デュエル・マスターズOverLord(オーバーロード) 作:シグレサメ
黄金色の明日を探して
「皇龍市のルルボートで起きた爆発事故から1週間が経過しました。未だに火元がなぜ燃えたのかというのはわかっておらず、捜査関係者によると客の火の不始末が原因であるとされていますが、被害者や関係社のよると、化け物同士が戦っていたなどの意味不明な証言が飛び交っており、未だ混乱は収まりません」
火奈と帆鳥の事件から、1週間が経った。念の為学校が1日だけ休みになって、後はメディアが騒ぎ立てておしまい。月の民はあれ以来動きがないらしいし、もう皇龍市は平常運転だ。あのお店は早急に建て直すらしいから、しばらくすれば元に戻るはずだ。
少し遅く起きた俺が朝食をとり、俺がテレビをぼーっと見ていると、夕花がテレビと俺の間に顔を出してきた。
「お兄ちゃんおはよう。土曜だからってぼーっとしすぎない方いいよ?」
「まぁね……」
「お兄ちゃん!!」
火奈は、学校には来ているし部活も出てるけど、俺たちのところには来てくれなくなった。俺たちからも話しかけにいったりはしない。何を話せばいいのか、俺にもわからないから。そして、何より……。
「お兄ちゃん!一緒に出かけよう!!」
「え、なんで急に」
「シイノお姉ちゃんが帰ってこなくなってから、お兄ちゃん魂抜けたみたいにポワーっとしてるから!ほら、行くよ!」
「いや、行くってどこに……」
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夕花に手を引っ張られ、ぐんぐんと街を歩いていく。
「お兄ちゃんってさ。こういう辛い時何するの?」
「いや、デュエマ……かな…?」
「じゃあそれやろう!折角だし外でやろっか!」
そのまま夕花に手を引っ張られ、運動公園に辿り着く。どうしても、火奈とシイノのことを思い出す。火奈と初めて会ったところもここだし、シイノと仲良くなれたのもここだ。
「お兄ちゃん!早くデッキ広げて!!」
「夕花って、まだデッキ持ってたんだ」
「カオスマントラさんは、意思を持った方は御白お姉ちゃんに渡したけど、ちゃんと自分の分も残してくれたんだ。やっぱり、楽しかったから」
「そっか」
正直、デュエマをしても思い出してしまう気がする。いや、自分だけ楽になろうとするのが間違いなんじゃないかって思ってしまう。
「お兄ちゃん、デュエマってそういうものなの?」
「え……」
「確かに本物のクリーチャー使ったりする悪い人も沢山いるし、お兄ちゃんはその人と戦わなくちゃいけないんでしょ?」
「いけないって訳じゃないけど……。でも、公輝さんはクリーチャーを相棒にできないし。俺がやらなかったら、ただでさえ火奈もいないのに……」
「お兄ちゃん!!」
「な、何!?」
「最近のお兄ちゃん、難しい顔しすぎ。折角私が退院したのに、シイノお姉ちゃんの事や火奈お姉ちゃんのことが気になるのはわかるけど、全部お兄ちゃんがやらなきゃいけないことじゃないじゃん」
「でも……」
「お兄ちゃんが好きなことやれてるのが、妹の私から見ても幸せなこと。お兄ちゃん、抱え込みがちなのは知ってるけど。クリーチャーの力を使えないから、私は外に追い出すの?」
「………」
夕花の言うとおりだ。良くない状況に頭を使いすぎて、勝手に自分を追い詰めすぎていた。考えたからって状況が良くなる訳じゃない。火奈とシイノのために頭を悩ませたって、月の民が突然元の世界に帰ってくれるわけじゃない。
「デュエマしよう。楽しいデュエマ。それが、今の俺には必要だと思う」
「そうだよお兄ちゃん!ようやく少し戻ってきた!」
「「デュエマ、スタート!」」
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「御白さん、私は強くなりたいんです」
ドランさんから言われたその言葉で、私は面食らいました。
