デュエル・マスターズOverLord(オーバーロード) 作:シグレサメ
私、光屋御白はデュエマ大好きな高校1年生です!何でデュエマが好きなのか、ですか?それは…私にデュエマを教えてくれた先生から、仲良くなるために必要な沢山のことを教えてもらって、それでデュエマが楽しいものって思ったからです!まぁ、まだ友達はできてないんですけど…。
春頃、ちょっと怖い目に遭いました。誰かの声が頭に響いて、物欲の栓が外れたみたいに買って、買って、買って…。じいやたちが止めてくれたけれど、あの時の自分が自分でなくなるような経験は、もう二度としたくありません。
学校や勉強は苦手です。お父さんやお兄ちゃんはどうしても厳しいですし、家庭教師の皆さんやクラスメイトからは距離感を感じます。どうしても、私が普通の人じゃないみたいな。そういうのを突きつけられるような気分になってしまいます。怖さの克服のために参加させていただいてるデュエマのイベントも、どうしても相手から遠慮や勝てるわけないっていう諦めを感じてしまって。最近は正直デュエマの何が楽しかったのかも分からなくなってきてしまいました。
『本当の光屋さんは、何に驚いて何に泣くの?教えてよ』
前にイベントであった男の子、黒井くんから言われた言葉です。正直、的を射ていると思います。だって私自身、何に驚いて、何が嬉しくて、何が悲しくて、何が楽しかったのか、もう覚えていないんですから。
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光屋コーポレーションのイベントに潜入するため夕哉とシイノに公輝から渡された役割は、会場を巡回する警備員。警察の立場からではこれが限界だったらしい。朝方公輝からイベント案内のチケットを貰い、緑から御白のための記憶の鍵を受け取った夕哉の前に、予想外の人物が現れる。
「お兄ちゃーん!」「夕哉」
「夕花!?おばあちゃん!?」
「俺が話したんだ。夕哉くんのはともかく、シイノさんのスーツはすぐ取り寄せられる場所になかった。シイノさんを着替えさせられる人もすぐ呼べるわけじゃないし、須谷くんは記憶の混濁が見られたから…」
夕哉のスーツの着替えを手伝う夕花に、夕哉は疑問を投げかける。
「夕花、なんで来てくれたの…?」
「私も少しずつ記憶戻ってきたの。朧げだけどね。でも、お兄ちゃんに少しでも役立ちたいと思ったのは確かだったから、せめてね」
「3日間も家に帰ってなかったのに…」
「だから何?それでお兄ちゃんとの関係が切れるわけじゃないでしょ?」
「夕花…。ありがとう」
「まぁ戻った記憶の一部によると?お兄ちゃん昔は何も言わずにこういうことしてたからまだマシになったんじゃない?」
「……痛いところ突くなぁ…」
シイノのスーツの着替えは、離れた場所で夕哉の祖母、暁美(あけみ)が行っていた。
「暁美、さん。あなたの孫、ユウヤを連れ回して、ごめんなさい」
「うーん、必要なことだったんでしょう?なら仕方ないんじゃない?警察の方から聞いたけど、あなた、遠い国から来たんでしょ?分からないこといっぱいで貴方こそ大変だったんじゃないのかしら?」
「許してくれるの…?」
「夕哉は何も無しに知らない人についていかないわよ、あの子の判断を信じてるわ」
「……はい、やらなきゃいけないことがあって。勿論、今からも」
「やらなきゃでできるっていうことは立派なのよ。自分をもっと褒めてあげなさい」
「………貴方は、優しい」
「…貴方の周りには優しい人が多いわ。警察の方や、夕哉もそう。だから、それを大事にね」
「はい、絶対に」
「さぁ、出来たわ。胸を張っていってらっしゃい」
シイノはそう言われて、少しだけ顔を綻ばせた。
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イベント会場に降ろしてもらった夕哉とシイノは、まずそこで大きな人垣を目撃する。そこには沢山のカメラが集まっており、そのイベントが尋常でないものと遠目にもわかるものだった。
「そういえばこのお祭りって何をするの?」
