デュノア社を後にした一行は、アルベールの指定した場所へ向かいエレーヌ・ルメールとシャルロット・ルメールを迎えて空港へとシュタイナーの運転する車で向かっていた。
車自体はデュノア社が手配したようなリムジンではなく、一般車を装うためにSUVタイプになっており、2人は後部座席に座り、シュタイナーが運転、助手席に大地のような人物が座っている。
なぜ、大地のような人物と書いたかは大地の格好が原因である。
マスコミでなんやかんや有名人になってしまっている大地は自身の顔を隠すために、現在かぼちゃの被り物をしていたのだ。
そして、大地はかぼちゃの被り物越しに後部座席へ振り返り話しかけた。
「挨拶も軽くですみません。私はマダム・エレーヌの知り合いと懇意にさせていただいている者です。諸事情により素顔を晒せないことをお許しください。今回私達がお2人を無事に日本までご案内いたします。少し窮屈でしょうが空港まで辛抱願います。」
助手席から挨拶する大地は笑顔であったが少しだけ早口で焦っていた。
それに関しては少し時間を遡る。
~数時間前~
大地がアルベールとの話を終えてエレーヌとシャルロットの元へ向かおうとしたら、アルベールが走って大地の元へ駆けてきた。
「どうしました?ムッシュ・デュノア?」
「た、大変だ!」
息も絶え絶えで、アルベールが大地へと言葉を発する。
その雰囲気で、大地も何かあったのかと身構えた。
「女権団に……はぁ、エレーヌ達の…場所が割れた!女権団の支部を……はぁ、はぁ、見張らせていたものから、車が……向ったと……!」
「……事情は分かりました。ムッシュ・デュノア、防弾仕様のSUVがあればお貸しいただきたい。可能か?」
「あ、あぁ……あるが、一体何を?」
「はい、色々と譲歩していただいたお礼です。サービスとして貴方の大切な人を無事に日本へお届けすることをお約束いたしましょう。」
「……き、君がか?」
「私の護衛は優秀ですし、私も実戦経験がないとは申しておりません。なに、身体の頑丈さだけならかのブリュンヒルデに認められております。大船に乗ったつもりでいてください。お2人の事は私に任せて、ご自身の会社をより良い方向へ導くことに邁進してください。」
力強い大地の言葉と視線に、アルベールは数瞬悩む表情を見せるがすぐに表情を正してこちらに頭を下げる。
「直ぐに車は用意する。他に必要なものもあれば言ってくれ。あの2人を……頼む。」
「……任されました。シュタイナーさん。」
「了解しました社長。ムッシュ・デュノア、車だけで結構です。急ぎまわしてもらえますか?後、マダム達に急ぎ出立できるよう連絡を!」
「わかった!すぐに行う!」
こうして、大地達は車に乗り込みエレーヌとシャルロットの元へ急行した。
〜SUV車内〜
大地はルナを用いて周辺の索敵を行いながら、ターンXから送られてくる女権団の手配した車の位置を確認しながらエレーヌへと話しかけていた。
「マダム・エレーヌ、ムッシュから話を聞いていると思いますが、今回の旅は少々手荒くなってしまった事をお詫びいたします。ですが、空港までたどり着ければ我々の本隊も在中しているため追ってもそこまでは来ないでしょう。病み上がりな状態ですので、医療班も待機させています。体調に違和感がありましたらすぐにご報告をお願いします。」
「えぇ、ありがとうございます。ですが、私達に追手ですか……やはりあの人の…それに貴方方も…」
「えぇ、少々厄介事に巻き込まれたようです。ですが、問題おりません。我々は慣れておりますから。マダム・シャルロット、貴女を不安にさせた事をお詫びします。対面で謝罪できないのが心苦しいです。」
「あの…えっと……お、お構いなく……」
優しく話す大地に対して、エレーヌは穏やかに対応し、シャルロットは少し緊張した様子で返事をしていた。
その後事情を話そうとしたタイミングで、空港へ伸びる幹線道路に遂に女権団の手配した車が合流して大地の視界に入る。
当初の予定と違う車を使用しているのに、女権団の車は迷うことなく走行中の車をかき分けてこちらのSUVに近づいてきた。
「社長!」
「やはり、社内に内通者がいたようですね。相手の出方次第で俺が対応します。」
「了解!後ろの御二方は窮屈でしょうが頭を下げて両腕で頭を守っていてください!」
「わかりましたわ。」
「う、うん!」
シュタイナーの大きな声にエレーヌとシャルロットが頭を下げた状態になったのを確認した大地はこちらに向かってくる黒のセダン3両が囲うように配置し始めるのを何食わぬ顔で眺めていた。
そして、ルナの拡張領域に収納していた拳銃を取り出し、シュタイナーに密かに渡した後、そのまま自分の分も拡張領域から呼び出して車外から見えない位置に持つ。
(さて、相手さん的にはエレーヌさんとシャルロットさんを捕獲したいはず……どんな手を使うかな?荒事をやるようなら俺らを殺すか?)
