前回の話からまた時間は進み、3か月程経ち大地は地球の日本でムーン・レィス社ことMR社を起業した。
今のネット社会って便利よね、やろうと思えば肉体労働以外大体できる。
そして大地はルナと共に会社運営のため一度地球へ降りて作業をすることを決め、留守の間の月基地防衛網の構築をしていた。
現在の月基地を秘匿するために生産施設で新たに作ったホログラム迷彩を全体を覆うように設置、そして月と地球の軌道上にステルス監視衛星を複数配置し警戒網の構築を行っていた。
「後は基地防衛隊の増産と軌道上に巡回する部隊を作りたいね…時間かかるけど」
<そうだね〜もうすぐヨーツンヘイムができるから次の艦製造をアスピーテ級にしようよ!>
「そうだね、そしてアスピーテ級2番艦が完成したら直掩MS部隊を艦載して月の周回パトロールをしようか、1番艦は何かあったときのために基地に待機させよう。」
ー御大将閣下殿、一つ直掩部隊の提案があります。ー
「どうしたのターンX?」
ーMSの生産に関してですが、ウォドム増産とマヒローの1個小隊分の新規生産を提案します。ー
「巡回部隊としてマヒローは分かるけど、ウォドムも?」
ー肯定、アスピーテ級のメガ粒子砲は無砲身仕様のため射角制限がほぼありませんが長距離精密砲撃の精度に難があります。そのため甲板に1~2機のウォドム(強化ジェネレーター装備)を配置し運用することにより外宇宙などからの脅威を早期対処できるかとー
<私もそれいいと思うよ!生産施設も大型自動化でMSの製造ならすぐできるようになったしここで一気に戦力増強してもいいんじゃないかな?>
ターンXの提案とルナの後押しで大地は思案した末に決定する。
「わかった。それなら先のことも考えてウォドムの増産とマヒローの新規生産を行おう。ウァッドも少数生産してウォドムとの混合部隊を編成して月面調査部隊として月面のクレーターや地下空間の調査及び正確なマッピングデータ作成をお願いしよう。それとアスピーテ級2番艦完成後はすぐに3番艦の製造を開始。完成次第2隻運用でカバー率をとりあえず上げるのを目標とする。」
<わかった!じゃぁ生産施設の設定をするよ!これでしばらくは大丈夫だと思う!>
ー採用していただきありがとうございます。ー
月周辺の防衛プランがある程度決まった大地達は次の地球降下の準備について話し合うのだった。
~数日後~
大地は月面へ出ていた。
ルナを纏い、ターンXに搭乗し地球を見上げていた。
そしてターンXの背部ユニットであるキャラパスの形が変わっていた。
ウェポンプラットフォームだったキャラパスは武装が取り外されており、スラスターベーンの大型化と円盤状のレドームユニットが取り付けられていた。
それは大地がルナ達と考えて作ったターンXの追加ユニット、キャラパス高機動電子戦仕様であった。
スラスターベーンの可動域テストを行いながら大地は、空中投影ディスプレイを呼び出し再度予定確認を行った。
予定では地球の衛星軌道まではターンXで行き、そこからルナと共に大気圏に突入し太平洋上に降下。
その後水上をステルスで飛行し日本へ上陸、そのまま事前に購入していた工場兼住居へ向かう事になっていた。
神の使いさん、日本人の戸籍を取っておいてくれてありがとう。
なお、ターンXは大地と別れた後は静止衛星軌道上に留まりキャラパスユニットを使用し月基地を遠隔管理しルナとのリンクにより大地をサポートする予定であった。
「さて、ルナ!ターンX!行こうか!」
<うん!>
ー肯定、システムオールグリーン。いつでもどうぞー
ルナとターンXの返事を聞き大地は視線を地球から下に下げる。
そこには転生時から今まで大地の月開拓を支えてきたウォドム隊、フラット隊、ウァッド隊が整列していた。
「地球でのご武運を祈ります。我が主!月の防衛はウォドム隊にお任せください!」
「大地様、道中並びに地球での活動にお気を付けください。何かございましたら我らフラット隊が御身の盾になるため地球へはせ参じます。」
「ダイチサマ!ゲンキデ!ゲンキデ!サギョウマカセテ!」
各部隊の見送りを受けて大地は少しウルっと来てしまっていた。
「うん!俺達がいない間基地と月の調査を任せたよ!じゃぁ行ってきます!」
そういって大地がターンXの右手を挙げて答えるとウォドム隊達が一糸乱れぬ動きで右手を上げた状態になりその後ウォドム2機が地球へ腕を向ける。
「「大地様の道中の無事を祈って!」」
この動作を見て大地は涙が出そうになった。
これは∀劇中でザックトレーガーから出発するシーンのオマージュではないかと…ここは大地としても応えるしかあるまい。
「月の事!頼みます!」
そういったタイミングで大地はターンX背部キャラパスユニットのスラスターベーンを起動、ウォドム達の間を飛行し少し上昇したところで推力を最大で噴射し地球に向けて飛び立ったのであった。
