心を探し求める水瓶座 作:リコレクションでも嬉しい
張り詰めたピアノ線のような空気の中、アクア・レディとジェミニ・スパークが対峙している。双方、敵意を露に隙を見せれば容赦なく攻め入る気を隠そうともしていない。互いを不倶戴天の敵といって憚らないような状態だ。
息が詰まりそうな空気が場を支配する中、口火を切ったのはアクエリアスだった。
『やっと本性を見せましたね、ジェミニ。この時をずっと、待っていましたよ』
『……なるほど。最初から、俺に目を付けていたわけか。ウォーロック狂いのイカれ女だと思っていたが、抜け目のない奴だ』
海辺で邂逅した時からずっと、アクエリアスに疑惑の目を向けられていたことは察していた。だが所詮は愛だの恋だのに現を抜かして故郷を捨てる女の戯言だと捨て置いてしまった。まさかそれが仇となるとはジェミニも思わなかった。
『俺の背信を疑い、虎視眈々と決定的瞬間を狙っていたようだな。お前の独断か? それともあの愚鈍な王の差し金か? まあいい。どちらにせよ、やることは変わらない』
無言のまま立つアクア・レディにジェミニ・スパークは構えを取る。眩い電撃を纏った指先は宣戦布告のように真っ直ぐアクア・レディへと向けられていた。
『お前を始末して、鍵を奪い返してしまえば全ては闇の中だ。悪く思うなよ、アクエリアス』
そう言ってジェミニは悪辣に笑う。何もかもが自分の思い通りになって当然と考えている態度だった。
対峙するアクエリアスはしばし無言のまま耳を傾けていた。しかしジェミニの言葉を最後まで聞き届けると、何がおかしいのかくすくすと笑い声を上げ始めた。
『ふ、ふふふっ、見当違いも甚だしいこと。まるで私が貴方の手からFM星を守ろうとしているような言い草ですね』
『……なに?』
不穏なアクエリアスの態度にジェミニが怪訝に眉を顰める。FM星を守るためでないのなら、何故にジェミニの裏切りを暴こうとしたのか。全くもって理解不能だった。
疑念に塗れた眼差しを向けるジェミニに対して、アクエリアスはくつくつと笑いながらその真意を語り始める。
『私が、FM星を守る? FM王の差し金? ……あり得ない』
馬鹿にし腐ったような笑み混じりの声に、酷く冷え切った色が滲む。背筋が凍り付きそうな声音にジェミニ・スパークは驚いたように硬直した。
『私の目的はただ一つ。厄災の化身たるアンドロメダをもってして、
『は──?』
唐突に明かされた到底理解し難いアクエリアスの目的を聞いて、ジェミニは敵前であることも忘れて間抜けな声を上げた。隣に並ぶホワイトことツカサも、突然の故郷を滅ぼす宣言に言葉を失った。
『何を、言っているんだ? 気でも狂ったか?』
『いいえ、至って正気です』
『FM星を滅ぼすだと? 何処の世界に自分の生まれた星を滅ぼす馬鹿がいる?』
ジェミニのように自らが支配者となるならまだ分かる。支配欲、あるいは征服欲というものは誰しもが持つ欲求の一つだからだ。無論、限度はあるが。
しかし滅ぼすというのは文字通り何も残らない、虚無以外の何ものでもない。得るものなんて一つもないのだ。
にも拘らず、アクエリアスはFM星を滅ぼすと宣言した。狂人の言動としか思えない。
狂人を見るようなジェミニ・スパークの目付きに対して、アクエリアスは小馬鹿にするようにせせら笑う。
『前提条件から間違っているのですよ。私の故郷は後にも先にもただ一つ──』
アクエリアスが本当の故郷の名を明かす。たったそれだけで、ジェミニはアクエリアスの真意とこの後の展開を察した。
『お前は最初から、機会を窺っていたのか……!?』
『ずっと待ち続けていたんですよ。アンドロメダの鍵をこの手に収める、この時を。そして──』
アクエリアスの言葉に合わせてアクア・レディがアンドロメダの鍵を掲げる。莫大な負のエネルギーを秘めた鍵はアクア・レディの意思を汲み取り、兵器たるアンドロメダを呼び寄せた。
