カードショップの店員は、主人公だが主人公じゃない 作:SoDate
「私の先攻、ド────「ゲーム開始時、
フードに隠れてて表情は見えないが間抜けな声を漏らしていた辺り、急に訳の分からない事を言い出した俺が理解できないって言ったところだろう
茫然としているフード男を無視して、俺はゲーム外に置かれていた1枚のカードを手に取り、フィールドにセットする
「
==
◆【
《能力》
〘律法開示〙自分のライフが3以下の時、自分の場のユニット全てに【〘常時〙このユニットは相手ユニットの攻撃を防御してもよい】を与える
〘転臨:〙自身のユニットが合計で10体場を離れた時、このカードをユニット面に裏返す
==
「……なんだ、そのカードは」
「一応公式のカードリストに登録されてるカードだよ……最も、論外過ぎてリストに公開はされてないカードだけどな……さぁ、アンタの先攻だ」
「……私のターン、ドロー」
フード越しにも納得のいってないといった様子が漏れ出ているが、今はそんなこと些事だ……このデッキを使う以上、普段の楽しむってポリシーは捨てる。ただ────勝つ
「エナジーを1チャージし、1コストで【
〘フード〙エナジー:0 ⇒ 1
==
◆【
《能力》
〘常時〙このユニットは攻撃できない
==
【模造標柱】、聞いた事も見たこともないカード……〘常時〙効果で攻撃できないを持ってはいるものの、油断は禁物か
「ターンエンド」
〘フード〙手札:4枚 エナジー:1
場 【模造標柱】
↼TURN CHANGE⇁
「アンタは俺のカードに驚いてたみたいだが、俺もそのカードは見た事ないな」
「怖気付いたのか? お前の使っているその未知のカードを渡せば勝ちを譲ることも考えてやろう」
なんだと?
「あんまりふざけた事言わないでくれよ……ドロー&チャージ」
〘灼〙エナジー:0 ⇒ 1
今回使っているデッキは律法カードを軸にした赤デッキ……と言っても、こいつ以外にある律法カードを軸にする以上最終的に辿り着く場所は全部同じ、そこに至るまでの手段が違うってだけだ
「メインフェイズ。コストを1支払い、スペル【リベリオン・チャージャー】を使用」
==
◇【リベリオン・チャージャー】コスト:1
《効果》
・自身のライフを1枚墓地に置く
・このカードを【レスト】状態でエナジーゾーンへ置く
==
〘灼〙ライフ:10 ⇒ 9
〘灼〙エナジー:1 ⇒ 2
「ライフを1枚墓地へ置き、このカードをエナジーゾーンへ……ターンエンド」
「自らライフを墓地へ送るとは、勝負を捨てたか?」
「どんな効果だとしても、1枚のカードを侮った結果足元を掬われる事もある……これはそう言うゲームだろ?」
「弱者の言う戯言だな、私は常に勝利してきた。そして積み上げた勝利の頂であの御方からこのデッキを賜ったのだ。もっとも貴様には理解できないだろうがな」
「フードで顔を隠さなきゃ大口叩けない奴の言葉なんざ、理解したくもねぇけどな」
目の前の奴が使ってるデッキの内容はさっぱりわからないが……こっちはこっちの動きをするだけだ
「さぁ、俺はもうターンエンドを宣言した……アンタのターンだ」
〘灼〙手札:4枚 エナジー:2
設置 【覇将の煉墓】
場
↼TURN CHANGE⇁
「私のターン、ドロー! エナジーを1チャージしメインフェイズ!」
〘フード〙エナジー:1 ⇒ 2
「1コストを支払いもう一体の【
==
◆【
《能力》
〘常時〙このユニットは相手ユニットの攻撃を防御してもよい
〘登場時〙デッキの上から5枚を確認し、その中にあるコスト8以上のカードを1枚手札に加え残りをデッキの下に戻す
==
「5枚を確認し、コスト8の【偽樹臣皇 ヴェイドラルーズ】を手札に加えターンエンドだ!」
〘フード〙手札:3枚 エナジー:2
場 【模造標柱】×2 【模造祈祷師】
↼TURN CHANGE⇁
「俺のターン、ドロー&チャージ」
〘灼〙エナジー:2 ⇒ 3
「メインフェイズ。まずはエナジーを1支払い【リベリオン・チャージャー】を使用。ライフを1枚墓地へ置き、このカードを【レスト】状態でエナジーゾーンへ」
〘灼〙ライフ:9 ⇒ 8
〘灼〙エナジー:3 ⇒ 4
「エナジーを2支払い【"異竜"フレドキッド】を場に登場」
==
