スコールとの戦闘を終えてから数日、報告上出張から帰ってきたオータムと数日休んでいたスコールが出社してきて何事もなかったように業務を再開していた。
時折、スコールからの視線に熱がこもっているような気もしたり、それと同時にオータムから憎悪のような視線を向けられているような気もしたけど気にせずに大地は仕事を行い、ちょっと里帰りしてくると2人へ言い残し、大地は束に誘われて千冬、マドカ、クロエの5人で月面へ来ていた。
なお、先日のスコールとの一件後の後日、クロエは無事に目を覚まし大地と束は謝罪、クロエも自身の状況を理解し、束の義妹になる事を了承。
現在は、篠ノ之クロエとしての手続き中のためにマドカ同様にMR社にて保護をして居る状態であった。
なお、当初は大地、千冬、束の3人で行く予定だったが出発時にMR社内を探索していた2人に見つかり連れて行ってほしいとせがまれたので大地が了承した形である。
月面基地に着くなり、マドカとクロエがMSハンガーにずらりと並ぶウォドムやマヒロー、メッサー達を見て怯える表情を見せたが、各機体達が優しい口調で同胞達について謝罪を行い、今2人は『戦闘訓練みたいで楽しい!』と低重力下でいつもより跳躍できることを良いことに各機体の装甲の上を走り回り時折落ちそうになるのをMSが受け止めたりして楽しんでいる。
大地は内心、『やんちゃか!』と呟きながらどうも怒れないこの感情を咀嚼していた。
なお、束は笑顔で見守り、千冬は少し眉を引くつかされていた。
そして、2人がある程度満足したあたりで、千冬が最近仕事で使っているバインダーが炸裂、スパーンと小気味よい音と共に2人はもれなく撃沈し、ありがたい説教後にMSハンガー奥に存在する居住区画へと進んだ。
それを見た大地は、『あれがいずれシュッセキボになるのかな……なるんだよね?』と思考していたのは内緒だ。
月面港内部の月面基地は、徐々に内部空間が掘削により広げられ今では居住可能空間は小さな町程の大きさになり、月地下での人工光による多数の植物栽培実験や、事故で宇宙空間に放り出されても数週間生存可能な機密性の高いシェルター機能付き住居、MSの部分的なパーツやIS用の大型作業重機ユニットなど、今後の人類宇宙進出に必要そうな技術を作り、設置されたりしていた。
そして、時折兎をモチーフにした建物なども見当たり、その付近ではBOIDとは違う小さな兎型のロボットが作業などしている。
建設系のゲームとかでありがちな作業ラインとかしっかり作るけど、居住区画がただの寝るところ兼処分に困った試作品の保管庫となり果てている奴である。
それを見た千冬はジト目で元凶と思われる2人を見つめる。
「おい、2人ともやりすぎではないか?それより、私に内緒で随分と2人で楽しんでいたようだな?……申し開きはあるか?」
千冬のその言葉に、大地と束は少しばかり冷や汗を流しながら言い訳を始める。
「こ、これはだね?千冬さんが国家代表として各地を回っていた時の手すき時間で俺の住んでたところの拡張を行っていずれ町みたいなのを作ろうとしていただけなんだ……ついでにいろんな地球だと見つかったらまずい物とかの実験も行おうと思ってだね……」
「そ、そうだよ!ちーちゃん!束さんも基本MR社内のR&C社か軌道上のウドガルドでしか作業してないし!た、たまたまだー君が月に行くのに便乗してちょっと低重力下でしか作れない材質の研究とか、ここの施設でしか製造できるISナノスキンの製造に手を加えたりとか!色々会社のために働いていたのです!」
「で?楽しかったのか?」
「「もちろん!……あっ…」」
2人の懸命な言い訳に対して、バインダーではなく鉄拳と暮桜部分展開鉄拳が発動したのは言うまでもないだろう。
なお、その光景を見ていたマドカとクロエはしばらく千冬から距離を取っていたが『そこの馬鹿二人のようなことをしなければこんなことはせん。』という言葉で首をぶんぶんと縦に振るのであった。
