デュエル・マスターズOverLord(オーバーロード) 作:シグレサメ
ゴルファンタジスタがいなくなった。まざわさんが拾ってくれたけど、彼はむしろボクをクリーチャーと戦わせるための戦士として見ていたようだった。助けてくれたこうきさんはクリーチャー世界と繋がるのはいざという時自分たちだけじゃ対処ができないと言って閉じてしまった。
ボクの手に残ったのはゴルファンタジスタのカードのみ。正直、すごく辛かった。長い間ボクは部屋から出られなかった。正直こうきさんのことも信用できなかったし、最初の頃は出されたご飯にも手をつけなかった。クリーチャーに育てられた人間はどうしても特別扱いされる。それで検査のたびに変に気を使われるのがさらに辛かった。
どこからかクリーチャーの力が漏れ出て、COMPLEXというクリーチャーが暴れ出したという話が、こうきさんの元に届いた。なんだ、世界を閉じられていないじゃないか。COMPLEXの事件が収束した後、そう思ったボクは、あの跡地に向かって言った。
何も起きなかった。自然文明に残っていたのは、ただ自然が復活しただけの大地。そこにクリーチャーがいなければ、僕たちのゴルフハウスはただの空っぽな箱になっていた。たつやさんとこうきさんが後から追いかけてきて助けてくれた。ようやく自分が起こした間違いを知って、ボクは泣き崩れた。
ようやく少し楽になってきた頃、鳥のクリーチャーが現れてボクを殺そうとしてきた。昔クリーチャー界でいたからわかる、殺意を持ってやってきたクリーチャーに、ゴルファンタジスタに守ってもらえるようなことは起きない。天罰だ、ボクなんかが、クリーチャーに育てられた変な人間が幸せに生きようとしたことの…。
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緑を抱えた鳥のクリーチャーが、近くのビルの屋上へと降りてくる。そこで緑を受け取った老人が、鳥のクリーチャーを一度撫でた後、元の場所に戻す。そして緑を柱を起点に鎖に括り付けようとする。
「お爺さん、何、これ…」
「うむ、この後お主を探しにくる人間が来るからのお。そやつと取引をするつもりじゃ」
「取引…。こうきさん?」
「……まぁ、そんなところじゃな。ワシは有明。お主の境遇、同情するぞ」
有明と名乗ったその男は、涙を流しながら緑を括り付け終わる。彼の涙は、本気で緑に同情しているように彼には思えた。
「お主、抵抗しないのか?」
「抵抗しても意味ないよ。クリーチャーを従える力を持ってるって言われて、結局ボクは何も目覚めなかった。ボクに何かをする力なんてない」
「ふむ、そうか…。悲しいのぉ」
「悲しいって…。そうだよ、悲しいよ。ボクは何もできなくて、変で、浮いていて、普通に生きることなんてできない、それがボクなんだ」
「そんなことない!」
そう大声が聞こえた方を緑が見ると、オレンジ色の髪の少年と、同年代程度の白髪の少女が、息を切らしながらビルの屋上へと上がってきた。
「君、誰…?」
「俺は黒井夕哉!緑を、守木緑を助けにきたんだ!」
「くろい、ゆうや?」
有明は振り向きざまにクリーチャーを呼び出し、攻撃を飛ばしてくる。ジャシンがその攻撃を受け止めて、吐き捨てる。
「結局余程強いクリーチャーでなければデュエマを介さない戦いは不毛だ。分かっているのだろう、夕哉」
「うん、もう時間がない!だから…!」
気づけばシイノが緑の縛られた柱についており、つけられた鎖をグレイテスト・グレートの火によって焼き切った。
「月の民のこの鎖、弱いところとかをこっちにくる前に勉強してて良かった」
「ナイス、シイノ!」
シイノは照れくさそうにサムズアップを返しながら、緑を夕哉の元に届ける。有明はその様子を悲しそうに見つめていた。
