【IS×AC】殺戮者の唄   作:AIthe

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はい、タイトル通りです(大嘘)

あれ?この話蛇足?まあいっか!!


ありふれた話

クロエ・クロニクルが襲われた件については、篠ノ之箒に口封じをし、教員と彼女しか知り得ない事実と化した。一般生徒は何も知らされず、クロエ・クロニクルは病欠という事で、今日は休みになるらしい。

 

……ふう、疲れた……………

 

篠ノ之箒の疲労度はMAXであった。誰もそれを知らないというのは案外心にくるものがあり、普段通りに過ごす生徒達の光景は、彼女のSAN値をゴリゴリと削った。

 

……誰かに共有できないというのは辛いものだ………

 

彼女は要人保護プログラムにより、名前を変えながら、各地を転々としていた。常に監視されており、プライベートと呼ばれるものは全く存在しなかった。だから、彼女は何かを隠す事に抵抗を覚えてしまうのだ。

 

「その情報古いよ。」

 

彼女が考え事をしている間に、誰かが入ってきたようだ。制服を改造し、肩を出した、ツインテールの小柄な少女は、腰を手に当てて、扉のある場所に立ちはだかっている。

 

(りん)!?」

「一夏、久しぶりね。」

 

どうやら一夏と知り合いらしい。

 

………全く、一夏は………………

 

彼女がアプローチをかけようにも、かけ方が分からない上に、セシリア・オルコットやその他諸々の邪魔が入るだろう。それにーーー

 

………この感じ……このちびっ子も毒牙に…………

 

一夏の被害者が気づかぬうちに増えていたようだ。

 

「おい、貴様何をやっている?」

「あ……ち、千冬さ「一昨日きやがれ!」

 

(りん)と呼ばれたちびっ子は織斑先生に投げ飛ばされてしまった。彼女には知る由もないが、織斑千冬は未だに目覚まし時計の件で、彼女を敵対視しているのだ。

 

「では、授業を始める。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

『ラウラ・ボーデヴィッヒ選手、準決勝出場決定しました!いやー、流石は最強の部隊、シュヴァルツェア・ハーゼの隊長だけありますね!』

『ええ、しかもま余裕があるみたいですね。』

『是非とも頑張って頂きたいものですね。では、次にーーー』

 

ラウラこ準決勝出場が決定した。今、オールドキングを含めた黒ウサギ隊は観客席でそれを見ていた。

 

「次は……ああ……国家代表ですか。」

「あちゃー、ラウラもここまでかな?」

 

国家代表となれば、曲がりなりにもこの国で一番強いIS搭乗者がなるものだ。つまり、連携を主とした彼女らとは違い、〝単騎での強さ〟を求めたのがそれだ。勿論第三世代機を一番最初に支給されるのも国家代表だ。

つまりーーー

 

「まあ、十中八九負けるでしょうね。」

 

観客にも、部隊内でもラウラの負けはほぼ確定していると思われているのだ。実際のところ、彼女の負ける確率の方が高いだろう。

 

……なら……精一杯足掻いてもらおうか…………

 

『今から、二時間の休憩に入ります。』

 

お昼時になり、休憩が入る。多分その時にラウラとも会えるだろう。

 

………今の内に纏めておくか………おっとそうだ、首輪付き、一夏に回線を繋げろ。

 

(はあ……わかりましたよ。)

 

一夏に個人間秘匿通信(プライベート・チャネル)を繋げる。訓練中だったらしく、ウィンドウに汗だくの彼が映る。

 

『どうした?今は出張中だろ?』

「お前のトーナメントが心配なんでな。訓練メニューを送る。」

『ん、サンキュ。』

 

通信を切る。ウィンドウを操作し、元々は彼の為に作った訳ではないそれを送信する。

同時に立ち上がり、会場の出口へと歩みを進めた。

 

………さぁて、国家代表はどんなものかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

「一夏、待ってたわよ!」

「おお、(りん)か。ラーメンが伸びるぞ。」

「わ、分かってるわよ!」

 

後ろにはセシリアがいるため、四人分の席に着く。

 

「一夏さん!?このお方は!?」

「ああ、こいつはだなーーー」

 

転校生こと、(りん)は織斑一夏の幼馴染だ。箒と入れ違いで転校してきて、両親が離婚した為に帰国したが、またこの様に会うことができた。中学の時は一夏、(りん)、五反田弾という一夏の友達の三人でよく遊んでいたそうだ。

一夏はそれをセシリアに説明する。

セシリアは額に青筋を浮かべながら、目の前の転校生に手を差し出す。

 

「私はセシリア・オルコットです。よろしくお願いしますね、中国の代表候補生、凰鈴音(ファンリンイン)さん?」

(りん)でいいわよ。よろしく。」

 

