デュエル・マスターズOverLord(オーバーロード)   作:シグレサメ

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御白、緑がそれぞれ夢兎、妖那に勝利し、残りはかぐらと帆鳥だけとなる。火奈は約束を守り、そしてかぐらに脅され、諦めてしまった帆鳥のため、デュエルすることを決意する。そして夕哉も、かぐらとの戦いに向き合った。


また太陽(あなた)が照る日まで・前

 

夕哉とかぐらのデュエマ。夕哉は闇単のジャシンとジャブラッドの2枚看板で、先行のかぐらはエルボロムの光文明に火と水文明を加えて迎え撃つ。

 

かぐら シールド5 マナ3

《文藍月 スナイパー》

夕哉 シールド5 マナ2

《霊淵 アガルーム=プルーフ》、《シックル=シーク》

 

「俺のターン、墓地にカードが6枚以上!《深淵の噴髄 ファウン=テイン》を2マナでバトルゾーンに!墓地から3コスト以下の《邪魂の王道 ジャシン帝》と《ジョーロー=スイーロ》をバトルゾーンに!」

「タップしているクリーチャー全てにスレイヤーを与えるジョーローと、墓地蘇生のジャシン。そして次のターン出てくる《邪魂龍 ジャビビルブラッド》でフィニッシュを狙う。そんなところですわね」

「大体合ってるよ。本来ならジャストダイバー持ってなかったらそっちのクリーチャー倒してハイパー化を阻止したかったんだけどね。まずはジョーローをタップしてアガルームをハイパー化!シックルでシールドを攻撃!その時タップしたから墓地が3枚増える!」

 

かぐら シールド4

「シールドトリガーなしですの」

「墓地が6枚あるからアガルームでも攻撃できる!シールドに追撃!」

 

かぐら シールド3

「シールドトリガーなしですの」

「ターンエンド!アガルームのハイパーモード時の能力で、タップしているクリーチャーの数(3枚)だけ墓地を増やす」

 

夕哉がターンを終えると、かぐらから笑顔が消えた。

「で、それで終わりですの?」

「!?」

「私のターン。4マナで《超光喜 エルボロム》をバトルゾーンに。出た時にカードを1枚引き、手札から1枚シールド化する。アビスじゃ、これを超えられないですわよねぇ?」

 

かぐら シールド4

今埋められたシールドが、味方全体をタップするカードであることを夕哉は直感する。ジャシンと初めて会った時から、ずっと苦しめられてきたシールドトリガーであるから、直接言われなくても対策として持ち込まれているのは察することができた。

「スナイパーをタップし、エルボロムをハイパーモードに。ターン終了時、私のシールドにカードが置かれていたら、手札からSトリガーを持つ呪文を唱えられる。《ハイパー・エントリー》を唱える。手札から《聖霊超王 H(ハイパー)・アルカディアス》を、ハイパーモードを開放しながらバトルゾーンに!」

 

アルカディアスという伝説の精霊が、ハイパーモードの力を注ぎ込まれさらにパワーアップしてバトルゾーンに現れる。

「登場時能力で3枚ドローしジャストダイバーを得る、そしてハイパーモード時の効果でタップしている私のクリーチャーがあれば、あなたは呪文を唱えられない。ターンエンド」

「夕哉よ、パワー12500のブロッカー、超えられるのか」

「やってやる!ジャシンの効果で墓地から4コストで《邪魂龍 ジャビビルブラッド》を召喚!ジョーローをタップしてハイパーモードに!まずはアガルームでタップしてるスナイパーを攻撃!ジョーローから貰ったスレイヤーで破壊して、自分のクリーチャーが破壊されたから1枚ドロー!」

「タップすれば、すぐ墓地行きですわね」

「墓地から出てすぐに攻撃できるジャビビルブラッドでシールドをWブレイク!その時ハイパーモード時の効果で墓地を2枚増やして2体目のジョーローをバトルゾーンに!」

「徹底的にスレイヤーでバトルゾーンを埋めますわね。そんなに仲間をやられるのが嫌ですの?」

「嫌に決まってるだろ、大事な仲間を傷つけられるなんて!!」

 

