機動戦士ガンダム:UC0081 異惑星重力戦線   作:izuminnー3305

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第6話:一年戦争(下1)/転換点

 宇宙世紀(U.C.)0079年9月18日、ドズルの特命でサイド7付近へと到着したシャアの指揮する部隊は早速、三機のザクⅡC型が送られる事となった。しかし、発進前に思わぬトラブルが発生した。

 

「何!ジーンの機体の脚部関節にヒビが見つかった⁉」

 

 ドズルから譲り受けたムサイ級戦艦、“ファルメル”の下部にある無重力下のMS用ドックで報告を受けたシャアに向かってノーマルスーツを着こなすデニムが状況を述べた。

 

「はい少佐、武装を整えていた時に大量のオイルが浮遊していたので調べた所、ギア部分に大きな亀裂がありまして修理と交換に時間が掛かるそうで」

 

 デニムからの状況説明にシャアはジーンの機体の後方に待機してある自身の赤いザクⅡC型を見て、ニュータイプとしての感が働く。

 

「やむを得ないな。よし!デニム、ジーンのザクを下がらせろ代わりに私が部隊の指揮をする。ジーンの機体の武装をそのまま私のザクに搭載しろ、いいな」

「了解です!少佐!」

 

 シャアからの命令にデニムは了承し、整備班に合図を送った。一方のシャアは自身の赤いザクⅡC型へと向かいコックピットを開けてシステムを機動させる。

 

 そして準備を整えたシャア、デニム、スレンダーはサイド7へと向かった。そこから歩むはずだった歴史が大きく変わった。

 

 シャアは独自の判断で開発中の連邦制試作MSを破壊、さらに残った連邦のMS、“ガンダム”と新造された宇宙強襲揚陸艦、“ペガサス”を鹵獲、帰還途中でワッケインが指揮する連邦軍の試験小隊に所属する“プロト・ガンダム”と鹵獲された“試験用ザクⅡC型”と交戦し圧倒的な性能と操縦技術でシャアは単身でプロト・ガンダムと試験用ザクⅡC型を撃破した。

 

 その様子をサラミスのブリッジから見ていたワッケインは言葉を失い愕然とした。

 

「そんなバカな⁉たった一機に我が軍のモビルスーツ二機が撃破されれたのか!」

 

 連邦の技術を渡すまいと焦ったワッケインの判断は逆に今後の戦局への決定打となるV作戦の進行を大きく狂わせる事となった。

 

 すると連邦の男性通信兵が慌てた様子でワッケインに受信した通信を声を荒げて報告した。

 

「かっ艦長!大変です‼先程!ν(ニュー)開発基地がジオン軍の奇襲を受けて全滅‼しかも建造したばかりの78-3ガンダムが!強化装備品と共に鹵獲されました‼」

 

 通信兵からの信じられない報告にワッケインは完全に言葉一つも出ない程に絶望の淵へと落ちた。

 

⬛︎

 

 時は少し戻りシャア達がサイド7へと侵入した同時刻、連邦軍の採掘衛星に偽造した極秘の開発基地であるν(ニュー)開発基地では多くの連邦技術者達がリフトで直立した状態で固定された灰色の機体色が特徴の“RX-78-3 G-3ガンダム”のシステムチェックをしていた。

 

「よし!システムは問題ないな。後はこの機体に取り付ける強化装備品のチェックをするだけだ」

 

 無重力下でボードに張られた資料を閲覧しながら他の技術者に指示をする男性技術リーダー。すると目の前の左右式のドアロックが物凄い爆発と共に破壊される。

 

 そして破壊された穴から武装したシンが操縦する青いヅダⅡと特殊部隊であるサイクロプス隊に所属する三機の“MS-06R-1 高機動型ザクⅡ”がモノアイを光らせて侵入する。

 

「あれが例の連邦軍の新型だな、破壊するぞ」

 

 ノーマルスーツを着こなし角が着いた高機動型ザクⅡを操縦するハーディ・シュタイナーが無線でシンに伝え、ザクマシンガンを構えるとヅダⅡに止められる。

 

「待て下さいハーディ大尉。あれは俺が奪います、援護をお願いします」

 

 そう言ってノーマルスーツを着こなすシンはハッチを開け、ヅダⅡから飛び出しと飛び散った瓦礫や柱を利用してG-3ガンダムへと向かった。

 

 一方、少し驚いたハーディであったが、すぐに他の二機に命令を出した。

 

