カードショップの店員は、主人公だが主人公じゃない   作:どこかのSさん

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基本勢いで書いてるので、ガバかったらごめんなさい


第6話,道場破り? 澄玲vs武闘派?少年

 アタシ、空閑澄玲が今通っている中学校────札辻中学に転校してから、早いものでもう二週間ほどの時が流れた。ひょんなことから友達になった春野さんと城咲さん以外にも話をするクラスメイトも少しずつ増えてきて……あまり実感はないけど充実はしてるんだと思う

 

「……はぁ」

 

 ただ一つ、不満があるとすれば転校してきて以降あまりファイトが出来ていないこと

 勿論一切できていないと言うわけではない、春野さんや……よく行くようになったカードショップの店員さんとファイトをすることはある。それでも転校前よりカードに触れる機会が減って少し消化不良気味だ

 

「空閑さん、お昼食べよー……って、どうかしたの?」

 

「な、なにか悩み事?」

 

「……少し考え事をしてただけよ」

 

「考えごと?」

 

「個人的な事だから、気にしないで良いわ……それより、早くお昼を食べましょ」

 

 この消化不良感に関してはあくまでもアタシが勝手に感じてるものだし、二人に言ったところで仕方ない

 

 

 

 もやもやと気持ちを抱えたまま気が付けば放課後、いつものようにカードショップへ向かうためにアタシは春野さんと城咲さんの席まで向かうと何やら頭を抱えている春野さんとそれをなだめる城咲さんの姿があった

 

「二人とも、何かあったの?」

 

「……実は、遊花ちゃん補修って言われちゃったみたいで」

 

「補修?」

 

 別にテスト前でもないこの時期に珍しいと思っていると、春野さんはゆらりとアタシの方を向き泣きそうな表情を見せる

 

「この前やった数学の小テスト……酷い点数取っちゃって……」

 

「あぁ……」

 

 確かにこの前の数学で小テストをやった……けどその前の前の授業でやること自体は伝えられていたし範囲も先生が教えてくれていた。あくまでもやった範囲をある程度覚えているか復習するためのものだったはずだけど……そこまで考えてアタシの中もしもの可能性が浮かび上がる

 

「春野さん、貴方まさか……」

 

「だって、だって……デッキ考えるの……楽しくって……」

 

「趣味が私生活を脅かすのは本末転倒でしょう」

 

「あはは……」

 

「城咲さんも笑ってない。こういうとき一番注意できるのは貴方なんだから」

 

「う、うん。わかってはいるんだけどね……」

 

 アタシの言葉を聞いた城咲さんは少々気まずそうに目を逸らした、この様子を見るに今までもこうして甘やかすことが多々あったのだろう

 

「はぁ……まぁ過ぎた事をこれ以上言っても仕方ないわね。春野さんは補修だけど城咲さんはどうするの?」

 

「わたしは、遊花ちゃんの補修が終わるまで図書室で勉強してようかな」

 

「そう、それなら今日はここでお別れね」

 

「空閑さんは、今日どうするの?」

 

「そうね。アタシはいつも通り少しカードショップに顔を出してから帰ろうかしら」

 

「あ、あたしも……」

 

「遊花ちゃんは、補修頑張ろ? ね?」

 

「う、うぅ……頑張る……」

 

 城咲さんに慰められながら、名残惜しそうにこちらを見てくる春野さんを後目にアタシは荷物を持ち直す

 

「それじゃ、また明日ね」

 

「うん、また明日」

 

「また明日ぁぁぁぁぁ……うぅ勉強したくないぃぃぃぃぃ……」

 

「ソウルリンクを続けていくなら、勉強だって大切よ。それじゃあね」

 

 

 

 

 

※※※※※

 

 

 

 

 

 学校からカードショップへと続く道、いつもより静かなその道をアタシは一人歩く

 

「そういえば、こうして一人でこの道を歩くのも初めてかもしれないわね」

 

 あの店に通い始めた時から、思えばずっと春野さんと城咲さんが一緒に居た。よく話を振ってくる春野さんとそれに相槌を打っている城咲さん、最近当たり前になった少しの騒がしさがこのタイミングでアタシに当たり前の事ではないと気づかせてくる

 

「……消化不良感がたたって、少しセンチメンタルになってるのかしら。今日のアタシ」

 