かぐら シールド2

「シールドトリガー、《ハイパー・エントリー》、《S・S・S(スクラッパー・スパイラル・スパーク)。ハイパーエントリーで2体目のエルボロムを出し、ドローしてシールドを追加。さらにSSSで全てのクリーチャーをタップ、パワーの一番大きいジャビビルを手札に、一番小さいアガルームを手札に」

「シックルはタップした時墓地を3枚増やす!ターンエンド!」

 

かぐら シールド3

「私のターン、呪文、《理想と平和の決断(パーフェクト・アルカディア)》。2枚見て光か水のカードなら手札に加えるを2回行いますわ。分かってるんですのよね?またシールドに埋められたカードのこと。あなたはこれを踏むたびに絶対に1ターン稼がれる。そして私はジャストダイバーを投げ続けていれば、あなたの防御もいずれ崩れる」

「………まだ負けは決まってない!」

「あら、嘘はよくないですわ?S・S・Sに《聖カオスマントラ》。基本的にこれらのカードを使われた時のあなたの対処法は、『リソースを削って撃たれても負けないようにする』でしたのに。その時に使っていたカードも使えなくなって、どうやって倒せるんですの?」

「………確かに、今のアビスにそういうカードはないね。御白の対策まで遠回しにしてるのも凄いや」

「そうでしょう?ずっと、ずうっと考えていましたの!貴方が苦痛に歪み、私が極上の喜びを手に入れるその時を!」

 

そうやって両手を広げて太陽の光を浴びようとするかぐらが、怒りに顔を滲ませるのに、そう時間はかからなかった。

「デュエマの前に言ったよ。簡単に人を踏みつけにするような人に、俺は負けないって」

「何を、言ってるんですの?絶望しないんですの?こんなに、丁寧に、貴方が勝てない理由を羅列してやったと言うのに」

「1枚。ひっくり返せるカードがあるんだ。まぁ今の状況じゃ出すのは難しいけど、出せば多分突破できる。まだ勝ちの目が少しでも残ってるなら、諦めるより絶対いいなって」

「ど、こ、ま、で……。私をイラつかせれば気が済むんですの…!?」

「俺も同じ気持ちだよ。喜びを集めるなんて、本来は良いことのはずなのに、そっちは人を傷つける喜びを選んだ。その上でシイノまで攫おうとするなら、俺は絶対に許さない」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

愛澤帆鳥は、デッキをシャッフルしながら火奈に語りかける。

 

「ねぇ、貴方たちは真のデュエル、いわばクリーチャーがトドメを刺したらそのデュエリストが死ぬって言うので、貴方達は人を殺したことはあるの?」

「ないです。多分、未来でもずっと」

「その不殺の誓いはどこから来てるの?正義感?それとも自己満足?」

「夕哉が言い出したことだから、本人に聞かないと本当のところは分からないけれど。あたしは、そのまま終わりにしたらだめだと思うから」

「その方法が警察に頼む、なんだね」

「普通の警察じゃないですけどね。公輝さんと遥風(はるか)さんがいるから、あたし達はあたし達のやり方ができてる。最近それを自覚しました」

 

火奈は今まで会ってきた人間のことを思い出す。デュエマが終わった後にも、人生は続く。そうでなければ、大好きな士穂先輩も、救うことができなかったから。

「何より、デュエマで、大事なクリーチャーで人を殺すって、どう考えてもおかしいですからね」

「そうなんだろうね。貴方とボルシャック・カイザーの関係なら。殺さずに捕まえるって、難しいことやってるからね、私たちより、絶対に心は強いよね。……だからと言って、譲る気もないから」

「帆鳥!!」

 

御白と共に現場に来ていた夢兎が帆鳥に声を投げかける。御白に負けて、大方何かを吐き出したのだろう。ただクリーチャーの力を突然渡されただけの女子高生の集まりだ。止まるきっかけが欲しかったに決まっている。だから、だからこそ。

