ストレイドって、どういう意味でしたっけ?
感想、誤字指摘などお待ちしております。
彼女は内心舌を巻いていた。
あの機体ーー
彼女はゆっくりと手を伸ばしそれに触れるとーーー
ーーー砂のように崩れ落ちた。
「ーーーっ!?」
驚いて思わず手を引っ込める。
………何なんだ今のは……偶々似た形の砂が……そんなのはあり得ない………何が…………
突如その首に違和感を感じ、首元を触るとヒヤリと金属特有の冷たさを感じる。ペタペタと触ると、それは円状になっており、首から外れない。まるでーーー
……首輪?なぜ首輪が?
彼女は辺りを見渡すが、人影などは見えない。元々こんなものは付いていなかったし、外す場所がない。
………いつ、誰につけられたんだ?
その疑念は次の声で払拭される。
『この感じ…オールドキングさんですか?』
その声はーーー
「首輪付き!?」
◆ ◆ ◆
『お久ぶりです、こんな身体になってしまいましたが。』
他のリンクスの名前は知らない、又は偽名であることの事の方が多い。そのため、カラードに繋がれたリンクスということから〝首輪付き〟という名で呼ばれることもあった。
関係はないが、その雰囲気だけで彼女をオールドキングと判断できたのは流石彼女に見出されたゲイヴーーリンクスだ。
その声は彼女の首輪から出ており、それが彼と言うことはすぐに分かった。
「積もる話があるが、あの機体はどうなった?」
砂になって消えた
『これが私のーーこのISの本来の姿なんです。詳しいことは後で説明します。行くのでしょう?戦場に。』
そうだ。私は面倒だが、彼を助けるためにここまでやって来たのだ。危うく目的を忘れるところだった。
「ああ、どうやって起動するんだ?」
彼女はISを使ったことがない。
『もう起動してます。』
「えっ。」
自分の中のISのイメージはパワードスーツに似たもので、流石の彼女でもそれがおかしいことはわかる。
「防具のないISなんてあり得るのか?」
『武装を確認して見てください。やり方はーーー』
説明を受けた通りにすると、目の前に空間投影ディスプレイが表示される。そこにはーーー
試作段階試験用第三世代型IS【
・第一武装【
ーーー使用可能
・第二武装【
ーーーパスワード入力によりロック解除
・第三武装【■■■】
ーーー現在使用不可能
・第四武装【■■■】
ーーー現在使用不可能
・第五武装【■■■】
ーーー現在使用不可能
・第六武装【■■■】
ーーー現在使用不可能
・第七武装【■■■】
ーーー現在使用不可能
・第八武装【■■■】
ーーー現在使用不可能
・第九武装【■■■】
ーーー現在使用不可能
・
ーーー発動中
なんとかアビリティはすでに発動しており、更に九つも武装があるのは結構だが、使えるのは二つだけらしい。あとルビ仕事しろ。しかも、一つはパスワードが必要だ。『呼べばその武器が出てきますよ。』とか言っているので、取り敢えずーー
「Scorcher!」
しかし何も起こらない。
『「……………」』
これは相当な欠陥機のようだ。確かに名目にも試験用と付いた上に更に試作段階と二度も同じことが書いてある。本当にテスト中のテスト機体なのだろう。
『取り敢えずーーうおらぁ!』
彼女の意思に反して、その右腕が動き、床をぶん殴る。
………え?ちょ、待ドゴオオオオオオオオオン!!
豪快な音を立てながら、下へ、更に下へと落ちていく。最後に地面に着いた時には、そこは地下だった。
目の前には男と芋虫のようにウネウネと動く人間がみえる。多分あれがオリムライチカだろう。
………なにが起きてるんだ…………
(ちょっと腕をお借りしました。つまりその状態ですでにISは起動済みという事。首輪付きです☆)
………戦場じゃないと本当に生き生きしてるなこいつ………
脳内に彼の声が響く。そんなことが出来るのなら最初からこっちで話しかけて欲しいものだ。
………装甲のないISとは……随分と欠陥機を作ってくれたものだ………
「ーーゴホッゴホッ……よう、イチカ。助けに来てやったぞ。」
彼女は彼に自分の存在を伝える。男は状況が理解できていないらしく、こちらに銃口を向けてあたふたしている。
「な、何者だてめえ!」
男は
(でも、シールドエネルギーとか、絶対防御とか発動してないし、
シールド何とかとか言われても何言ってるのかわからない。
……つまりどういうことだ?