「アンディ、ガルシア、中尉を援護しつつ施設を破壊するぞ」

 

 ハーディからの命令にアンディ・ストロースとガブリエル・ラミレス・ガルシアが返答する。

 

「「了解」」

 

 そしてグレネードランチャーを装着したザクマシンガンを持つアンディが操縦する高機動型ザクⅡとザクバズーカを持つガルシアが操縦する高機動型ザクⅡはハーディと共に施設内の破壊を開始した。

 

 そんな中でシンは無事にG-3ガンダムのコックピットへと着き、座席に座りハッチを閉めるとシステムを機動させる。

 

「なるほど。ジオンがまだ持ってない新技術が採用されていて、しかもパワーがザクとヅダの十数倍はあるなぁ」

 

 そしてシンは目の前のコックピット画面に映し出されたG-3ガンダムの全体図と機体名に興味を示す。

 

「機体名はガンダムか、連邦軍にしてはスマートでいい名前だなぁ。よし!オートバランスはザクとヅダと変わらないなぁ」

 

 そう言いてシンは操縦管とフットペダルを動かし、固定フックを破壊しながらG-3ガンダムを前に出す。すると黒煙の中から“RX-75 ガンタンク”が現れ、両肩のレールガンでハーディ達を砲撃する。

 

「「「うわぁーーーーーーーーーーーーっ!」」」

 

 突然のガンタンクの奇襲にハーディ達は何とかギリギリで避けるが、三機の高機動型ザクⅡはバランスを崩して倒れる。

 

「動ける機体があったのか。何か武器はないのか?」

 

 シンはコックピットのシステムを動かし武器を探す。すると近くに置かれた骨組みのコンテナ内に入ったビーム・ライフルを発見し軽く頷く。

 

「ライフルか、使えるな」

 

 シンはG-3ガンダムの右足の膝を曲げてビーム・ライフルを拾おうとするとガンタンクは持たせないと言わんばかりに両手の四連式ガンランチャーをG-3ガンダムに向かって連射する。

 

 だが無防備でガンランチャーの直撃を受けているG-3ガンダムの装甲は無傷でビーム・ライフルを拾い上げるとシンはコックピット内に備わっている狙撃モニターを出してガンタンクに照準を合わせる。

 

「よし!それじゃどんな威力か試させてもらすぞ」

 

 そう言ってシンは操縦管の横にあるスイッチを押すと驚異的な威力を持つビーム・ライフルが発射され、貫かれたガンタンクは施設の一部の爆発に巻き込まれながら撃破された。

 

 たった一撃でガンタンクが撃破された光景にハーディ達は驚愕する。

 

「あれが連邦の新型機の威力なのか!」

「信じられねぇ!敵機諸共、施設も破壊するなんて!」

「嘘だろ!集中攻撃を受けているのに装甲が無傷なんて!」

 

 ハーディ、アンディ、ガルシアが驚くな中で操縦する高機動型ザクⅡを起こすとシンはハーディに無線を繋ぐ。

 

「大尉、無事ですか?すみませんが、近くのコンテナにこの機体の用の装備品がいくつかあるので、持ち出しを手伝ってくれませんか」

 

 シンの命を受けたハーディは返答をした。

 

「了解です中尉、ミーシャ、バーニィ、聞こえるか」

 

 ハーディが無線で破壊したν(ニュー)開発基地のドアロックの外で待機と警戒をしていた二機の高機動型ザクⅡを操縦するミハイル・カミンスキーとバーナード・ワイズマンに繋ぐ。

 

「ええ隊長、聞こえます」

「はい隊長、よく聞こえます」

 

 ミーシャとバーニィが返答するとハーディは命を出した。

 

「基地内に入ってくれ。ミーシャは連邦の新型機に使われる装備品をガルシアと共に運び出せ。バーニィは中尉が乗っていたヅダⅡを連れて行け。残りの基地破壊は俺とアンディでやっておく、いいな」

 

 ハーディの指示に二人は返答をした。

 

「「了解」」

 

 そしてミーシャとバーニィは基地内へと侵入し、バーニィは遠隔でヅダⅡのコックピットシステムを操作し背面部を掴んで基地を出る。一方のミーシャはガルシアと共にいくつか置かれた骨組みのコンテナに入っているG-3ガンダムの装備をシンと共に持ち出しを開始し、その間にバーディとアンディは引き続き基地の破壊を行なった。

 