「あたしは夢兎達を『ここに引っ張ってきてしまった』。多分、出会わなかった方が良かったんじゃないかと、今は思う。前に貴方にトドメを刺さなかった時から、あたしも止まりたいんだって思ってることに気づいた。だけど、あたしにそんな資格はない」

「帆鳥!私そんなの……」

「夢兎が、皆がそう思ってようと、あたしの心の問題には関係ないでしょ?」

「帆鳥先輩!勝手すぎます!!」

「火奈ちゃん、勝手でもね、自分を許せないことってあるでしょ?」

 

心当たりがないわけではない。自分もカイザーとの別れが近づいて自棄になったこともある。

「でも、でも!!それで大事な友達の手まで振り払ったら!本当に一人ぼっちになっちゃいます!!」

「一人ぼっち……。いいよ、もうあたし以外の皆は負けて、かぐらから、月の民から解放されてる。だったら、あたしが残りの責任を取れば良い。シンプルで楽になった」

「帆鳥!!戻ってきて!!」

「……ごめんね夢兎、皆。また、迎えに行くから。今度は、負けたら終わりだよ」

「帆鳥先輩を、1人にはさせない!させちゃいけない!!行くよカイザー!!」

「あぁ、最後まで燃やし切ろうではないか!!」

 

「「「デュエマ、スタート!!」」」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

帆鳥の先行で始まったデュエマ。帆鳥は火闇光の火奈を一度負かしたファイアーバードを、火奈は火と光のボルシャック・ハイパードラゴンのデッキで迎え撃つ。

 

「あたしのターン、2マナで《マジシャン・ルピア》を召喚、《龍后王翔 クイーン・ルピア》を捨てて、2枚ドロー」

「あたしのターン!2マナで《アシスター・コッピ》を召喚、ターンエンド!」

 

「ねぇ、かぐらになんて言われたか知ってる?」

「え?」

「死にたくなきゃ、大事なものを全部消されたくなければ力を貸せって言われたの。その後すぐ、エルボロムの力で脅された」

「そんな……」

「喜びを集めてるって聞いた時はびっくりしたんだ、こんなことして、

どうやって喜びを集めているんだって」

「多分、かぐらさんもおかしくなってます」

 

御白が口を挟んだ。かぐらと直接話したのは1回、しかもデュエマした時だけだったが、御白は口を挟まずにはいられなかった。

「人をすぐ道具みたいに使う人でしたけど、仕事に関しては、真名月に関わることに関しては真摯な人でした。正直、信じられないです」

「そっか、まぁそれだからなんだって話だよね。結局貴方達には敵、あたし達にはパワハラ上司ってことに変わりはないし」

「いいえ、多分、何かの役に立ちます」

「そうだね御白ちゃん、ありがとう!」

 

「……あたしのターン、3マナで《ハンプティ・ルピア》を召喚、相手の手札を見て、手札を1枚捨てさせ、同じコストのクリーチャーを破壊する」

(《ファイン・撃・ピヨッチ》、《ボルシャック・ハイパーヴォルジャアク》、《鎧機天 シロフェシー》、《ボルシャック・アークゼオスNEX》の4枚か。ピヨッチは呪文側にメクレイドがついてるし、コッピの効果で次のターン唱えられる。というかちゃんと2ターン目にアシスターコッピがマナにチャージされてるあたり、ハンプティの効果も先回りで避けられてる。対策は流石にされるよね)

「ファイン・撃・ピヨッチを墓地に。ターンエンド」

 

「あたしのターン!3マナでボルシャック・アークゼオスNEXを召喚!コッピの軽減と、アークゼオスNEXのアーマードがあれば1コスト下がる効果で元は5マナだけど召喚できる!ターンエンド!」

「あたしのターン、4マナで呪文、《アリスの突撃インタビュー》。《アリス・ルピア》を捨てて、その合計コスト以下のコッピとアークゼオスNEXを破壊する」

 

アリス・ルピアの形の影が飛び回り、コッピとアークゼオスの周りを包囲してそのまま身体を使って突貫する。

「アークゼオスNEXのエスケープで、シールドを犠牲に破壊を耐える!」

 