 彼女たちとはまだ出会ったばかりだ、これからクラスは別れることになったしても最低二年は関わり続けることになる。今センチメンタルになったところで何がなくなるという訳でもない

 静かな道をまっすぐ歩いてどれくらい経っただろう、気が付けば目的地の直前までやってきていた

 

「こんにちは」

 

「いらっしゃい、今日は一人?」

 

 いつも通りお店の中に入るとカウンターで作業をしていた店長さんがこちらに話しかけてきた

 

「はい、春野さんと城咲さんは学校の用事で」

 

「そっか、お店はいつも通りだけどまぁゆっくりしていってよ」

 

「そうさせて貰います」

 

 店長さんに頭を下げてからお店の中を見回すと、そこそこいい品揃えのわりに閑散とした店内が目に入る……いつもと違うところと言えば、普段なら店長さんとは別に何かしらの作業をしている店員────久導さんの姿も見えないことだ

 

「店長さん、今日久導さんはいないんですか?」

 

「久導くん? もう少ししたら来ると思うけど、もしかして何か急ぎの用でもあった?」

 

「いえ、いつもはこの時間に居るのに珍しいなと思って」

 

「あぁ、彼いっつも学校終わりすぐに来るからねぇ」

 

 けど、もうすぐ来るならそれはそれでいい……デッキの調整でもしながらゆっくり待つことに────

 

「たのもーうッ!!!!」

 

 しようとしたところで入口から喧しい声が聞こえてきた……一体どんな人が来たのかと入口に目を向けると、立っていたのは柔道着を来た同い年くらいの男の子

 

「あー……えーっと……い、いらっしゃい?」

 

「はい! 貴方はここの店員さんですかッ!」

 

「て、店長だけど……きょ、今日はどういったご用件で?」

 

 入ってきた男の子の圧に若干気圧されている店長さんが彼に用件を尋ねると、先ほどまでと同じテンションのまま答えた

 

「道場破りに来ました! このお店で一番強いのは誰ですかッ!」

 

「「……?」」

 

 何を言ったのか、意味が分からずアタシと店長さんは揃って困惑していると目の前の彼は先ほどよりも息を吸って声を出そうとしていることに気づき、アタシは慌てて止めに入る

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい。これ以上は周りにも迷惑になるから一度その口を閉じて」

 

「む? そうか! 失礼した!」

 

 いちいち声が大きくてゲッソリしてくる……けど、今このお店に居るのは店長さん以外にはアタシだけ。店長さんは作業中だったみたいだしこの人の負担を少しでも減らしてあげたい

 

「それで、さっきは道場破りって言ってたわね? どういう意味?」

 

「うむ! それはだな────」

 

「まずは声のトーンを一段階下げて貰える? 正直うるさいわ」

 

「む。それは失礼した……それで道場破りの件だが、オレは最強を目指していてな、それで色々な場所のカードショップを訪れてはその店で最強のファイターに挑戦して回っているわけだ」

 

「……なるほどね、けど残念。生憎とこの店で強い人は大体用事で来てないわ」

 

「む。そうか……それではまた後日伺わせてもらうことにしよう」

 

「えぇ、そうして────」

 

 ちょうだい、と言葉を続けるつもりだったがここで一つ気づく。目の前にいる彼はこの町の色んなショップで最強のファイターに挑戦して回っていると言ってた……ならば、それに見合った実力があるのではないかと……つまり、目の前の男は────強いのではないかと

 

「────ちょっと待ちなさい」

 

「どうした? 最強がいないのならば用はない。今日は帰らせてもらうとしたところなのだが」

 

「……この店の最強に挑戦する前に、試させて貰うわ。あなたに挑戦者としての価値があるか否か」

 

「なんだと?」

 

「実力を見せろと言ってるの、雑魚なのに道場破りを名乗っているのだったら……無様もいいところだからね?」

 

 普段であれば絶対にすることはない煽り……だが今回ばかりは許してほしいと心の中で普段の自分に詫びを入れて。できる限り悪い表情を作る

 

「つまり、君はこう言いたいのか? オレがこの店の最強に挑む価値のない人間だと」

 

「いいえ。最強に挑戦して無様に負ける道化だと言いたいの……そうでないなら、まずはこのアタシにその実力を見せてみなさい」

 

「……いいだろう。店長殿! ファイト台をお借りする!」

 