「エン・ゲルス様や兄弟がいても、厳しい戦いが増えてきました。そして、ボルシャック・カイザーも……」
「じゃあ、ドランさんが火奈ちゃんの代わりになれるように修行するってことですか」
「概ねそうです。だから暫く、カードの中から話せないと思います」
「そんな、ドランさんにはもう沢山お世話になってます!これ以上頑張れなんて……」
「結局強くならなければ、月の民に負けてしまう。何より、親友(カイザー)を間接的にとはいえ殺されて、黙っていろと言うんですか」
ドランさんの言葉には珍しく怒気が込められていて、こんなに感情的なドランさんを初めて見ました。
「失礼します。強くなったら、また会いにきます」
「待ってください、ドランさ……」
「御白、誰と喋ってるんだ?」
気づけば部屋のドアが開いていて、私のお兄さん、白都お兄様が扉のそばに立っていました。
「今度はカードと話し出すとは……。お父様に頼んで、本当にカードを処分してもらうか?」
「そんなことしないでください!私の大事なものなんです!」
「知っている。成績も最近は前ほど悪く無くなったし、最近はデュエマのマシーンの試遊イベントにも出たな。だが家を継ぐなら、今の成績や、ただ光屋コーポレーションの展開の一端を担っている程度だ。まだ、足りない」
「お兄様は、私にどうなって欲しいんですか…?」
「祖父の代から続くこの会社を、安泰なものにしたい。その為にはどんな才能の原石も欲しい。それだけだ」
「そんなの、お兄様の勝手じゃないですか!?」
「あぁ、俺の勝手だ。だが、お前は自分自身で道を選んで、本当に俺が、お父様が思い描いた以上のことができるのか?」
お兄様は、デュエマ部のことを知らない。お父様も、お母様も。家族にこのことを話したら、危険なことをするなと取り上げられるのが目に見えていたから。じいやにだけは言いましたけど、じいやからも『言わない方が賢明でしょう』と言われました。
「どうした?」
「いえ、何でもありません」
「御白。今週末から来週にかけて、お父様とお母様が帰ってくる」
「お父様とお母様が!?」
「海外支部の視察に行っていたが、最近日本が芳しくないと戻ってくるそうだ。俺は怒られるだろうが、お父様達は正論以外で怒らない上、金の種を残してくれる。御白、お前も来い」
言いたいこと、言えないこと。全部ごちゃ混ぜになって、私の中で爆発してしまいました。
「……嫌です」
「なんだと?」
「……嫌です!!お兄様はなんでそんなに、仕事にだけ集中できるんですか!?なんで好きなことしちゃダメなんですか、そんなに仕事が好きなら、お兄様は仕事と結婚してくださいよ!」
「御白!!」
そう言って私は、自分のデッキを持って家を飛び出しました。
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夕花の先行で始まった久しぶりの兄妹でのデュエマ。ハイパーエナジー仕様にバージョンアップさせた夕哉に対して、夕花は更に光のシノビのデッキをパワーアップさせた。
夕花 シールド5 マナ3
《忍防の聖沌 h4990u(ハッポウ)》、《忍瞬の聖沌 53nju(センジュ)》
夕哉 シールド5 マナ2
《オンサ=マンサー》、《ブルーム=プルーフ》
「私のターン!3マナで《瞑(メメント)カオスマントラ》を召喚!ハッポウでシールドを攻撃して、瞑カオスマントラの効果発動!タップしたから1枚ドロー!」
夕哉 シールド4
「相変わらずの速攻…!流石夕花!」
「センジュで更に追撃!」
夕哉 シールド3
「トリガーなし!」
「ターンエンド!」
「俺のターン!《ジョーロー=スイーロ》を3マナで召喚!これで俺のタップしてるクリーチャーは全部スレイヤー!ブルームでセンジュを攻撃!」
「パワーアップしたニンジャチェンジを見せてあげる!瞑カオスマントラを手札に戻して、《聖なる混沌 クノイチマントラ》をバトルゾーンに!味方のパワーを3000アップ!」
