デュエル・マスターズOverLord(オーバーロード) 作:シグレサメ
夕哉と御白がかぐらとデュエマをし、はじめて御白のシールドがブレイクされた頃…。
シイノの6ターン目
シイノ シールド5 マナ6(うち水晶4、闇2)
《Dの寺院 タブラサ・チャンタラム》、《奪取のクリス アラカン》《聖邪のサトリ ミント》×2
真名月 シールド4 マナ9
《悪魔龍 ダークマスターズ》、《デュザメの黒像》×2
「ドロー…来た。わたしのターン、アラカンの効果で2軽減、水晶マナ3×3+闇1マナで《「呪怨」の頂天 サスペンス》を10マナで召喚、召喚時能力であなたの手札を全て墓地に送る。各ターン初めて相手の手札が墓地に送られた時、ミントの数だけ私はドローできる」
「デッキトップから切り札か。ターンエンドか?」
「アラカンでシールドを攻撃」
真名月 シールド3
(こいつもデュエマが強くなってるな。次のターンサスペンスのTブレイクで割り切れるように、最低限のリスクで詰めて来ている、しかも攻撃しているクリーチャーはどのバロムでも除去されるアラカンだ)
「シールドトリガーなしだ」
「ターンエンド」
「俺のターン。マナチャージ。そして9マナで《邪霊神官 バーロウ》を召喚。墓地から名前にバロムとある進化クリーチャーを、バーロウの上に召喚する。来い、《悪魔神 ドルバロム》!」
4本の腕をもつ悪魔そのものと言っていい魔神が、シイノの前に現れる。シイノは気圧されそうになるが、もう一歩のところで気を取り直した。
「登場時、お互いの闇以外のクリーチャーを全て破壊。そしてお互いのマナの闇以外を全て墓地に。まぁ、俺の損失は0だけどな」
「アラカンと、水晶マナ4枚を墓地に送る」
「あぁ、前はここで決着がついた。自然文明で挑んできたからな。得意な文明を捨ててまで俺に対策を張ってくるとはな。バロムクエイクならもう少し話が早かったんだが…」
(実際、バロムクエイクを引かれなくてわたしの命はまだ繋がってる、この転がり込んだチャンスを、無駄にしたくない!)
「詰めておくか、ダークマスターズでシールドをWブレイク」
シイノ シールド3
「シールドトリガー無し」
「ドルバロムでシールドをTブレイク」
シイノ シールド0
「シールドトリガー《サスペンス・ザイン》、相手1体、ドルバロムのパワーをマイナス15000」
「ドルバロムは破壊される、ターンエンドだ」
「ここからは進化クリーチャーが毎ターン来る!このターンで決め切る!」
「あぁ、やってみろ。俺を倒せるのか、お前が力尽きるか。それよりも先に黒井夕哉か光屋御白が力尽きるか、見ものだな」
(ここまでに真名月にデッキを見るカードを大量に使われてる、だからほぼシールドの内容は把握されてると思うけど、それで止まる理由にはならない!)