そして、しばらく施設を見て歩いた5人は束の作った施設にあるISに装備させる前提の大型宇宙空間作業用工具や、大地の施設にあった今後の宇宙進出計画案の書類の束などを見て千冬が再度鉄拳を振ろうとしたが束が試作機の試験をお願いしたため、なくなく拳を引っ込めた千冬を連れて月面へと向かったのだった。
〜月面部〜
月面港から少し離れた起伏の少ない平野部に大地、千冬、束の3人は各々ISを纏い、サポート役としてターンXとウォドム1機、モビル・リブ1機という構成で訪れていた。
「やっぱり月面は良いな……気分が落ち着く。」
<大地って本当に月面が好きだね~、私も好きだよ~!>
ー肯定、前の世界もそうでしたが、ここは変わりません。当機も好ましく思います。ー
大地が、ルナとターンXの頭部の上に乗り、3人で付近の高い岩場から月面を眺めながら話していると大地の後方から束の声がオープンチャンネルの通信が響いた。
「ウォー君!その土台に腕部を接続するから腕部はそのまま保持してて!リブ君はそのまま土台との接続作業しちゃって!ちーちゃんは暮桜に送った操作データを確認してね!」
「ウォー君……こちらウォドム了解。」
「こちらリブ君。固定作業を開始。ウォドムへ、腕部を下方へ5㎝移動願います。」
「なぁ、束……これはなんなんだ?試験型MIS……と書かれているが?」
束とその補佐をしているウォドム達、そして何やら資料を読んで訝しんでいる千冬を見て、大地は首をかしげていた。
大地の視線の先には、鉄骨で作られた土台の真ん中に千冬の暮桜がいろんなケーブルにつながれており、そのケーブルは土台上部に接続されている途中のMSサイズの腕部パーツだった。
「MIS……?なんだろうそれ?」
<メッサーを受け取ってからすぐに束が腕部とコックピットを分解して何かしているのは見ていたけど……もしかして私達みたいな構想?>
ー束が月面生産施設にここ数日で追加発注したパーツ類を参照……参照完了。ルナの推測が正しいかと。ー
「ってことは、思考操作型のMSに近い感じか……」
大地はそう言いつつ、作業していた束達の元へ移動した。
ちなみに、マドカとクロエも同行している。
マドカは、鹵獲したラファールに搭乗してウォドムの頭部にちょこんと座り様子を眺めている。
クロエは、黒鍵が装甲を持たない特殊なISのため生身で宇宙空間を飛行することが可能だが、見ている大地達が不安に感じたため現在はノーマルスーツを着てウォドムのコックピット内に居る。
大地が束の元へターンXから下りて着陸すると、土台に腕部と暮桜の接続が完了したのか近くにあるコンソールで束が『はじめるよ~!』と言っていた。
「それじゃぁちーちゃん!まずは自分右手を動かさずに右手を動かす動作を想像してみて!その後は左手も似た感じに!」
「む……イメージトレーニングの様な感じか?……こんな感じか?」
束の指示で千冬が目を瞑って少しすると、ガコンとゆっくり土台に接続され垂れ下がっていた右腕が動き始める。
そして、数回肘を曲げたりマニュピレーターを握ったり開いたりした後に千冬は目を開いて腕部の動きを確かめる。
「驚いた……私はイメージをしているだけなんだが、こうも簡単に動いてくれるものなのだな。自分にもう1つ腕が生えたような感覚だ。」
そう言って千冬は、左手も動かし始めて武道の構えをしたり正拳突きをしたりして感覚を確かめ始めつつ、自身の纏う暮桜で別の動きを同時にし始める。
「あはは、流石ちーちゃんだね!もう順応したみたいだ!反応速度とかどうかな?」
「ふむ……ISと違って反応速度が遅い気がするな。それに動力をシールドエネルギーに依存しているせいか少し動かしただけでシールドエネルギーを消耗しているな。」
「なるほどね~!そこはまだまだ改善の余地があるかな~!初めて触る技術体系だからちょっと駆動系の最適化が追い付いてないみたい。OSの書き換えか、接続形式の見直しかな~。早く試験したかったから即興感が裏目に出ちゃった。動力は今後改善の余地があるから気にしないことにします!次いってみよう!」
