デュエル・マスターズOverLord(オーバーロード) 作:シグレサメ
「シイノ…」
ママの声が聞こえる。わたしの家は巫女の家で、今まで巫女の仕事をやる為に色んな修行をしてきた。
「シイノ、あなたが、あなただけでも」
ママの言ったことに、モヤがかかって思い出せない。バロムに世界を荒らされてから、世界がまるで変わってしまった。記憶が失われて、つながりが失われて。色褪せた灰色の世界に、落とされてしまったみたいな。
「シイノ、あなたなら」
きっと、世界の全部を壊してしまうバロムを止めて欲しいってことだと思う。真名月を止められないと、わたしは…。
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シイノが起きると、夕哉は先に「この場所で待ってるよ、火奈は絶対ここにいるはずだから」と深淵を出て行った。朝食を済ませて、シイノも後を追って出ていくと、そこは紅葉と落ち葉で紅く染まった、皇龍市の市民公園だった。
「ここに、赤坂火奈がいるの?」
「うん、彼女は特別な用事がない時は、毎日ここでランニングしてるから」
「へぇ。じゃあそれまで待つの?」
「いや、折角だし散歩しない?」
「え?」
そう言うと夕哉はそのままランニングコースへと向かっていく。シイノも慌ててついていきながら、
「ここを走ってるんでしょ、もしすれ違いになったりしたら駄目」
と夕哉に忠告するが、それが分かっていたように夕哉は
「いや、火奈の運動はレベルが違うから。多分周回遅れにされるから、歩いても歩かなくてもそんなに変わらないというか」
と返答する。
「じゃあなんで態々…」
「シイノに、少し見てもらいたいのがあってさ」
「そんなの、赤坂火奈を見つけてからでも…」
「見つけた後じゃ御白と緑を探しに行こうとするでしょ?」
痛いところを突かれ、シイノは言い返せなかった。
「深く訳を聞かずに、とりあえず一緒に歩こう」
「……うん」
夕哉とシイノはランニングコースの中を歩く。コースは幅7〜10mほどあり、かなりゆったりと歩ける。実際年配の方々が、涼しくなったと歩いているのをシイノは見た。紅葉と落ち葉のある中でも掃除はされているらしく、落ち葉を踏んで転ぶ心配は少ない。しかしシイノはこの行動になんの意味があるのだと、疑心暗鬼に歩いていた。
歩き始めてから10分ほど経った頃、夕哉が切り出す。
「あっちの世界にも、紅葉はあったの?」
「……なかった。そういう植物が無かった」
「へぇー。じゃあ初めて見れたんだ」
「綺麗かもだけど…それでお腹が膨れたり、役立つわけじゃない」
「……そうかもね」
そう言って夕哉は、コースの途中にあるベンチに座る。
「良いの?赤坂火奈に会うんでしょ?」
「そうだけど、ここからの景色も綺麗だから、見て欲しいなって」
「なんで知ってるの?」
「昔妹と、夕花と遊びに来たんだ。目に映る紅葉が綺麗で、風が心地よくて。自分の身体が自然に一体化した、みたいな」
シイノも真似して座ると、鞄から夕哉はペットボトルの緑茶を取り出して渡す。もう一本を開けて飲んでいる夕哉を見ながら、シイノはやはり意味を探る。
「意味なんてないよ」
「…!?分かってたの?」
「分かるよ、だいぶ態度が露骨だもの」
「じゃあ、なんでそんなこと」
夕哉は一呼吸おいて言葉を続ける。
「正直、似てると思ったんだ。俺とシイノ」
「……?似てる?わたしはそう思わない。あなたはジャシンと契約して、そのリスキーな力を使いこなしてる。私には…」
「そういうことじゃなくて。俺、昔夕花の怪我を治すために、病院代の足しにするためにバイト掛け持ちしてたんだ」
「……それが?」