 一方、ν(ニュー)開発基地の外にある自然の小衛星の影にはジオンの第603技術試験隊の母艦であるヨーツンヘイムが待機しており、そのメインブリッジでは艦のメンバー他、技術士官やMSパイロットがメインモニターで作戦の様子を見ていた。

 

「艦長、ν(ニュー)開発基地に潜入したサイクロプス隊から暗号通信。“任務完了、ヨーツンヘイムに戻り次第、直ちに空域から離脱せよ”っとのことです」

 

 ヨーツンヘイムのオペレーターであるジーン・ザビエルからの報告に指揮官席に座る艦長のマルティン・プロホノウは頷く。

 

「うむ。流石、特殊部隊だ十分な戦果であるなぁ」

「いいえ、艦長。これは我がジオンにとって大戦果です」

 

 マルティンの評価を強く否定する様に特務大尉のモニク・キャディラックが自慢げな笑顔で今回の戦果を語る。

 

「連邦軍のモビルスーツ開発を完全に頓挫させた。これは我がジオンの勝利が大きく近づいたと言う吉兆です。まさにこの戦果は十分などと低い言葉では語れない物です」

 

 すると彼女の話しを聞いていた603隊の技術中尉であるオリヴァー・マイはモニクに話し掛ける。

 

「お言葉ですが、特務大尉、我々の任務は新型の試作兵器の性能テストが主任務です。この様な本格的な軍事行動に我々が参加するのはお門違いでは?」

 

 オリヴァーからの指摘にモニクはキリッとした表情と眼差しで彼に対して静かに反論する。

 

「技術中尉、今、我が軍は決戦に備えて戦力の増強が行われている。我々603も例外ではない、いつまでも試験任務を行なっている余裕はないのよ」

「し!、しかし!」

 

 彼女の圧にオリヴァーは一瞬、たじろぐとメインモニターにカメラ通話でヘルメットのバイザーを外したシンの姿が写し出される。

 

「技術中尉!聞こえるか?」

 

 シンからの通話にオリヴァーとモニクは議論をやめ、彼に向かって敬礼をする。

 

「中尉、どうなされましたか?」

 

 オリヴァーからの問い掛けにシンは笑顔で返答した。

 

「実はν(ニュー)開発基地から手土産を持って来た。こいつのコアデータの抽出と調査を頼む」

 

 シンからの要請にオリヴァーは頷く。

 

「分かりました。それで鹵獲した兵器は?」

「こいつだ」

 

 シンがそう返した後にメインブリッジの窓に接触ギリギリの距離間で下からG-3ガンダムの顔が現れ、目を光らせる。

 

 不意を突く様な登場にメインブリッジの皆は言葉を失い、驚愕する。

 

⬛︎

 

 その後、ヨーツンヘイムのペイロードに運び込まれたG-3ガンダムは直立した状態で射出装置に固定され、無重力化で早速技術調査とコアデーターの抽出が開始され、それと同時にヨーツンヘイムはア・バオア・クーへと向かう。

 

 ノーマルスーツを着たままのシンは密閉封飲料を飲んでいると二階の通路からソフィアが笑顔で飛んで来た。

 

「シン!お帰り!」

 

 飛んで来たソフィアをシンは優しく受け止め、抱き締めた。

 

「ただいま、ソフィア」

 

 そしてソフィアはG-3ガンダムを見上げながシンに問い掛けた。

 

「これが、ガンダムって言う連邦の新型機なのシン?」

 

 シンは笑顔でソフィアを連れて飛び上がると頷く。

 

「ああそうだ。連邦軍が開発した新型のモビルスーツだ。今、データの摘出を行っているところだ。オリヴァー技術中尉、データの摘出はどのくらい進んでいるんだ?」

 

 開いたコックピット内でコアデーターの抽出を行いなうオリヴァーは作業をしながら答える。

 

「はい中尉。ヨーツンヘイムのコンピューターでは摘出完了にはもう一時間は掛かりますね」

「分かった技術中尉。摘出が完了次第、データ収集室に私を含めて上官全員を呼んでくれ」

 

 シンからの指示にオリヴァーは一旦、手を止め彼に向かって頷く。

 

「分かりました中尉」

 

 そしてシンは再びソフィアを連れて下へと降りると、モニクとヨーツンヘイム甲板長のユルゲン・ヘプナーが二人の元に現れる。

 

「中尉、今回の作戦成功、おめでとうございます」

 

 モニクが笑顔でシンの功績を笑顔で称えながらユルゲンと共に敬礼をするとシンとソフィアも笑顔で敬礼をする。

 