束は、千冬に確認を取るとそのまま設置したコンソールを操作する。
すると、MS腕部の外側装甲が開くとそこからはMMPマシンガンの砲身が飛び出し、少し離れたところに的が出現する。
「お、おい束。これはなんだ?」
「見ての通りだよ?腕部内蔵型マシンガン!かっこいいと思ってつけちゃいましたイエイ!」
「束……後で説教だ。」
「束さん俺もそれ聞いてない……どこからそのMMP持ってきたの……?」
束の行動にジト目で睨む千冬と、束のISである群咲の肩装甲ががしりと大地が纏うムーンブロッサムのマニュピレーターに掴まれる。
掴まれた束は、ギギギと鈍い音を立てるかのように大地に振り返りながら上目図解ですり寄る。
「だってだってさ!だー君だってわかるよね!?腕部内蔵の隠し機関銃なんてかっこいいと思わない?それにそれにさ!格闘戦とか主眼に置いてるならこういう懐に飛び込める隙を作れる武装って理にかなってない?指をマシンガンとかレーザー発射器に変えるアイデアもあったけど!なんか脳内にそれはやめとけって響いてさ!メンテナンス性も考えた結果こうなったのです!わかってくれるよね?ね!?」
「確かに理にかなってる……しかもどこかの世界戦の坊やの思念まで受け取っててちょっと思うところはあるが……まぁそこは置いておいて、そのマシンガンは自分で作ったの?」
「いんや!心優しいMSから借り受けたのです!マー君達って優しいよね!」
「束さん……後で説教ね。」
「そんなー!」
ガーンと効果音がなりそうな程口をあんぐり開けて残念な表情になる束に対して、大地はターンXへ振り返り通信する。
「ターンX、ちょっとウドガルドに駐留しているマヒロー隊に確認を取って。MMPを装備しているマヒロー隊はウドガルドに駐留している部隊だけなはずだよね?」
ー肯定、現在確認中…………確認完了。ウドガルド駐留マヒロー隊が2丁ほど束に譲渡されています。これは私も検知できない程隠密に済ませていた様子。当機の落ち度でもあります。申し訳ございません大地様。ー
「いや、そこは束さんだからね……とりあえずマヒロー隊には携行武装譲渡には緊急時以外ターンXに確認を取るようにしようか……手数かけるね。」
ー肯定、申請項目を追加及び各機へ伝達完了。この程度の業務でしたら問題ありません。ー
「ありがとうターンX。さて、これ以上言ってもしょうがないから試射もやっちゃおうか。」
そう言いながら大地は束と千冬に視線を向ける。
すると、束は何事もなかったかのようにコンソールへと視線が戻り千冬は溜息一つで腕部パーツ搭載MMPマシンガンの銃口標的へと向ける。
そして、数秒しても発射せず居る千冬がこちらを見てきた。
「束よ……どうやって撃つのだ?」
「……あ~説明してなかった!えーとね!腕を動かす感覚と同様でトリガーを引く感覚かな?」
「こうか……っ!?」
束の説明後、千冬の操作する腕部パーツから閃光が立て続けに放たれて付近の月面が土煙を上げる。
そして、数秒の発砲後停止し驚いた表情で固まる千冬へ大地が駆けよる。
「大丈夫!?千冬さん!」
「……あ、あぁ…MSサイズの実体弾兵装とはこうも迫力があるんだな……びっくりしてしまった。」
「何ともなさそうでよかった……ISとはサイズ感が違うし初めて撃つ感覚だったろうから無理もないね。」
大地の発言になんとか驚きから平常心に戻った千冬はそのまま大地へ振り向き、安堵の表情を浮かべる。
そして、2人はマシンガンの放たれた場所へ視線を向けると、数発が的をかすったが他の弾丸は全て月面に着弾していた。
その光景を確認した千冬は少し俯き、コンソールを操作していた束も駆け寄る。
「あれれ~?ちーちゃんの割には外しちゃうんだ~!」
「束……私とて初めての事はうまくできる物でもないぞ……」
