カードショップの店員は、主人公だが主人公じゃない 作:どこかのSさん
オリジナルTCGを題材にした作品読んで、俺も書いてみたいと始めましたがやっぱり難しいですね。
ほぼ勢いで書き始めたので着地点も曖昧ですが、ゆっくり書いていきたいと思いますので楽しんで頂ければ何よりです
第1話,店員、ティーチング?ファイトをする
”ソウルリンク” 異世界に存在するモンスターが描かれたカード──”ユニットカード”とそれを補助する”スペルカード”の2種類を用いて、相手のライフを削り合うカードゲーム
このカードゲームは今や世界規模の人気を博し、世界大会がテレビで普通に放送されるレベルの文化になっている
かくいう俺──”
「よっこらせっと」
減っていた分のブースターを補充し、残りの在庫が入ったダンボールを持ち上げたタイミングで、カウンターに座っている店長から声がかかる
「久導くん、在庫の補充が終わったら少しカウンターをお願いしても良いかな?」
「わかりました……けど、なんか用事ですか」
「そういう訳じゃないんだけどね、少し裏で在庫の発注してこようと思って」
「了解です」
「それじゃあ、お願いね」
そう言って裏手に引っ込んでいった店長の事を見送りながら改めてこの店の中へ目を向ける
カードショップ b-LINE。俺が現在アルバイトをしている店で店長────”
高一の俺よりも少しだけ年上の店長だが、何でも一時期はプロ入り確実と言われるほどの腕前だった……と本人から聞いている。そんで、その時代に出てまわった大会の賞金で彼女の叔父さんから空き物件だったここを借りて、店を始めたらしい
店の奥にファイト台が6台置かれたファイトスペース、今座ってるカウンターの近くにはシングルカードを取り扱うためのショーケース、他にも在庫のあるブースターパックを買うための札だったり、コモンやアンコモンカードの入ったストレージが置かれている。もっと規模の大きいショップだったらユニットがバーチャル映像で表示されるファイト台が設置されていたりもするが、ウチは普通のファイト台で十分だと店長が言っていた
「……ウチはこれで十分って事は、置こうと思えば置けるのか、新型のファイト台」
まぁ、俺も店長の言う通り今のファイト台で十分だと思ってるし、最新式の台よりも今の台の方が俺も慣れてるから不便は感じない
「にしても、暇だねぇ」
土曜の昼間にも関わらずいつも以上に閑古鳥が鳴いてしまっている店内の様子を見ながら、自分のデッキ調整でもしようかと考えていると店の自動ドアが開く
「こんにちはー!」
「こ、こんにちは……」
「いらっしゃい」
店の中に入ってきた深紅の髪と深緑の髪を持つ中学生くらいの二人組にいらっしゃいの挨拶をして、席から立ちあがり二人の方へ近づく
「何かお探しですか?」
「あ、えっと、その……」
「あたしたち、ソウルリンクを始めたくて。初心者用のデッキって何処に売ってますか?」
「初心者用のデッキですね、少々お待ちください」
確か初心者用のデッキなら在庫がカウンターの下に置いてあったはず……っと、あったあった
「お待たせしました。ありましたよ」
「ホントですか!?」
「えぇ、少し種類が多いのでカウンターの上に置いちゃいますね」
こっちへやってくる二人の少女に少し目を向けた後、デッキを一つずつ置いていく
「はえー」
「い、いっぱいあるんですね……」
「初心者用のスタートデッキだけでも五種類ありますからね」
ソウルリンクのデッキカラーは赤、青、緑、白(カードのフレームは黄色)、黒の5色。それぞれ初心者にも扱いやすいデッキがデザインされてるし基本的に初心者オススメはこれ一択みたいな所がある、値段も500円と御手頃だ
「ことははどれにする?」
「わ、わたしは今日はいいかな……