「あ、そっか。前に俺が御白とデュエマしたイベント。あれがデュエマを広めるためのイベントとして海外の会社と御白の家の会社で協力してるんだけど、それをもっと大きくしたみたい。バーチャルマシンをして実際にデュエマしてみたりとか、タレントさんを呼んだりとか。そういう感じで色んな人に売り込むんだって」
「う、うーん」
「あ、ごめん!えっと…。沢山の人にデュエマを広めるためのイベント、お祭りなんだって!」
「あ、今度は分かった」
シイノにはわからない単語が沢山あり、イベント案内を読みっぱなしだった夕哉は慌てて訂正する。シイノは今度は分かったのか笑顔で頷き、夕哉の手を掴んで歩いていく。
「じゃあ、ミシロのところに向かおう」
「うん、とりあえず御白を探して…」
そう言い終わる前にシイノはイベントではない別のもの、あんこがたっぷりついた団子に目を奪われているようだった。
「えっと、これ?」
「……!いや、早く探さないと!」
「いいよ、4本セットだから2本ずつ食べよう」
「……うん」
シイノの欲求が満たされて夕哉も安心していた。夕哉がシイノとそれを分け合って食べていると、場内アナウンスが聞こえてきた。
「ただいまより、新フォーマット、「デュエパーティー」のデモンストレーションデュエルを行います。光屋コーポレーションより、光屋御白様がそれに参加されます。ご覧になられる方は7番ステージまでお越しください」
「いま、御白って…!」
「行こう、ユウヤ」
「うん!」
そう言って夕哉とシイノが駆け出した瞬間、因縁のある大きな手が現れ、夕哉とシイノを分断する。
「うわ!?これ、バロムの…!じゃあ真名月も!」
「ユウヤ、先行って。私が時間を稼ぐ。あと、このカード!」
「え、これって…?」
「朝起きたらデッキから出てきてた。1枚だけ。なんとなくだけど、あなたに託した方がいい気がした」
「ありがとう!……絶対無事でいてよ!シイノ!!」
「……うん」
夕哉が走り去っていくと、2mはある大きな人影がシイノの前に立ち塞がる。
「黒井夕哉にそこまで肩入れする理由はあるのか?」
「ユウヤじゃない。わたしはこの世界全体に救われた。沢山の人がわたしのことを信じてくれる。それに応えたい」
「……そうか。それじゃあよくある言い方だがお前は…」
「死んでもあなたを食い止める」
「だよなぁ。俺は勝てない勝負をしない。黒井夕哉にもお前にも勝てる算段があるからここに来た。消せる算段があるからここに来た。分かってるんだろう?」
「…引き下がるわけには行かない」
シイノの足は震えている。それを見逃す真名月ではなかったが、それでも逃げずに自分を見据える彼女をみて、少し気に入ったようでもあった。
「……お前の契約したクリーチャーと俺の契約したクリーチャー。これらはとても対照的だ。全てを破壊しマナを焼き尽くすバロムと、特殊な水晶マナで生のエネルギーを貯めるゼニス・セレス。その相性の悪さはお前が一番知っているはずだ」
「だから?バロム着地前に、あなたを倒せば問題ない」
「…もう言葉はいらないな」
「「デュエマ、スタート」」
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御白がデュエパーティーのためにマシーンに乗り込んだ時、顔の見知った人間が俯いた状態で反対側にいるのを確認した。
「…じいや!?なんで……!?」
「お嬢様、ハハハ、助け…」
御白の普段の面倒を見てくれていたじいやが、何故か御白と同じ卓に立っている。彼はデュエマに興味を示したことがない。それだけでなく、何かに操られるように貼り付けたような笑顔から、この言葉を発したのが、御白にはどうしようもなく怖かった。
「こんにちはですわ、光屋御白さん」
花柄の煌びやかなドレスに身を包んだその金髪の少女は、自分の仕掛けた小さないたずらが成功したかのようにくすくすと笑っている。
「私はかぐら。月見、かぐらと申しますわ」
「……じいやに何をしたんですか!?それに対戦する他の企業の方は!?」
「知らないですわー。代理として私(わたくし)が呼ばれたのだから知らないのも仕方ないですわね」