「わぁ……落ち込んでるちーちゃんなんて珍しい。」
「私だって好きな人と妹の前でへまをすれば落ち込むものだ……」
「あはは、ごめんねちーちゃん、これは流石に束さんが悪いや。次の試験で挽回だー!」
と、2人で会話しているのを見ながら大地は土台に据え付けられた腕部パーツをまじまじと見ていると先程までウォドムの頭部に乗っていたマドカがこちらへ降りてきて大地の纏うムーンブロッサムをつついていた。
「どうしたのマドカちゃん?」
「聞こうと思っていたのだが、お前は姉さんとデキているのか?」
「……そうだね、僕と千冬さんに束さんは付き合っている関係にあるね。」
「そうか……」
「……?」
大地の返答を聞いたマドカは、そのまま黙り込んでしまったため大地が見つめているとウォドムのコックピットが開きクロエも大地のそばに着地する。
そして、2人でこそこそとコアネットワーク経由で話た後大地へと向き直り見つめてくる。
首をかしげて大地は見ていたが次の言葉で大地は固まった。
「「兄さん(様)?」」
そして同様に、大地の後ろで作業していた千冬と束にも通信越しで聞こえていたようで目を見開いて振り返って固まっていた。
数十秒以上そうしているような感覚を覚え始めた大地に対して、マドカが口を開く。
「だってそうだろう?姉さんとそう言う関係ならいずれ家族になるのではないか?」
「そうです。私達は貴方の愛する束姉様と千冬さんの妹……それはもう家族と同義ではありませんか?」
「……え、あの…え……」
2人の発言に対して、大地はムーンブロッサムのバイザー内で口をパクパクさせつつなんて答えたらよいかを模索する。
(待って……待て待て待て待て待て!どうして俺は急に2人からお兄さんと呼ばれた?これはド直球すぎるだろう!と言うかお兄さん呼びとは嬉しいものだな……違う!今はどうにかして返答をしないと……でもなんか嬉しい……いずれ2人とはと考えてるけどって!おバカここで前世込みのおじさんムーブかますな!それよりも!えーと……こういう場合は相手も発言に少しの不安があるだろう……安心させねば……なんて言おうか…カブトムシ……おバカ!この世界でそのネタ通じるわけないだろ……取り合えずなるようになれだ!)
「俺が……兄さんで…いいの?」
大地は余計なことも考えたせいでオーバーヒートしそうな思考の中、絞り出すように返答した。
それに対して、2人は頷き言葉を続けた。
「あぁ、私は姉さんと一緒に居たいが姉さんの幸せを壊してまで一緒にいたいとは思わない。今ではクロエと言う友達もできたしな。それに、お前のような兄が居れば織斑家は今後も安泰だろうしな。だろう?兄さん。」
「私も同意です。数日束姉様と一緒にいましたが、貴方が束姉様の良き理解者になっていてかけがえのない存在だと思えました。それに亡き姉達は沢山の経験をしてくるように言いました……兄様と共に居れば沢山の経験ができそうだと思う根端もあります。」
「なんか、少しだけ……なんとも言えない気分ではあるけど、嬉しいよ。あはは……」
2人の偽りのない本音の言葉を聞いて、大地は少しだけムーンブロッサムの肩を落とした。
「まさか、久々の月で兄さんデビューを果たすとはな……ん?」
少し疲労の混じった声を出しながら千冬と束の方へ視線を向けると、2人は顔を真っ赤にしてこちらを向いたまま固まっていた。
「どうしたの?千冬さん、束さん?」
「あ、あぁ……家族か、そう…か……妹も認めたのだ……私は…その///」
「た、束さんもいずれはって……考えてるし…将来の夢も……開発者になる前は……お嫁さん…だったんだよ?束さん達も来年成人だし……くーちゃんも認めてるなら……その///」
2人が赤くした顔を俯かせ、もじもじしながらかき消えそうな声でつぶやく姿を見て、大地もバイザー内の顔をボンと真っ赤に染め上げた。