「へっ? あ、あぁ……どうぞ……」

 

 ズンズンとファイト台へ彼が向かっている隙に、アタシは声を出さず今できる精一杯の謝罪を店長さんにする。すると彼女はしょうがないなと言う年上特有の笑みを見せて、アタシにグッドサインを送ってきた

 

 

 

 

 

※※※※※

 

 

 

 

 

 ファイト台の前に立ったアタシと彼は自分のデッキをシャッフルしていると、彼の方が口を開く

 

「時に、ファイトをするにあたってお互いの名前がわからないと不便だ。自己紹介といかないか?」

 

「……そうね、それじゃあアタシから。空閑澄玲よ、よろしく」

 

「空閑、か。オレは権藤 伊四郎(けんどう いしろう)だ、よろしく頼む」

 

「それじゃあ、権藤くん。対戦よろしくお願いします」

 

「対戦、よろしくお願いします」

 

 お互いに手札の確認と交換を終えると、頭を下げて挨拶をする……後は────開始の合図をするだけだ

 

「「レディ────ファイト!!」」

 

空閑 澄玲 VS 権藤 伊四郎

 

 

「オレのターン、カードを1枚引き、1枚をエナジーゾーンへ置く」

 

 〘伊〙エナジー:0 ⇒ 1

 

「オレはこれでターンエンドだ」

 

 〘伊〙手札:5枚 エナジー:1

 場

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「アタシのターン。ドローフェイズ、1枚ドロー」

 

 引いた手札を確認し、1枚をエナジーゾーンへ置く

 

 〘澄〙エナジー:0 ⇒ 1

 

「エナジーフェイズ、手札を1枚エナジーゾーンへ……メインフェイズ」

 

 自分の手札、そして相手の場を確認してこれからの動きを考える。彼がエナジーゾーンに置いたカードは汎用の防御札……まだ使う色すら見えない以上、ここはアタシも自分の動きに徹する

 

「アタシはエナジーを1つレストにして、手札から【水精の使い】を登場させます」

 

 

 ==

 

水精(すいせい)の使い】コスト:1 パワー:1000 ダメージ:1

《能力》

〘登場時〙このユニットの登場時、デッキからカードを1枚引き、手札を1枚デッキの一番下に戻す

 

 ==

 

 

「【水精の使い】の登場時効果、カードを1枚引き……手札を1枚デッキの一番下へ戻す」

 

 ひとまず最低限様子を見ることのできる手札にはなった

 

「アタシはこれでターンエンド」

 

 〘澄〙手札:4枚 エナジー:1

 場 【水精の使い】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「オレのターン、カードを1枚引き、1枚をエナジーゾーンへ」

 

 〘伊〙エナジー:1 ⇒ 2

 

「メインフェイズ。エナジーを2つ支払うことで手札から【-MW-(マーシャルウォリアー)伝令兵ラドン】を登場させる」

 

 

 ==

 

-MW-(マーシャルウォリアー)伝令兵ラドン】コスト:2 パワー:3000 ダメージ:1

《能力》

〘登場時〙デッキの上から5枚を確認し、-MW-(マーシャルウォリアー)と名の付くカード1枚を公開し、手札に加える

 

 ==

 

 

「伝令兵ラドンの登場時効果! デッキの上から5枚を確認し……【-MW-(マーシャルウォリアー)闘技実況士ジャルド】を手札に加え、ターンエンド」

 

 〘伊〙手札:5枚 エナジー:2

 場 【-MW-伝令兵ラドン】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「アタシのターン。ドローフェイズ、1枚ドロー」

 

「エナジーフェイズ、手札を1枚エナジーゾーンへ置き、メインフェイズ」

 

 〘澄〙エナジー:1 ⇒ 2

 

 マーシャルウォリアー……ユニットたちの世界に存在する国家の一つ、炎皇国ヴァルガンに存在する競技種目────剣闘競技で日々競い合うユニットたちのテーマ

 

「アタシはエナジーを1つレストにして、手札のスペルカード【エネルギーブースト】を発動。デッキの上から1枚をエナジーゾーンへ置く」

 

 〘澄〙エナジー:2 ⇒ 3

 

「さらにアタシはエナジーを2つレストにして、【水精の使い】と【氷園の精霊】を登場させます」

 

 

 ==

 