「じゃあ、じいやは…!」
「人が足りないから、少し手伝ってもらいましたの」
「そんな状態じゃないですよね…?あなた、じいやに何をしたんですか…!?」
「ちょっと感情を抑えられなくしてるだけですわ。デュエマしてたら、沢山『喜ぶ』瞬間があるですわ、それを先んじて体験してもらってるだけですわ。そうしたらデュエマに参加したいと言ってきて…」
「ハハ、お嬢様、ハハハ…!」
御白はこの状態に既視感がある。春頃に自分が乗っ取られ、不慮の事故でトラウマになったあの出来事。あれが今目の前で、大事な人に起きている。
「どうやったら、治るんですか…?」
「うーん。デュエマで勝ったら治るんじゃないですの?」
「じゃあ、やるしかありませんね…!」
「ちょっと待った!!」
綺麗な夕焼け色の髪の少年が、突然ステージ上に登ってきた。周りの人間が止めようとしたが、ポケットから何かが飛び出して警備の人々を驚かし、動けなくする。
「光屋さん、いや、御白!来たよ!」
「黒井…くん?なんで……!?」
「デュエパーティーやるんでしょ?ルールは知ってるしデッキもジャシ…友達に頼んで組んできてる。早くやろう、そしてじいやさんを助けるんだ」
「じいやを…?なんでそこまで…!?」
「今はそこまでしか言えないんだ、ごめん!あとはデュエマ中に!あとは、これはイベントの一環ってことになってるから」
「イベントの一環って…!」
「ここで変に騒いで時間を使ったら真名月の、あいつらの思う壺なんだ。だからあいつらの出してきたルールで戦う。それしかないよ」
「……あぁもう!黒井くんはいちいち訳わからないんですから!」
「あと御白、このデッキを使って」
「え、私、自分のデッキが……」
「御白の大事な友達が集まったデッキなんだ、エンゲ、友達達の想いが詰まってるんだ、お願い!」
「とも、だち…」
御白は気を取り直してマイクを持ち、周りに向かって喋り出す。
「ご来場の皆さん。今からイベントを始めます。我が社のマシーンはデュエパーティーというフォーマットにも対応しており、そのデモンストレーションとしてこのデュエルを企画しました、光屋御白と申します。どうぞよろしくお願いします」
パチパチと拍手がされる。かぐらもにこやかに拍手をする。そちらに乗ってやるということだと、2人は受け取った。
「時間が押しているので手短に説明させていただきます。デュエパーティーは通常のルールと違い手札6枚、シールド6枚で5コスト以上のクリーチャーのパートナーを設定し、それと同じ文明のカードを1種類1枚ずつ使ってデッキを組みます。そして負け抜け方式で戦っていき最後に残った一人が勝者となります。ここからは実戦でお見せしていきたいと思います」
「私、光屋御白のパートナーは《セラフ・テンペストא(アレフ)》。使う文明は光と闇文明です」
「俺、黒井夕哉のパートナーは《深淵の噴髄 ファウン=テイン》、使う文明は闇文明です」
「私、月宮かぐらのパートナーは《未来の法皇 ミラダンテSF(スーパーフューチャー)、使う文明は光と水文明ですわ」
「私、漆川 実(うるしがわ みのる)のパートナーは《電磁 アクアン-2》、使う文明は火水自然になります」
「それでは、デュエパ、スタートです!」
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かぐら→御白→実(じいや)→夕哉の順番で始まったこのデュエパーティー。2ターン目までにかぐらは何もせず、御白は《星姫機 エルナドンナ》を召喚。実は《フェアリー・ライフ》によるマナ加速、夕哉は《コミック=コロック》と《シックル=シーク》を呼び出し準備を整える。
かぐら 3ターン目
「私のターン。《文藍月 スナイパー》を3マナで召喚、このクリーチャーはジャストダイバー。ターンエンドですわ」
(パートナーはやっぱりブラフでデッキはハイパーモード持ち中心になるよね、でも、まだ切り札っぽいのはでてない。1枚しか使えないのはあるけど…)
大きく動いてこないかぐらに夕哉は、月の民最強という肩書きに疑問を感じていた。