「いつものクノイチマントラ…?パワーでは追い抜かされるけど、ブルームはスレイヤー!どの道倒せるよ!」
「でもね、新しいニンジャチェンジはここが強いの!瞑カオスマントラは相手ターン中に場を離れた時、コスト4以下のクリーチャーを手札から出せる!出てきて!《星姫機 シリエス》!自分のメカが出た時1枚ドロー!」
「ニンジャチェンジから更に打点が増えた!?とりあえずブルームでセンジュを破壊!」
「それは大人しくやられるよ」
「ターンエンド!」
「私のターン!3マナでもう一回瞑カオスマントラ!シリエスで1枚ドローして、シリエスでシールドを攻撃!カオスマントラでもう1枚ドローするよ!」
夕哉 シールド2
「トリガーなし…!」
「クノイチマントラでシールドを攻撃!」
「オンサ=マンサーでブロック!」
「お兄ちゃんがブロックしたからニンジャストライク4!《光牙忍 ソニックマル》!効果でシリエスをアンタップ!」
「オンサマンサーはジョーローの効果でスレイヤーをもらっている!ブロックして破壊!」
2人は久しぶりに、特に夕哉は久しぶりに、何もかかっていない純粋に楽しいデュエマを楽しんでいた。
「どう?懐刀のソニックマル!絶対お兄ちゃんに刺さると思ってたんだ!でもジョーロー強すぎるよ!」
「あのニンジャチェンジも凄いよ、めちゃくちゃ強くなってるじゃん夕花!」
「えへへ……。お兄ちゃん、デュエマって超楽しいね!御白お姉ちゃんに教えてもらって良かったよ!」
「そうだね。色々あったけど、御白と、ジャシンと出会わなかったら。こんなに楽しいことできなかった!」
(お兄ちゃん、笑顔になった!)
「シリエスでシールドを攻撃!」
夕哉 シールド1
「シールドトリガーなし!」
「ハッポウでシールドを攻撃!」
夕哉 シールド0
「……来てくれた!シールドトリガー!《戯具(ギーグ) ヴァイモデル》!登場時効果で山札の上から3枚を墓地に置いて、コスト3以下の《邪魂の王道 ジャシン帝》をバトルゾーンに!」
「余をシールド0になるまで呼び出さないとはな。侮って一杯食わされたか?」
「逆。夕花が強いからだよ!」
「ターンエンド!お兄ちゃんのターンだよ!
「俺のターン、1マナで《霊淵 アガルーム=プルーフ》をバトルゾーンに!更に2コストで《ド:ノラテップ》!行くよ、アガルーム、ノラテップ、ジョーロー、ヴァイモデルをタップして、ノラテップで更に1マナ軽減!《超暴淵 ボウダン=ロウ》をバトルゾーンに!召喚効果で5枚墓地を増やして、1,2,4コストのオンサ=マンサー、ブルーム=プルーフ、《邪魂龍 ジャビビルブラッド》をバトルゾーンに!オンサとブルームで墓地を増やして、ジャビビルの効果で墓地から出たクリーチャー全てがプレイヤーを攻撃できるように!」
「凄いクリーチャー…!」
「ボウダンでシールドを攻撃!再度同じ効果を発動して、1,2,3,4コストの、オンサ=マンサー、ド:ノラテップ、ジョーロー=スイーロ、《深淵の怪炉 マーダン=ロウ》をバトルゾーンに!マーダンの効果で夕花の手札を見て、《聖カオスマントラ》を墓地に!これでタップ効果は使えない!」
夕花 シールド2
「シールドトリガー!《光器マドレーヌ》!お兄ちゃん、代わりに効果読んで!」
「え?わかった、効果は『このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーをすべてタップする。』 ……え、嘘」
「お兄ちゃんのクリーチャー全タップ!」
「えぇ!?聖カオスマントラと一緒にこれも入れてたの!?」
「聖カオスマントラは何度も使ってるから、お兄ちゃんに警戒されるかなって。だから普通にシールドトリガーでデッキに入れたんだ」
「そ、そっかぁ……そうなんだ…ターンエンドで……」
「瞑カオスマントラで、ダイレクトアタック!」
「やっぱりちょっと納得いかない!!」
