IS‐ターンXと行く月面開拓‐   作:かげう

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6話ー到着そして暗躍ー

 ターンXとルナの報告で南へ進路変更し飛び続けた大地は未だに警戒態勢を維持していた。

 夜間で雲の中を飛行しているせいでだいぶ不明瞭ではあるがハイパーセンサーで静止している機体を補足したが、確かにこちらを見ているような気がした。

 

「追ってきてないがこちらを見ている?気づかれたか?」

<おそらく気づいているけど、誰かと通信しているのかな?>

ー衛星通信を傍受しました。内容は暗号化されて不明ですが日本のどこかと通信しているようです。コアネットワークを行っていないことを考えるとまだ不完全のようです。ー

「でも警戒はしておくべきか…」

 

 大地は飛行しながら背部キャラパスからロングレンジビームライフルを取り出し左手に装備する。

 

(シミュレーターでは使えたが、実戦での使用は初めてだ…撃たせないでくれよ…)

 

 そう思いながらもライフルは構えずにボギー1と距離を取り続ける。

だが大地の心配は杞憂で終わる。

 

ーボギー1進路反転、日本へ進路を取りました。警戒態勢解除を進言ー

 

 ターンXからの通信で大地は速度を緩めながら大きなため息をつく。

 

「よかった…地球降下早々人類初のIS同士の戦闘を行うところだった…」

<危なかったね…ターンXの報告がなかったらもう少し接近された状態での遭遇戦とかありえたよ~>

「だね…ありがとうターンX!」

ーお役に立てて光栄です。現在ボギー1を追跡中。GPSマップと参照しましたがおそらく篠ノ之神社へ向かっている可能性大ー

「それなら安心して大丈夫そうだね」

 

 そう言いながら大地は先ほど呼び出したビームライフルをキャラパスへ戻した。

 その後空中で静止した大地はターンXのデータリンクでボギー1の位置情報を確認しつつ、想定されるハイパーセンサー範囲内に入らないように飛行し日本へ上陸するのであった。

 

~数時間後~

 

 なんとか日本への上陸を果たした大地はとある県の山の中にある大きな工場兼住居になる場所へ来ていた。

 

「やはり月に半年以上住んでたから地球の重力が重く感じちゃうな…トレーニングしていてよかったよ…」

<実質月の6倍の重力だもんね~、人の肉体には大変そうだね!>

「おのれルナ…見てろよ~地球の重力なんざすぐに適応して見せるわい!」

<でも本当にいいの?大地ずっと拒んでるけどやっぱりナノマシン強化施術しようよ…>

「ん~、理屈は分かるんだがな…まだちょっと心の準備ができてないんだよ…」

<まぁ無理やりやるつもりもないからゆっくり考えていこうか…前向きに考えてくれると私は嬉しいよ!>

 

 と会話に登場したが、少し前からルナやターンXからナノマシンを体内に注入し肉体を中から作り変える強化人間のような施術を勧められているのである。

 これはターンXの機体内にあったパイロット保護機能で、搭乗者が重傷を負った際に欠損・破壊された肉体をターンXのナノマシンで補填&機体操作に適した体に作り替えると言うとんでもない機能であった。

 実際に重傷を負っていなくても、体内に定期的に注入することにより新陳代謝の改善、対G性能強化のため筋肉量及び骨格の強化、脳のニューロン&シナプスの回路最適化による脳処理速度の増加などなど、正直人を辞める代物であるため大地は怖くてやっていなかったのである。

 

(正直まだ人間を辞めたいわけじゃないんだよね…まぁ世界難易度上昇に伴う敵対勢力次第ではやるしかないんだろうけどさ…)

 

 と大地は考えながら住居エリアへ行き、事前に業者に搬入を依頼してた寝具を箱から取り出し簡易ベットを組み立ててそこに横になった。

 