「ありがとうございます、特務大尉」

「特務大尉殿、シンに対するお褒めの言葉、感謝致します」

 

 そしてお互いに敬礼を解くとユルゲンはG-3ガンダムの方を向き、関心する眼差しをする。

 

「ほぉーーーっこれがガンダムですか」

 

 ユルゲンがそう言うとシンもG-3ガンダムの方を向き、笑顔で頷く。

 

「はい、甲板長。今はデータの摘出を行っておりまして完了次第、データ収集室への呼び出しがありますので」

 

 一方のモニクはG-3ガンダムを嬉しそうに見ながらソフィアに今の気持ちを語る。

 

「ソフィア様、この戦果は我らジオンにとって大きな勝利になるでしょう。新型機を失った連邦軍にとっては大きな損失ですけど」

 

 誇らしげな笑顔で言うモニクであったが、一方の聞いてソフィアは少々、不安な表情で顔を前に傾けて言った。

 

「ええ、でもこの兵器を元に開発される新たな兵器で多くの人々が犠牲になるのね」

「仕方ありません、ソフィア様。それが戦争です。しかし犠牲になるのは愚かな連邦の方ですので。むしろ我がジオンの犠牲は少なくなるでしょう」

 

 モニクはそう誇らしくジオンの勝利と連邦の敗北を確信する様な笑顔で言う。

 

 その後、シンとソフィアは艦の用意された一室へと戻るとテーブルに座り、早めの昼食を取る事となった。

 

 出された料理は栄養のバランスを考えた軍用のレーション(携帯糧食)ではなく、ソフィアがヨーツンヘイムの食堂室のキッチを使って作った手料理であった。

 

「うん!美味しいよ。これソフィアが一人で作ったのか?」

 

 笑顔でシンは箸で出された鯛の塩焼きと味噌汁、白米、ほうれん草のお浸し、沢肉じゃがの事を聞くと向かいの席に座り、ナイフとフォークを使うソフィアは明るい笑顔で頷く。

 

「ええ、そうなの。料理本を見ながらやったけど、色々とミスしちゃって」

「そんな事はないよソフィア。凄く美味しいよ」

「フフッありがとうシン」

 

 シンとソフィアの普通の夫婦の会話は戦時下で暖かさを感じる時間であった。そにのヨーツンヘイムは無事にア・バオア・クーへと帰投した。

 

⬛︎

 

 ア・バオア・クーの第3ブロックに到着したヨーツンヘイムは多くのジオン兵士達から歓喜の声で出迎えられ、奪取したG-3ガンダムと、その装備品が荷下ろしされた。

 

 そんな中で軍服に着替え、ヨーツンヘイムを降りたシンとソフィアはある人物の出迎えを受けていた。

 

「シン中尉、今回の作戦ご苦労であった。まさか敵の新型機を持って帰って来るとは」

 

 笑顔でシンの功績を祝福する軍服姿のエギーユ・デラーズ中将に対してシンとソフィア、サイクロプス隊及び第603隊面々が軍服姿でデラーズに向かって敬礼をする。

 

「ありがとうございます、デラーズ中将」

「中尉、素晴らしい戦果だ。これはまさに我らジオンにとっては大きな物だ」

 

 感謝を述べるシンに対しデラーズの右隣に一歩下がって立つ軍服姿のアナベル・ガトー少佐が笑顔で戦果を褒めるとシンは敬礼を解いて感謝の言葉を述べた。

 

「ありがとうございます、ガトー少佐。それと遅れながら二階級昇進、おめでとうございます」

「ありがとう、中尉」

 

 シンからの昇格祝いの言葉にガトーは素直に感謝を示した。

 

「総帥がお見えになったぞぉーーーーーーーーっ!」

 

 一人の兵士が大声でギレンが現れた事を知らせるとジオン兵士達は一斉に姿勢を整えるとデラーズとガトーも姿勢を整え、シン達へと続く道を素早く左脇へと避ける。

 

「総員!敬礼‼」

 

 デラーズの号令でシン達に向かって歩くギレンと赤い軍服を着こなした彼の秘書官であるセシリア・アイリーン特務大尉に向かってジオン兵士達と共に敬礼をし、シン達も敬礼をする。

 

「諸君、休んでよろし」

 

 歩きながらのギレンからの命に皆は一斉に敬礼を解き、そしてギレンはシン達の前へと止まる。

 

「シン、今回の戦果は大義であった。サイクロプス隊並びに603もよくぞ戦った。君達は我がジオンにとっての誇りである」

 