「やはりジャシンというクリーチャー、シイノという少女は厄介、真名月様の手を再び煩わせぬようにここで倒すべきと見た」
「いや、有明。君と戦うのは、緑だよ」
「え。……えぇー!?」
夕哉のその言動に、緑自身が一番驚く。誰かはわからないが助けてくれると思っていた相手に、さらっと梯子を外されてしまったのだから当然だろうが。
「え!?なんで!?強いんでしょう、くろいくん!?」
「強いけど、俺が戦っても意味ないから」
「えぇー。そんな……」
緑はシイノの方に目線で助け舟を求めるが、シイノは夕哉の考え方を信頼しているようで、何か有益な返しがあるようには思えなかった。
「正直、記憶を思い出すのに一番早いのはこれだから」
「思い出す…?デュエマの、デッキ…?無理だよ、ボクなんかにできることじゃないよ!」
「公輝さんから今の緑の状態は聞いたよ、正直荒療治になるけど、緑に必要なものを補うには、この方法しかない」
「契約クリーチャーを使ったデュエルのフィードバックはどうするの?」
「俺とジャシンがそれを肩代わりする。飛水が昔緑にやってもらった方法なんだって。シイノもお願いできる?」
「分かった、2人の方が確実」
「ひすい…?ねぇ、くろいくんの知ってるボクは…」
「すごく優しくて、すごく勇気のある人だよ」
「さて、話は纏まったかのぉ。ワシとしてもここで守木緑を倒し、再起不能になることが主人の求めるところ。悲しいが、若人の未来を閉じるしかないからのお」
「散々色んな世界を壊しといて同情とか自分勝手すぎるんじゃない?行くよ、緑!」
「う、うん!!」
「「デュエマ、スタート(!)」」
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先行の緑はゴルファンタジスタのカードをデッキに入れ、水自然のジャイアントで、有明は闇以外の四文明を使うデッキで対処を行う。
「《同期の妖精(シンクロ・フェアリー)》を召喚、ターンエンド」
「呪文、《フェアリー・Re:ライフ》。ターンエンドじゃ」
「ボクのターン!《アシステスト・シネラリア》を召喚!出た時ジャイアントが他にいるので1枚ドローするよ!同期の妖精でシールドを攻撃する時、革命チェンジ!」
同期の妖精が水の中から飛び上がり、緑の大事な記憶の一つであるあのクリーチャーにバトンが渡される。
「行くよ!《チアスペース アカネ》!出た時の効果で山札の上から2枚を見て、手札、《とこしえの超人(プライマル・ジャイアント)》をマナに振り分けるよ!」
有明 シールド4
「シールドトリガーなし、悲しいのお」
「ターンエンド!」
「ワシのターン。ふむ…。4マナで呪文、《フェアリー・シャワー》。山札の上から2枚を見て、一枚を手札に加え、《「極閃呪文」バリスパーク》をマナに振り分ける。ターンエンドじゃ」
「ねぇ、これ、ビッグマナだよね…」
「うん。早めに決着をつけるのが定石だけど、水自然のデッキじゃ難しいかも」
夕哉とシイノは、嫌に動きが大人しい有明に警戒を強める。
「ふむ、いい読みじゃのぉ。ワシは有明。月の民で2番目に強いとされている。そしてワシの詰め方は、お主を絶望に叩き落とすことじゃ」
「え…?絶望…?」
緑はその嫌な予感をどうにか振り切ろうとする。
「ボクのターン!マナは伸びてる!シネラリアはジャイアントの使用コストを1下げてくれる!とこしえの超人を1マナで、《マーチングドラム ミドリ》を3マナで、《キャディ・ビートル》を2マナで召喚!そしてチアスペースでシールドを攻撃!その時革命チェンジ!《スペースインワン・ヘラクレス》!」
「ジャストダイバーのTブレイカー。シンプルだけど、今の局面ならすごい圧力になる」
「行けー!緑ーー!」
(訳わからないけど、こんなの早く終わらせる!終わらせて、こんな辛いこと…!)