大地が、横に並び接近してくるセダンの1両を見つめながら考えていると、セダンの車内で動きがある事を確認した。
フルスモークで中が見えない状態になっていたが、大地はルナのハイパーセンサーを用いて透過し中が見えていた。
セダンの後部座席に居た女性が、ケースから黒い塊を取り出しこちらに構えたのだ。
それはフランス軍に採用されている高貫通と定評のあるアサルトライフルだとすぐさま判断した。
そして、ゆっくりとセダン後部座席の窓がスライドして開き、銃口が大地とシュタイナーの座る車両前部に向いたのを確認した大地は大声を上げる。
「全員!耳を塞いで対ショック姿勢!(ルナ!頼んだ!)」
<任せて!車内にIフィールドバリア展開!>
大地が叫んだ瞬間、連続で響き渡る銃声とそれを弾こうと耐える車防弾装甲の音が幹線道路に響き渡る。
数秒の射撃音の後、リロードのためか一旦銃声が止まり、大地は発砲してきた車へヒビの入った防弾ガラス越しに視線を向ける。
すると先程射撃しマガジンを交換中の女性と視線が交差する。
そこから大地の行動は早かった。
すぐに車内に展開したIフィールドバリアを大地をカバーしている場所だけ解除し、ナノマシンの構成強度を上げた拳を防弾ガラスへ叩きつけて殴り割る。
そして、大地は手に持つハンドガンでセダンのタイヤ部分に弾丸を連続で1マガジン分を叩き込み1台が離脱する。
「まったく、やることが派手だな!」
「社長!無理せんでください!」
「大丈夫ですよ、そのまま空港まで走らせてください!」
「了解!」
大地が周囲の車両の行動をハンドガンをリロードしながら確認しつつ、シュタイナーに指示を出すと、もう1両のセダンの窓から乗り出した女性がアサルトライフルを構えて接近してきた。
「同時に来たのならもう少し被害を出せたものを……そうだ。」
接近するセダンを見つつ、大地はふと何かを思い出すと相手から見えない位置に手を隠してルナの拡張領域からあるものを取り出す。
呼び出したものを大地はすぐさまセダンの進行方向上へ投擲すると、道路で数回音を立てて転がった瞬間にそれは爆発した。
そして、爆発した瞬間周辺の道路と車両が一気にオレンジ色に色塗られて接近していたセダンはフロントガラスがオレンジ色に染まり、塗料がタイヤにもまとわりついた為かスリップして離脱した。
それは、千冬と模擬戦する際に弾に使っていたペイントグレネードだった。
意外に役に立つなと考えていた大地に、ルナから通信が入る。
<大地、女権団の通信傍受に成功したよ!>
「ありがとう!聞かせてもらえる?」
ルナの報告を承諾した大地の思考通信に、女権団の通信音声が聞こえ始める。
『何やってるのよ!女2人捕まえるだけでしょ!』
『ですが、相手の防御が硬くて近づけません!応援を!』
『まったく使えないわね!もういいわ、殺してしまいなさい。人質にしたって事にしてデュノア社に脅しをかけるから!念のため空港にも人は回しておくわ。』
『……了解!』
(これはマズいな……)
通信を傍受した大地は少し苦々しい表情になる。
そして、少しずつ後方に距離を取り始める最後の1台に視線を向けると、セダンのサンルーフが開いて1人の女性が、大きなレンズの着いた装置に少し斜め上を向いた筒が付いた機械をこちらに向けていた。