◆【"異竜"フレドキッド】コスト:2 パワー:1000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙デッキの上から3枚を墓地に置き、墓地のコスト5以下の"異竜"カードを1枚手札に戻す
==
「デッキの上から3枚を墓地へ置き、コスト1の【"異竜"フレバッド】を手札に加え……ターンエンド」
【"異竜"フレドキッド】を登場させたが〘速攻〙を持っているユニットが居ないからこのまま手番を相手に返す
〘灼〙手札:3枚 エナジー:4
設置 【覇将の煉墓】
場 【"異竜"フレドキッド】
↼TURN CHANGE⇁
「私のターン。さっきから懸命にエナジーを溜めているようだが……よほど手札が悪いようだな」
「……さぁな」
「図星のようだな。エナジーを1チャージし、メインフェイズ」
〘フード〙エナジー:2 ⇒ 3
「1コストを支払い【模造標柱】を、2コストを支払い【
==
◆【
《能力》
〘常時〙1ターンに1度、コスト5以上のユニットのコストを4軽減する
〘登場時〙相手ユニットを1体選び、パワーを-3000する
==
「【災厄ノ仮面】の登場時効果により貴様の【フレドキッド】のパワーを-3000し、破壊だ!」
コスト軽減効果を持っているのに加えて〘登場時〙効果で小型を除去する効果……着実に相手の下準備は進んでいる感じだな
「アタックフェイズ! 【模造祈祷師】で攻撃」
「アタックは受ける」
〘灼〙ライフ:8 ⇒ 7
〘灼〙エナジー:4 ⇒ 5
「ターンエンドだ」
〘フード〙手札:1枚 エナジー:3
場 【模造標柱】×3 【模造祈祷師】【災厄ノ仮面】
↼TURN CHANGE⇁
「俺のターン、ドロー&チャージ」
〘灼〙エナジー:5 ⇒ 6
「メインフェイズ。エナジーを1支払い【"異竜"フレバッド】を場に登場」
==
◆【"異竜"フレバッド】コスト:1 パワー:1000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙デッキの上から2枚を墓地へ置く
==
「【"異竜"フレバッド】の効果を使用しデッキの上から2枚を墓地へ……更にエナジーを3支払い【"異竜"ドラモール】を場に登場」
==
◆【"異竜"ドラモール】コスト:3 パワー:2000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙デッキの上から5枚を墓地へ置き、コスト3以下のスペルを1枚手札に加える
==
「5枚を墓地へ置いてコスト2の【パニック・ハウリング】を手札に加え、エナジーを2支払いそのまま使用」
==
◇【パニック・ハウリング】コスト:2
《効果》
・デッキの上から5枚を墓地へ置く。そうして墓地へ送られたユニットのコストが自身の場に存在するユニットのコスト合計以上になった時、以下の効果からどちらかを選び使用する
①自身の場に存在するユニットの合計分、墓地からユニットを選び場に登場させる
②自身の場に存在するユニットの合計以下のスペルを手札または墓地から選び、使用する
==
「まずはデッキの上から5枚を墓地へ置く」
上から5枚のカードがオープンされ、墓地へ置かれる……置かれたコストの合計は────8
「墓地へ置かれたユニットのコスト合計は8、よって俺は①か②、どちらかの効果を選び使用する────①の効果を選択し、使用。墓地からコスト合計が6になるよう場にユニットを登場させる」
墓地にあるカードを確認する。序盤の動きを作るためのスペルも何枚か墓地に落ちてるがそれ以外はある程度落ちてくれると嬉しいカードだ
「俺はコスト2の【"異竜"フレドキッド】を2体、コスト1の【赤の墓守】を2体、場に登場させる」
==
◆【"異竜"フレドキッド】コスト:2 パワー:1000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙デッキの上から3枚を墓地に置き、墓地のコスト5以下の"異竜"カードを1枚手札に戻す
==
==
◆【赤の墓守】コスト:1 パワー:1000 ダメージ:1
《能力》
〘常時〙このユニットは相手ユニットの攻撃を防御してもよい
〘登場時〙デッキの上から1枚を確認し、墓地へ置くかデッキの一番下に戻す
==