氷園(ひょうえん)の精霊】コスト:1 パワー:1000 ダメージ:1

《能力》

〘常時〙このユニットは相手ユニットの攻撃を防御してもよい

〘登場時〙デッキの上から5枚をめくり、その中からスペルを1枚手札に加える

 

 ==

 

 

「まずは【水精の使い】の登場時効果、カードを1枚引き手札を1枚山札の下へ……続いて【氷園の精霊】の登場時効果」

 

 アタシはデッキの上から5枚を確認し、その中にあったスペルカード1枚を手札に加える

 

「アタシは【氷園の牢獄】を手札へ加え……ターンエンド」

 

 〘澄〙手札:2枚 エナジー:3

 場 【水精の使い】【水精の使い】【氷園の精霊】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「オレのターン、カードを1枚引き、1枚をエナジーゾーンへ」

 

 〘伊〙エナジー:2 ⇒ 3

 

「先のターン、バトルフェイズは行わなくてよかったのか?」

 

「えぇ。今回は少し消極的にいかせて貰おうかと思って」

 

「そうか……ならば、こちらはいつも通り動かせてもらおう、メインフェイズ。エナジーを2つ支払うことで、手札から【-MW-(マーシャルウォリアー)闘技実況士ジャルド】を登場させる」

 

 

 ==

 

-MW-(マーシャルウォリアー)闘技実況士(とうぎじっきょうし)ジャルド】コスト:2 パワー:1000 ダメージ:1

《能力》

〘登場時〙相手ユニットが2体以上いるならカードを1枚ドローする

 

 ==

 

 

「ジャルドの登場時効果、対戦相手の場に2体以上ユニットがいるため1枚ドロー……さらにエナジーを1つ支払い【フレアッシュドラゴン】を登場させる」

 

 

 ==

 

【フレアッシュドラゴン】コスト:1 パワー:2000 ダメージ:1

《能力》

〘常時〙自分のターン中、このユニットのパワーを+1000

 

 ==

 

 

「バトルフェイズ、【-MW-伝令兵ラドン】で攻撃!」

 

「ブロックはせず、ライフで受けます」

 

 〘澄〙ライフ:10 ⇒ 9

 〘澄〙エナジー:3 ⇒ 4

 

「これでオレは、ターンエンド」

 

 〘伊〙手札:3枚 エナジー:3

 場 【-MW-伝令兵ラドン】【-MW-闘技実況士ジャルド】【フレアッシュドラゴン】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「アタシのターン。ドローフェイズ、カードを1枚ドロー」

 

 これで4ターン目、ここからはライフの削り方を考えなければ一気に持っていかれる

 

「エナジーフェイズ、手札を1枚エナジーゾーンへ置く」

 

 アタシはさっき手札に加えた【氷園の牢獄】をエナジーゾーンに置く

 

 〘澄〙エナジー:4 ⇒ 5

 

「メインフェイズ。エナジーを4つレストにして【氷竜の使い】を登場」

 

 

 ==

 

氷竜(ひょうりゅう)の使い】コスト:4 パワー:3000 ダメージ:1

《能力》

〘登場時〙デッキの上から6枚を確認し、”氷刃竜 ドランガルド”か”氷護竜 ドランジルド”を1枚手札に加える。残りのカードは全て墓地へ置く

 

 ==

 

 

「氷竜の使いの登場時効果、デッキの上6枚を確認して────」

 

 アタシはデッキの上から6枚を確認する。その中には【氷竜の使い】で指定されている【氷刃竜 ドランガルド】と【氷護竜ドランジルド】の両方があった。どちらを手札を加えるのかを少し考え

 

「──【氷護竜 ドランジルド】を手札に加えます」

 

 ドランジルドを手札に加え、残りのカードを墓地へ置く

 

「バトルフェイズ、2体の【水精の使い】で攻撃」

 

「ブロックできるユニットはいないのでライフで受ける」

 

 〘伊〙ライフ:10 ⇒ 8

 〘伊〙エナジー:3 ⇒ 5

 

「ターンエンド」

 

 〘澄〙手札:2枚 エナジー:5

 場 【水精の使い】【水精の使い】【氷園の精霊】【氷竜の使い】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「オレのターン。カードを1枚引き、1枚をエナジーゾーンへ」

 

 〘伊〙エナジー:5 ⇒ 6

 