大地はルナのハイパーセンサーで拡大して見た瞬間、ジャベリン対戦車ミサイルだとすぐさま認識して、助手席の窓から車の上に出てセダンを見つめる。
そして、大地が身構えた瞬間、セダンからジャベリン対戦車ミサイルが独特な推進音と共に発射された。
それを確認した大地は、ナノマシンの光学ステルスを纏わせたブロッサムユニットを1基展開し飛翔してくる対戦車ミサイルを空中で鷲掴みにした。
「ちょっと、道路をダメにしちゃうけど……悪く思わんでくれよ!」
そして、掴まれ周囲からは空中で静止した状態にしか見えないミサイルがゆっくりと真下へ方向を変えた瞬間、ブロッサムユニットは展開解除され、対戦車ミサイルは地面へ突き刺さり起爆、大きな爆炎と共に舗装がめくれ上がった結果、セダンはめくれ上がった舗装へ乗り上げてそのまま停車したのを確認して大地は車内へと戻った。
その後、数十分ほど車を走らせるが、追加の襲撃を受けることなく空港へ到着した大地達はアルベールが色々と手配してくれていたおかげで出国等の手続をすることなくケッサリアの近くで停車した。
そして、車から降りてシュタイナーはエレーヌを、大地はシャルロットをエスコートしてケッサリアへ搭乗しようとしていた。
エレーヌとシュタイナーの後姿を見つつ、大地の傍を歩くシャルロットは大地の方を向いて口を開く。
「あ、あの……」
「…ん?どうかなさいましたか?」
「は、はい……えっと……貴方は一体…?」
かぼちゃマスクを付けている大地に対して、シャルロットは見上げる形で視線を向けて聞いてきたのを確認した大地は少し思案した風に手をマスクの顎部分に当ててからシャルロットへ顔を向ける。
「ん~、女権団に反省を促すかぼちゃマスク……でどうかな?日本につけば正体はわかるし、今はこの不思議な時間を楽しまない?まぁ、ここまでの道中の事を考えるとできないかもね……ごめんね、君達にとってはかなり怖い思いをさせてしまった。機内に入ったら改めて謝罪させて欲しい。」
「い、いえ…そんな!むしろ私達を守ってくれた…んですよね?それに、日本でお母さんが療養できるのはありがたくって……その、ありがとうございます!」
「ん~、初めて会った時にも思った印象だったけど、君は本当に優しいんだね。お母さんが大好きなのが凄く伝わるし、俺のような見た目の人間に感謝までできるのは凄いことだよ?」
「え、えぇ!そ、そんな……私は……///」
大地の発言で顔を少し紅潮させるシャルロットを大地は見つつケッサリアへ歩いていると、ターンXから思考通信が入った。
ー大地様、空港近辺に所属不明の車両2両の展開を確認、うち1両から歩兵2名が降車しました。スナイパーの可能性あり、狙撃に注意してください。ルナへ敵位置情報を送信。ー
(わかった。ありがとうターンX!ルナ、捕捉できた?)
<うん!ハイパーセンサーで捕捉したよ!スナイパーがこちらを捕捉しているね、距離は1200m……バリア張るよ!>
(いや、ここは人の目が多いからまだ張らない方が良い。打鉄に偽装したゴーレムをゆっくりと展開させてシュタイナーさんとエレーヌさんの射線を塞いでおいて……シャルロットちゃんに当たらないように俺がゴーレムが展開するまでは射線遮るから、直撃コースだけギリギリで防御して、当たり所によっては負傷を偽装してくれる?)