地球への破壊活動を命じられていたアンドロメダがアクア・レディの背後に控える。星すらも滅ぼす災厄の兵器を従えたアクア・レディは、対峙するジェミニ・スパークを変わらない無表情で見下ろした。
『無知蒙昧の王を影から操り、罪なき星々を滅ぼしてきた裏切り者に裁きを下す、この瞬間を──!』
それは煮え滾るような憤怒と憎悪だった。今までのウォーロックに執着する女としての顔は消え去り、声音に滲むのは復讐の怨嗟のみ。その激情が向けられているのは、ジェミニただ一人だ。
『安心してください。貴方一人を滅ぼすためにアンドロメダを利用するまでもありません。私達の手で、データの一片も残らないよう念入りに消してあげます』
『……舐められたものだな。お前が俺達に敵うと、本気で思っているのか。その思い上がりを、後悔させてやろう』
ジェミニはFM星において雷神と謳われる程の実力者。対してアクエリアスは戦士としての格は数段劣る──そう、思われている。
その違和感に気づいたのはツカサだった。地球人であり、アクエリアスが戦士として戦う姿を一切知らないからこそ、その違和感に気付いた。
「ジェミニ。アクエリアスは、今までどんな風に戦ってきたの?」
『急にどうした? どんなも何も、水を操って立ち回る小賢しい戦い方を──』
はっ、とジェミニは目を見開きアクア・レディを見やる。その反応に、漸く気付いたのかとアクエリアスは笑みを零し──肩に担がれた水瓶から大量の水が溢れ出し、アクア・レディを守るように漂い始めた。
大量の水を羽衣のように纏うアクア・レディ。その姿は何処か神秘的で、天より降り立った仙女か、海を自在に泳ぐ人魚のようでもあった。
『まさか、今までずっと手を抜いていたのか、アクエリアス!?』
『手を抜いていただなんて、人聞きの悪い。私が手を貸さなくとも戦える程にシオナが強かった、ただそれだけのこと。そうでしょう、シオナ?』
「…………」
問い掛けにシオナは無言のまま、しかし小さく頷くことでアクエリアスの言葉を肯定した。
アクエリアスの力を、アクア・レディの実力を隠していたのはFM星人達に本当の実力を誤認させるためであったが、事実としてシオナの力だけでもさして問題なく戦うことができてしまった。それは前世から持ってきたゲームの知識、経験値のお陰だ。
FM星人達の行動パターン、バトルカードの種類と効果と最適な組み合わせ、バトルにおける立ち回り。それらの知識と経験を持ち合わせたシオナは、電波変換する相手としてこれ以上にない逸材だった。
『さあ、始めましょうか。口封じをするのでしょう? 鍵を奪い返すのでしょう? 試してみるといい──できるものなら』
「……バトルカード、スイゲツザン」
障壁のように渦巻く水のヴェールに守られながら、アクア・レディはその手に水属性のソードを構える。アクエリアスがその実力を惜しみなく発揮しているためか、その手に携えたソードは激流を落とし込んだかのように爛々と輝いていた。
『ちっ、やるぞツカサ。実力を隠していたとしても、向こうは手負いだ。負けるはずがない』
「そうだね……」
ジェミニの呼び掛けにツカサは応えながら、その視線は真っ直ぐヴェールに隠されたアクア・レディの瞳を見据えていた。
「助けを求めているのはどっちなんだろうね──海鳴さん」
「…………っ」
皮肉混じりの言葉に、ヴェールに覆われたアクア・レディの瞳が微かに揺らいだ。しかしそれも一瞬だけのこと。瞬きの後には変わらない無表情に戻っていた。
アクア・レディとジェミニ・スパーク。地球ではない、FM星の行く末を左右する戦いの幕が切って落とされた。
◆
見境なく暴れる実体化した電波ウイルスによって大混乱に陥った街の中。建物が崩れ落ち、人々が必死に逃げ惑う、紛争地帯のような光景がそこかしこで展開されていた。