「メインフェイズ。オレはエナジーを2つ支払い手札から【-MW-(マーシャルウォリアー)紅鎧闘士バルドラン】を、エナジーを4つ支払うことで【-MW-(マーシャルウォリアー)熱闘拳士レグナス】を場に登場させる」

 

 

 ==

 

-MW-(マーシャルウォリアー)紅鎧闘士(こうがいとうし)バルドラン】コスト:2 パワー:3000 ダメージ:1

《能力》

〘速攻〙このユニットは場に出てすぐに攻撃できる

〘常時〙自分の場に《-MW-(マーシャルウォリアー)》ユニットが存在するなら、このユニットのパワー +1000

 

 ==

 

 ==

 

-MW-(マーシャルウォリアー)熱闘拳士(ねっとうけんし)レグナス】コスト:4 パワー:4000 ダメージ:1

《能力》

〘速攻〙このユニットは場に出てすぐに攻撃できる

〘登場時〙相手の場のユニットを1体選び、このユニットとバトルさせる

 

 ==

 

「レグナスの登場時効果で、君の場の【氷園の精霊】とバトルさせる」

 

「【氷園の精霊】のパワーは1000、【-MW-熱闘拳士レグナス】のパワーは4000。こちら側の負けね」

 

 アタシはバトルに負けた【氷園の精霊】を墓地へ置く

 

「バトルフェイズ、【-MW-伝令兵ラドン】【-MW-闘技実況士ジャルド】【フレアッシュドラゴン】で攻撃!」

 

「ブロックはできないので、ライフで受けます」

 

 〘澄〙ライフ:9 ⇒ 6

 〘澄〙エナジー:5 ⇒ 8

 

「続けて《速攻》を持っている【-MW-紅鎧闘士バルドラン】【-MW-熱闘拳士レグナス】で攻撃!」

 

「さっきと同じようにライフで受けます」

 

 〘澄〙ライフ:6 ⇒ 4

 〘澄〙エナジー:8 ⇒ 10

 

「これで、ターンエンド」

 

 〘伊〙手札:1枚 エナジー:6

 場 【-MW-伝令兵ラドン】【-MW-闘技実況士ジャルド】【フレアッシュドラゴン】【-MW-紅鎧闘士バルドラン】【-MW-熱闘拳士レグナス】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「アタシのターン。ドローフェイズ、カードを1枚ドロー」

 

「エナジーフェイズはスキップし、メインフェイズ」

 

 手札は3枚、そのうち1枚はさっき【氷護竜 ドランジルド】

 

「アタシはエナジーを6つレストにして【氷護竜 ドランジルド】を登場させます」

 

 

 ==

 

氷護竜(ひょうごりゅう) ドランジルド】コスト:6 パワー:6000 ダメージ:1

《能力》

〘常時〙このユニットは相手ユニットの攻撃を防御してもよい

〘防御時〙このユニットのパワーを+2000

〘退場時〙手札・墓地に”氷刃竜 ドランガルド”が存在する場合、レスト状態で場に出す

 

 ==

 

 

「バトルフェイズ、【水精の使い】2体と【氷竜の使い】で攻撃」

 

「全ての攻撃をライフで受けよう」

 

 〘伊〙ライフ:8 ⇒ 5

 〘伊〙エナジー:5 ⇒ 8

 

「ターンエンド」

 

 〘澄〙手札:2枚 エナジー:10

 場 【水精の使い】【水精の使い】【氷竜の使い】【氷護竜 ドランジルド】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

「オレのターン。カードを1枚引き、エナジーフェイズはスキップする」

 

「メインフェイズ。エナジーを7支払いオレの切り札【-MW-(マーシャルウォリアー)剣闘王バーニングガルス】!」

 

 

 ==

 

-MW-(マーシャルウォリアー)剣闘王(けんとうおう)バーニングガルス】コスト:7 パワー:8000 ダメージ:2

《能力》

〘速攻〙このユニットは場に出てすぐに攻撃できる

〘攻撃時〙自分の場のレスト状態になっている《-MW-(マーシャルウォリアー)ユニットを2体まで選び、スタンドさせる

 

 ==

 

 

「アタックフェイズ! 【-MW-伝令兵ラドン】【-MW-闘技実況士ジャルド】で攻撃!」

 