(簡単に説明すると、ゲームで言ったら攻撃力のみUP状態ですね。)
自分の中の首輪付きのキャラが崩れていく。戦場だとあんなに寡黙だったのに、今ではこんなに饒舌である。
それは置いておいて、今は目の前の事に集中しなければ。
彼女はゆっくりと男に向かって歩みを進める。
「く、来るな!」
乾いた音が室内に響き渡るが、その弾が彼女に当たることはない。ゆらゆらと動きながら、彼女は歩みを進めて男の目の前に立った。
「寝てろ。」
彼女は素早く男の腹に目掛け拳を送る。男は悶絶し、その場に倒れこんだ。
「ふう……力加減が難しいな…大丈夫か?」
縛られている彼の元まで歩き、その縄を解いてやる。
「えっと…オールドキングさん?ど、どうしてここに?」
彼は目をぱちくりとして現在の状況を理解できていないような感じだ。
「助けに来たって…っと、取れたぞ、立て。」
彼はのろのろと立ち上がり、こちらをじっと見て来る。顔に埃でも付いているのか、袖で顔を拭いてみるが、まだ見ている。
「あんまりジロジロ見るな。ほら行(近くにISの反応が、こちらに来ます!頑張って!)
いやいや、頑張ってじゃねえよ。
彼を手で制し、後ろに下がるように言うと素直に従ってくれた。とても物分りがいいところから見ると、いい育ち方をしているのかもしれない。
「イチカ、お客さんだぜ。」
「え?どういうーー」
ダァァァァン!!
すぐに、彼女が開けた穴から蜘蛛のような姿をしたISが落ちてくる。煙たくなるから勢いよく落ちてくるのはやめて欲しい。
「はぁ?ガキにどれだけ手間取ってんだ!?この雑魚どもが!」
煙の中からその黄色と黒の装甲が見え隠れする。どうやらこちらの存在は気付かれているようだ。
……やれやれ、IS相手じゃ分が悪過ぎるか……首輪付きぃ、どうする?
(ほら、第二武装を使えばいいんですよ!)
使えと言われても、ロックされているのでどうしようもない。本当に無茶苦茶な奴である。
(仕方がないですねー、ロック解除のパスワードはーーー)
◆ ◆ ◆
……救援要請信号だぁ?何をやってんだあの役立たず共は……チィッ!
オータムは今回の仕事が不満だった。子供を一人攫うという簡単な仕事に彼女が駆り出されたからだ。
……大体ガキ一人にISが必要かっつーの………
彼女は仕方なくIS【アラクネ】を展開し、廃ビルに向かう。
第二世代型IS【アラクネ】ーーー彼女が使っているこの機体はアメリカから強奪した最新機だ。背中に8つの独立した
……ドイツ軍かぁ?まあ、殺っちまえば目的は果たせるしなぁ!
目的地に着き、彼女は熱源反応のある大きく開いたその穴に飛び込む。
ダァァァァン!!
彼女は地下深くに着地し、素早くその体勢を立て直す。
ハイパーセンサーが捉えたその影はーーー
ーーー一人の少女だった。
……なんだこいつは!?一人で男二人を?
目の前の少女は、長い髪をたなびかせ、黒く深い目でこちらを見ている。衝撃によりたなびいた髪は普通に黒色に見えるが、よくよく見ると濃緑色ということがわかる。
「はぁ?ガキにどれだけ手間取ってんだ!?この雑魚どもが!」
思わず男共を罵る。一人はそこで悶絶しており、もう一人は何処にいるのかさえもわからない。
ちなみにそのもう一人は彼女が落ちてくるときに瓦礫の下敷きになった。
目の前の少女は真顔で動かない。
……くそっ、何だこいつは!