御白 3ターン目
「私のターン、《警鐘の聖沌 n4rc0(ナルコ)》を3マナで召喚、山札の上から5枚を見て、《ドラン・ゴル・ゲルス》を手札に」
「御白!じいやさんは攻撃しちゃダメだ!かぐらを狙って!」
(なんでしょうこのデッキ。黒井くんに渡されたばかりなのに、ずっと使ってきたみたいにデッキの中身が分かります。よく分かりませんが、とりあえずかぐらさんに攻撃するのが先になるんでしょうね)
「エルナドンナでかぐらさんのシールドを攻撃、その時、ドラン・ゴル・ゲルスに革命チェンジ!」
タイヤのヘイロゥを背負った不思議な機械の天使が、モニター越しに御白の前に降り立つ。その様子に不思議な違和感を覚え、そのクリーチャーが御白に何かを訴えかけるように動いていると見えたものの、すぐに御白は気を取り直す。
「効果で私のシールドを1枚ブレイクして、手札から《アシステスト・アルデッド》をバトルゾーンに!アルデッドの登場時効果で他にメカがいるので1ドローして、シールドをブレイクです!」
御白 シールド5
かぐら シールド5
「シールドトリガー、《光開の精霊 サイフォゲート》。手札から光のブロッカーで私の切り札、《光喜の夜 エルボロム》を出しますわ。各ターン初めて超化獣が出た時、クリーチャーをタップして次のターンアンタップさせない。ナルコをタップしますの」
そう言ってかぐらが出したクリーチャーは、不気味な笑顔が張り付いたような仏像のようなクリーチャー。しかしそこからはキッキッキと高く不快な声が聞こえ、見るもの、聞くものの戦意を削いでしまう。
「黒井くん、ドラン・ゴル・ゲルスなどの最新のカードはともかく、あれは見たことないクリーチャーです、あれは…!?」
「…新しいカードだよ」
「そんなわけ……」
実 ターン3
「私のターン、《フェアリー・Re:ライフ》。マナを追加。そして2マナで《コマンダー・ラッキーロトファイブ》を召喚」
「何そのカード!?知らないカードだ…!」
「相手1人に進化でないクリーチャーが出るまで山札をめくってもらい、クリーチャーが出たら、それを踏み倒せる能力です。普段の構築なら滅多に採用されませんが、今なら…」
「対象は、かぐら様を選択」
「くるしゅうないですわ。《激情の福音(シン・エヴァンジェル)》をバトルゾーンに。出た時効果で3枚引けるブロッカーですわ」
かぐらが当たり前に当たり前のものを貰ったような態度で、夕哉と御白は小声で意見を交わす。
「じいやのデッキは、かぐらさんをサポートするためにチューニングされたものです、デュエパーティーを利用して、第二のエンジンとして傀儡にしているのと同じです!」
「だよね、それくらいのことはしてくると思ったよ。でも付け入る隙がないわけじゃない」
「知ってたんですか?隙って一体…?」
「デュエパーティーっていうバトルロイヤルの形をとってるけど、その実2対1対1に変わらない。だから俺と御白も協力して、かぐらを倒す。そうすればじいやさんも救える」
「救える根拠は…?」
「俺を信じてもらうしかないかな…」
御白は熟考する。そして夕哉に耳打ちする。
「完全に趣旨からは外れますし、あなたのことはまだ変な人だと思っています。ですから今はとりあえずの協力関係です」
「わかった、よろしく!」
夕哉 ターン3
「俺のターン!」
(ジャシンは引けてない、だったらジャシンに繋がるような動きをするだけ!)
「《カリッキ=リッキ》を3マナで召喚!登場時効果で山札の上から3枚を墓地に!さらにシックルでかぐらのシールドを攻撃!その時効果で山札の上から3枚を墓地に!」
(よし、ジャシンが墓地に落ちた!)
(ふん、とっとと肩をつけるぞ)
「きゃー、一人狙いですわー!」
「散々人のこと弄んで、何を今更!」
かぐら シールド4
「シールドトリガーなし、まぁいいですわ」
「ターンエンド!」
(シールドトリガーとロトファイブの効果でかぐらの盤面は一番強い!じいやさんのターンが実質かぐらのターンなのも相待って、記憶が戻ってない御白とのコンビで勝てるのか…?)