「ブロックはせず、ライフで受けるわ」

 

 〘澄〙ライフ:4 ⇒ 2

 〘澄〙エナジー:10 ⇒ 12

 

「オレの切り札! 【-MW- 剣闘王バーニングガルス】で攻撃! 攻撃時効果を使用しレスト状態になっている【-MW-伝令兵ラドン】【-MW-闘技実況士ジャルド】の2枚をスタンドさせる!」

 

「【氷護竜 ドランジルド】でブロック。【防御時】効果でこのユニットのパワーを+2000」

 

「相打ちか」

 

「まだよ。アタシはドランジルドの【退場時】効果を使用────墓地に存在する【氷刃竜 ドランガルド】を自身の場にレストで登場させる!」

 

 

 ==

 

氷刃竜(ひょうじんりゅう) ドランガルド】コスト:7 パワー:6000 ダメージ:2

《能力》

〘登場時〙このユニットが登場した時、お互いの場のユニットから3体選び、ターン終了時まで”攻撃不可”を与える

〘攻撃時〙場に存在する”攻撃不可”ユニット1体を墓地へ置き、このユニットのパワーを +2000

 

 ==

 

 

「ドランガルドの登場時効果! お互いの場のユニットから3体を選び、”攻撃不可”を与える! アタシが選ぶのはさっきスタンドした【-MW-伝令兵ラドン】【-MW-闘技実況士ジャルド】、そして【-MW-紅鎧闘士バルドラン】の3体」

 

 ドランガルドの効果で攻撃不可を与えられたカードをわかりやすいよう反対向きに置きなおしながら、少し苦しい表情を浮かべる

 

「くっ……だが、君のライフは残り2! 【-MW-熱闘拳士レグナス】で攻撃!」

 

「ライフで受けるわ」

 

 〘澄〙ライフ:2 ⇒ 1

 〘澄〙エナジー:12 ⇒ 13

 

「【フレアッシュドラゴン】でトドメだ!」

 

「アタシは手札に存在する【ウォッシュペガサス】の〘常時〙効果を使用。コストを2つレストにして、このカードを捨てることで、攻撃を無効にする」

 

 

 ==

 

【ウォッシュペガサス】コスト:2 パワー:1000 ダメージ:1

《能力》

〘常時〙自分が攻撃を受ける時、このユニットを手札から捨てることでその攻撃を無効にする

 

 ==

 

 

「────くっ! ターン、エンドだ」

 

 

 〘伊〙手札:1枚 エナジー:8

 場 【-MW-伝令兵ラドン】【-MW-闘技実況士ジャルド】【フレアッシュドラゴン】【-MW-紅鎧闘士バルドラン】【-MW-熱闘拳士レグナス】【-MW-剣闘王バーニングガルス】

 

 

 

TURN CHANGE

 

 

 

 これが、正真正銘のラストターン

 

「アタシのターン。ドローフェイズ、カードを1枚ドロー」

 

「エナジーフェイズ、メインフェイズをスキップしアタックフェイズ! 2体の【水精の使い】で攻撃」

 

「……ライフだ!」

 

 〘伊〙ライフ:5 ⇒ 3

 〘伊〙エナジー:5 ⇒ 10

 

「続けて【氷竜の使い】で攻撃!」

 

「ライフだ!」

 

 〘伊〙ライフ:3 ⇒ 2

 〘伊〙エナジー:10 ⇒ 11

 

「【氷刃竜 ドランガルド】で攻撃!」

 

「オレはエナジーを3支払い手札からスペルカード【金縛りの鎖】を使用! ドランガルドの攻撃を無効にする!」

 

 

 ==

 

 ◇【金縛りの鎖】コスト:3

〘常時〙相手ユニットの攻撃時、手札から使用できる。

相手ユニット攻撃時に使用したこのカードは除外される。

《効果》ユニット1体の攻撃を無効にする。

 

 ==

 

 

「これで、君の攻撃は凌ぎきった……次のターンで、オレの勝利だ!」

 

「……いいえ、まだよ」

 

「なんだと?」

 

「アタシはエナジーを4つレストにして手札からスペルカード【氷竜乱舞】を使用!」

 

 

 ==

 

氷竜乱舞(ひょうりゅうらんぶ)】コスト:4

このカードはバトルフェイズ中でも使用することができる

《効果》レスト状態の”氷刃竜 ドランガルド”か”氷護竜 ドランジルド”をスタンド状態にし、次のバトルで与えるダメージを+1

 

 ==

 

 

「アタシの場の【氷刃竜ドランガルド】をスタンド状態に戻し、そのままドランガルドで攻撃!」

 

「……ライフだ」

 

 〘伊〙ライフ:2 ⇒ -1

 

 

空閑 澄玲  WIN!! 