「えっと……ほら、千冬さん……第2回モンド・グロッソの招集来たよね?その、えっと……束さんも今MISとか、新世代ISの開発に着手してるって聞いたし……俺も、火星の状況把握とかMSの事で色々ある……それが落ち着いたら、俺から迎えに行く。それまで待っててくれるかい?」
大地が、少しムーンブロッサムの頭部を搔きながら二人を見つめた。
すると、下を向いていた2人はバッと顔を上げてこちらを見て微笑む。
「あぁ、いいだろう。私の隣は大地だけなのだ。……待たせすぎるなよ?///」
「うん!束さん嬉しいよ!ちゃーんと!迎えに来てよね!///」
「あぁ!必ず行くよ!」
大地達の会話を聞きつつ、マドカとクロエは2人は自分たちの発言に若干の後悔を覚えつつ、ISにブラックコーヒー精製機能が欲しいと思うのであった。
その後、再度の射撃試験で千冬がすべての的を打ち抜き、続いてマドカによるラファールでの接続可動試験を行い千冬に似た射撃成績を残して束も満足げだった。
その後、試験を終えてウォドムとモビル・リブが分解した土台や腕部パーツを持ち、マドカとクロエはウォドムのコックピットで、暮桜と群咲を纏う千冬と束は大地の乗るターンXの肩装甲に乗って移動していた。
少し移動していると束が接触回線で話しかけてくる。
「それで、この後は何かする予定あるの?だー君?束さんの用事は終わったから後はだー君に合わせるけど!」
「そうだね、この後は居住区で少し整理して……生産施設でターンX用の装備を少し製作したら手土産を作ってそこからルナのナノマシンの補充をしたらまた地球かな。」
「装備は分かるけど、手土産?」
「あぁ、この後1週間後にフランスに行くことになってね。デュノア社の社長と話し合いだよ。ラファールも1機返還しないといけないからね。」
「あの平凡なISを返すためだけにわざわざだー君がフランスまで行くの?奪取されたそのデュノワールだかよくわかんない会社の社長がこっちくればいいのに!」
「ははは、デュノア社ね。一応MR社のMS部隊が護衛の下でデュノア社に送り届けるように政府からも要請があってね。ケッサリアに乗って直送するってことになったんだ。一応倉持技研から貸与されていることになっているISによる護衛も要請されてるんだ。束さん、ゴーレムを2機僕の護衛として少しの間貸してくれるかい?無理なら別の方法を考えるよ。」
少しだけターンXが方に乗る束に向けて視線を向けると、束は満面の笑みでうなずく。
「そんなことなら問題なっしーんぐ!2機でも10機でも貸し出しちゃうよ!」
「そんな沢山来ちゃったら一発でMR社に束さんがいることバレちゃうよ……」
「にしても1機だけ返すなんてだー君も悪よの~」
「1機は今後入社予定の社員専用気にしようと思ってね。できれば束さんにも少しだけ手伝ってもらいたいんだけど可能?」
大地の言葉で、束の表情が固まる。
「もしかして、その社員ってだー君が口説き落としていたおっぱい牛眼鏡のこと?」
「お、おっぱ……!?山田真耶さんね!」
「ふーん、だー君ってあんなブラ外したらきっと垂れったれな巨乳な女の子が好きなんだ~!束さんやちーちゃんみたいな形の良いおっぱいよりそっちが好きなんだ~!どうせだー君は大きければ大きいほど好きなんだ~!あんなに頑張って夜に(わー!わー!!!)」
束の発言を遮るように、大地が大きな声を上げる。
「大地……お前……」
「ごめんって千冬さんも落ち着こう!俺が悪かったけど、真耶さんも自分の家族のためと夢の実現のために必死なんだ。頼むからそんなに悪く言わないであげて……あとその手の話はせめて3人きりの時にして……妹さんたち居るんでしょ…」
「ん~でもその辺りは私達よりエグイの見て来てるっぽいから大丈夫じゃない?裏社会に短期間ではあるけどいたわけだし~!」
「だが、束よ。私は意外と真耶を加えるのは賛成なんだ。」
「ちーちゃん!?」
「え!?まって、どういう事!?俺はそんな気は……」
大地が弁明していると、千冬の意外な発言で大地と束は千冬の方へ視線を飛ばす。