「まずは【フレドキッド】2体の効果を処理。デッキの上から3枚を墓地へ置く。2体いるから合計6枚をデッキから墓地へ置き────コスト3の【"異竜"ドラホース】とコスト5の【"異竜"ドラグレン】の2枚を手札に戻す」
「続けて【赤の墓守】の効果を処理。1体目の効果でデッキの上から1枚を確認し……一番下へ。2体目の効果、デッキの上から1枚を確認し今度は墓地へ置く」
さっき1体破壊された【フレドキッド】、そして俺の場に居るユニット達で合計は7体。残りの手札は1枚
「ターンエンドだ」
〘灼〙手札:3枚 エナジー:6
設置 【覇将の煉墓】
場 【"異竜"フレドキッド】×2【赤の墓守】×2【"異竜"フレバッド】【"異竜"ドラモール】
↼TURN CHANGE⇁
「攻撃が出来たのに攻撃もしないとは……どうやら本当に勝負を捨てたようだな!」
「あんまり
「そのようだな。このターンで貴様は敗北し! 私が勝利する! 私のターン! ドローしエナジーを1チャージする!」
〘フード〙エナジー:3 ⇒ 4
「メインフェイズ! 【災厄ノ仮面】の軽減効果を使用! そしてコストを4捧げ【偽樹臣皇 ヴェイドラルーズ】を私の場に顕現!」
フード男がそう言った瞬間、ファイトをしていた俺たちの周囲を濃い霧が覆い世界を白に染める。そうして白に染まった世界が晴れた時、周りに広がっているのは空には厚い雲がかかり、緑が完全に枯れ、地面は漆黒の草で覆われている世界
そして、俺の前には俺の召喚したユニット達が、フード男の前にはアイツの召喚したユニット達が睨み合っている
「これは……」
「はははははッ! 見たか! これがあの御方から授かったカードの力だ! 世界を塗りつぶし盤上の光景を現実のものとする力! 素晴らしい!」
感極まった様子フードは先ほどよりも感情を噴出させ、言葉を続ける
「平伏し、服従しろ! これより現れるは貴様を葬りさる存在! 【ヴェイドラルーズ】よ、我が眼前に現れたまえ!」
漆黒の葉が空へと舞い、地響きと共に地面から巨大なユニットが出現する。赤々と光る瞳が俺を睨みつけ、自らの獲物を吟味するかのように俺の場のユニットへ視線を向ける賢者のような服を着て杖を持った二足歩行のワニを思わせる巨大な竜
==
◆【偽樹臣皇 ヴェイドラルーズ】コスト:8 パワー:11000 ダメージ:2
《能力》
〘速攻〙
〘常時〙自分の場のユニットが持つ『〘常時〙このユニットは攻撃できない』の効果を無視する
〘登場時〙相手ユニットを5体まで選ぶ、選ばれたユニットは次の相手ターン終了時までアタックすることができず。ユニットの攻撃を防御できない
〘攻撃時〙自身の場のユニットを1体選び、破壊する。その後このユニットをスタンド状態に戻し、ダメージを+1する
==
「【ヴェイドラルーズ】の登場時効果により貴様の場のユニットを5体────【赤の墓守】と【フレドキッド】を2体ずつ、そして【ドラモール】を1体選択し。その動きを封じる!」
地面から灰色の木の根が出現し、フード男の指定したユニット達を締め上げその動きを封じる。あの男の言う通り、ファイトの進行が目の前の状況が目の前の状況とリンクしているらしい
目の前にいる俺の呼び出した仲間たちはあの男のユニットに比べれば小さく、頼りない……そしてそんな仲間たちの5体が動きを封じられた。普通なら絶望するよな、この状況
「ははっ……」
「? どうした、恐怖でおかしくなったか?」
「いや……少し懐かしくなっちまってな」
幼い頃、ユニット達の世界に迷い込んでから数年。自分の中では折り合いをつけたものだと思ってたし実際の所、折り合いはついている……けど、自分が思っている以上に俺はあっちの世界に囚われたままだったらしい
「────楽しいな」
「? 貴様、やはり気が触れているな。ならば早々に引導を渡してやる。アタックフェイズ! 【模造標柱】で攻撃!」
「アタックを受ける」
〘灼〙ライフ:7 ⇒ 6
〘灼〙エナジー:6 ⇒ 7
ライフが削れた瞬間、殴られたような衝撃が身体に走り、数歩後退する
「どうだ? 痛いだろう。これから貴様はその痛みに蝕まれながら敗北をするのだ! もう一体の【模造標柱】で攻撃!」
「受ける」
〘灼〙ライフ:6 ⇒ 5
〘灼〙エナジー:7 ⇒ 8
「【模造祈祷師】で攻撃!」
