機動戦士ガンダム:UC0081 異惑星重力戦線 作:izuminnー3305
スミス海での戦いから三ヶ月が経った宇宙世紀0079年1月3日の午前7時20分。ジオン自治共和国改め『ジオン公国』と国名を改名し、そして公王となったデギンは地球連邦政府に対して宣戦を布告した。
ここに人類史上最大にして世界大戦を越える超大規模の全面戦争、ジオン独立戦争こと“一年戦争”が幕を開けた。
開戦初期、ジオン軍はキシリアが指揮を取る“ジオン突撃軍”の第1機動軍が月面基地、フォンブラウンとグラナダを奇襲し制圧。続くドズルが指揮を取る“ジオン宇宙軍”の第1艦隊は月面基地を守る“連邦宇宙軍”の第3連合艦隊を奇襲し、これを撃破した。
またフォンブラウンでの戦闘中にシャアとシンは共に多くの連邦軍の艦船を次々と撃沈する大戦果を残し、共にジオン十字勲章を授与され、さらに中尉へと昇格した。
それから翌日の1月4日には反ジオンを掲げるコロニー群に対して攻撃を開始しようとしたが、キシリアがある実験の為にギレンを説得し“ブリティッシュ作戦”を一時中止させた。
ジオン公国軍旗艦であるグワンジ級宇宙戦艦、グレース・デギンの作戦会議室では軍服を着こなすギレンが口元をマスクで隠し、白いヘルムを被ったキシリアに縦長のテーブルを挟んで居合わせていた。
「キシリア、一つ言っておくが、お前の意見に同一したのはあくまでもニュー・タイプの持つ未知の力をテストする為だ。本当にニュー・タイプの力で連邦の真意を手に入れる事が出来るのか?」
そう言いながら左の壁側にあるモニターに映るコロニー群の細かい配置を記した戦略図を見ながら問い掛けるギレンに対して右側の上座に座るキシリアは冷静な姿勢で答えた。
「大丈夫ですよ総帥。グラダのニュー・タイプの研究者、フラナガン博士が制作した試作のニュー・タイプ増幅機を高い力を示すシン大佐に使用しています。時期に成果が出るでしょう」
揺るぎない自信に満ちた口調で言うキシリアの言う通り、その成果はすぐに出る事となった。
キシリアの旗艦であるグワンジ級宇宙戦艦、グワジンのMS格納ブロックに持ち込まれたMSN-01 サイコミュ高機動試験用ザクの胴体のコックピット内では軍服を着こなすシンが座席に座り、頭に着けたサイコミュ・ヘッドギアで搭載されているサイコミュ・システムを起動させて自身の持つニュー・タイプの力を増幅させていた。
目を閉じ精神統一するシンは増幅させた力を解き放ち、時を越えた千里眼で連邦軍の最重要極秘書類を得て、その内容を胴体の外に繋がれた印刷機に映し出す。
そして印刷機の前に待機してるヘルメットと軍服を着こなした三人のジオン兵士が印刷された連邦軍の最重要極秘書類を手に取り、その内容に驚愕する。
一方、キシリアとギレンもそのコピーを受け取り内容を閲覧して言葉を失った。
「なっ⁉こんな、ふざけた事を地球連邦は本気で実行しようとしているのか!我々に勝った後の世界を統制する新たな社会システムだと言うのか‼」
「やはり地球連邦は支配欲に囚われた者達の掃き溜めと言う事ですよ総帥。これを今すぐ世間に告発するべきです」
「うむ・・・そうだなっ」
キシリアからの助言に冷や汗を流しながらギレンは頷く。
その後、ギレンは生放送でコロニー群に向けて緊急会見の放送を行った。内容は地球連邦がジオンに勝利した後のコロニー群を含めた世界統一はまさに自由と言う肩書の元、一部の者達を優遇し、それ以外の者達をまるで奴隷の様に扱う狂った社会統制であった。
この放送に地球連邦は全面否定を行ったが、放送を観ていたコロニー群ならびに地球の住民達は地球連邦に対しての反感を爆発させ、一気にジオンを支持する様になった。またそれだけではなく、多くの連邦の正義を信じていた純粋な多くの優秀な連邦軍人達が離反し、反連邦ジオン支持組織、『
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真実の放送で反ジオンの姿勢を掲げていたスペースコロニー、アイランド・イフィッシュがジオン側に付いた事でギレンの進めていたブリティッシュ作戦は正式に中止。一方で地球連邦宇宙軍は多くの宇宙での拠点を失い、もはや新たに作られたコロニー群、サイド9であるシラギのみとなった。
そこで連邦軍の最高司令部は新たな拠点を確保する為にルウム奪還を目標とした作戦、“星一号作戦”を始動させ、決戦に備えた艦隊編成を行う事となった。
一方、ジオンはザクⅠの後継機である新たなMS、MS-06C/R-1A ザクⅡと高機動型ザクⅡ、そしてヅダⅠの後継機であるEMS-10 ヅダⅡを開発し量産と配備が始まっていた。だが、その裏側でギレンとキシリアは極秘裏で更に新たな二機のMSを開発し量産と配備を行っていた。