地獄のような状況の中、例によっていつもの三人組が実体化した電波ウイルスに追いかけられていた。ルナとゴン太とキザマロの三人だ。休日に出掛けていたところ、FM星人達の侵略行動に巻き込まれてしまったのだ。
「いやー!? もう、なんなのよあれは!?」
「訳分かんねーよ、委員長!」
「ひえー!? 誰でもいいから助けてくださいぃぃ!?」
普段は目に見えない電波ウイルスの大群に迫られる恐怖は凄まじいもの。逃走以外に対抗手段がないのも相まって、ルナ達が味わっている恐怖は筆舌に尽くし難いものだった。
それでも周囲の一般市民達よりも若干余裕があるように見えるのは、この手の騒動に巻き込まれ慣れてしまっているからなのか。
脇目も振らず逃げ回っていたルナ達だが、何事にも限界はある。三人とも子供で大人とは体力の限界に大きく差があるのだ。いつまでも走り続けられる訳ではない。
「きゃあ!?」
「委員長!」
「止まったらダメですよぉ!?」
疲労から足を縺れさせてしまったルナが倒れ込む。慌ててゴン太とキザマロが助けようとするが、何処からともなく湧いて出た電波ウイルス達に遮られてしまう。
あっという間に電波ウイルスの大群に囲まれてしまうルナ。絶体絶命な状況にルナは顔を青くする。
「だ、誰か……」
ゴン太とキザマロでは電波ウイルスを倒せない。サテラポリスは手が足りず、頼みのロックマンはFM星人達と戦っている。助けは、間に合わない。
怯えるルナに電波ウイルスの大群は容赦なく攻撃を仕掛ける。生身の子供が受ければひとたまりもない破壊の嵐に、ルナは身を守る術もなく恐怖に蹲った。
「助けて……!」
震える声が響いて──頭上から降り注いだ瀑布がルナを呑み込んだ。
ルナを呑み込んだ洪水の如き激流は巨大な龍のように荒れ狂い、取り囲んでいた電波ウイルスの大群を一瞬で蹴散らす。序でとばかりにゴン太とキザマロの行手を阻んでいたウイルス達も消し飛ばされた。
敵性電波ウイルスを粗方一掃すると激流は静かに空中で停滞し、一拍の間を置いて内側から弾けた。そして現れたのは唖然とした表情のルナと、ルナを横抱きに抱えるアクア・レディだった。
ふわりと地上に舞い降りたアクア・レディは、体格の差で若干不恰好な体勢で横抱きにしているルナを見下ろした。
「怪我は、ない……?」
「え、ええ……ありがとう、アクア・レディだったかしら?」
「ん……無事でよかった」
ヴェールに隠された表情に変化は殆どないながらも、アクア・レディはルナに大事がなくてよかったと微かに目元を細めた。
その表情の変化と、至近で見つめた顔立ちにルナは強烈な既視感を覚える。幽霊遊園地で会ったことがあるからではない、それ以外の何処かで見たことがあるような気がしてならなかった。
既視感の正体を探ろうと穴が開きそうなくらい見つめていると、不意にアクア・レディが表情を険しくした。
「バリア200……」
『「──ジェミニ・サンダー!!」』
「え、ちょっ──」
アクア・レディがバリアを張った直後、眩い雷光が周囲一体を白く染め上げた。突然の落雷に見舞われたルナは身を強張らせ、思わずアクア・レディにしがみつく。その時、意図せずしてアクア・レディの顔をヴェールの下から覗き込むことになった。
真昼の落雷が収まり静寂が戻る。一撃で剥がれたバリアは気にせず、アクア・レディは険しい目付きで頭上を振り仰いだ。崩れかけの建物の上には、雷を落としたジェミニ・スパークが忌々しげな表情を浮かべて立っていた。
『ちっ、仕留め損なったか』
「……同じ手は、食わない」
ウルフ・フォレストとの戦いでジェミニ・スパークに不覚を取ったことをアクア・レディは忘れていない。ルナを助けつつも、虎視眈々と隙を窺っていたジェミニ・スパークをずっと警戒していたのだ。
警戒と軽蔑の眼差しを受けてもジェミニ・スパークは全くもって悪びれた素振りもない。非力な女子供を巻き込み利用することになんの抵抗もないのだろう。