「わたしのターン!」
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かぐらの4ターン目、アタックフェイズ中
かぐら シールド4 マナ6
《光喜の夜 エルボロム》、《文藍月 スナイパー》、《茶麗音愛 ソトハネ》、《激情の福音(シン・エヴァンジェル)》、《光開の精霊 サイフォゲート》(ここまでタップ状態)《獲銀月 ペトローバ》
御白 シールド1 マナ3
《警鐘の聖沌 n4rc0(ナルコ)》、《アシステスト・アルデッド》(ここまで攻撃防御禁止)、《ドラン・ゴル・ゲルス》(次ターンアンタップ不可)
実(じいや) シールド6 マナ5
《コマンダー・ラッキーロトファイブ》
夕哉 シールド3 マナ3
《コミック=コロック》(次ターンアンタップ不可)《シックル=シーク》(タップ状態)、《カリッキ=リッキ》、《ハンマ=ダンマ》
「はぁ、はぁ…!」
御白は完全に怯え切ってしまい、立ち上がるのも怖がっている。当たり前であった。自分が必死で蓋をして逃げて来た恐怖が、今目の前にいるのだから。大事なじいやがクリーチャーに乗っ取られ、自分はエルボロムをはじめとしたクリーチャーに殺されかけているのだから。
「……御白」
「なんなんですか、本当に!本当に…」
「…あいつらの狙いは御白なんだ。御白を消して、自分達に都合の良い世界を作ろうとしてる」
「逃げないんですか!?こんな訳のわからない相手に!」
「御白は逃げて、俺が悪かったから。御白がクリーチャーのことを心の底で怖がってるの、もっと考慮しておけばよかった」
「怖がってるなんて、そんなこと…!」
「今の御白はデュエマが好きじゃないの、分かってるから。必死で蓋をして、どうにか今日を生きて来て。それでいっぱいだったのに、引っ張り出したのが悪かったんだ」
かぐらは笑顔で挑発をしてくる。
「どうしましたの?何か問題でも?」
「御白、しばらく休んでて。すいません、光屋御白さんが少し休憩したいとのことなので、イベント時間の短縮のために俺が代わりに光屋さんの分もやります。シールドチェック!トリガー無し、2枚目、来た、《ジャマリーリョ-S(ショック)8》!これで処理終了!」
流石に普通の状況ではない。デュエパーティーという体裁を保つので必死な夕哉に、少しずつ疑問の声が上がりだす。
「そう言って、自分を有利に進めるためか!?」
「お互い攻撃し合わずに何をしてるんだ!?」
その人混みの中に、夕哉の聞き覚えのある声、公輝が皆を説得する声がしてくる。
「どうやら彼はデュエパーティーの様々なやり方を試しているみたいですね、光屋さんの体調が芳しくないのは本当みたいですし、かぐらさんを一人狙いするのはあの強さ、あのバトルゾーン、シールドのリードを見る限り自明です。ここで潰しあったらそれこそプレイヤーとして勝ちを捨てる行為ですね。デュエパーティーはレベルによりますが勝ちを目指すゲームなので。ですから彼に任せてみてはどうでしょうか?」
「黒井くん…!」
「大丈夫、御白はそこで座ってて。今度は一人じゃないんだ、俺が守る、絶対に!今度は、とりこぼさない!」
「…やれるんですの?あなたに?」
御白が怖がりながら、やはり画面越しに自分を心配するように見るドラン・ゴル・ゲルスに、どこか今度は気味悪さだけでない何かを感じ始めていた。
御白 ターン4
「俺の、御白のターン!アシステスト・アルデッドの効果でメカの使用コストを1軽減して、パートナーゾーンから《セラフ・テンペストא》を4マナで召喚!各ターン初めてクリーチャーが出た時1枚ドロー!」
「成程、そのあとは?」
「ジャマリーリョでシールドを攻撃!その時、革命チェンジ!今は力を貸してくれ!《富轟皇 ゴルギーニ・エン・ゲルス》!」
ドランよりも大きなタイヤのヘイロゥを持つその天使は、大剣を携えて足の車輪を回す。一度御白の方を一瞥したエン・ゲルスは、少しだけ悲しそうな顔をしたあと夕哉に語りかける。
「正直、彼女以外に使われるのは気乗りしません」
「分かってる、ごめんね、折角来てくれたのに」
「関係ありませんよ、御白のためなら、私とドラン、そしてマントラはどこまでも戦えます」
「…この声が、御白にも届いてたらね」
「思い出すのは後でもできます、今は攻め切るまで」
「うん、セラフでクリーチャーが離れたので1ドロー、ジャマリーリョのシビルカウント3でシールドを追加して、Wブレイク!」
御白 シールド2
かぐら シールド2
「はぁ、シールドトリガーなしですわぁ」
「ターンエンド」
「実さん!ターンですわよ」
実が初めて電気を通されたおもちゃのように起き上がる。
「呪文《フェアリー・シャワー》、山札上2枚を手札とマナに振り分ける、《妖精 アジサイ-2》、マナを1枚加速し、もう1枚を手札に。黒井夕哉にロトファイブで攻撃」
夕哉 シールド2
(このシールドの枚数、大概俺も余裕ないよな…!)