火奈 シールド4

「まぁそうだよね、ファイアーバードを捨てたから、コスト5以下のクイーン・ルピアをバトルゾーンに。クイーン・ルピアでシールドを攻撃。効果でファイアーバードメクレイド8を行って、《雷炎翔鎧 バルピアレスク》をバトルゾーンに」

「不味いです、また追加ターンラッシュで負けちゃいます!!」

 

御白の心配を嘲笑うように、冷酷な顔をしたクイーンルピアの一撃が、火奈のシールドを破壊する。

火奈 シールド2

「シールドトリガー!《ボルシャック・ハイパー・アークゼオス》!合計パワーが7000になるように相手クリーチャー、マジシャンとバルピアレスクを破壊!」

「やりました、切り返せましたよ!」

「ターンエンド。まぁこれくらいの対策はされるよね」

 

「あたしのターン!手札から2マナで《チャラ・ルピア》、チャラルピアの軽減を入れて1マナで《ボルシャック・ハイパーヴォルジャアク》をバトルゾーンに!ヴォルジャアクの効果でパワー5000以下のハンプティを破壊!更にチャラをタップして、ハイパーヴォルジャアクをハイパーモードに!」

 

火奈の切り返しに、少しだけ帆鳥は冷や汗を流す。

「でも、クイーンルピアのパワーは7500。6500のアークゼオスNEXじゃ届かない」

「そうだね、どうするの?」

「一気にこのターンでカタをつけます!アークゼオスNEXでシールドを攻撃、その時鎧機天 シロフェシーに革命チェンジ!更にコスト5以下のアーマードを出す効果を発動、ヴォルジャアクの効果でそれを2回分!《アシステスト・インコッピ》!《終炎の龍皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》!インコッピの効果で1枚ドローして、ハイパードラゴンの効果で味方全員がスピードアタッカーに!更にアークゼオスNEXが場を離れたから、シールドを1枚追加!」

「突撃インタビューも使えない、か」

 

火奈 シールド3

帆鳥 シールド3

「シールドトリガー、《ピース・盾(パリィ)・ルピア》。山札の上3枚から《アリスの突撃インタビュー》を手札に加えて、トリガー+効果で相手クリーチャーを全タップ。Overハイパー化できてたら良かったのにね」

「万全の攻撃など数えるほどしかできないだろう、理想論で語るのは時には相手への侮辱になるぞ」

「そう。でも良いよ、どうでも。あたしは勝てば良い。そうやって、自分勝手でも皆を守れれば……」

「違う!!」

「火奈…?な、何……!?」

「そんなの、自己満足を超えて迷惑になります!!自分勝手に慮って、解決した気になって!!」

「そんなの、貴方には関係ないでしょ!?」

「関係なかったですよ、あたし達が偶々出会うまで!でも、もうお互い知り合ったじゃないですか!本当は夢兎さん達から離れたくないことくらい、あたしでもわかります!!」

「ーーー!関係ないの、もう1人でいいの!あたしが夢兎達を、助けられれば……!」

「帆鳥、どうしてそこまで……」

 

帆鳥の気迫に圧倒される夢兎に変わり、火奈が宣言する。

「そこまで言われるなら、言われるからこそ。絶対に止めます。そんな1人で走って行ったら、絶対に大変なことになるから!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃、かぐらと夕哉のデュエマは佳境を迎えていた。

 

「《ダイキリ》を3マナ、バブルボール2枚をそれぞれ1マナで召喚。これらをタップしてH・アルカディアス、エルボロム、スナイパーをハイパー化。ダイキリによるクリーチャーが出た時の効果、バブルボールのタップした時の効果で合計3枚ドロー」

(ハイパー化してるエルボロム、Hアルカディアス、スナイパー。ハイパー化してないけどもう1体エルボロムまでいる。ジョーローのお陰でクリーチャーを攻撃したらあっちの方が被害がでかいからしないのは幸いだけど。でも何より、俺は次のターンスパーク呪文を突破しないとこれを切り返せない…!)

