【IS×AC】殺戮者の唄   作:AIthe

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はい、タイトル詐欺です。

最近は腹筋しながらストーリーを考えてます。


決意

「は?第二回EU合同軍事演習?」

「うん、だからイギリスに行ってくれない?」

 

突然黒ウサギ隊に電話がかかってきた。代表して出ると彼女に自称〝大将〟が軍事演習に参加してほしいなどと言い始めた。どうやら国家代表は別の仕事があるので出られないということで、彼女に白羽の矢が立った。

 

「面倒なのでお断りさせて頂きます。」

「だーめ☆まあ、演習は一ヶ月後だからまた電話するねー。」

 

一方的に電話を切られてしまった。

 

(ご冥福をお祈ryします。)

 

……悪意を感じるぞ…………それにしてもイギリスか………

 

イギリスと言えばご飯が美味しくないということで有名らしい。しかも、貴族が多いというイメージがある。

 

……はっ、所詮口先だけの奴らだ………殺せば終わりだ…………

 

(そういえば、この前代表候補生に推薦されたじゃないですか?なんで断ったんですか?)

 

……まあ、此処にも二年しかいないし、それに代表候補生如きになっても仕方ないだろう?

 

数日前に彼女は代表候補生に推されたのだが、「自分よりも有望な人材は腐る程いるので、お断りさせて頂きます。」と断ったそうだ。

 

(まあ、言われてみればそうですね。話が変わりますが、今日の訓練はどうするのですか?)

 

………ああ、一応考えてあるぞ。まずこれを見てくれ。

 

彼女は自室の机から空間投影型ディスプレイを開いた。

 

……まず、こいつらはーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

「教官!質問があります!」

「何だ。」

「何故隊長は教官の隣にいるのでしょうか?」

 

部隊全員がISスーツに着替えて集合し、一列に並んでいる。が、オールドキングだけは織斑教官の隣に立っていた。しかもジャージで。

 

「こいつに訓練など無用だ、毎朝トレーニングもしてるしな。」

 

彼女が朝からISのトレーニングをしていることは有名だ。ラウラが皆に話し、全員で彼女を尾行したことがある。勿論ばれたのだが。

 

「今日はこいつの考えた特殊訓練をする。じゃあ、古王。」

「では、ディスプレイを見てくれ。今回の訓練目的は『自分を理解すること』だ。強くなるには、自分の特性を理解し機体の特性を理解した上で、自分の立ち位置を把握する必要がある。」

 

空間投影型ディスプレイに黒い霧(シュヴァルツェア・ネーベル)のデータが映される。

 

「では、千冬さん。展開してもらえますか。」

 

彼女はジャージのポケットから黒い腕輪を取り出し、織斑教官に渡す。

それを腕にはめると、瞬く間にISが展開される。皆が口をあんぐり開けてその光景を見ている。

 

「量産機を待機状態にするシステムをデュノ……ドイツが開発した。まあ、他の国は知らないがな。」

 

………知らせるつもりもないがな……

 

デュノア社から提供された技術の一つで、量産機を待機状態にする事に成功したらしい。黒い霧(シュヴァルツェア・ネーベル)の待機状態は黒い腕輪だ。しかも、この前彼女が結果を残したのでISコアが更に四機配備されることになった。国も彼女に期待しているということだろう。

それとも、いつ何をするかわからない彼女を抑えるための一時的な措置なのかーーー

 

……どちらにせよ、使えないと分かったら即取り上げるつもりだろうがな……まあいいさ………

 

彼女は黒い霧(シュヴァルツェア・ネーベル)にゆっくりと触れる。

 

「Scorcher………」

 

それを告げると、触れた手からゆっくりとISが展開され、黒い装甲を身に纏う。

 

「コピー能力だ。一時間はこの機体を使っていられる。」

「さすが第三世代機だね!………それより、何で普通にISを装備しないの?」

「……まあ色々あるんだよ。では、まず武装を見ろ。」

 

彼女は誤魔化す様な語り口調で話をそらす。ディスプレイに初期武装(プリセット)が表示される。そして、ライフルが拡大される。

 

「まずは基本のライフル。中距離を得意とするスタンダードなライフルだ。威力、弾速ともに十分だ。ただ、射程以降の減衰が激しいので注意が必要だ。」

 

ターゲットが表示され、それを全て撃ち抜く。ライフルを拡張領域(バススロット)にしまい、ディスプレイにレーザーブレードを表示する。

 

「次はレーザーブレードだ。これは発生と振りが速い。威力は高くないが、両手についているので問題はないだろう。」

 

織斑教官がレーザーブレードを展開し、躊躇なく彼女を斬る。突然のことに部隊の全員が驚いている。

 

「まあ、こんな感じだ。問題はこれだ。」

 

ワイヤーガンが拡大される。

 

「両肩に着いたこれの使い方がミソだ。こいつの武器が少ないのはこれのせいでもある。では、ワイヤーでの拘束をじつえんしよう。」

 

両肩からワイヤーが飛び出し、織斑教官を拘束する。

 

「このまま放っておいてもいいですか?」

「だ、ダメだ!」

 

全員がクスクスと笑う。顔を真っ赤にする織斑教官を見れたのでワイヤーを高速で巻き取る。

 

……へへっ、やったぜ!