 ギレンからの褒め言葉にシンは敬礼をして感謝の言葉を述べた。

 

「ありがとうございます、総帥閣下」

「諸君!私は鹵獲した兵器の視察を行う。諸君らは作業に戻りたまへ」

 

 ギレンが見渡す様に命を下すと再びデラーズが号令を出した。

 

「総員!敬礼‼︎なおれ!解散‼︎」

 

 デラーズとガトーを含めたその場のジオン兵士達は各作業場へと戻り、一方のギレンはシンとオリヴァーと共にG-3ガンダムの視察をしていた。

 

「抽出したデータからこの機体のエネルギー効率はザクやドムなど我が軍の主力モビルスーツを遥かに超える約四倍の効率がある事が分かりました」

「しかもこの機体、機体名ガンダムに使われているルナチタニウム合金は連邦独自の新たな合金装甲でビーム兵器以外の火薬兵器の攻撃を跳ね除ける事が出来ます」

 

 オリヴァーとシンからの機体説明にギレンはコックピット内を見ながら関心する笑顔で軽く頷く。

 

「なるほど、諸君達が着く前に届いた報告書を読んだが確かに地球連邦にして素晴らしい機体だ。ガンダムは」

 

 ギレンがガンダムに対して高い評価を与えていると、そこにソフィアが笑顔で飛んで現れる。

 

「失礼しますギレン兄様、ドズル兄様は元気ですか?」

 

 ソフィアからのドズルの近況にギレンは笑顔で答える。

 

「ああ、ドズルは相変わらず元気だ。近々、奴が考えた重モビルアーマーが建造されるとの事だ」

「そうですか。そう言えば、地球から戻る予定のガルマ兄様が軍を辞めたとキシリア姉様から聞きましたが」

 

 ソフィアからの更なる問い掛けにギレンは申し訳ない様な表情で頷く。

 

「そうだ。お前達がν(ニュー)開発基地を襲撃しているのと同時にシャアが率いる部隊もガンダムと新造したばかりの連邦の強襲揚陸艦を奪取した事で戦局見直しでガルマ率いる北米軍と欧州軍、極東軍を全て引き揚げと同時に辞めるとの事だ。どうやら地球で出会った女性を連れて結婚するとの事だ」

 

 ギレンの口から出たガルマの近況に聞いていたシンは驚く。

 

「総帥!それは本当ですか⁉あの誰よりも認められたいガルマが!」

 

 シンの驚く姿にギレンは少しクスッと笑うとガンダムを離れ、下に向かって降りる。

 

「ああ、あいつも運命の相手と出会って少しは変わったようだ。父上を安心させたい様だ」

 

 ギレンと共に下に降りたシン達、すると下で待っていたギレンの秘書官であるセシリア・アイリーンが笑顔で持っている資料を彼に渡す。

 

「閣下、先程、キシリア様か緊急の連絡がありまして連邦から鹵獲した連邦の新型モビルスーツのリバースエンジニアリングによる我が軍の新型モビルスーツの量産計画を提示しています」

 

 セシリアからのキシリアの新たな軍事計画にギレンは余裕の笑顔で渡され、読み終えた資料を彼女へ返す。

 

「なるほど、私に借りを作らせようとしているのか。まぁーよい。いいだろ、ジオニック社の新型モビルアーマーならびにアプサラス計画は中止だ。ビグザムと新型モビルスーツの量産に専念するように各所に伝えよ」

 

 ギレンからの厳命にセシリアは敬礼をする。

 

「はっ!」

「シン!君達は引き続き鹵獲したガンダムのリバースエンジニアリングを続けよ!分析と解析の結果は私と情報部に報告せよ」

 

 ギレンからの厳命にシン達は敬礼をする。

 

「「「「「はっ!」」」」」

 

 その後、シャアとシンが鹵獲したガンダムとG-3ガンダム、ペガサスのリバースエンジニアリングが続けられ、ジオンにはない連邦の新型技術を多数、入手する事に成功しジオンのモビルスーツ開発は一気に向上、発展を見せた。

 

 一方の地球連邦は焦ったワッケンの判断ミスで“RX-78-01 プロトガンダム”を戦闘で消失、他二機のガンダムがペガサスと共に奪取、更にコアデータが消されてしまった為、連邦のモビルスーツ開発は大きく後退。結果、何とか一部復元したコアデータを元にガンダムより多いくスペックダウンした“RGM-79 軽キャノン”が量産される事となった。

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