大地達は数時間後、地球の衛星軌道上まで来ていた。
流石はターンXと新型キャラパスの推力…スペック通り第3宇宙速度まで加速できるなんてな…
ここで大地はターンXのコックピットからルナと共に宇宙空間へ出る。
「じゃぁターンX、少しの間一人にさせてしまうけど定期的に戻ってくるから!」
ー肯定、お戻りをお待ちしております。ルナ、後は頼みますー
<わかったよ!何かあったら通信してね!>
ー肯定、本機はこれより静止衛星軌道まで上昇、日本上空にて待機しサポートを行います。ー
そう言い残し、ターンXは自立稼働で上昇していった。
「じゃぁ地球へ降下しようか。こういうのもなんだけど夜の真っ暗な太平洋に降下ってちょっと怖いや…」
<うん!私も大気圏突入なんて初めてだから少し不安…>
「出力的には大丈夫なんでしょ?」
<想定値だとISのシールドエネルギーとIフィールドビームバリアを展開すれば問題ないよ!>
「なら信じる!降下!」
<私と大地なら大丈夫だよ!シールドおよびバリア前面集中展開!冷却システム出力80%で固定!PIC制御全開!>
ルナの発言と共に大地の前には肉眼で見えるほどのシールドとビームバリアが展開され、機体装甲各部から冷気が放出され瞬く間に機体表面温度が下がっていく。
その状態で大地達の対地高度もどんどん下がっていく。
大地の纏うターンXの前方の可視化したシールドとバリア大気の断熱圧縮の熱と振動を受けて赤熱化する。
「PIC制御を……全開にしても凄い……振動だな……!」
<機体各部位の異常なし!ジェネレーター出力も安定!もうすぐ大気圏内に入るから頑張って!>
「大丈夫!ルナ……と一緒なん……だ!怖いこと……はないさ!」
<!?……う、うん!任せて!減速シーケンス完了まで残り120秒!>
こうして大地がルナを軽くたぶらかしながら初めての大気圏突入は、問題なく完了するはずだった。
大気摩擦による赤熱が収まり月明かりが照らす夜の空を飛行し高度を下げようとした時。
ビー!ビー!ビー!とけたたましく静止衛星軌道にいるターンXから緊急着信音が鳴る。
「どうしたの!?」
ー御大将閣下殿、速やかに海中に潜航またはその空域から南下してください!ルナ!データ送信します!データリンク開始!ルナへリアルタイム情報送信!ー
さっき別れたはずのターンXからいつもでは考えられない口調で通信が入る。
<受信した!嘘…こんな時に…!?近くに来るまで気づかなかった…>
「とりあえず空域離脱を試みる!ルナ説明して!」
大地は進路を南の方に取りながら低空飛行の予定を変更して雲の多い高度で雲の中を飛行した。
<日本方面からISが接近中!おそらく時期的に白騎士のプロトタイプ!まだこっちには気づいてないみたいだけど、もしハイパーセンサーが搭載されているともうすぐ補足圏内に入る可能性が高いの!>
「マジか…見つからないことを祈るしかないな!とりあえずそのISをボギー1と登録!ルナ、コア反応の秘匿はできてる?」
<もちろん!ボギー1空中で静止確認!このまま空域を離脱しよう!>
「わかった!」
大地は雲の中を南へ飛び続けた。
次回へ続く
一方その頃、ボギー1と呼称された存在は空中に静止した状態で通信を行っていた。
「どうしたのちーちゃん?」
「いや、束の言ってたハイパーセンサー?だったかに雲の中を飛行する飛行物体を確認したと出ていてな。」
「ん~?ハッキングして調べたけどここを飛行している民間と軍の航空機はいないはずなんだけどね…ハイパーセンサーもまだ大気中での稼働データが足りなくて不完全だしわかんないな~…もしかしてUFOかも!?ちーちゃん追って確かめよう!」
「馬鹿を言うな!エネルギーもここまで飛ぶのに半分近く使っているのだ!それに相手が武器を持っていたらどうする?こちらは射程が50mあるかないかの試作荷電粒子砲と実体剣しかないのだ。明日は学校でテストもあるだろう、そろそろ帰らないと家を抜け出したことがばれてしまう。」
「それもそっか~、じゃぁ今日はここまでにしようかちーちゃん!私たちももうすぐ中学生に上がるし!そのマルチフォームスーツを中学生卒業までには完成させて発表したいね!」
「了解した、では戻るぞ。中学校か…私は剣道部に入る予定だから時間が取れるといいんだがな。」
「ひどいちーちゃん!一緒に作るんだから頑張って時間作ってよ!」
「わかったわかった。善処しよう。」
「絶対わかってないじゃないか!お父さんもよく善処するって言ってるけど全然約束守ってくれないんだもん!」
「ふふふ、善処しよう」
「ムッキーーーーー!!!」
と言う会話が行われていた。
お読みいただきありがとうございます。
書きながらこの設定あの設定など追加したい欲が凄くなりますね。
ある程度の進行を決めてますが、考えがまとまらずに時たま脳が処理落ちしますね〜だがそれが良い…