「シールドトリガーなし!」
「実さん、ターンエンドですって」
「少しは隠しなよ!」
「いやぁ、何のことですの?」
夕哉 ターン4
「……俺のターン!パートナーゾーンから《深淵の噴髄 ファウン=テイン》を墓地にクリーチャーが6枚以上あるので2マナで召喚、《邪魂の王道(アビス・キング)ジャシン帝》と《フォーク=フォック》をバトルゾーンに!フォックの効果で山札の上から3枚を墓地に送り、《ド:ノラテップ》を手札に!そのまま2マナで召喚!ノラテップとフォックをタップしてジャシンをハイパーモードに!シックル、スレイヤーでエルボロムだけでも倒すよ!シックルでエルボロムを攻撃!」
「実さーん」
「ニンジャ・ストライク7、《斬隠オロチ》。相手1体を山札に戻し、クリーチャーが出るまでめくってもらいます。シックルを山札に戻して、山札から別のクリーチャーに変換します」
「…《ブック=ラギルップ》をバトルゾーンに。バトルは不発になる」
「ふー危なかったですわ。ありがとうございますの、実さん」
「まだ終わってない!カリッキ=リッキでかぐらのシールドを攻撃!効果で墓地から《ブルーム=プルーフ》を手札に!」
「私からニンジャストライク3、《光牙忍ハヤブサマル》ですわ、ハヤブサマル本人にブロッカーをつけてブロックですの」
「さらに実さんはニンジャ・ストライク8、《バイナラドンデン》。ジャシン帝を山札の下に送るそうですわ」
「ジャシン!カリッキも相打ち…!ターンエンド!」
(今度はニンジャストライク発射装置扱い…!本当に人を駒としか思ってないんだ!)
かぐら ターン5
「私のターンですわ。《タイム1 ドレミ》、《朱珠樹(ガーネット・ツリー》、《宣凶師 マ・モーレ》を2、1、3マナで召喚。それぞれタップしてエルボロム、スナイパー、ペトローバをハイパーモードにしますわ。マ・モーレのタップ時効果でシールドを1枚追加」
かぐら シールド3
夕哉にしか見えない形でジャシンが語りかけてくる。
「来るよ、ジャシン!」
「夕哉よ、対策された上に余も場におらず実質の2対1、耐え切れるのか」
「でもやるしかないじゃん!」
2人分の負担を再度受けようとする夕哉の腕を御白が掴んだ。
「御白…?」
「昔、私デュエマするの大好きだった気がするんです。怖い目にあったからと言ってそれに蓋をして、逃げて来ました。目を瞑って来ました。
なんでそんなに頑張れるんですか?『本当に』私と初めて会った時の話をしてくれませんか?」
「……最初、御白と会った時俺は自分のことしか考えてなかったんだ。自己中で、自分の都合だけで御白を利用したんだ」
「………」
「色んな人にあって、その人の優しさや考え方に触れるたびに、自分以外のことが少しだけ見えるようになってきた。と思う。そんな増えた自分の大事を、できることなら自分の手で守りたい。今は、それが限界かな」
「私も、凄く大事なものがあった気がします。きっと、無くしちゃいけなかったもの。黒井くん、もう大丈夫です。プレイヤーとして戦えます。私、デュエマをこんな風に利用する人は許せません」
夕哉は御白の場所を渡して、その席に御白が立つ。夕哉は昔御白が言っていたその言葉に、思わず笑みがこぼれた。記憶がなくても、彼女は光屋御白なんだと確信できた。
「黒井くんも、このデッキも、大事な友達だった気がします。まだ気がするだけですが、それでも一緒に戦わせてくれませんか?」
「……勿論!」
「さて、こちらも攻撃順などの準備完了ですわ。エルボロムで黒井夕哉を攻撃、その時ハイパーモードの効果で山札の上から3枚を見て《文藍月 スケルハンター》をバトルゾーンに!エルボロムの超化獣が出たときの効果でドノラテップをタップですの!」
(ブロッカーのファウンテインを無力化しないのか?)