『まあいい、先を急ぐぞ』
「そうだね」
忌々しげに眼下のアクア・レディを睨んだ後、ジェミニ・スパークはその場から離れていく。敵を前にして逃亡するような真似にアクア・レディは苛立たしげに眉を顰めた。
サテライト管理局であれだけ盛大に啖呵を切っておきながら、アクア・レディの真の実力が高いことを察するやジェミニ・スパークは背を向けた。
逃亡かと呆気に取られたが、その狙いは違う。無関係の市民や暴れる電波ウイルスを巻き込み、自分に有利な状況を作ろうとしているのだ。
『あの先は……なるほど、ジェミニ・スパークの狙いが読めました』
「狙い……?」
『ええ。この先で戦っているFM星人達に私達を擦り付けようという魂胆でしょう。雷神の名が聞いて呆れる』
ジェミニ・スパークが移動している方角ではロックマン達とFM星人達が鎬を削り合っている。そこへアクア・レディを誘導し、乱戦に持ち込もうとしているのだ。
向こうの思惑に乗ってやる義理もないが、しかし無視すればロックマンとハープ・ノートが窮地に追い込まれかねない。アクア・レディが嫌がることをしっかりと把握しているあたりが本当に嫌らしい。
腹は立つが無視する訳にもいかない。それに、他のFM星人達を巻き込もうというのなら、アクア・レディも奪い取った切り札を切るまで。アンドロメダの鍵は今、アクア・レディの掌中に変わらずあるのだから。
ジェミニ・スパークの後を追うためにアクア・レディは抱えたルナを下ろそうとする。しかし手を離そうとしてもルナは離れようとせず、むしろ両腕を首に回して密着してきた。
今までにないルナとの急接近にアクア・レディは落ち着きなく目を点にしつつ、その行動を電波ウイルスに襲われたことから発する怯えだと判断して優しく声を掛ける。
「ウイルスは倒したから、もう大丈夫……」
ルナ達を追いかけ回していた電波ウイルスは既に一掃済み。この近辺で暴れていた電波ウイルスも、アクエリアスが水を操って蹴散らしている。この場で大人しくしていれば、危険に巻き込まれることも早々ないはずだ。
しかしルナは首に回した腕を解こうともせず、更に顔を近付ける。あまりの近さにアクア・レディがドギマギしていると、怒りと心配を押し込めたような眼差しでルナが口を開いた。
「……今まで何処に行っていたのよ、海鳴さん」
「…………ぇ?」
突然と名前を呼ばれて頭が真っ白になるアクア・レディ、もといシオナ。身構えていない時の身バレに弱いことはスバルの時に身をもって学んでいたが、それでも慣れるものではない。
「……ひ、人違い」
あからさまに動揺しながらもシオナは惚けようとする。しかしその態度は散々心配を掛けた友人に対して選んでいいものではなかった。現にルナは目尻を吊り上げて反論した。
「この白金ルナが、こんな間近で二度も友達の顔を見ておいて気付かないはずがないでしょう! ……ん、二度?」
感情のままに叫んだルナは、自分の発言に首を傾げた。記憶が確かなら、アクア・レディにここまで接近したのは今日が初めてのはず。にも拘わらず、何故二度目と口にしたのか。自分自身でもよく理解できていないようだった。
答えは単純で、オヒュカスと電波変換していた時に無理矢理ヴェールを引っ剥がしてその顔を見ていたからなのだが、操られていた影響でそのあたりの記憶を殆ど覚えていないためにこんな素っ頓狂な状況になっている。
とはいえオヒュカス・クイーンとして暴れていた時の記憶を思い出せなくとも問題はない。今この場において重要なのは、アクア・レディの正体が海鳴シオナであり、行方を晦ましていた友達が無事な様子で此処にいることなのだから。
「と、ともかく。色々と、ロックマン様との関係とか、色々と聞きたいことはあるけど! みんなすごく心配したのよ。ねえ?」
「そ、れは……」