「あたしはもちろん、赤一択!」
「だよねぇ……」
どうやら遊花ちゃんと呼ばれた赤い髪の女の子のデッキカラーは決まっていたらしい、ことはちゃんと言われたもう一人の方は……今回は付き添いだったらしい
「それじゃ店員さん! この赤のデッキください!」
「毎度あり、500円になります」
「どうぞ!」
キャッシュトレイの上に渡された500円を受け取り、彼女にレシートと赤のスタートデッキを渡す
「やったー! あたしのデッキだー!」
「よかったね、遊花ちゃん」
「うん! でも。どうせならすぐにファイトしたかったなぁ……」
「それなら、久導くんがファイトの相手をすればいいんじゃないかな?」
ふと、少し離れた場所からそんな声が聞こえてくる。三人でそっちの方を見るとバックヤードの入口からひょっこりと顔を覗かせている店長の姿があった
「店長?」
「えっ? 店長さん?」
「はーい、店長ですよ。店長の白峰唯月です、よろしくね」
「え、えっと、
「
出てきて早々に自分の自己紹介と二人の少女の自己紹介をささっと終えると満足そうにう頷くとこっちに目線を向けてくる
「さ、次は久導くんの番だよ?」
「え? 俺もですか?」
「もちろん、さぁさぁ、自己紹介はパパっといこー」
「う、うす……えーっと、久導 灼です。よろしく」
「よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
「うむ、それじゃあ久導くん、早速準備しちゃって」
流れるようにさっきの俺がファイトする云々の話に戻ったなこの人……けどまぁ、それに関しては別に良いか
「俺は別に問題ないっすけど……」
「そうこなくっちゃ。それじゃあ後は春野さん次第だね、どうする?」
「えっと……それじゃあ、よろしくお願いします!」
と、こんな形で彼女──春野遊花さんの初ファイトの相手は、俺が務める形になった
※※※※※
初心者相手に普段使いしているデッキを使うのもどうかと思ったから今回は俺もレンタル用のデッキを使うことにした
レンタルデッキ置き場から一つ取り出して、ファイト台へ向かおうとしたところで、春野さんがこっちに近づいてきた
「あの、久導さん」
「どうしたの?」
「実は、あたし使いたいカードがあって」
「使いたいカード?」
そう言った彼女が見せてきたのは1枚のカードをこちらに差し出してくる
「
「はい、小学生の頃に偶然手に入って……ソウルリンクを始めたら絶対使おうと思ってたんです」
「そっか……なら、使ってあげないとね」
小学生の頃に偶然って事は、彼女にとってそのカードは運命のカードなんだと思う……絵空事に聞こえるかも知れないが、この世界には案外そう言うこともあるってのは知っている
「すみません店長、少しだけデッキを組み直す時間貰ってもいいですか?」
「勿論、全然構わないよ」
「よし、それじゃあ時間もないけど、デッキを組み直しちゃおうか」
「はい! あっ……でも、お金が……」
「そこは問題なし、ですよね? 店長」
そう言って店長の方へと視線を向けると、店長もこちらへ向けてウィンクしてきた……少し不安だが多分大丈夫だろ
そこからスタートデッキの内容を確認したり、俺もアドバイスをしたりとデッキを組み直していく。そうしてデッキは完成したのだが、肝心のニクスがまだ1枚しか手に入っていなかったりと少々未完成って感じがする……けど、春野さん本人は満足そうだ
「じゃあ、早速始めようか」
「はい!」
デッキも完成し、改めてファイト台へと向かい、彼女と向かい合う
「春野さんは初心者だよね、ルールは知ってる?」
「えっと、大雑把には知ってますけど……詳しい所はあまり」
「そっか……なら今回はルールを説明しながら進めていこうか」
「よろしくお願いします」