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「お兄ちゃん楽しかった?」
「……凄く楽しかった。久しぶりに色々懸かってないデュエマをやったから、だいぶ懐かしい気持ちだった。御白ともやってたんだけど、どうしても色々お互い考えちゃって」
「お兄ちゃんも御白お姉ちゃんも根は真面目だもんね」
「御白の話で思い出したんだけどさ。楽しいデュエマを使って悪いことをする人を許せないって御白が言ってたんだ。俺も同じ気持ちになったんだ。見失わないようにしないとね」
「うん、お兄ちゃんなら大丈夫だよ!もし何かあっても、私はお兄ちゃんの味方だから!もし今度記憶を消されても、気合いで忘れないようにする!」
「それ、本当?だったら、凄い嬉しいな」
2人でデッキを片付けて、帰路につく。11月の少し寒さを感じる風と、家の近くのスーパーで一足早く飾られる飾りで、夕哉達はクリスマスが近づいているのを感じた。
「そうだお兄ちゃん。お父さんとお母さん、今度帰ってくるけど、どうお祝いしよっか」
「折角だし、俺たちでもてなしたいよね」
夕哉と夕花の父と母は、海外で共働きをしている。基本帰って来れるのも中々無いが、家族内でのメールは活発である。それを知っているから、家族を大事にしているのを知っているから、祖母の暁美も兄妹を預かったのだった。
「そういえば、前に父さん達が戻って来れたのいつだっけ…?」
「私が入院する前だから、2年前のお正月とか…?」
「そんなに前か…。懐かしいって感じでもないかな、ずっとメールでやり取りしてたし」
「でもさ、隠してることもあるじゃん」
2人は、クリーチャーのことやシイノのことは、遠回しにしか言えていない。暁美も協力してくれているが、今この状態でシイノがいないのも、不安の種の一つになっていた。
「……なんか、タイミング悪いって言っちゃ悪いけど…。どう誤魔化そう……」
「でも、シイノちゃんが一番可哀想だよ。凄い楽しそうだったのに」
2人で初めてシイノが家に来た晩のことを思い出す。それからも、沢山この世界の文化に触れて、新しい経験をして、ようやくシイノらしさが見えてきたところだった。
「お兄ちゃんにプレッシャーをかけるつもりはないんだけどさ。でも、やっぱり。シイノちゃんは、取り返して欲しい」
「分かってる。絶対助けるよ」
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真名月達月の民のアジトは、前と比べて荒廃していた。レントがいなくなり、流狼はなぜか席を外すことが多くなった。アジトの中にいるのは、真名月と有明。そしてフラヴナグニルを刺され、自我を失ったかぐらと、数人の手下が交代で見張りをしているだった。そして、アジトの片隅にシイノも縛り付けられていた。
(……やっぱり、手下は減らない。元々別の世界から真名月についてきた下っ端は、説得とかでどうにかなるものじゃない。食事や水分は与えられてるけど、昔みたいな冷たくて硬いものばかり。贅沢を知っちゃったのかな。前はこれを辛いと思わなかったのに)
そう言って下を向いていたシイノの部屋に、真名月が入ってくる。
「黒井夕哉について知ってること、まだ話せないのか?」
「わたしは知っていることを話した。ハイパーエナジーに関しても、ジャシンの独学だと思う。わたしからは何もしていない」
「そうか……。俺たちが持ち込んだハイパー化の技術をパクったやつを、模倣するしか無いみたいだな」
「ねぇ、いつまでわたしを人質に取るつもり?夕哉の仲間はわたしを探してる。私を捕らえ続けるのは、貴方達のリスクになる!」
「だいぶ、自信に満ち溢れたな。そう言ってハッタリをかけてくることも、前はして来なかったのにな。それとも、どうでもいいからハッタリをかけられるのか?」
真名月は、滅ぼしたシイノの世界のことを思い出させてシイノを揺さぶる。しかしシイノは動じない。