「当時を考えると、何も見えてなかったように思う。色々やったけど、夕花のことが心配で、今起きてることや、今のことを楽しめてなかったと思う。進学先でさえバイトできるかどうかで決めたんだよ?」
「楽しめる訳ない。だって家族が大変なら、わたしは…」
「でもさ、夕花が一番願ってたものはさ」
夕哉はため息を一つついて、自嘲気味に言う。
「『お兄ちゃんがお兄ちゃんである人生を無駄にするなんてこと、あっちゃいけない』って言われたんだ。その時ようやくハッとしたんだよ、自分が自分であることを捨てたら、いずれ残してた自分も、全部擦り切れてなくなっちゃうんだって」
「……妹さんが、優しかった」
「それは俺も思うけどさ。でも、基本人間って人のためにずっと戦えるほどそんなに強くないし、全部を捧げてもらえるのが嬉しくない人だっているんだってその時思った。その時からかな、御白だったり、自分を大切にしてくれる人を大切にしようと思ったのは」
シイノは納得がいかず、夕哉に食い下がる。
「ユウヤはわたしとはやっぱり似てない。わたしは、そんなに楽天的に考えられない」
「俺も楽天的ではないよ、真名月と戦うのは怖いし、御白達の記憶を取り戻せるのか不安になる」
「だったらすぐに……」
「それで取りこぼしたものがあることに、気付いたから」
シイノは再び言葉を失う。夕哉の目には、無数の後悔が写っていた。そのように見えた。シイノは夕哉のことを調べてはいたが、実際にそうであると言われてかける言葉を失った。
「御白達に会うまで、自分はもっとやることがあるって無自覚に蓋をしてた。俺は今、御白達に合わなかった時のことを疑似体験してるような感じだけど、正直、今すぐにも覚めたい悪夢なんだ。人を踏み台にして、無視して、気持ちを押し殺して。そうなった先にあるものを、俺は見て、そうならないようにと思ったんだ」
「………」
(気持ちを、押し殺す……)
突然公園の奥からキャーッと女性の悲鳴が聞こえる。夕哉とシイノはすぐに立ち上がり、その騒ぎの方に向かっていく。夕哉とシイノがついた場所は、公園の少し小高い丘のような休憩所で、そこには2人の人間がいた。片方は夕哉の友人だった赤髪の少女で、もう一人の中学生くらいの背丈の一人の少年に追い詰められていた。
「な、何!?何が目的!?」
「わからねーうちに殺すんだよ。全く。ボスも回りくどいことしてたよなぁ」
そう言ってその少年が、黒と青の身体の大きな拳を2つ持ったクリーチャーを呼び出す。その拳が振り下ろされ、少女の身体に命中するかと思われた時…
「ジャシン!火奈を守って!」
「フン、この程度!」
夕哉がジャシンを呼び出し、間一髪のところでその拳に割り込ませる。ジャシンはやはり弱体化の影響がもろに出ておりそのクリーチャーの拳に膝をつくが、その間に夕哉が少女を、ジャシンの陰から逃がしていた。
「火奈!大丈夫!?」
「え、な、何…?」
「1年A組の黒井夕哉。落ち着いて、絶対に害になることはしないから」
「黒井、夕哉…?」
そう夕哉が火奈を落ち着かせている最中、ジャシンとシイノはそのクリーチャーを従えていた少年を見据える。
「なんだよー、ぶっ倒せば解決って言ってたのによー、めんどくせぇ」
「異世界人よ、なんだこやつは。前までに比べて穏便さの欠片も無いぞ」
「『レント』。月の民屈指の暴れん坊だけど、その実力は本物。多分だけど、青海飛水や我龍竜也の記憶が戻ったことで、こちらも急ぐ必要があると思ったみたい」
「逆に今まではなぜ殺さなかった。いや、殺せなかったのだ?」
「歴史を変えたばかりだと、修正力が働いて亡くなるような大胆な修正は出来なくなってるの」
「時間が許してくれるようになってきたというわけか」
「うん」
レントと呼ばれた少年は、足を小刻みに揺らしながら苛立ちを露わにし、シイノ達に怒りをぶつける。