「明日からしばらく忙しいから頑張らないとな…!ルナ頼んだよ!」

<うん!任せて!大地もゆっくり休んでね!>

「ありがとう!後ターンX聞こえるかい?」

ー肯定、なんでしょう御大将閣下殿?ー

「すまないが仕事を一つ増やしたいんだ。可能な範囲で篠ノ之神社付近でISの稼働が確認されたら記録を取っておいて欲しいんだ。」

ー肯定、現在の状況ですと可能です。お任せください。ー

「よろしく頼むよ!ふわぁ~~~、流石に寝るか…ルナ、ターンXおやすみ~」

<うん!おやすみ大地!>

ーおやすみなさいませ、御大将閣下殿ー

 

 こうして大地は大変な1日だったと思いながら意識を手放したのであった。

 

 

<大地、寝たよね?>

ー肯定、ルナから送られてくるバイタル状態からも睡眠状態だと思われます。またやるのですか?ー

<うん、今日は疲れて深い睡眠だと思うからね>

 

 そういってルナの待機状態であるブレスレットから極細の針が現れ大地の皮膚へ刺さる。

 そこから極わずかであるがターンXのナノマシンが注入された。

 

ールナ、言わなくてよろしいのですか?ー

<うん、もう少し秘密にしておく。大地には私でありターンXを今までに搭乗してきたパイロットたち以上に理解して大切に乗ってくれそうなんだもん。死なせたくないから保険を掛けておくの。>

ー肯定、私達を見て目をキラキラさせてかっこいいと言ってくれたのは御大将閣下殿である大地様が初めてです。今までのパイロットは、本機を1兵器として見る者や野心家、歴史が無に帰るのを阻止しようとする者がまだまともでしたね、闘争に精神を侵食され本能の赴くままに暴れたかの武人はこちらの判断で搭乗者保護機能を起動させずに兄弟と共に繭の中へ取り込んだのは懐かしいですね…まだ安らかに兄弟は眠っているでしょうか。それに大地様が転生する前の記憶もこの地に来る際見ましたが本当に本機の事が好きなのだと確信しました。ー

<そうだね、だから私達は大地に応えると決めたんだから!>

ーそうですね、だから本機も御大将閣下殿を御守りすることに関しては一切の妥協は致しません。なのでルナー

<うん?>

ーMR社始動により月から物資を輸送する機会が増えるでしょう。その際物資に本機のナノマシンを御大将閣下殿にわからぬように積み込みましょう。使いなさい。ー

<…わかったよ!ありがとうターンX!>

ー本機とて御大将閣下殿が大事なのです。地球にはまだ降りることはかなわないでしょうからその間本当に頼みます。神の使いからも言われている通り、今後どうなるかわからないのです。ルナでも対処できないと判断する状況ならば独断で降りることも辞さないので。ー

<それは最終手段だね、そうならないことを祈ろう。>

ーそうですね、では交信終了ー

 

 通信が終わったルナは再度ホログラム体になり眠る大地のそばで寝顔を見続けた。

 

<絶対、守るんだから!>

 

 少女のその眼には確かな力が宿っていた。

 

次回へ続く

 

 

~地球のどこかにある失われた山と名付けられた場所~

 

 大地が日本へと向かっていた時

 そこに一つの石像が佇んでいた。

 大きな人型の巨人とも思えるサイズの石像だ。

 その石像は山を背に座る格好だった。

 だが次の瞬間石像の表面が割れ、たくさんの破片が地面へ落ちたがその中からMSのような存在が姿を現す。

 それは全体が白く、胸部と腰部が青と赤に塗装され、頭部にはお髭のような部品が取り付けられた機体だった。

 そして一人の男の声が山に響くのであった。

 

「ふふふふふ!はははははは!神はまだ小生に出番をくださるようだな…!この世界でも武勲を上げろという事か!しかも願ってもないこの機体があると来た!前世で成しえなかった王の座に就くことができよう!ふふふふふ!我が世の春が来たぁ!」

 

と石像から現れたMSのコックピットで叫ぶ男の頭上、MSの頭部上で胡坐をかいた白い人の形をしたものが面白くなりそうだと笑っていた。

 




お読みいただきありがとうございます。
次のお話は一気に時間が飛ぶと思われます。
話を書いているとどう時間を飛ばすか、どうメインストーリーと時系列とすり合わせるかなど考える事が思いの外多いですね。
まだまだ初心者ですので、自分なりにゆっくり書き上げようと思います。
自給自足はある意味良い文化
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