「黒井くん…?」
「大丈夫、絶対じいやさんを救えるから!」
「………」
かぐら ターン4
「大変、マナが足りないですわ…!だから呪文、《グローリー・スノー》!実さんを対象に取って、それ(5)よりもマナが少ないから2マナ加速ですわ。なんと、両方単色ですの!2マナで《茶麗音愛(しゃれおとめ) ソトハネ》を召喚」
観客席から歓声が上がる。確かに今この場所で一番デュエパーティーを楽しみ、魅せている人間は他でもないかぐらであった。
(そこまで計算に入れて自然文明持ちを味方に…)
「まずはソトハネをタップしてスケルハンターをハイパーモードに、ソトハネのタップ時能力でコミック=コロックの攻撃と防御を止めますわ」
「コロック!」
「さらにサイフォゲートをタップしてエルボロムをハイパーモードに。さて、まずは黒井くんに攻撃ですわ!」
エルボロムが大きく飛び上がり、体の上下を逆転させ、人間でいうブリッジの体勢となり、体の下半身にあったトゲのような物体は大きなキャノン砲となる。張り付いたような笑顔はそのまま上下反転し、人間の笑顔をただ沿うように真似ているということを、嫌でも理解させてくる。
「エルボロムで黒井くんのシールドを攻撃。山札の上から3枚を見て、種族:超化獣を合計コストが8になるように出しますの。《獲銀月(かくぎんげつ) ペトローバ》と《獲銀月 ミール》を3+4マナでバトルゾーンに、残りを手札に」
大量に並ぶかぐらのクリーチャーに、夕哉と御白は圧倒される。
「ペトローバの出た時効果で次のターンまでペトローバは場を離れませんし、ミールの効果で私のシールドが離れたら相手1体をタップしますの。そしてタップといえば!エルボロムのいる時に超化獣が出たので相手クリーチャーをタップ、今度はドラン・ゴル・ゲルスにしますわ。お待たせしましたわ、シールドブレイクですの」
夕哉 シールド3
「シールドトリガー!《ハンマ=ダンマ》!墓地を3枚増やして、その枚数(9枚)以下のコストのミールを破壊!」
(これ以上の攻撃はブロッカーは使用する!ブレイクに反応してタップしてくるミールを除去して、まずはこっちの攻め手を作らないと!)
「そうですわね、まずは何もわかってない方にやった方が早かったですの」
「……え?」
「激情の福音で光屋さんを攻撃」
その言葉の意味するところは、すぐに夕哉に分かった。墓地からジャシンに命じ、すぐに防御の姿勢を取らせる。そして御白の前に防御陣形を構えて、その攻撃はシールドで受け切れる。はずだった。
御白 シールド3
「はぁ、はぁ…!あれって…!クリーチャーの…!」
「あら、『怖がらせてしまいましたの』?あまりにもリアルだったから」
御白は本物のクリーチャーに乗っ取られたトラウマを思い出し、守るために被さってくるジャシンから離れてしまった。それにより防御しきれず、指から少し出血が見られる。
「嘘、なんで、あれ、夢のはずじゃ……」
「夢じゃないんですのよ?分かっていたはずでしょう?あれも、今も。こんなに喜ばしいことはありませんわ!人が恐怖で壊れる様を見れるなんて!次はスケルハンターでWブレイク。効果で指定したコストの呪文の詠唱とクリーチャー攻撃と防御を封じますの。御白さんへの指定するコストは3。ナルコとアルデッドの動きを止めますわ。誰も守ってはくれませんの、誰も動いてはくれませんの」
御白 シールド1
「御白!!」
「黒井、くん…!?」
夕哉が飛び出し、御白とスナイパーの間に割って入る。彼がジャシンの力も借りて必死に庇う背中越しに、ドラン・ゴル・ゲルスが悲しみの雄叫びを上げているのが、御白の目に映った。
夕哉の、今日のカード紹介
今日のカードは…《光喜の夜 エルボロム》!
5コストの超化獣で、超化獣が出た時に相手1体をフリーズできる。それだけじゃなくて、ハイパーモードを解放するとプレイヤーを攻撃した時に山札上3枚から合計コストが8になるように超化獣を出せる。まさに超化獣の王と言えるようなクリーチャーだよね。
次回、『君が、あなたが、くれたもの・後』