「ちーちゃん説明して!束さんは!今!冷静をかこうとしている~!」
「もう冷静ではないだろうに……はぁ、強いて言うなら原因は大地だ。」
「お、俺!?」
「正直、大地の体力は私達を上回る。だからわかるんだよ。お前……夜私達を潰した後もまだ余裕を残しているな?」
「……ウグッ!そ、そんなことないよ……」
「あぁ~、それ束さんもわかる……だー君夜は本当凄いから束さんも体力持たないもん……それなのにまだできそうな雰囲気感じるし……」
「白状したらどうだ……大地?」
「……う、うん…正直まだまだいける…」
「「やっぱり……」」
ターンXのコックピットにいるため表情は見えない大地だが、明らかに俯いて声を絞り出している声色が伝わる。
「だからだよ大地。もう一人くらい加えた方が良いと私は思っている。それに、もう1人や3人くらい養えるほどの甲斐性はあるだろう?本格的に落とすなら協力もするさ。」
「ん~、確かに変な女連れてくるよりあのおっぱいメガネの方が束さんも安心できるかも……スコールとオータムってのはちーちゃん?」
「あの2人はもうデキている関係だろう?最近スコールの視線は怪しいが……あの視線はまずい気がする。勘だがな。それに、私もこれから忙しくなってMR社に戻れる機会も減る。その間は束と真耶でお前を支えれば良いだろうと思ったのだ。表向きに真耶を出せば下手な虫も寄り付かんだろう。」
「なんか……俺を抜いて話がどんどん進んでいる……」
「だー君はどうなの?あのおっぱいメガネは嫌?」
「……正直いけます。」
「大地は正直だな。まぁそこも私が惚れた部分ではあるがな。」
「じゃぁ!手っ取り早くあのメガネちゃんを呼び出してだー君に襲わせよう!寝れば一発だぜぇい!」
「……勘弁してくれ…これからデュノア社との話し合いに向けて考えなきゃいけないのに変な気分になってきた……」
「なら、基地に戻ったらやることは一つだね!だー君!」
「逃がさないぞ、大地。」
「逃げ場がない……ターンX、ルナ……助けて…」
<好きな人達とそう言う事するの嫌じゃないのに嘘ついちゃだめだよ?>
ー肯定、マドカ、クロエはこちらで面倒を見ますのでどうぞごゆっくり。明朝指定時間まで思考通信の一切をロックしました。ー
「まって!ルナ!ルナが頼みだ!」
<私も実体化してマドカとクロエと一緒にいるから頑張ってね~!>
「そんな~!」
こうして、月面基地へ到着した後、束と千冬に引きずられて居住区へ行く光景をマドカとクロエが見つつ、地球時間の朝まで部屋から出てこなかったそうだ。
なお、マドカとクロエはルナと共に食堂でスイーツを楽しんだ後、MSのシミュレーターで遊び、客間で就寝していた。
次回へ続く
「隊長、作戦内容を確認しましたがジオンの降下作戦以来ですな。」
「そうだなミーシャ、自立MS達が管理しているが降下ポッドに収まったギャルセゾンのチェックは怠らないようにな。」
「はい、ガルシアとバーニィにやらせています。ところで社長についてですが。」
「あぁ、バーニィとガルシアは気付いていないようだが、あれは……知っているな。」
「ですね、あのアレックスでしたか。あれのパイロットは訳ありですかな?」
「だろうな……特にバーニィには聞かせられないかもしれんな。」
「今度社長と飲む機会を設けたいものですな、酒は行けるのでしょう?」
「日本の梅という木の実を使った酒が好きだと言っていた。なら我々3人で今度一席設けるか。」
「良いですね!」
お読みいただきありがとうございます。
思いの外得意ではない描写だったのか、だいぶ筆が遅くなりました。
まだまだ執筆は楽しいけど表現が難しいと思う今日此の頃です。
先日XにてBBQの話題が一時盛り上がり、私が昔作ったブリスケットの画像がバズってしまい焦りました。
通知が止まらないのも考えものですね……久々に通知を切りました。
今後もゆっくりですが更新していきますので、お読みいだけると幸いですり