 

 

 

 

 

※※※※※

 

 

 

 

 

「対戦ありがとうございました」

 

「ありがとうございました」

 

 ファイトを終えたアタシと権藤くんはお互いに終了の挨拶と握手をする

 

「まさか負けるとは……オレもまだまだ修行が足りんな」

 

「貴方は十分強かったわ。アタシも正直ギリギリだった」

 

「慰めはいい、オレは全力で臨んだつもりだったが……同時に僅かな驕りもあった」

 

 アタシがそういうと権藤君は店に来た時の騒々しさが嘘のようなテンションで言葉を返してくる

 

「さて、これは修行のし直しだな……また会おう! 我がライバルよ!」

 

 彼はアタシにそれだけ言うと、デッキと持ってきていた荷物をまとめて店の中から出て行ってしまった────

 

「────って、ライバル?」

 

「随分と個性的な子にライバル認定されたね、空閑さん」

 

「久導さん……来てたんですね」

 

「うん、空閑さんが【氷竜の使い】を出したあたりからね」

 

「だいぶ前からじゃないですか……そもそも、彼に絡まれたのも久導さんが原因なんですけど」

 

「あー……そこら辺は店長から聞いた、迷惑かけてごめんね」

 

 申し訳なさそうにあやまってくる久導さんに対してアタシはこれ以上何か言う気力もなかったから、軽く息を吐いて肩の力を抜くといつの間にか近くにやってきていた店長さんがアタシの肩にポンと手を置く

 

「なんか、スッキリしたみたいだね」

 

「はい……少し消化不良気味だったのが、さっきのファイトで良い感じに発散できました」

 

「そっか、それならよかった」

 

「にしても、柔道着服の彼は随分と珍しいデッキを使ってたねぇ」

 

「-MW-ってそんなに珍しいんですか?」

 

「うん、並べて殴るシンプルなデッキだけど、並べるまでに少し時間がかかっちゃうからねぇ」

 

「……成る程」

 

 確かに、アタシのデッキには入っていなかったけど相手のユニットを破壊して動きを止めるデッキも多い。それに赤のデッキに絞っても-MW-以上の速度で速攻を仕掛けられるものだって存在する……そう考えると、少し寂しいが使用者が数を減らすのも納得がいく

 

「それにしても、バーニングガルスの使い手がドランガルドの使い手に負けるとはねぇ」

 

 そんなことを考えていると、さっきのファイトを振り返っていたらしい久導さんは少ししみじみとした様子でそんなことを言った

 

「どういう意味ですか?」

 

「バーニングガルスとドランガルドってなんか関係あったっけ?」

 

「あぁ、えっと、バーニングガルスが剣闘王になる前……剣闘士ガルスだった頃に彼は氷刃竜ドランガルドに挑んで負けてるんですよ」

 

「へぇー、そうなんだ」

 

「……アタシ、知りません」

 

「「へっ?」」

 

「そんな物語があったなんて、アタシ知りません。ドランガルドのフレーバーストーリーは隅々までしっかり読み込んでるのに……久導さん、どこでその話を知ったんですか!?」

 

「えっ、あー……どこだった……かなぁ……」

 

 久導さんは少しだけ困った表情を浮かべているけれど、そもそも権藤君とファイトすることになったのだってこの店で最強のファイター……のはずの久導さんがいなかったことが原因だ。だからアタシにはこの人の代わりに降りかかった火の粉を払った対価があってもいいだろう

 

「教えてください、どのカードのテキストですか? それともガイドブック? ファンブック? どこですか!?」

 

「え、えーっと……て、てんちょー」

 

「あはは、大変そうだね。まぁ頑張って」

 

「そ、そんなー」

 

久導さんッ!! 

 

 是が非でもさっきストーリーの詳細が知りたい、あわよくばそのストーリーが書かれたものを手に入れたいその一心でアタシは久導さんへとさらに詰め寄った

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