お互いにデッキをシャッフルし、デッキとライフデッキ10枚を指定の場所に置き、デッキから手札を5枚引く
「最初の手札は5枚。納得がいかなかったら一回だけ手札をデッキに戻して引き直しが出来る……俺はこのままでいいかな、春野さんは?」
「あたしもこのままで大丈夫です!」
「そっか、それじゃ今回は説明しながらだから先攻は春野さんに譲るよ」
「はい!」
「それじゃあ。レディ────」
「「ファイト!」」
久導 灼 VS 春野 遊花
「先攻の一番初めはドローフェイズ、デッキからカードを1枚ドローするんだ」
「えっと、1枚ドロー」
「ドローしたら、次はエナジーゾーンに手札を1枚置く。ここは自分で置くか置かないかを決められる」
「なるほど、それじゃあ手札を1枚エナジーゾーンに置きます」
〘遊〙エナジー:0 ⇒ 1
「ここまでの手順を終えたら、次はメインフェイズに移る」
「えっと、ここでユニットを出したりスペルを使ったりするんですよね?」
「その通り。手札にあるカードのコスト分、エナジーゾーンのカードをレスト状態*1にして、ユニットを場に出したり、スペルを使ったりできる」
俺がそう言うと遊花ちゃんは自分の手札に目線を向ける
「それじゃあ、エナジーを1つ使って【
==
◆【炎刃の兵士】コスト:1 パワー:2000 ダメージ:1
《能力》
〘攻撃時〙このユニットのパワー +1000
==
「確か、場に出したユニットはそのターンは攻撃出来ないんですよね?」
「その通り、〘速攻〙*2って言う能力を持っていない限りは出したターンは攻撃できないね」
「じゃあ、あたしはこれでターンを終了します」
〘遊〙手札:4枚 エナジー:1
場:【炎刃の兵士】
↼TURN CHANGE⇁
「それじゃ、俺のターン……ドロー」
今回使うデッキは貸出用の緑デッキ、戦略はシンプルでエナジーを加速して大型のユニットでぶん殴るデッキ……なら
「手札を1枚、エナジーゾーンに置いてターンエンドかな」
「えっ? 何もしないんですか?」
「エナジーが足りないからね、本格的に動くのは2ターン目からかな」
〘灼〙手札:5枚 エナジー:1
場 ユニットなし
↼TURN CHANGE⇁
「あたしのターン。ドローして手札を1枚エナジーゾーンに置きます」
「そして、エナジーを2つ使って【
==
◆【炎獣 ウルフレア】コスト:2 パワー:1000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙デッキの上から1枚を確認し、手札に加えるかエナジーゾーンに置く
==
「ウルフレアの登場時効果でデッキの上から1枚を確認して……手札に加えます」
確認したカードを手札に加えた春野さんは、そのまま次のフェイズに入る
「アタックフェイズ! 炎刃の兵士で攻撃!」
「ブロックは出来ないのでそのまま受ける」
〘灼〙ライフ:10 ⇒ 9
「攻撃を受けてダメージを受けたプレイヤーは、ライフデッキのカードを1枚引いて、エナジーゾーンに置く」
ライフデッキのカードを1枚引き、それをそのままエナジーゾーンに置く
「つまり、ダメージを受ければ受けるほどエナジーが集まって、早いターンで強いユニットを出せるようになるって事ですか?」
「そんな感じかな、けど相手のライフを0にしないと勝てないから。どうやって戦うかは考えないといけないね」
「な、なるほど……えっと、ターンエンドです」
ライフを削れば削るほど、相手にエナジーリソースを与えることになる。だから相手のライフを1ターンでどのくらい削るのか、相手の攻撃を削るための手札をどれだけ残しておくのかを考えないといけない
〘遊〙手札:4枚 エナジー:2
場:【炎刃の兵士】【炎獣 ウルフレア】
↼TURN CHANGE⇁