<わかったよ!>
「あ、あの……私なにかしちゃいました……か?」
ルナと思考通信をしていると、少し疑問に思ったのかシャルロットが聞いてきたので、大地はすぐさま返答する。
「いや、何でもないよ。護衛のISが今出てくるから、もう安心だよ。」
「は、はい……ってIS!?え……ほ、本当だ…日本の第2世代……あ、貴方はいったい何者なんですか……?」
大地の発言後に、ケッサリアから3機の打鉄がPIC制御でゆっくりとこちらへ浮遊飛行してきたのを確認したシャルロットが驚愕の表情で打鉄を見ていると、ふとシャルロットの真後ろに大地が移動したのに気付く。
「マダム・シャルロット、そのままじっとしていて。」
「へ?」
急な大地の行動にシャルロットは反射的に振り返ろうとすると両肩を掴まれて少しだけかがむ姿勢となった瞬間。
キャイーン!……パーーーーン!
何か金属を弾いたかのような音と数秒おいて渇いた銃声が空港に響き渡る。
「え、な……なに?今のお……と……」
振り返ることのできないシャルロットは、何かが人越しにぶつかったような衝撃を受ける。
それと同時に何かがシャルロットの前に転がり、視界の先にいたエレーヌはシュタイナーと呼ばれた男の人に抱きしめられた状態で地面へ伏せ、シュタイナーと呼ばれた人はこちらを見て何かを叫んでいた。
それを見つつ、視界を先程転がった何かへと向ける。
それは、先程まで自身へ声をかけていた心優しいと思える人が身に着けていた物だとシャルロットの思考はすぐさま今起きたことを悟り、ギギギとゆっくりとした動きで後ろから抱きしめているであろう人の顔へ向けようとすると、先にその人から声がかけられる。
「いてて……びっくりしたけど、何とか間に合ったな。怪我はないかい?マダム・シャルロット?」
「は、はい……と言うか、一体何……が……え?」
シャルロットは、返答を述べながら後ろにいた人物へ顔を向けるとそこには頭部から頬を伝うように血を流しながらも微笑みながら話しかける黒髪で赤い双眸の男が立っていた。
シャルロットはすぐさまその人が自分を守ってくれたと思ったが、流れ出る血を見てすぐさま声がでなくなり、口をパクパクさせて呆然としていた。
すると、大地はそのままスーツの袖で血を拭うとそのままシャルロットの肩を掴んでケッサリアへと押し歩き初め、シュタイナーや周囲のISへと声をかける。
「シュタイナーさんはマダム・エレーヌを急ぎ機内へ!打鉄部隊!狙撃手に対しての防御陣形構築!」
「社長!……ッチ!了解!マダム!失礼します!」
「……キャッ!」
『打鉄隊…了解…各機……散開。』
大地の声に、シュタイナーはすぐさまエレーヌをお姫様抱っこで持ち上げるとケッサリアへ走り出しそれを守るように打鉄が1機盾を構えて展開、そしてシャルロットを打鉄1機に預けると大地は何かを惜しむシャルロットの視線に気付きつつも背を向けて狙撃された方向へ視線を見やる。
(ルナ、通信傍受できてる?)