「実さん!」
「ニンジャストライク4、《裏斬隠 フォクシット》、登場時効果でブロッカーのファウンテインを破壊」
ファウンテインが吹っ飛ばされ、夕哉はシールド以外の防御を失ってしまう。
「黒井くん!」
「御白も信じて!君の思っている以上に、大事にしてくれる仲間は、友達はいるんだから!思い出して!!」
「そうはさせませんの、早くいたぶって、あなたが絶望に顔が歪むのを見たいですわぁ!!」
かぐらの高笑いと共に、夕哉のシールドが全てエルボロムに破壊される。
(私は、私には!私を受け入れてくれた大事な友達が!絶対忘れたくない記憶が!あったじゃないですか!)
御白が手を握りしめる。そこに、先程までの怯えた少女の姿はない。
夕哉 シールド0
夕哉のシールドが透明な白い光に輝く。
「1枚目!《ミル=ミルアミール》!2枚目!来た!シイノから貰ったシールドトリガー!《聖斬のコード アシッド》!まずはミルアミールの登場時効果でスナイパーのパワーをマイナス7000!破壊する!そして…」
(ダメだ、ミルアミールのブロックで1回、アシッドの効果で相手1体を山札に戻して持ち主に1ドロー、残りの打点を捌ききれてない!)
「……夕哉くん!!」
焦る夕哉に、聞いて心から安心できる声が、夕哉の耳に届く。
「その効果、私に使ってください!」
「御白!?……いや、お願い!アシッドの効果でナルコを山札の下に!」
「ふーん、仲間割れですの?」
「効果で御白に1枚ドローしてもらう!」
「ドロー!……でも、まだです!セラフテンペストのクリーチャーが離れた時効果でもう1枚ドローします!…ドロー!!」
御白の引いたカードは、金色の軌跡をもって御白の元へと辿り着く。そのカードは、御白をそこでずっと待っていてくれたかのようだった。
「お久しぶりデスネ。行けマスカ、御白」
「はい、ドランさん、エン・ゲルスさん、マントラさん!力を貸してください!」
「…何を引いたか知りませんが、まずは黒井夕哉を落としますわ!光屋御白だけでは攻撃力不足ですわ!ペトローバでダイレクトアタック!攻撃時効果でシールドを増やし、手札からシールド枚数(4枚)以下のコストの《鎧撃の支え 仲接(なかつぎ)》をバトルゾーンに!ダイレクトアタック!」
「あぁ、そして俺だけじゃ防御力不足になる、分かってるよ」
突如光が煌めき、かぐらの前を通り抜ける。
「…なんですの……!?」
「ですから夕哉くんは私に賭けてくださったんです、そして来ました!セラフテンペストからニンジャチェンジ5!《聖(セント)カオスマントラ》!出た時効果で相手クリーチャー、かぐらさんのクリーチャーを全てタップします!」
「な、なんですって!?」
「ペトローバの攻撃はミルアミールでブロック。これで2人とも無事だよ!」
「た、ターンエンド…!しかし朱珠樹と仲接の効果でターン終了時、朱珠樹は自身を、仲接も本人をアンタップ!ターンエンドですの!」
御白 ターン5
そう言ったかぐらの前に、エン・ゲルスが4つの光の球を呼び出す。
「記憶がようやくはっきり戻ってきました。私、夕哉くんや火奈ちゃん達にいっぱい謝らなきゃいけません。でも、まずは貴方です!じいやを利用して、皆さんを踏み躙ったこと、絶対に許しません!終極宣言(ファイナル・エンド)発動です!」
光の塊が3つの剣となりエルボロム達を貫いていく。そして残りは光の盾となり、御白のシールドに加わった。
「終極宣言の効果で破壊&ドローを3回、盾追加&墓地回収を1回発動です!エルボロムと朱珠樹、仲接を破壊します!」
「な…!」
御白 シールド3
「私のターンです」
「分かってませんわね、そのデッキの攻撃力で私の4枚のシールドは貫けない!勝てないですの!」
「分かってます。ですから1人では戦いません。4マナで《アーテル・ゴルギーニ》を召喚、じいやのロトファイブとアジサイのパワーをマイナス4000して破壊します。じいや、休んでてください」
「エン・ゲルスさんでかぐらさんのシールドを攻撃!」