「なんなんだよ、もう…。一人ぶっ殺せば終わりだと思ってたのによ」
悪態をついたレントに、今度は夕哉が怒りの声を上げる。
「一人ぶっ殺せば終わり…?その言葉の意味が分かってて言ってるとは、思えないんだけど」
「あぁむかつく。説教される筋合いはねぇよ」
夕哉がデッキを取り出そうとすると、シイノが制止する。
「ねぇ夕哉、わたしにやらせて」
「…分かった。俺は火奈をどこか遠くに…」
「駄目、月の民の居場所がわからないから、逆に危険。わたしが全部守るから」
夕哉はシイノから聞いたその言葉の意味が、少し変わっているのを感じ取った。少なくともそう思えたため、笑顔で答える。
「分かった、お願いシイノ!」
「うん」
「あーむかつく。とっとと終わらせて帰る!」
「「デュエマ、スタート(!!)」」
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レントの先行で始まったデュエマ。レントは火と自然を混合させた速攻デッキを、シイノも同じく火文明を使った水晶ゼニスのデッキを使用し、お互いに睨みを効かせる展開となる。
「オレのターン。2マナで《森翠月 ブロンズアーム》を召喚。ターンエンド。ったく、召喚酔いってシステムむかつくよなぁ」
「どんだけむかついてるの…」
夕哉は召喚酔いにも怒りを表すレントに呆れながらも、火奈の側を守っている。その火奈は、訳のわからない状況に巻き込まれて困惑していた。
「ねぇ、あたし達帰れないの?」
「もう少し待って。俺の友達が、絶対あの人を倒すから」
「なんで、あの人はあたしなんかのために頑張ってるの?少し怖いよ」
火奈のその言葉に、夕哉は言葉を失う。
「そんなこと、言わないでよ…」
「あたし達はただの高校生なんだよ…なんで急に巻き込まれて…」
「ボルシャックと会わなかったことで、本来育ったはずの正義感や、人を慮る心とやらが弱まっているのだな」
ジャシンはほんの少しだけ夕哉に同情するように言葉をかける。その言葉を聞いて夕哉は余計に悲しい、心に空洞ができたような気分になるのだった。
「わたしのターン。2マナで《Dの寺院 タブラサ・チャンタラム》を展開。ターンエンド」
「おお?それが噂のフィールド。だけどな、俺は流狼とはちげぇ、知識なんて気にせず、一気に終わらせるんだぜ!」
レントは怒りのままにカードを引き抜く。
「3マナで《小さな鍛冶屋メット》を召喚!メットをタップして、ブロンズアームをハイパーモードに!メットのタップ時効果で、1枚捨てて2枚ドロー!ブロンズアームでシールドを攻撃!」
シイノ シールド3
「シールドトリガーなし」
「ターンエンド!」
「わたしのターン。マナチャージ時、水晶マナを生成。呪文、《シャングリラ・クリスタル》。水晶マナを1枚増やし、水晶武装2でもう1枚増やす。ターンエンド」
「おっせー。だからボスに負けたんじゃねえの?」
「……!」
夕哉はレントの冷酷な、極めて軽薄な言い方に怒りを露わにする。
「おい、そんな言い方を…!」
「大丈夫、ユウヤ。わたしのせいでわたしの世界が滅んだのは、変えられない真実」
「だとしても…!」
「でも、今から変えられるものがある。自分は今、まだ救える世界にいる。救える人がいる。自分がいてもいいって、少しだけ思える」
「シイノ……」
「それと、ユウヤ達がいる。あんぱんがある。わたしの大好きがある世界って、すごく素敵なこと」
「…そうだよ、そうだよシイノ!」
喜びに湧く夕哉の横で火奈は小さく呟く。
「あたしの、大好き……」
(いつからだろ、陸上が義務になっちゃったの)
そのやりとりに一人激怒していた人間がいた。他でも無いレントである。レントは先程の大きな腕のクリーチャーを呼び出し、シイノにトドメを刺そうと襲いかかる。