彼女は相手が只者じゃないと判断する。ISを目の前にしてのこの落ち着いた雰囲気を出せるのは戦場に身を置いていた者だけだ。
「…………あ……」
「あ?」
少女は突然その口から音を出す。しかし、次に出てきた言葉は衝撃的なものだった。
「あいむしんか〜とぅ〜とぅ〜とぅ〜とぅとぅ〜「は?」
思わず呆けた声を出してしまう。
少女は突然鼻歌のように謎の歌を歌い始めた。意味がわからない。
みると、捕獲対象だった織斑一夏も驚いたような顔をしている。
「I'm thinker. I could break it down♪ I'm a shooter. A drastic baby♪」
少女再び歌い、指をゆらりと動かしーーー
ーーー緑色のISが展開された。
◆ ◆ ◆
……何も変わらねえのかよ、結局……
彼女は彼?の言われた通りにThinkerを彼流に歌ってみるが、何も起こらない。発音がダメなのか?
「I'm thinker. I could break it down♪ I'm a shooter. A drastic baby♪」
すると、突然彼女の前に青色のウィンドウが現れる。どうやら発音の問題だったらしい。
『Thinker・タイプ:オールドキング、解放しますか?yes/no』
彼女はそこまで指を運び、『yes』を押すとーーー
『ロック解除。リザ、起動します。』
彼女を粒子が包み込み、、緑色の装甲が姿を現す。
(認めよう、君の力を。今この瞬間から、君はゲイヴーーIS乗りだ。)
正直全然嬉しくない。
……動かし方は?
(イメージインターフェース……つまりAMSみたいなものですよ。ちなみに
彼女は彼に言われた通り、イメージでガチャガチャと腕を動かす。
目の前の相手は警戒して攻撃を仕掛けてこない。
「では、始めるとするか。」
彼女はそう宣言し、
「なっ!?
相手は驚きながらも冷静さを見失わず、近づいてきた彼女をその脚で迎撃する。彼女は素早く後退し、その一撃をすれすれで躱す。
「……この感覚……久しいな…だろう?」
(そこまででもないです。取り敢えず操作補助をしてますが、如何しますか?)
そこまででもなかったそうだ。
どうやら此処まで動けたのはこいつのお陰らしい。流石リンクスが二人で補い合うとなると、相当な操作技術となる。
……いらん。解除していても勝てるだろう。
(わかりました。では、頑張って〜。)
彼女は天井の穴から飛び出し、下向きに加速し彼女に体当たりをする。
「くうっ!強えなあんた!」
「そりゃどうもーーっと!」
ライフルを撃ちながら後退し、壁際を蹴りながら相手の上をとる。そのままチェインガンとショットガンを連射し、相手に確実なダメージを与える。相手もただではくらって貰えず、バク転をしながら装甲脚で玉を捌く。
相手の目の前に着地し、一瞬の静寂が生まれる。
「こんな強いとは…どうだ?私達の
そんな提案をしてくる。〝キギョウ〟と付いているのだ。多分元いた世界の〝企業〟と同じだろう。
「ふむ、検討しておこう。では、電話番号を教えてくれないか?」
「悪いがそれはーーん?ああ、分かった。で、あんたの名前は?」
何か通信が入ったらしい。聞いたことには答えて貰えなかった。
「……オールドキングだ。お前は?」
「オータムだ。じゃ、お暇させてもらうぜ。」
別れる前に自己紹介を終え、彼女は天井の穴に向けて飛び出してしまった。多分本部が何かに帰るのだろう。
……何者だったんだ?まあ…こいつを助けられたからいいか。
「よいしょっと。」
「え?うわぁぁぁ!」
壁際で呆然としている彼を持ち上げ、自分も天井から飛び出し、廃ビルから出る。先程の重機のところで彼を下ろしてやる。
「イチカ、危なかったな。」
「何で君がここに!?」
ようやく現状が理解できてきた彼は、先程会ったばかりの彼女が突然ISに乗ってきたのにようやく驚いていた。
「いや、さっき(こちらに向けてISが接近中!速いですよ!)
どうやら先程の奴の仲間が来たらしい。懲りない奴らだ。
そう思い、彼女は反応がある方向を見るとーーー
「一夏ぁぁぁぁぁ!!!」
それは、織斑千冬の姿だった。
どうでしたか?
ストレイドの武装は曲です。
まあ9番目は、わかりますよね?