「スナイパーでシールドを攻撃!その時コスト8を宣言し、ファウン=テインの攻撃と防御を止める!」

 

夕哉 シールド3

「……シールドトリガーなし!」

夕哉の少し不審な動きを見て、ジャシンが手札を覗き込む。

(シールドトリガーである《コミック=コロック》を引いている。成程、あのカードを引くために攻撃を誘導する、肉を切らせて骨を断つ戦法というわけか)

「ちょ、ジャシン何してるの!?」

「ふむ、貴様も成長したと思っただけだ。ここまで余のデッキを使い込んでいれば当たり前だがな」

「ジャシン様から褒めてもらえてありがたいけど、今は後にして欲しいかな!?」

 

かぐらが分かりやすく警戒の形をとっている。

(なんですの?ジャシンと話している?Sバックのようなカードを引かれている?にしたってそれならシールドチェックで止まらないはず)

「ジャシン、俺に合わせて」

「なんだと?」

「かぐらが想像してる通り、俺の手札に逆転のカードがもう来ているよ」

「何ですって?」

「うん、だからこのターンに決めなきゃ、むしろかぐらが負けるよ」

「まぁ結局シールドトリガーが引けなきゃ、こやつは負けるがな」

「ジャシン!?ちょっと何言ってるの!?」

「………」

 

ジャシンの気まぐれが、かぐらに想定外のダメージを与える。

(どちらが本当ですの?ジャシンは危険なクリーチャーとはいえ、態々味方に不利な情報を振り撒くとは思えない。じゃあ黒井夕哉が本当?ならSバックがある?……でも、それを恐れて攻撃しないの?アルカディアスで呪文も止めてスパークを仕込んで守る体制に入った私が?)

「……H・アルカディアスでシールドをTブレイク!!」

 

予想外の行動に今度は夕哉が狼狽える。

(攻撃してきた!?)

「奴の性格と、余の立場上そうなるだろうな。残り3枚だ、切り返せるか?)

「合わせてって言ったんだけどな……。OK、やってみるよ!!」

 

夕哉 シールド0

「頼んだ!S・トリガー、《ドアノッカ=ノアドッカ》!《ハンマ=ダンマ》!ドアノッカの効果でハイパー化してないエルボロムのパワーをマイナス8000!破壊する!更にハンマで墓地を3枚増やして、ハイパー化してるエルボロムを破壊!」

「ターンエンド。結局貴方はスパーク呪文を越えられないですのよ!」

 

どうにか攻撃を凌ぎ切ったが、夕哉の頬を汗が伝う。

(あのカードを引けてない!墓地肥やしをここまでしたのに…!)

「夕哉よ、手札にあるこのカードを見ろ」

「え、これ《深淵の怪炉 マーダン=ロウ》!?じゃない!!」

「今の貴様なら使いこなせるはずだ。しかし使いこなすなら、余の効果を使い、墓地から呼びださなければならない。やり方はわかるな?」

「うん、どれだけジャシンと一緒に戦ってると思ってるのさ!」

 

「俺のターン!まずは《アイロン=バイロン》を手札から2マナで召喚!手札を1枚捨てて、かぐらは1枚クリーチャーを破壊しないといけないよ」

「攻撃できないバブル・ボールを破壊。だから、とっとと攻撃して終わらせ……」

 

かぐらの目の前に現れたのは、マーダン=ロウいや、仲間の力を合わせて更なる力を得た新たなマーダン=ロウであった。

「おかえりマーダン=ロウ!いや、《超暴淵 ボウダン=ロウ》!ハイパー化の応用ハイパーエナジーと、ジャシンの墓地から召喚する効果でアガルーム、アイロン、ジャビビル、ファウン=テインをタップして、10マナから8コスト下げて2マナで召喚!!」

「奴らに一杯食わせるためのとっておきだ、全力で暴れて来い!!」

「召喚によって出た時、山札の上から5枚を墓地に送って、1〜5コストのカードをコストが被らないように呼び出せる!1コストから、アガルーム=プルーフ、シックル=シーク、《カリッキ=リッキ》!そして4コスト、《ギガボルバ》!!」