「それじゃ、俺のターン。ドローして手札を1枚エナジーゾーンに置く」
使えるエナジーの数はさっき削られたライフ分も合わせて合計で3、少しずつだがギアを上げていけそうだ
「メインフェイズ、エナジーを2枚レストにして【
==
◆【新緑の精霊】コスト:2 パワー:2000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙デッキの上から1枚をエナジーゾーンに置く
==
デッキの上から1枚をエナジーゾーンに置く……正直、エナジーを貯めてる間に削りきられそうだがその時はその時だ
「更にエナジー2枚レストにして【新緑の精霊】をもう一体場に、登場時効果でデッキの上から1枚をエナジーゾーンへ置き。ターンエンド」
〘灼〙手札:3枚 エナジー:5
場 【新緑の精霊】×2
↼TURN CHANGE⇁
3ターン目、再び春野さんのターン。彼女はターンの始めにレスト状態になっていたエナジーをスタンド状態に戻し、デッキから1枚をドロー、手札を1枚エナジーゾーンへ置く
「あたしはエナジーを2つ使って【炎獣 ウルフレア】をもう1体、場へ。登場時効果でデッキの一番上を確認して……今度はエナジーゾーンに置きます」
「更にエナジーを1つ使って、【幼竜ドラン】を登場させます!」
==
◆【幼竜ドラン】コスト:1 パワー:1000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙デッキから1枚ドローし、1枚をデッキに戻す
==
「登場時効果で1枚ドローして……このカードをデッキに戻します……えっと、この後ってどうするんですか?」
「あぁ。デッキに戻すだけだとわかりずらいよね、基本的に上とか、下とかの指定がなかったら戻した後はシャッフルだよ」
最新式のファイト台とかだったら、こういう効果使った後のシャッフルとか自動でやってくれるみたいだけど……残念ながらウチのファイト台にはそんな機能はついてない
「────まぁ、こういう風に自分でやる方が好きだから良いけど」
「何の話ですか?」
「ハイテクも良いけどやっぱカードゲームはシャッフルとか自分でする方は俺は好きだなって話」
「……よくわかんないです」
「わかんなくていいんだよ、個々人の好みの話だから……さっ、ファイトを続けよう」
「はい!」
さてと、春野さんは【炎獣 ウルフレア】と【幼竜ドラン】を使って山札を掘ってる……って事はピン刺ししてる彼女の切り札を探してるのか……まぁ、どっちにしたってこっちとしては少々よろしくない
「エナジーを2つ使って、【爆炎の
==
◆【爆炎の速弓士】コスト:2 パワー:3000 ダメージ:1
《能力》
〘速攻〙このユニットは場に出てすぐに攻撃できる
==
「そしてそのまま、アタックフェイズ! 【炎刃の兵士】【炎獣 ウルフレア】そして速攻を持っている【爆炎の速弓士】でアタック!」
「アタックを受けます」
〘灼〙ライフ:9 ⇒ 6
〘灼〙エナジー:5 ⇒ 8
ダメージを受けた俺は、ライフデッキから3枚のカードを引きそのままエナジーゾーンへと置く
「ターンエンドです」
〘遊〙手札:2枚 エナジー:4
場:【炎刃の兵士】【炎獣 ウルフレア】【爆炎の速弓手】
↼TURN CHANGE⇁
「俺のターン、ドローしてエナジーフェイズはスキップ」
さっきドローした分も含めて手札は4枚、さっきのダメージ分も合わせてエナジーの合計は8、ある程度は動きだせる
「メインフェイズ、エナジーを3支払って手札から【エルフの弓手】を登場」
==
◆【エルフの弓手】コスト:3 パワー:3000 ダメージ:1
《能力》
〘登場時〙相手のユニットを1体選び、破壊する
==
「登場時効果を使用し、ウルフレアを破壊」
「ありがとう、ウルフレア」
