【IS×AC】殺戮者の唄   作:AIthe

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4000文字と少なめです!


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「よお、ラウラ。どうだ?」

「ああ、休憩したら準決勝だ。」

 

オールドキングはラウラと会っていた。ラウラはISスーツを中に着込んで、上にはジャージを着ている。しかも、着ているジャージは全く同じもので、違うのはサイズだけであった。

 

「そのジャージをどうした?」

「これは隊長のだ。隊長がくれたじゃないか。」

 

そういえば、小さくて着れなくなったジャージを捨てようとしたら、勿体ないと言われて、仕方なくラウラにあげたのを思い出した。お古なので、あげるなどと言える立場ではないが。

 

「で、準決勝はどうする?」

「ああ、国家代表ーーー魔女狩り(Hexenjagd)だな?」

 

魔女狩りと呼ばれている彼女は、別に背信者を罰したり等はしない。名の由来は、圧倒的な理不尽さ、無慈悲さで敵を倒していくのその戦闘スタイルから、そう名付けられた。彼女はそれをいたく気に入っており、自分でもそう名乗っているそうだ。

 

「まあ、勝てる確率は低いだろうな。だがーーー」

 

ーーー善戦はできる。オールドキングはそう断言する。首輪に触れ、目の前に首輪の付いたウサギのエンブレムが映り、それが背景となって、データが表示される。

 

黒い鎌(シュヴァルツェア・ズィッヒェル)か……私達の雛形か………」

 

表示されているISのデータは「黒い鎌(シュヴァルツェア・ズィッヒェル)」と呼ばれる第三世代シュヴァルツェアシリーズの雛形だ。この機体は、イグニッションプランと呼ばれる欧州防衛計画の一部に組み込まれるきっかけとなった機体である。

武装は至ってシンプルで、両腕のブラズマブレード、腰にセットされたレールカノン、格納されたアサルトライフル、それとミサイルだ。

バランスが良く、ほぼ全距離対応型だと予想される。

ただ、心配なのはーーー

 

「……第三世代兵器が無いところか?」

「ああ、フランの様にスペックの犠牲になったのかもしれん。」

 

まだ、開発されたばかりで単一能力(ワンオフアビリティ)は発動していないと考えられるが、格上の相手に、更に手札が明らかになっていないとなると、これは大きな障壁となるだろう。

 

「……一つだけアドバイスをするとしたら……」

「何だ?」

「相手の全てを見ろって事だ。んじゃ、頑張れよ。」

 

ラウラ・ボーデヴィッヒには、その言葉を理解する事は出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

『では、準決勝を始めます。』

 

二つの黒はアリーナにて対峙する。ニュースで、一番盛り上がるだろうと予想されたこの試合には、観客席から溢れ出るほどの人が観客として来ていた。

 

『では、よろしくお願いします。』

『こちらこそよろしく頼む。』

 

二人は挨拶を交わす。それと同時に、会場に静寂が訪れる。

 

『試合、開始。』

 

アナウンスと共に、ラウラがレールカノンをぶっ放す。その不意打ちをまるで予測していたかのように回避し、両手にアサルトライフル呼び出し(コール)、回避行動をとりながら連射する。その弾は一見、適当に撃ち出されている様に見えるが、それは動きを制限する形になっており、ラウラに危機感を感じさせる。

 

『やるな!』

『貴方こそ!』

 

メビウスの輪を描くように回避していた魔女狩りは、急に瞬時加速(イグニッション・ブースト)で急接近、両腕のプラズマブレードを薙ぎ払う。

 

「くっ!おおお!」

 

急な攻撃にレーザーブレードで防御し、ワイヤーブレードを放つ。しかし、出力で押し負けてそのまま吹き飛ばされ、その場で回転しながら、伸びきったワイヤーブレードを全て切り裂かれる。

 

「ま…だまだぁ!!」

「はぁっ!」

 

連射されるレールカノンが何度も装甲を掠め、彼女の目が鋭く、ナイフの様になっていく。

 

………隊長は何と言っていた……相手の全てを見る?どうやって………

 

彼女は回避を続けながらも眼帯を外し、その両目を会場に見せつける。

そして、相手のISを凝視する。

 

………見えた!

 

メビウスの輪の両端ーーーちょうど彼女が折り返す時、速度が弱めぬように体勢を崩しているのが見えた。

 

境界の瞳(ヴォータン・オージェ)、起動!」

 

金色の瞳が輝きを増す。しかし、境界の瞳(ヴォータン・オージェ)は彼女の体には適応していない。そのため、彼女がこの瞳の力を、データ上のスペック通り(・・・・・・)に発揮できるのは、僅か121秒だ。

これは、彼女の隠された切り札であるが、使い方を間違えれば、負荷によって彼女の戦闘能力は一気に落ちる。正に諸刃の刃と言った様なものだ。

 

『その目……倒し甲斐のあるいい目をしていますねーーー魔女狩りの名にかけて。貴方を倒します。』

『……いざ尋常に勝負!』

 

オールドキングの真似事でしかないが、二段瞬時加速(ダブル・イグニッション・ブースト)を成功させ、瞬間的に敵の真上を取る。装填済みのレールカノンを放ち、その弾を追いかけるように加速する。

弾丸はいとも容易く避けられ、逆にこちらにレールカノンを向けてくる。レーザーブレードを展開し、斬りつける。

 

「ーーーなっ!?」

 

ギリギリで回避をさせたところに光波を放ち、強力な不意打ちを成功させる。が、相手は直ぐに体勢を立て直し、アサルトライフルを連射する。光波の為に腕を大きく伸ばしていたラウラは回避しきれず、大きく被弾する。

 

「おおおおお!!」

 

ちょうど相手が体勢を崩したその時、彼女はそれを狙って瞬時加速(イグニッション・ブースト)を発動、急接近しながらレールカノンを放つ。しかし、それは予想済みだったのか、既に相手もレールカノンを展開していた。

ラウラの弾は直前になって回避され、相手は撃ち出したレールカノンの衝撃を殺さず、そのまま後ろ向きに加速していく。

 

…………今だ!