対して彼女は至って普通の対応をし、その手を握り返す。そして、再び椅子に腰掛けて、一夏の方を向く。

 

「で、クラス代表は一夏なの?」

「おう、古王に鍛えて貰ってな。」

「あー、あんたがドイツで連れ去られた時に助けてくれたって人?まだ縁があったの?」

「え?私は知りませんわよ?」

 

彼女が知っているはずがない。一夏が誘拐されたという事は、日本ドイツ両国の軍部と、中学時代の一夏と良く絡んでいた鈴と弾しか知り得ない事実なのだから。

 

「あー、それよりさー。入学手続きしにここに来た時によくわかんない専用機持ち二人組と、青い髪の先輩に絡まれちゃってさー。」

「へー、大変だったろ?」

「そうよ!そのあと模擬戦して、三人ともすっごく強くてさー!」

 

セシリアが眉をピクリと動かす。どうやら彼女らを知っている様だ。

 

「それって、生徒会長なのでは?」

「「え?」」

「いや、だから、青い髪の先輩っていうのは、生徒会長なのでは?」

 

二人ともキョトンとしたかおをしている。対してセシリアは「え?皆知らないの?」といった顔をしている。

 

「この学校の生徒会長っていうのは、生徒で一番強い人の事ですのよ!」

「「ええええっ!?」」

 

一様に驚愕する。そのシンクロ率400%な二人にイラっときたが、話を続ける。

 

「でも……この学校の専用機持ちですか……一年生は私達だけですわよ?」

「そういえば、二人とも全身装甲(フルスキン)だったような………」

 

今度は一夏とセシリアがハッとした顔をする。

 

「それって………」

「ええ………」

「古王だよな。」

「オールドキングさんですわね。」

「ええっ!?あんたの恩人ってそんなに強いの!?」

 

机を叩き、立ち上がる。周りから突き刺さ視線は見えてないようだ。

 

「ま、まああいつは教員だからな。」

「ああ、なら納得かも。」

 

納得したそうで、椅子に座る。どれだけこの学園の教員が強いのかは知らないが、彼女の言い草からすれば、代表候補生が勝てない程の強さなのだろう。

そこで落ち着くかと思われたが、一夏が爆弾を投げ込む。

 

「お、箒!一緒に食おうぜ!」

「え!?わ、私か!?」

 

手にうどんを持ったまま、箒が振り向く。買ったばかりなのか、湯気が立っている。

 

「私が一緒すると、邪魔じゃないか?」

「そんなことないさ、皆で食べた方が楽しいだろ?」

 

空気の読めない一夏が箒を誘うが、彼女は躊躇っている。彼女はオールドキングの狂気の道に(いざな)われた後、彼女の教えによって竹刀を振り回すのも気を付け、一夏を強引に連れて行くのもやめるなど、あれから色々直したのだ。その為、クロエが休みの今、食事も一人でとる予定だったのだろう。

 

「ほらほら、座れよ。」

「き、きゃあっ!」

 

一夏に手を引っ張られ、うどんが溢れそうになる。いきなりの事態に思わず変な声を出してしまった。

つまり、一夏の隣に座る羽目になった。最も、本人にとっては嬉しいのだが。

 

「ちょっと、その子誰よ?」

「し、篠ノ之箒だ。剣道が一夏と同門なのだ。」

 

幼馴染という言葉を避ける。

 

「ふうん、よろしくね。」

「ああ、よろしく。」

 

握手を交わす。(りん)は少し彼女を見つめた後、一夏に目線を移した。セシリアに関しては、まず此方を向いてすらいない。

 

「で、私に勝てるわけ?」

「ああ、勝てるように努力しなきゃな。」

 

ふーんという(りん)。その笑みはとても挑発的で、尚且つその目はとても好戦的だった。

 

「いっとくけど、私強いよ?」

「おう、楽しみにしてるぜ!」

 

二人はハイタッチをする。セシリアはそれを膨れっ面で見ており、嫉妬しているのか怒っているのか分からない状況だった。

 

「じゃあ、一夏、私が訓練「私をお忘れで?このイギリス代表候補生、セシリア・オルコットを?」

「うん、大体他国に興味ないし。」

「な、何ですって!?」

 

セシリアと(りん)の間にばちばちと稲妻が生じる。一夏はあたふたしているだけで、何の役にも立たない。

 

(りん)さんは、対戦相手だから訓練に付き合うのは良くないんじゃないか?」

(りん)でいいわ。……悔しいけど確かにそうね。一夏、二週間後を楽しみにしているわ。」

「おうよ!」

 