 

「では、次にアームだ。基本的にアンカーのような形をしているが、開くと三つ指アームに変形する。では「ふん、くらえ!」

 

不意打ちで右腕をアームで掴まれる。そのまま引っ張られ、遠くに投げ捨てられる。

 

「こんな使い方もできる。武器の方向を変えたりするだけでも効果的だ。では最後に……これは出来るのか?古王、実演して見せろ。」

 

黒い霧(シュヴァルツェア・ネーベル)の背中に光が集まる。瞬時加速(イグニッション・ブースト)が発動し、部隊に向け急発進してーーー

 

「曲がった!?」

 

ーーアンカーが地を掴み、それを中心に高速で円運動を始める。

 

「まあ、アンカーを建物とか地面に突き刺せば瞬時加速(イグニッション・ブースト)中に曲がることも可能らしい。」

「教官。私にもできますか?」

 

ラウラが手を挙げる。そこにその速度を保ちながらオールドキングが突っ込む。直前に停止するが、衝撃波が起こる。

 

「きゃあっ!!」

「練習すればできるようになる、だろう?」

「……古王、急停止は止めろ。」

 

ISを解除し、地面に降り立つ。

 

こいつ(黒い霧)はスペックこそラファール・リヴァイヴに負けてるものの、特性を生かせばそれは補える。それでも足らないのなら技術で補うまでだ。分かったな?」

「「「「「はい!」」」」」

 

(この前までの雑用はどこに行ったんですかねえ?)

 

首輪付きを無視し、彼女達にISを配布する。織斑教官がISを解除し、それをクラリッサに渡す。

全員が腕にはめ、ISを展開する。

 

「ではユイーザから。」

「何をするんだ?」

 

顔にニタァという笑いを浮かべる。

 

「私と模擬戦だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな撃ち方してちゃあ当たらん、狙いをつけろ。」

「分かってるけど!」

 

彼女はオラクルを使い、ユイーザ相手にもう十分以上も戦っている。が、未だに被弾はしておらず、攻撃すらしていない。まさに化け物である。

 

「お前の傾向は分かった、落ちろ。」

 

彼女はミサイルを発射し、ジェシカの動きを制限する。そのまま瞬時加速《イグニッション・ブースト》で急発進、月光で切り裂き、リニアライフルでトドメを刺す。

 

「思ってた以上に強いな、ありがとう。」

「ああ、次は……ヴァネッサ。」

「はーい。」

 

ふわふわと飛んできて、彼女の目の前で対峙する。

 

『では、始めろ。』

 

織斑教官の掛け声と共にヴァネッサはライフルを乱射する。その弾道はしっかりとオラクルの予測軌道を捉えていた。彼女は球をすんでのところで回避し、距離を離す。

 

「ーー!!……上手いな。」

「でしょ?射撃には自信が「だが、動かないとは随分と余裕だな。」

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)で急接近し、月光を振るい、リニアガンで吹き飛ばす。

 

「きゃあっ!!」

 

そこにミサイルを撃ち込み、目の前に「WINNER」の文字が現れる。

 

……あの射撃能力は眼を見張るものがあるな……スナイパーなどに向いているのかもしれん………

 

(オールドキングさんが褒めるなんて、今日中に空から揺り籠でも落ちてきますかね?)

 

……ふん、落とすのはお前だろう?

 

(いやいや、私を虐殺者に仕立て上げた人に言われたくないですよ。)

 

………ハハッ……ハハハハハ!!!

 

(ハハハハハハハハハハ!!!)