 

右腕を前に差し出し、AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)を発動、相手のレールカノンを止めつつ、前方に瞬時加速(イグニッション・ブースト)、光波の範囲にとらえる。

その急展開な場面に、会場も、二人も盛り上がる。

 

「はぁっ!!」

「まだーーーまだぁ!」

 

魔女狩りは体勢を崩したままレールカノンを地面に向けて発射、その衝撃と瞬時加速(イグニッション・ブースト)を合わせ、逆にラウラの方へと近づく。

両者がブレードを展開、先程の様に鍔迫り合う。

 

「停止結界!」

 

境界の瞳(ヴォータン・オージェ)により集中力を底上げし、現在の状況でもAIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)を使用することが出来た。敵ISは慣性を失い、動きを止める。そこを逃さず、レールカノンを構える。

 

「発射!」

「残念ながら私の勝ちです。」

 

発射と叫んだ瞬間、彼女の身体に大きな疲労がのしかかり、停止結界が消える。目の光は弱くなり、それは金色の瞳の限界を示していた。

レールカノンを発射するのが遅れ、そのまま機体を切り裂かれる。残り少ないシールドエネルギーが既に一桁になり、そこにアサルトライフルが撃ち出されてーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

「よかったぞ、ラウラ。」

「ああ、ありがとう。」

 

ラウラは負けてしまったが、オールドキングから見てもあれは善戦ーーーいや、それ以上の戦いを見せてくれた様に思えた。彼女が二段瞬時加速(ダブル・イグニッション・ブースト)を使えるとは思ってもいなかったし、AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)のタイミングもほぼ完璧だった。

 

「結局、第三世代兵器……使われなかったな。」

「まあな、そういう時もあるさ。相性が悪かったら使わんよ。」

 

ラウラはそれを手加減されたと感じたが、彼女は使えなかったと判断した。何故なら、あのタイミングはもしかしたら、ラウラが勝っていたかもしれないからだ。そんな状況で、第三世代兵器などという切り札を出さないのは、あの場面では使えなかったからと考えるのが正解だろう。

 

「じゃ、帰りに何食って帰る?」

「何か奢ってくれるのか?」

「勿論、ほら、後ろを見てみろ。」

 

ラウラが後ろを向くとーーー

 

「お疲れ!」

「試合、良かったです。」

「まあ、私達は連携が力だもんね!」

「そうそう、そゆこと。」

「ラウラ、食べたいとかものあるか?」

 

そこには、黒ウサギ隊の姿があった。全員がラウラの事を待っていた。

 

「皆……私は良い仲間を持った。」

 

その言葉は、誰に届く事もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

「え?だ、誰?」

 

織斑一夏は状況を把握できずにいた。クロエの見舞いに彼女の部屋に向かったら、知らない大人の女性がいた。スーツを着ているところから、教師だと伺えるが、一度も見たことのない先生だった。

 

「ああ、織斑千冬の弟と……篠ノ之博士の妹、オルコット家の当主……クロエ・クロニクルの見舞いか?」

「は、はい……えっと………」

 

横を見ると、箒とセシリアが怪訝そうな顔をしている。多分、認識のされ方が付属品の様な扱いだったからだろう。特に、箒に対して篠ノ之束の妹と言うのはタブーだ。

 

「高坂凪子だ。高いに坂、風の中……虫みたいな部分が停止の止、そして子供の子と書く。」

 

何故か、名前の漢字の説明をされる。その上、悔しい事に分かりやすい。

 

「どうしてここにおりますの?」

 

セシリアが質問をする。

 

「この子のお守りをやっていた。」

 

高坂凪子と名乗った女性は、単調に答える。箒の顔は元に戻っていたが、セシリアの顔は相変わらずだった。

 

「じゃ、私は出るとするよ。お邪魔みたいだしな。」

 

その教師は、部屋から去ってしまった。

 

「だ、誰ですのあの方は?」

「私も知らん。」

「高坂凪子って名乗ってたろ。」

 

三人は少し考えたが、考えても仕方のないことに気付き、クロエの元に行く。見た目には何の影響も見えなかったが、その瞼は重く閉じられていた。

 

「いつ起きるのかな?」

「………まさか……いや、そんなはずは………」

 

箒が考え込む。

 

「どうした?」

「箒さんまさか………レズ!?」

「いや、それはない。」

 

キッパリと否定する。が、セシリアは何かブツブツと言いながら自分の世界に入ってしまった。もう戻ってくることはないだろう。

 

「もしかしたら、オールドキングの声を聞かないと目覚めないかもしれない。」

「え?何だそれ?」

 

篠ノ之箒は知っている。クロエが胸を撃たれた時、オールドキングの連絡が来るまで目を開ける以外の反応を示さなかったことを。

 

「オールドキングに連絡しよう。」

「え?でもあっちは今……8時間だから……明け方だろ?古王って起きてるのか?」

「大丈夫だ。オールドキングは起きてるはずだ。」

 

そう言って、篠ノ之箒はオールドキングに連絡を入れた。




次はしっかり書くます!
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