怒りと心配を綯交ぜにした目で問い掛けられ、シオナは答えに窮する。迂闊なことを口にしてルナを危険な目に遭わせたくないという思いと、もう戻るつもりがないことを悟られたくないがために言葉に詰まってしまった。
口籠るシオナにルナは言葉を重ねる。
「私達がどれだけ心配したか分かる? 星河君なんてもう目も当てられないような腑抜けっぷりで、何度引っ叩いてあげようかと思ったことか。海鳴さん、聞いてる?」
「あぅ……あ、アクエリアス……」
ルナからのお叱りにシオナは思わずアクエリアスに助けを求める。しかし水を向けられたアクエリアスは沈黙。自分で考えて答えなさいとばかりに、静かに見守っていた。
前世ならいざ知らず、今世において他人から本気で叱られる経験が殆どなかったシオナ。両親は言わずもがな、スバルとあかねも心配はしても怒ったり叱るようなことはなかったからだ。
だから、友達の身を本気で案じて叱るルナに返す言葉が見つからなかった。
しかしいつまでも此処で足止めを食らう訳にもいかない。シオナは断腸の思いでルナを振り切る決断をした。
「──ごめん、なさい」
「え? ちょっと、まっ──きゃあ!?」
突然の謝罪に驚いた直後、ルナはお尻から地面に落下した。シオナが周波数をずらしてルナの身体を擦り抜けさせたのだ。
ルナの腕から流れたシオナことアクア・レディは遅れを取り戻すべく、或いはルナから逃げるために振り返ることなく猛スピードで離れていく。お尻を強かに打ち付けたルナは痛みに呻きながらも、遠ざかっていく青い背中をキッと睨み付けていた。
「委員長、無事だったか!?」
「怪我はありませんかぁ!?」
「うぐぐっ、ゴン太、キザマロ! 海鳴さんを追い掛けるわよ!?」
「海鳴ぃ? 海鳴なんて何処にもいないぞ、委員長?」
「え、もしかしてさっきの人のことです? ロックマンじゃないのは分かりましたけど……」
ゴン太とキザマロはそもそもアクア・レディとの面識がない。だから自分達を助けてくれた少女と、行方不明となっているシオナがすぐには結び付かなかった。
戸惑う二人に焦れったいとばかりにルナは声を張り上げる。
「いいから、あの人騒がせな子を追い掛けるのよ!」
「でもよぉ、委員長……」
「またさっきみたいなの襲われたら、危ないですよ。安全なところに避難した方が……」
ルナ達はほんの少し前まで電波ウイルスの大群に追われていたのだ。アクア・レディが周囲一帯の電波ウイルスを一掃したおかげでここいら一帯は安全になったが、迂闊に動き回ればまた襲われる可能性も十二分にある。
ゴン太とキザマロとしてはこの場でサテラポリスを待つか、安全な場所に避難したいのが本音だった。
しかしルナは弱気になっているゴン太とキザマロを強く睨むと一喝する。
「友達が危ないことに首を突っ込んでるのに黙ってなんかいられないでしょう!? ……ああ、もう。そんなに嫌ならあなた達は先に避難してなさいよ、もう!」
「ま、待ってくれよ! 委員長一人だけには行かせられねぇよ!」
「ううう! 分かりました、ボクも行きますよぉ! 助けていただいたお礼も言えていませんし……」
一人でも突っ込んでいこうとするルナに、ゴン太とキザマロもすぐに覚悟を決めた。クラスの委員長で友達と慕うルナを一人危険な目に遭わせるほど、二人は落ちぶれていない。
意思が固まったところでルナはゴン太とキザマロを引き連れてアクア・レディの後を追い始める。その脳裏には、謝罪の言葉を口にした時のシオナの顔が浮かんでいた。
「泣きそうな顔しながら謝られたら、放っておけるわけないじゃない……」
ゴン太とキザマロには聞こえないくらいの声量で、ルナは小さく呟いた。
はい、アクエリアスの故郷に関しては流星シリーズをプレイ済みの方であれば分かるでしょう。もう答え言ってるようなものですが、次の話でちゃんと明言されますので、テキトーにぼかしておきますね笑