「アタックを受ける」
〘灼〙ライフ:5 ⇒ 4
〘灼〙エナジー:8 ⇒ 9
「【ヴェルドラルーズ】で攻撃! 〘攻撃時〙効果を使用! 【模造祈祷師】を贄として捧げ【ヴェルドラルーズ】をスタンド、そしてダメージを+1する。ダメージ増加はこのターンから有効だ! 3点のダメージを受けるがいい!」
「……受ける」
〘灼〙ライフ:4 ⇒ 1
〘灼〙エナジー:9 ⇒ 12
3点、先ほどよりも致命的なダメージを受け身体が後方へ吹き飛ばされ背後に鎮座していた【覇将の煉墓】へ衝突、肺の中の空気が体外へ排出された
「────いってぇ」
「これで終わりだ! スタンドした【ヴェルドラルーズ】で攻撃! もう一度〘攻撃時〙効果を使用! 【模造標柱】を贄として捧げスタンドしダメージ+1!」
「……【覇将の煉墓】の効果で〘常時〙効果が付与された【ドラバッド】でブロック」
俺の指示を受けた【ドラバッド】は自分より遥かに巨大な体格のユニットに向かっていき一蹴、光の粒子となって消滅────その光が【覇将の煉墓】に吸収される
「チッ! だが私の攻撃はまだ終わらん! 【ヴェルドラルーズ】でもう一度攻撃! 〘攻撃時〙を使用しもう一体の【模造標柱】を贄として捧げる!」
「エナジーを6支払いカウンタースペル【
==
◆【
〘常時〙相手ユニットの攻撃時、手札から使用できる。相手ユニット攻撃時に使用したこのカードは除外される。
《効果》自身の場のユニットを全て破壊し、手札・墓地から破壊したユニットの数以下のコストになるようユニットを場に登場させる。この効果で登場したユニットは登場したターン終了時に全て破壊される
==
「俺の場のユニットを全て破壊し────コストの合計が破壊したユニットの数以下になるよう墓地からユニットを登場させる」
この効果で破壊されるユニットの合計は全部で5体、だからコスト合計が5以下になるようにユニットを登場させられる……効果によって破壊されたユニット達が光の粒子になり【覇将の煉墓】に吸収されるのを見届ける
「すまない……そして、ありがとう────―俺は墓地からコスト1の【赤の墓守】を2体、手札からコスト3の【"異竜"ドラホース】を場に登場させる」
==
◆【赤の墓守】コスト:1 パワー:1000 ダメージ:1
《能力》
〘常時〙このユニットは相手ユニットの攻撃を防御してもよい
〘登場時〙デッキの上から1枚を確認し、墓地へ置くかデッキの一番下に戻す
==
==
◆【"異竜"ドラホース】コスト:3 パワー:4000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙手札を1枚墓地へ置き、墓地へ置いたコスト以下の相手ユニットを1体破壊する
==
「【ドラホース】の〘登場時〙により手札にある【"異竜"ドラグレン】を捨て、コスト5以下の【災厄ノ仮面】を破壊」
場に現れた【ドラホース】の放った衝撃波によって【災厄ノ仮面】が破壊される
「そしてその攻撃は【赤の墓守】で防御する」
【覇将の煉墓】から溢れた赤の粒子が【赤の墓守】を形どり【ヴェルドラルーズ】の攻撃から俺の事を守ると役目を終えたと言うように【赤の墓守】は無散し元居た場所へと還っていく
「も、もう一度【ヴェルドラルーズ】で攻撃だ!」
「もう一体の【赤の墓守】で防御、お前の場にユニットはもういない……だから【ヴェルドラルーズ】の効果は使えないぞ」
「ッ!」
もう一度俺に向けて振るわれた【ヴェルドラルーズ】の杖は先ほどと同じようにもう一体の【赤の墓守】によって防がれる
「だ、だが! 貴様の場はがら空き! 手札もない! 対して私のライフは万全の10! どれだけ強力なユニットを登場させたとしても逆転は不可能だ!」
「あぁ……普通なら、そうだな」
「そ、そうだろう! ならば私はこれでターンエンドだ! 精々最後に足掻くといい!」
「ターン終了時。【淵獄還リ】の効果によって登場したユニットは全て破壊される……ありがとう、【ドラホース】」
感謝の言葉を伝えると【ドラホース】は瞳を閉じて光の粒子へと還っていく。目の前の光景だと実感はないが────これで10体だ
「アンタの【災厄ノ仮面】の効果で破壊した【フレドキッド】で1体」
「? な、なにを言っている」
「【ヴェルドラルーズ】の攻撃をブロックした【ドラバッド】で2体」