緑の顔を観察していた有明は、これまた涙を流しながら言葉をこぼす。
「そんな心でデュエマをするとは、クリーチャーが悲しみ、力を貸さないことも自然と言えるのお」
「え、なんて言ったの…!?」
有明 シールド1
「シールドトリガー、《旋突するスクリュー・ホーン》、《S・S・S(スクラッパー・スパイラル・スパーク)》。呪文からしか使えないから、SSSから解決じゃな。相手のパワーが一番小さいクリーチャー、キャディ・ビートルを破壊。そしてパワーの一番大きいクリーチャー、スペースインワン・ヘラクレスを手札に。そして全てのクリーチャーをタップする」
「キャディ・ビートルにシネラリアのウルトラセイバーを発動、身代わりに破壊されて、スペースインワンは手札に戻る」
その選択に夕哉は思わず叫ぶ。
「緑!その手は不味い!!」
「え!?」
「その通り。スクリュー・ホーンでパワー1000のキャディ・ビートルと強制バトル、相手のターン中のこのクリーチャーはパワー10000、そしてスクリュー・ホーンがバトルに勝ったため1マナ加速」
「あ……!」
「ワシ対策のクリーチャーを守ろうとするのは悪くないが、いかんせんカードの効果を見誤ったな。早く終わらせたいという後ろ向きな気持ちは、戦っているワシにも伝わってくるぞ」
「……そんな…!ターン、エンド…!」
「ターン終了時、相手がマナゾーンのカードを出さずにクリーチャーを出したため、《流星のガイアッシュ・カイザー》をバトルゾーンに」
「マッハファイターを持つ自然文明に、攻撃されないジャストダイバーは強力な切り返しになる。それを失ったのは…」
「でも、今は緑を信じるしかないよ、俺は元からそのつもりで、このデュエマを任せたんだ」
夕哉とシイノも緑の勝利を祈っていたが、緑が、彼自身だけが、自分の勝利を信じられる状態になかった。
「ワシのターン。ガイアッシュの効果でコストを4下げることで、《哀樹の夜 シンベロム》を6マナで召喚」
老齢の樹木にそのまま命が宿ったような緑色のクリーチャーがその身体を立ち上がらせる。その体躯はほっそりとしながらもどこか凄まじい力強さがあり、そのプレッシャーと、彼から時々聞こえる啜り泣くような声に、緑は気圧されてしまう。
「ガイアッシュカイザーをタップし、シンベロムをハイパーモードに」
シンベロムの体からさらに植物が伸び、体の全体像が見えなくなるほど巨大化する。
「まずはスクリューホーンでとこしえの超人を攻撃、バトルに勝ったので1マナ加速」
「破壊されるよ…!」
「シンベロムでマーチングドラム ミドリを攻撃。その効果でマナゾーンからクリーチャーを1体、コスト制限なしで呼び出させてもらう、《終末の監視者(ラグナロク)ジ・ウォッチ》をバトルゾーンに。バトルはパワー18000のシンベロムが3000のミドリに勝利する、ターンエンド」
「ボクのターン!」
「待て。ジ・ウォッチの能力は、相手がクリーチャーを出すか、呪文を唱えた時、そのターンを強制終了するのだ」
「……強制、終了…!?」
「よく考えてプレイすることだ」
「スペースインワン・ヘラクレスを残せなかったのが、響いてる。やっぱりあそこは焦るべきじゃなかった」
「緑…!頑張れ……!」
「5マナで《チアスペース アカネ》を召喚!1枚を手札に、《ナイター・ファイアフライ》をマナゾーンに!」
「ジウォッチの効果でターンが強制終了じゃな」
「ターンエンド!」
「さて、ここまでやればお主のシールドトリガーも想像がつく。やるべきことは盤面を除去をしながらのフィニッシュ、1体程度のバウンスには簡単にケアする方法がある、ガイアッシュの効果で2体目のジウォッチを、6マナで召喚」
「………」
「1体目のジウォッチをタップし、シンベロムをハイパーモードに。シンベロムの効果でワシのクリーチャーは全てマッハファイターを得ているから、パワー12000のジウォッチで5000のチアスペースアカネを攻撃」
「破壊される…」