<できてるよ!>
(聞かせてもらえる?それとECMと回線に割り込む準備をお願い。)
<わかった!ECMスタンバイ、ジャミング強度戦闘出力!いつでもいけるよ!>
(ありがとうルナ、後は基地の守衛部隊が来る前に……)
大地がルナに礼を言いながら、ルナが傍受した通信に耳を傾ける。
『おい!話が違うぞ!あれは……!わ、私は知らなかった……知らなかったんだよ!』
『何?どうしたの?あの小娘かSPに当てたんでしょうね?』
『確かに、SPに向けて撃った!で、でも、あれはSPなんかじゃない……あれは…あの人はっ!』
『何をそんなに焦っているの?男1人この世から消えた所で……』
『私は!私はとんでもない事をしている!私は知らなかったんだ!何でこんな所に……えむ……』
(ECM起動……)
『ザザーーザーーー!』
『なんだ?おい!聞こえるか!?……『ザザー!』なんだこれ…壊れた!?』
「通信を妨害させてもらったよ。」
『……!?なんで通信機から!?』
大地が急に通信へ割り込んだため、スナイパーは辺りを見回した後にスコープで急いでこちらを見た。
すると、狙撃手である女のスコープ越しに大地の赤い双眸と目が合い狙撃手の片が僅かに跳ねる。
「俺の顔を見て焦るってことは、何かしら手を出すなとは言われているみたいだね?」
『あ、あぁ……米支部から通達が出ているんだ……これは……間違いなんだ。』
「そうだね、俺があんな被り物していたからわからなかったんだよね?」
『そ、そうだ!わ、私は…』
「でも」
『!?』
「女性を守る団体が男をゆするために女性を人質にするってのは……どういう了見だい?」
『そ、それは……上が決めたことで……』
「すまないが、言い訳を聞いている暇はないんだ。少し俺もイライラしていてね……すまないが、君はここまでなんだ。次の人生はもっと上手くやることだ。」
大地が言い終わると同時に、狙撃手のスコープ越し見えたのは何もない空間から人が持つにはサイズが大きすぎるハンドガンの形をしたものが現れて大地の手に収まるとそれを軽々と持ちこちらへ銃口を向ける姿だった。
『な、何を言って……まっジュ!……ザザーーーーー』
そして、狙撃手は最後まで言葉を紡ぐことなくこの世を後にした。
狙撃手の死因は、大地の呼び出したIS用のビームハンドガンの閃光であり、ECMにより基地周辺の監視カメラすら正常に稼働できない状態だったため、付近で見ていたものがあるとすれば打鉄の形に偽装したゴーレム位であった。
ルナのハイパーセンサーで遠方の狙撃手だった物の姿を確認していると、大地を守るために接近してきた打鉄に気づいて大地が視線を向ける。
「すまないが、今の映像ログは削除してもらえるかな?束さんに見せたくないんだ……」
『……了解、ログの削除を実行……削除完了。』
「ありがとうね。」
『当機も……束様に……見せたく…ない……』
「ごめんね……」
大地が、ゴーレムに話しかけていると基地の守衛部隊であろう武装したウァッドが数機が走って来て大地と狙撃が来た方向に身を滑らせて停止しこちらに声をかけてくる。
「ムッシュ月乃!ご無事ですか!?」
「えぇ!負傷しましたが軽症です!」
「お怪我を!?衛生兵を呼びます!」
「問題ありません、ケッサリア機内に治療施設を設けています。直ぐに離陸をしたいので護衛を願えますか?」
「……了解しました!ウァッド隊各機!ムッシュ月乃を護衛しつつ、ケッサリア離陸まで周辺警戒だ!」
こうして、大地はケッサリアへと乗り込むと数分と絶たずに離陸しフランスの地を後にした。
~ケッサリア機内~
大地は、シャルロットとエレーヌが志願した結果治療施設で治療を受けていた。
「ありがとうございます。マダム・エレーヌ、マダム・シャルロット。」
「いえ、私こそ娘を助けていただきました。ありがとうございます。それに、私の事はエレーヌで良いですよ?娘の事も、シャルロットかシャルとお呼びください。」
「そ、そうです!ぼ、僕こそ……助けてくれてありがとうございます!」
「こら、シャル……また…」
「あ……ご、ごめんなさい///ぼ、私ったら……///」