「アビスじゃない!?」

 

「調べが甘かったんじゃない?俺は決してアビスやジャシンの力だけで戦ってきたんじゃないから。《Rev:タイマン》とか沢山お世話になってるからね」

「でも、なんでギガボルバなんて昔のカードが……!」

「俺の一番大事な友達の1人に、歩くデュエマ辞典がいるからね。無料でカードからルールのことまでなんでも教えてくれる先生だよ。ギガボルバの能力、このクリーチャーがいる間、光のシールドトリガーをかぐらは使えない!更にジャビビルの効果で墓地から出たボウダン=ロウはすぐにプレイヤーを攻撃できる!」

 

ボウダン=ロウが思いっきり腕を振り上げ、かぐらのシールドに向かって飛び上がる。

「ボウダンがプレイヤーを攻撃する時、さっきと同じ効果を発動できる!2コストから、《ド:ノラテップ》!カリッキ=リッキ!ジャビビルブラッド!《アーチ=ガーチー》!」

「攻撃できるブロッカーが大量に……!」

 

かぐら シールド0

「S・S・S!!発動して!発動するんですのよ!!」

「邪魂の王道 ジャシン帝で……!」

「エルボロム!私を守るんですのよ!早く!!」

「どこまでも救いがないやつよ。夕哉、殺さなければ良いのだよな」

「うん、お願い、せめて大人しくさせるよ!ダイレクトアタック!!」

 

ジャシンがかぐらを気絶させるための攻撃を放とうとした時、何処からか大きな黒い刀が現れ、ジャシンの横を掠め、夕哉の前に向かっていく。

「え……!?」

「不味い、夕哉!!」

 

ジャシンが攻撃を取りやめ、夕哉に向かって駆け出す。

(何故だ、何故余は、こんなに焦っているのだ!?)

「ジャビラァ!!」「黒井!危ない!!」

ジャビビルブラッドとボウダン=ロウが、身体を張ってその刀を止める。弾き飛ばすことに成功したが、その刀は何処からか現れた真名月の元へ戻って行った。

 

「あ、ありがとう、ジャビビル、ボウダン。本当に死んだかと思った…」

「ジャビラァ……」

「ジャビビルブラッドと俺が居て良かった、ジャシン様は遠くて、どうしても間に合わなかった」

 

ジャシンはその剣を投げてきた真名月に怒りを露わにする。自身のデュエマが踏み躙られたこと、いやそれ以外にも、何か自身の怒りを露わにする何かがあった。

「真名月貴様、真剣勝負に水を差すか!!」

「そのつもりはない。しかしアビスのクリーチャー達がここまでただの人間に絆され、ハイパー化の応用に自力で辿り着くとは。まぁいい。2度も負けて使い物にならなくなったが、シイノを回収した褒美に最後のチャンスを与えるとしよう」

 

そう言って真名月はその剣フラヴナグニルを、あろうことかかぐらへと突き刺したのだった。

「ぐあうっっ!!」

「お前は恨みに呑まれたか、かぐら。この世界に来てから、イレギュラーばかりが起こるな」

「真名、月、さまぁぁ……!!」

 

「真名月ぃ!お前どこまで仲間を!!」

「黒井様ダメです!」「バロムが来ます、危ない!!」

夕哉が真名月に向かっていこうとするが、アガルームやシックル達が主人を危険に晒すまいと身体で止める。その直後、バロムが空から現れ、真名月とかぐらを連れ去って行ってしまった。それを見ていたジャシンは自分の拳を握り、自分を走った強い違和感に、思案を巡らせるのだった。




夕哉の!今日のカード紹介!
今日のカードは…《超暴淵 ボウダン=ロウ》!
ハイパーエナジーで味方をタップするごとに2コスト下がっていくクリーチャーで、その条件を突破して召喚するかプレイヤーを攻撃できれば、コストが被らないように1〜5のクリーチャーを呼び出せる、俺の新たな切り札なんだ。
次回、『また太陽(あなた)が照る日まで・後』
火奈が伸ばす手のひらが、太陽に届きますように。
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