「うるせぇな!オレのターン、4マナで《炎怒の夜 アゲブロム》を召喚!メットをタップしてアゲブロムをハイパーモードに!メットで手札交換して、まずはブロンズアームでシールドをブレイク!」
シイノ シールド2
「シールドトリガー、無し」
「アゲブロムでシールドをWブレイク!その時、初めてこのクリーチャーがタップした時アンタップ、要するに2回攻撃だ!!」
シイノ シールド0
「Gストライク!《シャングリラ・クリスタル》。アゲブロムの攻撃を止める」
「チィ、ターンエンド。だが、俺のデッキには大量のスピードアタッカー!そしてアゲブロムには、俺がゲームに負ける時破壊されて、そのターン負けない効果がある、オレの勝ちには変わりないぜ!」
「シイノ!次のターン、決め切れる!?」
「……大丈夫、やれる」
「分かった、信じてる!」
夕哉とシイノのやりとりを見ながら、火奈はなんとなしに懐かしさを感じていた。そしてなんとなくでた言葉に、自分で驚く。
「あれ、デュエマ、だよね」
「火奈!?まさか、思い出したの!?」
「思い出したわけじゃないけど、見たことある。あれで戦ってるの?」
「うん、友達の言葉を借りるなら、最高にアツくなれる、いいゲームだよ」
「それを、今こうやって使ってるの?」
「それは…ちょっと特殊だから。本来は、相手のことを少しだけ分かるようにするために、もっと皆と楽しむために。とにかく、素敵なものだから」
火奈の中で生じた小さな違和感は、小さなこのままじゃいられないという気持ちは少しずつ、小さな、小さな火種となって、火奈の心の中で燃え始めた。
「わたしのターン。水晶ソウル3で、マナゾーンにある水晶マナを無色3マナ換算に、水晶マナ3枚と火と無色のマナ1枚ずつで、《「使命」の頂天 グレイテスト・グレート》を11マナで召喚」
シイノの後ろに、白い身体にオレンジの結晶が埋め込まれた騎士のようなクリーチャーが現れる。大きな槍を構えたそのクリーチャーは、使い手の覚悟を見るや否や、すぐにレントに狙いを定めた。
(まだ夕哉みたいにやりたいからってわけじゃない、でも、ただママに言われたからやる訳じゃない。わたしが後悔しないために、今進むの!)
「グレイテスト・グレートの召喚時効果、山札の上から3枚を見て、コスト7以下のクリーチャーを全てバトルゾーンに出し、残りを手札に。6コストの《偽りの希望(コードミラクル) 鬼丸「終斗(ピリオド)」》、6コストの《偽りの名(コードネーム) スカラベオ》をバトルゾーンに」
シイノに前のような迷いは存在しない。態度にこそ出していないものの、久しぶりに感じる充足感に、時折笑顔が彼女に映る。その時夕哉はシイノのデッキの奥深くで、何かが光るような感覚を見た。
「鬼丸の能力でメットとバトル、破壊して1枚ドロー。スカラベオの効果でマナを裏返して、水晶武装4を達成!バトルに負けた時以外でわたしのクリーチャーは離れない。そして最後にグレイテスト・グレートの効果で、わたしのクリーチャーは全てスピードアタッカーに」
「な、0から致命傷まで用意してくんのかよ!だが、アゲブロムの守りがある限り、オレは負けな…」
シイノの手札に、1枚のカードが光っている。そのカードは水晶の華が描かれており、シイノの大事なカードの1枚に違いなかった。
(……まだあなたには向き合えないけど、いつか)
「グレイテスト・グレートで攻撃する時、アタック・チャンス、ゼニスまたはアンノウンを達成、《天頂と停滞と水晶の決断(パーフェクト・ゼニス)》を唱える。山札の上から2枚を水晶マナにする効果、ゼニスでないエレメントを山札に戻す効果、山札の上から4枚からゼニス、アンノウン、無色カードを加える効果があるけど、今回はエレメントを戻す効果を2回使う。ブロンズアームとアゲブロムを山札の下に」
