……ってなんだよ一夏の坊主、熱でも上がったか?」

「ごほっ……い、いえ……な、なんでもないです…///」

「はん!色気づきやがって……あたしはスコール一筋だ……諦めな。はぁ……社長と言いこいつと言い……ここの男はどうして複数の女と……はぁ考えても仕方がねぇか、どうもガキの扱いは苦手だなぁ……社長の野郎早く帰って来いってんだ……」

 




 お読みいただきありがとうございます。

 除雪とは終わりの見えぬ戦いである……と毎年思いながら春がいち早く来ることを願っています。

 まさかここまで見てくださったり、評価、感想等々をくださる方々が沢山いて私本当びっくりでございます。
 本当にありがとうございます。

 今後ともゆっくりとですが更新していきますので、私の妄想自給自足をよろしくお願い致します。
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