そしてついに宇宙世紀0079年1月15日、レビルを指揮官とする連邦宇宙軍の第1艦隊とティアンム指揮官とする第2艦隊は二手に分かれてルウムとサイド3に向けて進攻を開始した。一方、連合軍の動きを察知したジオン軍はドズルを指揮官に全総力を挙げてサイド3へ向かうティアンム艦隊に向けて大艦隊を出動させるのと同時にキシリア指揮下のジオン突撃軍は本作戦の為に新たに編成された2個のMS強襲起動大隊をティアンム艦隊とレビル艦隊へと向かわせた。
ドズル艦隊と衝突したティアンム艦隊は激しい全面砲撃の末にドズル艦隊を反転させる事に成功させる。
その様子を旗艦であるマゼラン級戦艦のラドミラのブリッジから青い連邦軍服を着こなすティアンムが指揮官席に座ってほくそ笑んでいた。
「勝負ありだな。所詮はジオンは有象無象の集まりだ。例え真実が明らかになっても戦争に勝てば真実など無意味になる」
あまりにも傲慢な態度にこれから待ち受ける悲惨な末路をティアンムは知るよしもなかった。
一方、ルウムでは赤い塗装が施された一本角が付けられたザクⅡを操縦するシャアはノーマルスーツを着ず、軍服姿でシャアは命令無視の状態で単独で三連式ザクバズーカとヒートホーク、そして左肩のシールドに付けられた弾倉を装備して出撃した。
ブースターのリミッターを解除し凄まじいスピードを出すザクⅡのGに耐えながらシャアは直上から一気にレビル艦隊に向かって急降下した。
「見付けたぞ!連邦の主力艦隊‼これで歴史は変わるぅ!私に跪けぇ!神よぉ‼」
そう言ってシャアはトリガーを引き、ザクバズーカを発射させ一隻のマゼラン級戦艦の後部上部に向かって一発のロケット弾を撃ち込み、撃沈させる。
シャアの奇襲による斬り込み攻撃に続く様にレビル艦隊の前方からドズル艦隊が奇襲を仕掛け、さらに間髪入れずレビル艦隊の下部からザクバズーカを装備したザクⅡと高機動型ザクⅡで編成された第1MS強襲起動大隊が奇襲を仕掛けた。
そしてレビル艦隊に所属する連邦兵士達は初めて目にする本当のMSの力に驚愕しつつも何とか応戦するが、高い機動力を誇るザクⅡと高機動型ザクⅡの前に連邦宇宙軍の軍艦は成す
そんな会戦の中でシャアは目覚めつつあるニュー・タイプの力で次々とザクバズーカで連邦の宇宙艦船を撃沈、またMS女性パイロットの『イリヤ・ソラリ』少尉率いるMS部隊、“レッド・ウルフ隊”も抜群のチームワークでマゼラン級戦艦を五隻、撃沈させた。
一方、黒い三連星は連邦軍の大将、レビルを捕虜するが、艦船の撃破数はたったの二隻であった。
濃い青と黒のツートンカラーのザクバズーカを装備した角付きの高機動型ザクⅡをノーマルスーツを着こなし操縦するMSパイロットの『アナベル・ガトー』大尉が次々と連邦軍の艦船を撃沈して行った。
「この
ガトーはそう叫びながら頂上からサラミスの艦橋に向かってザクバズーカで打ち抜き、撃沈させる。
この会戦でシャアは自身が操縦するザクⅡのメインブースターを最大限まで引き出し、凄まじいスピードで次々と連邦軍の艦船を撃沈した事から“赤い彗星”の異名で呼ばる様になった。
■
一方、ジオン本国に近いティアンム艦隊はレビル艦隊が壊滅的に被害を受けた事を知った。
「何⁉ジオンの奇襲でレビル艦隊が‼」
青い連邦軍服を着こなした艦隊指揮官のティアンムは驚きながら報告して来た男性連邦軍の通信兵が少し焦った様子で答えた。
「は、はい!ジオン軍のドズル艦隊と最新型の機動兵器でありますモビルスーツ部隊の奇襲を受け!成す術がなく壊滅したとの事‼」
報告を聞いたティアンムは指揮官席に座って目の前のモニターに映る一隻のムサイ級宇宙軽巡洋艦に護衛されたデギンとガルマが乗艦するグワンジ級宇宙戦艦の“グレート・デギン”を見て、決意を固めた。
「よし!壊滅したレビル艦隊の生き残りには申し訳ないが、我々はこのまま手薄になっているジオン本国を攻める‼各艦!全速前進‼」
ティアンムの号令で停泊していたティアンム艦隊の各艦船はエンジンを最大出力し、ジオンの首都コロニー群であるサイド3に向かって進軍を始めた。
一方、グレート・デギンの艦内にある公王の大広間では玉座に座るデギンとその側にある皇太子の座に座るガルマが目の前のモニターに映るティアンム艦隊の進軍に焦りと絶望感に襲われた。
「あぁーーーーあっ!そんな‼まさか連邦軍の艦隊が本国に攻め込むなんて!今更、ドズル兄さん達を呼び戻しても!もう間に合わない‼どうしたらいいんだぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
俯きながら両手で頭を掻きむしりながら迫りつつある絶望にガルマがは悲痛になる。またデギンも顔には出さないが迫りくる連合軍艦隊に悔しさを感じつつ、覚悟を決めていた。
(もはやここまでか。しかし、作戦会議でギレンが言っていた隠し玉とは一体何なんだ?・・・・っ!まさか、これを予期して!)