「アゲブロムが!!」
レント シールド2
「シールドトリガー無しだと!?」
「スカラベオでシールドを攻撃」
レント シールド0
「シールドトリガー!《罠の超人(トラップ・ジャイアント)》!鬼丸をマナ送りにする!」
「スカラベオの水晶武装4で、わたしのクリーチャーはバトル以外で場を離れない」
「ウッソだろ…虚をつけば、簡単に終わるって。少し揺さぶれば、簡単に終わるって…」
「あなたはデュエマが強いけど、それだけ。鬼丸で、ダイレクトアタック」
「クッソがぁぁぁあああ!!」
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「これで終わり。すぐにあなたを捕まえにくる人がいる、覚悟して」
「覚悟する訳…ねぇだろ!」
アゲブロムに一度拳を振るわせようとするが、横からジャシンが現れアゲブロムの動きを止める。
「クッソが…むかつく…!」
「終わりだよレント、せめて償って…」
夕哉がそう言おうとした瞬間、空からクリーチャーと少女が降ってくる。そのクリーチャーは笑顔のようなものを見せている像のようなクリーチャーだが、どうしてもその笑顔を見ると凍りつくような感覚に襲われる。また、有無を言わせない威圧感のある不思議な雰囲気のある金髪の少女は、花柄の寝巻きを着こなしながら、レントの元にやってくる。
「ふぁあ。負けたんですの?」
「負けてねぇ!何より情報と違いすぎるだろうが!」
「まぁ、仕方ないですわよね。また会いましょう、黒井夕哉様、シイノ様」
そう言ってその少女はレントをクリーチャーに担がせていなくなってしまった。夕哉達はかぐや姫を連れ戻す月からの使者に戦意をなくした兵士たちのように、そのやり取りを見ている他なかった。
「……あの、人は…?」
「…かぐら。真名月が一番信頼を置く、月の民の実動隊長」
「……そんな人が、まだいたなんて」
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「火奈、大丈夫?」
「うん、大丈夫だけど…」
夕哉が火奈を起こすと、火奈は先ほどの火がもう少し大きくなったようで、辺りを見回してあるものを探していた。
「間違いなく、デュエマはやってたし、黒井くん、夕哉とも友達だったのは思い出してる。でも、何かが抜け落ちてて…」
「相棒の記憶以外は取り戻したようだな」
ジャシンのその言葉を聞いて、夕哉は決意を固める。
「ねぇ火奈。火奈が寝てる間に電話が来て、俺とシイノは、今から緑に会いに行くことになったんだ。守木緑」
「緑。知ってる名前…」
「だよね。もしかしたら怖い目にまた遭うかもしれないけど、一緒に来る?」
「……行くよ。もう少しで霧が晴れそうなの。行かない理由がない」
そう火奈が言うと後ろからシイノがやってきて、出発の準備ができたことを知らせる。
「夕哉、行ける?」
「うん、火奈の記憶は完全に戻ってはないけど、今は緑だ」
「分かった、夕哉も連戦続きだから、無理しないで」
そう言ってシイノが夕哉の手を掴み立ち上がらせる手助けをしているのを見ながら、火奈は何か言いようのない火が燃え上がるのを感じるのだった。
夕哉の!今日のカード紹介!
今日のカードは…《炎怒の夜 アゲブロム》!
通常時は2回攻撃を持つスピードアタッカー。4コストで実質Wブレイクなのも凄いけど、ハイパーモードになるとWブレイカーになり、ゲーム敗北時にアゲブロムを破壊することでそのターン負けなくなることができるんだ。攻防一体の、恐ろしい切り札だよね。
というわけで次回、『消えた熱を探して』
火奈、辛そうだったな…。少しでも早く思い出してもらいたいけど、無理もさせられないよね。