【エルフの弓手】の効果で破壊されたウルフレアを春野さんは墓地に置く。これで彼女の場にいるユニットは2体
「さらにエナジーを5支払い、【
==
◆【翠樹侯 ライドラリール】コスト:6 パワー:6000 ダメージ:1
《能力》
〘防御〙このユニットは相手ユニットの攻撃を防御してもよい
〘攻撃時〙エナジーゾーンにあるカード2枚に付き、破壊するライフの数を1増やす
==
「ターンエンド」
〘灼〙手札:2枚 エナジー:8
場:【新緑の精霊】×2【エルフの弓手】【翠樹侯 ライドラリール】
↼TURN CHANGE⇁
「あたしのターン、ドロー!」
ドローした春野さんは残っている3枚の手札を確認し、少しだけ思考する
「お待たせしました、あたしもエナジーフェイズはスキップしてメインフェイズ! エナジーを1つ使って手札からスペル【エネルギーブースト】を発動します!」
==
◇【エネルギーブースト】コスト:1
《効果》デッキの上から1枚をエナジーゾーンに置く
==
春野さんはデッキの上から1枚を捲り、エナジーゾーンに置いた。これで彼女の手札は2枚、エナジーは5、その中で使用可能状態なのは4枚か
「アタックフェイズ! 【炎刃の兵士】【爆炎の速弓士】で攻撃!」
「受けます」
〘灼〙ライフ:6 ⇒ 4
〘灼〙エナジー:8 ⇒ 10
「ターンエンドです」
〘遊〙手札:2枚 エナジー:5
場:【炎刃の兵士】【爆炎の速弓手】
↼TURN CHANGE⇁
「俺のターン、ドロー……エナジーフェイズはスキップ」
さてと、どうしたもんかな。手札にあるのはブロック持ちの4コスト【リバーサルワーム】と【プランターゴーレム】、さっき引いた【エルフの弓手】か……エナジーも潤沢にあるし、このままブロック持ちを2体出して守りながらライドラリールで削りきるのがテンプレだが────
「────それだと、面白くねぇよな」
「?」
「俺は手札から【エルフの弓手】を場に出し、効果で【爆炎の速弓士】を破壊」
彼女の場にいる【爆炎の速弓士】を破壊する、守りながら削りきるのが緑デッキだが……正直俺も殴り合いたい、てか普段使いしてるのが緑デッキだからと今回も緑を選んだが……赤にすればよかったな
「アタックフェイズ! 【新緑の精霊】2体で攻撃!」
「受けます」
新緑の精霊でアタックし、ダメージを受けた彼女はライフデッキから2枚をエナジーゾーンへ置く
〘遊〙ライフ:10 ⇒ 8
〘遊〙エナジー:5 ⇒ 7
「更に攻撃可能になってる【エルフの弓手】で攻撃!」
「受けます!」
〘遊〙ライフ:8 ⇒ 7
〘遊〙エナジー:7 ⇒ 8
「そして、【翠樹侯 ライドラリール】で攻撃! 攻撃時効果により俺の場にあるエナジーゾーンのカード2枚につきダメージ+1!」
「それってつまり……」
「俺の場にあるエナジーの合計は10だから、ダメージが+5されて合計で6点だね」
「う、受けます!」
〘遊〙ライフ:7 ⇒ 1
〘遊〙エナジー:8 ⇒ 14
「これで俺はターンエンド」
〘灼〙手札:2枚 エナジー:8
場:【新緑の精霊】×2【エルフの弓手】×2【翠樹侯 ライドラリール】
↼TURN CHANGE⇁
「あたしのターン……ドロー!」
彼女の残りライフは1、祈るようにデッキからカードを引くと祈るようだった彼女の表情がぱぁーっと明るくなる
「エナジーフェイズはスキップして……メインフェイズ! 行きます!」
「……来いッ!」
「来て、あたしの運命のカード! エナジーを3つ使って【
このタイミングでフェイバリットを引き込むか
==
◆【焔凰雛ニクス】コスト:3 パワー:3000 ダメージ1
《能力》
〘速攻〙このユニットは場に出てすぐに攻撃できる
〘登場時〙デッキの上から5枚を確認し、コスト3以下のユニットを3体まで場に出す