「場を離れたユニットの名前を言っているのか? なぜそんな────まさか!?」
フードの男の表情は見えないが声が驚きと、何が起こるのかわからない恐怖に染まっている
「【淵獄還リ】の効果で破壊した【赤の墓守】2体と【フレドキッド】2体、そして【ドラモール】までで7体」
俺の背後にある、煉墓が震える
「【淵獄還リ】の効果でもう一度現れ、【ヴェルドラルーズ】の攻撃から俺を守ってくれた2体の【赤の墓守】で9体。そして【災厄ノ仮面】を破壊しターン終了時に破壊された【ドラホース】で10体目────これで、条件達成」
「な、なにを────」
「さっき言っただろ? 結末は決まったって────条件達成により、【覇将の煉墓】の〘転輪〙発動」
瞬間、世界が再び塗りつぶされる。厚い雲が覆っていた空はひび割れ、雷鳴が鳴り響く。足元に茂っていた黒い草は燃え尽き塵となり、すべての命は尽き果てた荒野になった
「条件が満たされた時、”このカードをユニット面へと裏返す”」
「裏返す……だと?」
「あぁ。律法カードはゲーム開始時にデッキ外から配置され、条件を満たすとユニットに変化する特殊なカードだからな──────命焼き尽くす紅蓮の禁忌。煉獄で眠る古の王、ここに降臨。【
【覇将の煉墓】はバラバラになり、その欠片が巨大な扉を作り出した。その扉はゆっくりと開き膨大な熱気と共に中から所々が焦げ、ひび割れた鎧を身に付けた二足の龍が姿を現す
「な、なんだ……そのユニットは……」
「【煉塵覇将 ゼロ・アグニス】は、ユニット達の世界から見た遥か過去────神話の時代よりも前の創世の時代から存在するユニット。創世の時代に猛威を振るい、世界に誕生した始まりの巫女の力で封印され、悠久の時を禁忌とされ続けたユニットの一体」
「そ、そんな存在を……なぜ貴様が……」
「何でだろうな────それじゃあ、幕引きにしよう」
==
◆【煉塵覇将 ゼロ・アグニス】コスト:0 パワー:55555 ダメージ:0
《能力》
〘常時〙自分のライフが1の時、このユニットは場を離れず干渉されない
〘登場時〙このカードのパワー以下の相手ユニットを全て破壊する
〘攻撃時〙このカードが攻撃する時、自身の墓地にあるカードの枚数分のダメージを相手に与える
〘EXTRA〙ターン開始時、自身のライフを1つ墓地へ置く。この効果でライフが0になった時。場に存在するカードがこのカードだけの場合、敗北ではなく勝利する
==
「【ゼロ・アグニス】の〘登場時〙、パワー55555以下の相手ユニットを全て破壊する」
効果の使用と共に【ゼロ・アグニス】が咆哮すると相手の場に存在していた【ヴェルドラルーズ】は静止し、その身体を塵へと変えて消滅した
「そ、そんな……バカな……」
〘フード〙手札:0枚 エナジー:4
場
「俺のターン開始時、【ゼロ・アグニス】の〘EXTRA〙効果によりライフを1つ墓地へ置く。この効果でライフが0になった時、場に存在するユニットが【ゼロ・アグニス】だけだった時────俺は敗北でなく、勝利する」
EXTRA WIN
※※※※※
────久しいな、人間
バトルが終わり、絵具がはがれるようにパラパラと塗りつぶされた情景が崩れ、元に戻っていく中でふと頭の中に声が響いた
「うん、久しぶりだね【ゼロ・アグニス】。調子はどう?」
────変わりない。我も、世界もな
「そっか、それなら安心したよ……その口ぶりだと今回の件はそこまで深刻じゃなさそうだし」
────知らぬ。世界の均衡に支障がないだけだ
と言う事は、世界の均衡”は”大丈夫だけどそれ以外の所では影響が出るかも知れないって事か
「何はともあれ、力を貸してくれてありがとう」
────汝は、我を……我らを恐れず、禁忌と知りながら歩み寄り、我らが担い手と言う楔を打たれた人間。この程度の助力は些事
「……そっか。とにかく、今日はありがとう」
俺がその言葉をかけた後、【ゼロ・アグニス】は目を閉じその場から消失する
「さてと……色々と聞かないと、かもな」
場合によっちゃ、しばらくバイトは休まないといけないかもだし……な
本編外にキャラクターのデータを投稿するかどうか
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