「ニンジャストライク!《裏斬隠蒼頭龍 バジリスク》!カオスマントラの攻撃を止めて、エン・ゲルスの攻撃をブロックですの!」
「ドランさん!追撃です!」
「任せてください、御白さん!」
かぐら シールド3
「シールドトリガーなしですの…!」
「アルデッドでブレイクです!」
かぐら シールド2
「トリガーなし、真名月様のため、私は負けるわけにはいかないんですの…!」
「私もですよ、ターンエンド!」
実 ターン5
「実さん、あなたのターンですの!シールドはゼロ!黒井夕哉に直接攻撃を…!」
「…マナチャージして、ターンエンド」
「手札切れです、あれだけ自分のためにニンジャストライクを使わせていたらそうなります」
「人を利用し続けた罰だよ」
「……貴方方に何が分かるんですの!?真名月様は強いものしか欲さない!私が、月の民最強の私は、真名月様の部下である私は、どうなっても負けちゃいけないんですのよ!!」
かぐらの突然の怒号に夕哉は思わず耳を塞ぐ。しかしそれに反論したのは、意外にも御白だった。
「それで人のことを傷つけていいなんてこと、人の記憶を奪っていいなんてこと、あっていいはずないじゃないですか!」
「ーーー!!」
「夕哉くん!」
夕哉 ターン5
「俺のターン!」
「夕哉よ、朗報だ。余はデッキの下だが、クリーチャー界の捜索で、光文明に吹っ飛ばされていたあやつが帰ってきている。闇文明なのにおかしな話だ。またお前が人を守りたいと言った時に戻ってくるのだからな」
夕哉はその言葉で誰が帰ってきたのか確信する。
「オッケー!呪文、《邪侵入》!山札の上から4枚を墓地に置いて、コスト4以下のアビス、ジャブラッド、いや、《邪魂龍(じゃこんりゅう) ジャビビルブラッド》をバトルゾーンに!」
夕哉と初めて心を通わせていたその骨のドラゴンは、身体こそ小ぶりになっていたものの、夕哉の取り戻した記憶に呼応して、光文明でゆっくりと、力を蓄えていたのだった。
「1マナで《ハリート=ハイホ》を手札から召喚!すぐにタップしてジャビビルをハイパーモードに!」
ジャビビルが力を受け取るとみるみる身体が大きくなっていき、元の骸骨のドラゴン、いや、2頭のドラゴンへと姿を変える。それぞれに統合された意志は、夕哉にはまるで顔を向けられる場所を増やせるように、そして好物の唐揚げを沢山食べられるように成長したように見えた。
「ジャビビルの能力!俺の墓地から出たクリーチャーは、全て出たターンにプレイヤーを攻撃できる!ジャビビルで攻撃時、ジャビビルの初めてアビスが攻撃した時の効果で墓地を2枚増やしてコスト3以下のアビス、《カリッキ=リッキ》をバトルゾーンに!リベンジマッチだ!カリッキ!」
かぐら シールド0
「シールドトリガー!《♪これがまあ 終のすみかか フローズン》!フォーク=フォック、ハンマ=ダンマ、ブック=ラギルップの攻撃を止めますわ!この名前のカードでこれで防ぎきれてないなんて、なんて酷な話ですのー!」
「俺たちの世界に土足で踏み込んで、勝手に利用した罰だ!カリッキ=リッキでダイレクトアタック!!」
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「グッ、うぅっ!?なんだ、これは……!?」
シイノの目の前の真名月が突然苦しみ出す。シイノはサスペンスでシールドを割り切ることには成功したものの、シールドから攻撃を凌がれてしまい、後はドルバロムのダイレクトアタックを待つのみとなる…はずだった。
「ぐぅ、世界の記憶が、戻ったのか…!?干渉した世界が元に戻り、今度は俺とバロムが異物となった。歴史の修正力が俺に牙を剥いている、俺はここにいてはいけない存在となる…!」
真名月は苦しみながらも、どうにか盤上のドルバロムに手を伸ばす。
「せめて、シイノだけでも殺さねば…!殺しておかなければ…!」
ガクリと身体から力が抜け、真名月が倒れる。真のデュエルフィールドは解除され、真名月のデッキの中にドルバロムが吸い込まれていく。
「真名月さん!大丈夫ですか!?光屋御白が記憶を取り戻したようです!かぐらも敗戦濃厚!一旦体勢を立て直しますよ!」