「夕哉は、助けに来る。そう信じてるから」
「そうか。まぁ、あの人間は助けに来るだろうな。……有明、準備はどうだ?」
「怒りは集まり、後は悲しみと楽しみがもう少し。喜びが大きく足りていない」
「まぁ予想通りだな」
シイノには話が読めない。だが、それを止めなければならないのは、直感で理解した。
(……わたしの相棒を、使うしか)
「変なことを考えるな。俺はもう予定外の出来事に心を乱されたくは無い。ジャシンの身体は足りている。次は感情だ。集める目処は立てているんだろう?」
「流狼が調べてくれているぞ、これが良いと言っていた」
「………。成程、人が多くいれば、無理矢理でも行けるか」
「何を考えてるの!?夕哉達が見つけるまで、そう時間は…!」
「俺たちもそう時間はかけない。1週間あれば十分。そこで戦力を蓄え、かぐらとフラヴナグニルで喜びを集め、削れるなら黒井夕哉達の戦力も削る。そして、『魔誕』を起こす」
「魔誕……!?」
「そのために、お前の力も使わせてもらう」
「やめて!わたしに何を…!?」
「お前がセーブし続けた本当の相棒、使わせてもらうとしよう」
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夕哉が家で勉強をしていると、突然電話がかかって来る。
「じいやさん?明日の家庭教師の話かな?」
『黒井様!良かった、繋がった…。御白様を見ていないですか?』
「御白?なんでですか?」
『御白様が、昼間から行方不明なのです!』
「えぇ!?」
『白都様に聞いても「何処に行ったかは知らない」の一点張りで……。しかも明日の夜までに戻らなかったら、御白様のカードを処分するとまで言い出しておられて…。またおそらく喧嘩したんでしょうが、まさか2人ともこんなに大規模な喧嘩になられるのは初めてで……』
「じいやさん落ち着いてください!わかりました、俺の方からも連絡します!」
『お願いします!旦那様達も帰ってくる、大切な時期なのです!』
そう言って電話が切れる。じいやさんもかなり焦っていた。急いで御白の番号にかけるが、数回のコールの後、繋がらないと冷たい音声が流れる。
「御白、間違いなく色々と溜め込んでる時期に追い討ちを喰らっちゃったんだ…。だから家出っていう、ちょっと極端な方法を取らざるを得なかった。俺が言えたことじゃ無いって夕花に言われるだろうけど、御白も大概溜め込む人だし……」
外に出るためのコートを着て、荷物を用意しながら、思案を巡らせる。
(公輝さんと遥風さんには電話するけど、飛水と緑、火奈には伝えないように言わなきゃ。火奈は、これ以上しばらく刺激しちゃいけないと思うし、飛水と緑に関しては、光屋家と関係ない人が動いても多分意味がない。最悪門前払いになる。俺もめっちゃ関係あるとは言えないけど、接点0よりはマシのはず)
「ふぁあ…お兄ちゃん、なんかあったの?」
「ちょっと出かけてくる!」
「……シイノちゃん?シイノちゃんのこと!?」
「ごめん、御白のこと。行ってくる、お婆ちゃんにも後で連絡入れる!」
そう言って夕哉は外に走って出る。
(皆色々抱えてる。今でこそそれは当たり前のことだと思うけど、それが分かってなくて、押し付ける人だっている。御白のお兄さんに会わないのが一番だけど、もし会った時は)
誰もいない夜の街並みを、夕哉は駆け抜けて行く。その時夕哉の携帯が鳴った。
夕花の!今日のカード紹介!
今日のカードは…《瞑(メメント)カオスマントラ》!
3コストのメカでシノビ!味方のクリーチャーがタップした時に1枚ドローできる強力なドローカード!ブロックでも引けるね。更に相手ターン中に離れたら、コスト4以下のクリーチャーを手札から呼び出せる。ニンジャチェンジと合わせれば、手札もバトルゾーンも爆発的に増えていくね。
次回、『その背中は何を背負う』
……お兄ちゃん、頑張って!!