緑の目には覇気がなくなっている、まるで時間でも止められたみたいに、緑の動きは止まってしまった。そんな緑に夕哉は声を振り絞る。
「緑!諦めないで!!」
「なんで、なんでこんなにもボクに頼るのさ!ボクはただの無力な人だよ!?」
「そんなことない!緑の強さは俺はよく知ってるつもりだよ!ゴルファンタジスタに育てられて、緑はすごい優しくて強い人になって!」
「ゴルファンタジスタは!もういないじゃん…!」
「ゴルファンタジスタがいないからって何もしないの!?緑はそれでいいの!?」
「ゴルファンタジスタは、ボクの世界の全てだったんだ、それを失ったら、ボクは何も残らない…!」
「訳ないでしょ…!思い出してよ、緑が今までやってきたこと!」
「ふむ、完全に恐怖に飲まれておるな、まずはスクリューホーンでシールドを攻撃」
緑 シールド4
「レディオ・ローゼス…!」
シイノがレディオ・ローゼスに命じ、クリーチャーの緑への攻撃を肩代わりする。
「シールドトリガーなし…。なんで、なんでボクなんかに…!」
「緑だからだよ!例えゴルファンタジスタが君に根ざしていたとしても、俺たちが大事にしたいと思ったのは、大事にしたいと思うような行動をしたのは、他でもない緑なんだから!」
「………」
「シンベロムでシールドをQブレイク!効果でマナゾーンから3体目のジウォッチをバトルゾーンに」
緑 シールド0
「うわぁぁああ!」
「諦めないで、緑!」
「わたしはあなたを、自分の使命とは別に応援したいと思っている、負けないで」
夕哉とシイノの声を後ろに受けて、緑は立ち上がる。
(ボクが、ボクなんかが…!でも、でも!今はゴルファンタジスタがいなくても!今ボクが負けたらこうきさんが悲しむ!くろいくんやしいのさんが悲しむ!ボクが倒れるわけにはいかない!)
その時緑の頭の中に、沢山の記憶が流れ込んでくる。辛い記憶も、大変だった記憶も、楽しかった記憶も。それら全てを受け止めて、彼は前に進んでいく。
「そっか、ボクが欲しいものは、意外と近くにあったんだ。シールドチェック!…シールドトリガー!《蒼神龍 トライクラブ・トライショット》!ナイター・ファイアフライ!」
「ナイター・ファイアフライだけじゃないじゃと!?」
「トライクラブの効果でジウォッチ2体を手札に!ファイアフライの効果でジウォッチを手札に、そしてガイアッシュを攻撃も防御も出来なくする!」
「…ターンエンド、まさか見せていなかったシールドトリガーでジウォッチ3体の盤面を切り返すとはな。しかし悲しみに暮れる時間が延びただけのこと…」
「うぅん、まだ終わってない!ボクのターン!…来て、くれた!《超重龍(ブラックホール・イン・ワン) ゴルファンタジスタ》を7マナで召喚!」
「ファーーーーー!!」
けたたましい叫び声と共に、ゴルフクラブを持ったワニのようなドラゴンが沢山のマシーンを背負って現れる。シンベロムに対しては余りにも小さい身体だが、緑にとってはずっと一緒に戦ってきた頼れる背中である。
「まさか急に緑との繋がりが失われるなんてな、ビビったぜ。段々と記憶も曖昧になっていくしよ。しかしまぁ俺抜きでよくここまで耐え抜いた!」
「待たせてごめんね、ゴルファンタジスタ。ボク達をまた引き離そうとした奴らをやっつけよう!」
「ファーーー!大賛成だ!」
「ゴルファンタジスタの登場時能力!マナゾーンからコスト6以下のジャイアント、ナイター・ファイアフライをバトルゾーンに出して、効果でシンベロムの動きを止めて、ガイアッシュカイザーを手札に戻すよ!」
「ふむ、しかしワシのシールドは1枚、シールドトリガー1枚で逆転できる状況には変わりない」
「まだだよ!ボクのジャイアントが4枚以上いるから、《終(つい)の怒流牙(どるげ) ドルゲユキムラ》をG・0で0マナで召喚酔いをしているファイアフライに進化!」
緑の復活に夕哉は興奮しながら応援を続ける。
「進化クリーチャーは召喚酔いしない!行けるよ緑!」
「さっきでスパーク呪文は踏んでる、分の良い勝負」
「ファイアフライでシールドを攻撃!」
有明 シールド0