「あぁ、すまない、流狼…。月の民の皆よ…」
「言うのは後です、早く逃げて、戦力を蓄えなければ!」
そう言ってフミビロムに乗せてもらって逃げていく流狼と真名月をシイノは追おうとするが、体に力が入らない。とっくに真のデュエルによって、身体は限界を迎えていたのだった。
「はぁ、はぁ、ユウヤに、助けられた…?」
「ユウヤ、ありがとう、そして、ごめん…!」
こうしてシイノと真名月の2度目の戦いは、シイノは真名月を逃してしまい、真名月は初めて世界を手に入れ損ね大きなダメージを受けた。この戦いは、お互いに手痛い引き分けとなって終わるのであった。
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シイノはイベント会場に特設された救護エリアにて目覚めた。目覚めて見回すと夕哉がおり、御白も一緒にそこにいた。
「ユウヤ、勝ったんだね」
「うん、シイノもお疲れ様」
「とりあえず皆の歴史、記憶は戻っていってる。真名月は変えようとした罰、自分へのダメージが返ってきていた。真名月がその隙を晒したのに、捕まえられなかった」
「俺もごめんね、倒したらすぐに有明?あのお爺さんがやってきて、かぐらを連れて行っちゃった。かぐらがいなくなったらじいやさんも倒れちゃって、そっちを優先したんだ、ごめん」
「わたしもごめんなさい。完敗だった。折角対策したのに」
シイノは悔しそうに顔を歪める。世界を渡ってまで真名月を追ってきたのだ、夕哉にとってその悔しさは図りしれないものであった。
「シイノ…。あんぱんとか食べる?」
「うぅん、今は、そんな気分には…」
「シイノさん」
そう言って御白はシイノの口の中に無理やりあんぱんを詰めた。
「ふぐ!?」
「シイノさんの話、夕哉くんから聞きました。まずは助けてくださりありがとうございます。でも、まずはじいやを助けられて、このイベントに来てくださった皆さんが無事だったことを喜びませんか?確かに相手は強大ですけど、それで喜んじゃいけないなんて決まりはありませんよ?」
「御白は少し楽天的すぎるんじゃ…?」
「夕哉くんは難しく考えすぎることが多いので。まずはデュエマ部で集まって、この後のことを話す。それまで変に考えすぎる必要は無いと思うんです」
「まぁ、確かにね。まずは御白達が戻ってきたことを喜ばなくちゃ」
シイノは夕哉と御白を見て、感嘆の息を漏らす。ここまで仲良く、お互いに通じ合っている人間を久しぶりに見たからであった。記憶が戻ってまた笑い合えている2人を見て、自分も少し救われたような気持ちになったからであった。
「そっか。ユウヤがそこまで友達を、ミシロを大事にしていた理由が分かった気がする。そっか。それなら、まずは喜ばないと」
「夕哉くん、何をシイノさんに言ったんですか?」
「いや、それは、その…」
「夕哉の人生を変えてくれたきっかけ。ミシロの記憶がない間ずっと心配してたし、大事な存在だってわたしにも分かる。だから、夕哉は御白が大好きなんだと思う」
シイノが放ってしまったこの発言で、御白は顔を真っ赤にしてフリーズし、夕哉は暫く御白の顔を見て話せなくなってしまった。その後2人はいつかのように「友達として!」とお互いに合言葉のように連呼していた。これに関しては、まだお互いに蓋をしておきたいものだった。
大事を取って公輝が用意した3人が家に送る際の車で、シイノだけがウキウキしていて他の2人は目が合わないように気を遣い合うという凄い空気の車内だったと公輝は後に振り返った。
夕哉の!今日のカード紹介!
今日のカードは…《邪魂龍 ジャビビルブラッド》!
墓地から出たクリーチャーを出たターン攻撃できるようにする俺の相棒の1人、ハイパーモードになることで初めての攻撃時に墓地を2枚増やして、墓地からコスト3以下のアビスを呼び出すこともできる、俺の新しい切込隊長になるカードだよ。
次回、『番外編:居てもいい場所、居たい場所』
とりあえず、今は帰ってご飯食べて寝ようかな…。夕花も待ってるし。