2人が会話をしながら、シャルロットが赤面しつつ包帯を巻き終わり治療用具をエレーヌが片づけているのを見て、一人称僕っ子だったかと思いつつ大地は今更自己紹介をしていないことに気づいた。
「そういえば、自己紹介がまだでしたね。改めて今回日本での滞在を支援いたします。月乃大地、ダイチ・ツキノと言います。よろしくお願いしますね。日本まではこのケッサリアでお送りいたします。くつろげる空の旅になると思いますが、不備がありましたら私か、今操縦席にいるシュタイナーさんにお申し付けください。」
大地が微笑んで自己紹介をすると、エレーヌとシャルロットは目をぱちくりさせながら2人で顔を見合わせる。
数秒後に、エレーヌが口を開いた。
「も、もしかしてなのですが……ムッシュ・月乃?」
「……なにか?」
「あの、間違えてたら申し訳ないのだけど……MR社のCEOの?」
「……えぇ、MR社は私の会社で間違いありません。」
「あ、あははは……シャル、私達とんでもない方とご一緒したみたいよ……」
「え、えぇ~~~~!!」
「まぁ、私もただの人間です。難しいかもしれませんが、肩書など気にせず近所に住む親戚のように接してくださると助かります。」
「「は、はい……」」
「あはは、時間がかかりそうですね…」
そうして、大地達は日本へと向かったのであった。
次回へ続く
~MR社研究室~
「束、これはどこに置けばよいのだ?」
「あぁ!それは倉庫Bの電装部品系って棚にお願い!と言うかちーちゃん、私の手伝いするのは良いけど…IS学園の方はいいの?」
「まぁ、鍛錬は大地とする方が身になるからこちらにいる方が都合が良いんだ。それに正式にIS学園へ行くのは来月だ。それまでは好きな男の近くに居たいというのが本音だ……おそらくIS学園へ行けば暮桜のデータを取らせろだの、私の自称ファン達に揉まれるのは目に見えている……そういえば、倉持の第2研究所の所長にあいつが指名されたな。」
「うわぁ……それは想像したくないね……そういえば、倉持に居たんだっけっか……あいつ……」
「やはりアイツのことはまだ苦手か?少し前に倉持で会ったが、相変わらずだったぞ。」
「相変わらずって事はまだ水着きて歩き回ってるんだ……本当にアイツは……」
「「!?」」
「束……」
「うん、きっとだー君だよ!」
「「だー君(大地)に惚れた女ができた感覚だ!」」
「あいつめ…フランスでも誰か引っ掛けたのか……」
「まぁ、だー君だからね~!誰かを守っちゃったんじゃない?」
「まぁ、大地らしいな……だが。」
「そうだね……」
「「帰ってきたら誰の男かわからせないとね。」」
~ケッサリア機内~
ブルッ!
「……!?この気配、束と千冬?」
「ど、どうしました?月乃さん?」
「い、いや……なんでもないですよ?シャルロットさん。」
「シャルで良いですよ?長いでしょ?」
「いや、そこまでの距離は……それにシャルロットという名前も素敵ですし、もう少しそう呼ばせてください。エレーヌさんから頂いた大切な名前でしょ?」
「……!///つ、月乃さんは…お、お上手ですね……」
「……?」
<大地……後で束と千冬にしっかり怒られるんだよ?>
(なんでぇ!)
ーまったく、大地様は変わりませんね……と言うか、本機の出番少なくありませんか?大地様……聞いておりますか?大地さ……
お読みいただきありがとうございます。
凄く時間が、かかりました。
これが難産と言うやつでしょうか……なんか書き進めれませんでした。
自分でもびっくりでございます。
今更ですが、ターンXルナって第何世代になるんでしょうね?
よくわからんジェネレーターを持ってて、ビーム兵器標準搭載、サイコミュ的な装備で全身を分離、遠隔オールレンジ攻撃が可能……SEの他にIフィールドバリアを併用し、装甲と絶対防御含めて4重の防御体制……そして自己修復装甲に月光蝶のおまけ付き…
よし、不明世代で行きましょう!
そろそろ月面の開発したい……ずっと地球に居ますもんね……
ちょっと原作開始まで時間を飛び飛びにする可能性もあります。
気長にお付き合いいただけると幸いです。