(りん)が席を立ち、手を振りながらどこかに行ってしまった。

訓練メンバーはこの席に座っている三人に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

「で、オールドキングさんから送られてきたメニューはどうでしたの?」

 

一夏、セシリア、箒の三人は放課後、ISの訓練をしていた。あちらとは時差があるため、あちらはまだお昼頃だろう。時計を見ると、もう八時に差し掛かっていた。

 

「ああ、明日話すよ。今日はこれで切り上げよう。」

「ええ、では明日もよろしくお願いします。」

「一夏、これを片付けたら、クロエの見舞いに行かないか?」

 

これとは、打鉄の事である。彼女は専用機持ちではない。その為、毎回訓練機を借りる必要があるのだ。

 

「ああ、じゃ、シャワー浴びてくるわ。」

「う、うむ。」

 

一夏が先にアリーナを出る。彼女はセシリアと一緒にアリーナを出て、ロッカーで着替える。ISスーツというのはスクール水着の様な見た目をしているため、汗を掻くと体に引っ付き、調子が悪い。

そんなスーツを脱ぎながら、彼女は次着る服を用意する。

 

「箒さん、貴女は一夏の事をどう思ってらっしゃるので?」

 

そうきたかと思い、唾をゴクリと飲む。服を着て、まだISスーツのままの彼女の方を向く。

 

「ああ、一夏の事は昔から好きだ。」

「………そうですか。なら恋敵ですわね。」

 

〝恋敵〟、それは彼女に相応しい言葉ではない。何故なら彼女はーーー

 

「……私は、〝篠ノ之箒〟を辞め切ってはいない。だから、一夏の事よりそちらを優先させてもらう。」

 

彼女は決意こそしたものの、所詮は〝篠ノ之箒〟の中で変わっただけだ。次のGWが来た時、それが色んな意味で、最初で最後のチャンスとなるだろう。

だが、セシリアがそれを分かる訳はなく、不思議そうな顔をしている。

彼女は両手でセシリアの肩を掴む。

 

「だから、私の事は気にするな。自分の未来は自分で掴み取れ。」

 

真剣な目で、彼女の目を見つめる。

 

「あ、貴女の事何て最初から気にしておりませんわ!」

 

セシリアはプイっとそっぽを向き、着替えを済ませる。

 

「では、見舞いに行きましょうか。」

「ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

IS学園教師ーーー高坂凪子(たかさかなぎこ)はクロエとオールドキングの寮室で、クロエ・クロニクルの目覚めを待っていた。既に眠りについてから一日が経とうとしているが、目覚める気配はない。

 

………遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)ねぇ………そんな事して何になるんだか………

 

彼女は机で資料を作りながら、未だ目覚めぬ少女の事を考えていた。彼女が何故この部屋にいるのかというと、それは勿論仕事である。この少女が目覚めたら、直ぐに職員室に連れていかなければならないからだ。

 

……全くもって楽な仕事だ…………

 

そして、私的な用事がもう二つ。一つは、彼女が目覚めた時にオールドキングの電話番号を聞くこと、もう一つはーーー

 

……何故こんな事件が起きたのか………だな…全くもって分からん………

 

この事件の真相ーーーというより理由を知りたいのだ。この学園は事件を秘匿して、トーナメントを行おうとしているが、彼女にはそれが正しいとは思えなかった。

 

………頭のおかしい連中だ……そんな時によくトーナメントを行おうと思えるな?

 

彼女は特に詳しい訳ではないが、IS学園の警備はザルではない筈だ。そうなると、侵入するだけでも難易度が高いのに、それに加えてあの迷路だ。あれは、篠ノ之箒曰く「視界から侵入し、脳を騙す錯覚」らしいが、そんな物を入手しているとなれば相当な規模の敵がいる事になる。

 

………トーナメント当日……比較的警備が浅いこの日は……来るか?いや……分からんな…………

 

彼女はその地図をくしゃくしゃに丸め、ゴミ箱に捨てる。

そして、刷っておいたIS学園の警備システムが書いてある資料を取り出す。

 

………まあ、本人に聞くのが一番か………まあ、答えなかったがな……

 

クロエ・クロニクルは問答に答えなかった。分かる事は、彼女が何らかの理由で殺されかけた。それだけだ。

 

……やはり、オールドキングに直接聞いてみるのが得策か……だが彼女は現在ドイツ……

 

うーんと声を鳴らす。それとほぼ同時に、この部屋の扉がノックされる。

 

「一夏だ、入るぞ。」

 

扉が開かれる。世界唯一のIS搭乗者と目が合ってーーー

 

「えっ?だ、誰?」

 

………世界最強の弟か……さて、これからどうするかな………

 




はい、暫くはオリキャラの活躍が………無いですね。

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