心の内で確信したデギンの考えは正しかった。徐々にグレート・デギンとムサイとの距離を詰めるティアンム艦隊の直下から無数のロケット弾がティアンム艦隊の各艦船を襲った。
突然の奇襲にティアンム艦隊は大混乱となり、ティアンム本人も一体何が起きたのか理解出来ずにいた。
「一体何だ⁉っ!まさか⁉敵の‼」
ティアンムの悪い予感は当たっていた。ティアンム艦隊を奇襲したのはヅダⅡとツィマット社の新型機であるMSー09R “リック・ドム”とジオニック社とツィマット社の合同で制作された新型機のMSー14S “先行量産型ゲルググ”で編成されたMS強襲機動大隊であった。
そんな奇襲の中でシンが操縦するヅダⅡはシャアと同じくブースターのリミッターを解除し凄まじいスピードで青い閃光を走らせながら装備したザクバズーカで次々とティアンム艦隊の艦船を撃沈して行った。
「鬼の居ぬ間に攻め込むとはいい判断がだ!だがお前達の様な奴らにジオンを‼︎俺達の祖国を踏み弄られてたまるかぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
そう大声で言うとシンはトリガーを引き、ザクバズーカを発射させティアンムが乗るマゼラン級戦艦を一発で轟沈させた。
その後はシンの後に続く様に次々とバズーカから発射されたロケット弾がティアンム艦隊の艦船を襲撃した。司令官が戦死した事でティアンム艦隊は完全に統制を失い大混乱となった。
シンは自身のニュー・タイプの力で次々とティアンム艦船の艦船や戦闘機を撃破する中で赤と黒のツートンカラーのリック・ドムを操縦するからMSパイロットの『ジョニー・ライデン』と白と黒のツートンカラーのゲルググを操縦するからMSパイロットの『シン・マツナガ』はお互いに競い合う様にティアンム艦船の艦船を次々撃破していた。
「ヒューーーーーーーーーッ!やれねぇマツナガ中尉。これで六隻目だな」
ザクバズーカでマゼランを撃沈する中でノーマルスーツを着こなすジョニーが笑顔で無線でそう言うと同じ様にノーマルスーツを着こなすマツナガがサラミスをザクマシンガンで撃沈する最中に無線で返した。
「それはどうも。それよりもライデン中尉、戦闘に集中しろ。まだ敵は戦う気だぞ」
「了解」
ライデンはそう返してマツナガと共にブースターを最大にしてまだ戦闘を続ける連邦軍の艦船へと向かった。
一方、シンは青い閃光を走らせながら最高スピードを出すヅダⅡを華麗に操縦してバズーカで次々と連合軍の艦船を撃沈して行き、その光景に一瞬、辛い表情を見せたが、すぐに消してキリッとした表情で戦闘に戻った。
この時代の転換点と言うべき“ルウム会戦”はジオンが開発した人型機動兵器、モビルスーツの華々しい活躍によってレビルを指揮官とする連合宇宙軍の艦隊はたった三隻を残して壊滅し、レビルは捕虜となった。一方、ティアンムの指揮する艦隊は全滅し、指揮官のティアンムは戦死しジオン軍は多少の損害を受けただけで大勝利に終わった。
またこの戦いでシンはシャアと同じく凄まじいスピードで次々と連邦軍の艦船を撃沈した事から“青い流星”の異名で呼ばる様になった。