〘攻撃時〙自身の場の赤のユニット全てのパワーを+2000
==
「ニクスの登場時効果! デッキの上から5枚を見てコスト3以下のユニットを3体まで場に出します!」
そう言って彼女が選んだのは【爆炎の速弓士】【爆炎の
==
◆【爆炎の速騎士】コスト:3 パワー:4000 ダメージ:1
《能力》
〘速攻〙このユニットは場に出てすぐに攻撃できる
==
「選ばなかった残りの2枚はデッキに戻してシャッフル、その後にウルフレアの効果でデッキの上から1枚を確認して手札に加えます!」
「さらにエナジーを5コスト支払って、【焔竜 ジークグレイム】を登場! 登場時効果でウルフレアに〘速攻〙を与えます」
==
◆【焔竜 ジークグレイム】コスト:5 パワー:6000 ダメージ:1
《能力》
〘速攻〙このユニットは場に出てすぐに攻撃できる
〘登場時〙自分の場のユニットを1体選び、〘速攻〙を与える
==
「アタックフェイズ! 【焔竜 ジークグレイム】【爆炎の速騎士】【炎獣ウルフレア】そして【焔凰雛ニクス】で攻撃!」
「……受けます」
〘灼〙ライフ:4 ⇒ 0
春野 遊花 WIN!!
※※※※※
「勝った? あたし? 勝った!?」
「うん、春野さんの勝ちだよ。おめでとう」
自分の勝利に実感がないらしい春野さんに俺がそう告げると、彼女ははじけたような笑顔を浮かべて近くで見守っていた城咲さんの元へ向かっていった
「ことはちゃん! 勝ったよ! あたし初勝利!」
「うん、おめでとう遊花ちゃん!」
デッキを片付けながら、そんな様子を眺めているとニヤニヤした様子の店長がこちらに近づいてくる
「いやー、派手に負けたねぇ少年」
「えぇ、ふっつうに油断して負けました。情けない限りです」
「だねぇ、大人しくブロック持ちのユニットで守りながらライドラリールでライフを削っていけば十分勝てただろうしねぇ」
店長の言う通り、春野さんの赤デッキは速攻をかけられるが単体のパワーはかなり低い。だから【焔凰雛ニクス】だったり赤のスペルを使ったりしてカードのパワーを底上げして攻撃をしかけてくる
反して俺の使っていた緑デッキは平均コストが3~4と少々重いが、序盤に彼女の使っていた汎用スぺルの【エネルギーブースト】だったり、今回は全然引けなかったコスト1のブロックユニットで自分の場を整えてライドラリールでデカい一撃を決めるデッキだった
「こう考えると、十分勝てましたねぇ……」
「もっと精進したまえよ? 少年」
「そうします」
片付けを終えてふと時計を見ると、既に時間は17時近くを回り外からは夕暮れを告げるチャイムの音が聞こえてくる
「えっ、うそ、もうこんな時間!?」
「暗くなってくるし、そろそろ帰ろっか」
「だね、それじゃあ店長さん! 久導さん! また明日!」
「ま、また明日……」
そう言うと春野さんと城咲さんは店の外に出ていく……前に春野さんがくるりとこちらへ振り返る
「久導さん! 今度は本気でファイトしましょうね! それじゃ!」
最後にそう言った後二人は退店し、店の中には俺と店長の二人だけが残る
「言われちゃったねぇ」
「ですね……けど、そうっすね。次やる時は普段使いのデッキを使いますよ」
「本気のデッキは使わないんだ?」
「アレを普段使い出来る訳ないでしょ……それに、普段使ってるデッキだって本気のデッキには違いないですから」
「それもそっか……さてと、それじゃ私たちもお店の営業に戻ろっか」
「ですね。と言っても、閑古鳥は鳴きっぱなしな気もしますが」
「いいのいいの、推定常連さんが二人確保できたからね」
いつも通りの会話をしながら、俺と店長の二人もいつもの業務に戻っていった……常連さんも出来たっぽいしこれからは何だかんだで騒がしくなるんだろう、楽しみだ