「Gストライク、フェアリー・Re:ライフ。トライクラブの動きを止める」
トライクラブに電流が走り彼が膝をつく。しかしドルゲユキムラが懐から刀を取り出し、有明に向き合った。
「ドルゲユキムラで!ダイレクトアタック!!」
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ドルゲユキムラが煙を上げた場所は跡形もなくなっており、そこに老人の形跡は一つもなかった。シイノは悔しそうに唇を噛むが、夕哉はまず緑を抱き抱えにいった。
「緑!おかえり!!」
「ただいま、ゆうや。ゴルファンタジスタのことを忘れる、忘れさせるなんて。凄いのと戦ってたんだね」
「でも、緑は自力で記憶を取り戻してくれた、良かった…」
その時屋上の扉が開き、公輝の肩を借りて火奈もやってきた。
「夕哉!久しぶり!!」
「火奈…!もしかして……!」
「えへへ、頑張ってきたよ!」
夕哉の溜めていた涙が決壊して、ポロポロと涙が流れ出てしまう。この3日間、ハードスケジュールでずっと仲間の無事を祈っていたのだ。無理もないことだった。
「でも、2人とも疲れてるよね…」
「うん、なんかちょっと頭が重いや…」
「公輝さんは記憶がフィードバックする際にダメージが入るって言ってたね。今士穂先輩とのデュエマの記憶が急に出てきて、辛いかも。なんていったら良いんだろ、映画を同時に2つ見せられてるような感覚」
「それは…きついね……」
「2人は僕が安全に家に帰すよ。夕哉くんは…。まだやる事がありそうだね」
夕哉は涙を拭き、決意を新たにそう答える。
「まだ御白の記憶が戻ってません。それをどうにかして、ようやく守り切れたって言えます」
「うん、アカサカヒナ、モリキミドリ。あとはわたし達に任せて」
夕哉とシイノのその言葉に緑は納得がいっていないようだった。
「ねぇ…。ボク達にも何かできる事ないの?ゴルファンタジスタと一緒に戦えなくても、せめて……」
「いや、記憶を取り戻したばかりの人間に無理をさせるわけには…」
シイノのその言葉を遮って、夕哉はパチンと指を鳴らす。
「そうだ、御白の記憶!ここまで皆とその相棒が復活してるなら、あれができるよ!」
そう言って夕哉は御白だけがまだ欠けているデュエマ部のグループラインにメッセージを送る。そのメッセージを見た緑は、嬉しそうに夕哉に告げた。
「うん、これなら今のボク、いや、ゴルファンタジスタでも手伝えるよ。ボク自身が動かなくても、できることはあるんだ」
「ありがとね、夕哉。あたし達にまで気を遣ってくれて」
「大丈夫。御白の記憶のために必要なものだから、助かってるのは俺の方だよ」
『おけ、カクメイジンとDracheに掛け合ってみるわ』
夕哉は2人の言葉と飛水から送られてきたメッセージに笑顔を浮かべて、来る決戦に決意を固める。
「今日はもう遅いから夕哉くんも休んでくれ。そして何より御白さんが次に君たちの手の届くところに出るのは…。明日のマシーンの試遊イベントだね」
「分かりました。そこで真名月と決着をつけます」
(仲間が、たとえ記憶を奪われても集まりつつある。それがどんなに凄いことか。働きかけたユウヤが、どれだけ頑張ったか)
お互いに頷きあう夕哉達を見てシイノも、自分の戦いのために心を新たにする。
「行こう、シイノ!フォックに変装してお肉を買ってきてもらったから、今日は唐揚げパーティーなんだ!明日は絶対に勝つためにね!」
「う、うん」
(違う。わたしも、その中の一人なんだ)
夕哉に引っ張られながら、シイノはそう思うのだった。
緑の!今日のカード紹介!
今日のカードは…《超重竜 ゴルファンタジスタ》!
コスト5以上のジャイアントから革命チェンジできる強力なボクの相棒で、出た時にコスト6以下のジャイアントをマナから出しながら、ジャイアントはブロックされなくなるんだ。終極宣言で手札とマナを倍にして、皆の力でデュエマに勝つんだよ!
次回、『君が、あなたが、くれたもの・前』
ゆうやもみしろも、無事で帰ってきてね。