 

『おい、古王。その顔は他人を怖がらせるからやめろ。』

「あっ、すまない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

全員の訓練を終えシャワーを浴びた後、彼女達は指令室に集まっていた。髪の毛をわしゃわしゃと拭きながら、この部隊の隊長が出てくる。

今日は青いジャージを着ている。この子はジャージしか着ないのかもしれない。

 

「では、皆の特性を説明する。まずはユイーザ。」

 

ディスプレイに彼女のスペックデータが表示される。

 

「お前は中〜近距離が得意だ。ブレードだと近すぎるし、ライフルだと遠すぎる。武器はアサルトライフルや、ショットガン等が向いているだろう。弱点としては、怖がって自分の射程から逃げてしまうことだ。接近されることに慣れることが必要だな。次はフランチィスカーー」

 

彼女はリモコンを操作し、画面を切り替える。

 

「お前は一番のオールラウンダー、チームのキーパーソンだ。全距離に対応しているが、逆に言えば特性がない。相手の特性を読み、それに応じて武器を変える高速切替(ラピッドスイッチ)を覚えろ。次はジェシカ。」

 

画面が切り替わる。

 

「お前は致命的な弱点として銃の扱いに問題がある。ブレード、ガトリング等、余り狙いを付けずに済むものを使うしかないな。」

「ええー、何かヘコむわー。」

「いや、お前は緊張に強い。訓練と本番の実力が一番近い存在だろう。まだまだ伸び代はあるしな。」

 

画面が切り替わる。

 

「最後にヴァネッサ。お前はどう考えても遠距離だ。射撃能力は眼を見張るものだ。」

 

部隊からおおーという声が上がる。

 

「その能力を更に伸ばしながら、回避行動もできるようになれば完璧だな。……スナイパーキャノンなどを使ったらどうだ?お前にぴったりの武器だと思う。以上だ。では後でデータを送っておくので、今日は休むように。」

 

そう言って、部隊を解散させる。

 

………まあ、その辺は千冬さんがやってくれるだろう………さて……イギリスについてはどう対処するか………

 

彼女は電話機を手に取る。

 

「もしもし、こちらシュヴァルツェ・ハーゼ部隊隊長、古王祈ですがーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

「というわけで、私はケータイを買おうと思うのだ。」

「ふむ、つまり今度イギリスに行くから、ケータイを買っておきたいけど、どのケータイがいいだとか、そもそもケータイの使い方がわからないということなので、買い物についてきて欲しいということですね?」

「それって復唱しただけだよな?」

 

今度イギリスに行くのにケータイが必要だと思った彼女はショップに行って見たはいいのだが、全く分からなかったのだ。

 

「いつもコンピュータを使うのが一番うまいのに………」

「それは………」

 

それは私でなく首輪付きです☆とか言えない。彼女は教えてもらった事を反復し、覚えることは出来るが、逆に言えば教えてもらわないと何も出来ないのだ。

 

「取り敢えず……誰か一人ついてきてくれないか?」

「じゃあ私が!」

 

元気よく手を挙げるヴァネッサ。

 

「では、明日近くのケータイショップに集合だ。頼んだぞ。」

「はーい!」

 

……やべえ……嫌な予感しかしない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当日

 

「ごめーん!待っーーって何その服装!?」

「いや、お気に入りのジャー「そんなのダメだよ!ほら、お姉さんと服買いに行くよ!バイク乗って!」

 

ジャージではいけないらしい。しかも、何時の間にか一人称がお姉さんになっている。無理矢理バイクに乗せられた。

 

「ちょ、待「しっかりと捕まっててよ!れっつごー!!」

 

………ああーこれ不味い展開ですわ………

 

その後、ショッピングモールの様な所に連れてかれた。

 

「あー!このワンピかわいい!着てみて!」

「いや、あのな?「うん、絶対似合うよ!試着試着ゥ!!」

 

 

「あれ?この麦わら帽子絶対似合うよ!ほら!似合う似合う!店員さーん!!」

「いや、夏だから確かに季節感はあるけど、お金が「お姉さんが払うから!ね?」

 

 

「この靴可愛い!サイズもぴったり!店員さーん!!」

 

 

「眼鏡とか似合うんじゃない!?ほら!似合うって!!」

「いや、今日はケータイを「ディスプレイ投影型だって!すいませんこれ二つ!」

 

こうして一日中連れ回された。彼女の服装は最初と比べて大きく変わり、今では可憐な少女である。

 

(オールドキングさんが……プフッ……着せ替え人形…ハハハハハハハハハハ!!!)

 

………まあ、こいつが楽しそうだからな………

 

その笑顔に、〝あの光景〟が頭をよぎる。

 

ーーー汚染された大地、そこに暮らす人々、それを支配する企業、そしてーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー〝彼女〟を。

 

腹の奥から込み上げてくる何かを感じ、思わず口元を押さえる。

 

「た、隊長!?大丈夫ですか?」

 

その言葉は、彼女に届かなかった。

彼女の頬に、一筋の涙が伝う。

 

……もうあんな思いは二度としない………支配されるなら……殺すまでだ…………

 

 

 




イギリス=ほら、クロワッサン



あとはわかるな?
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