心を探し求める水瓶座 作:リコレクションでも嬉しい
アンドロメダの無慈悲な翼がルナを潰さんと伸びる。電波変換した状態のハープ・ノートですら数秒と耐えられずに絶叫する程の圧力を生身で受ければどうなるかは語るまでもない。
誰もが避けられない最悪の結末に絶望し、ルナは恐怖と訪れるだろう痛みに瞼を固く閉ざして身を強張らせた。
真っ暗闇に閉ざされた視界の中、ルナの傍らを何かが駆け抜ける。次いでゴン太とキザマロの驚いたような声が響き、ルナは思わず閉ざしていた瞼を上げた。そして目の前で巨大な翼を細い両腕で押し返そうとする青い背中に目を見開いた。
「星……ロックマン様!」
中身を知ってなお変わらないヒーローの背中にルナは歓喜と安堵の涙を零し、その無事と復活に喜び飛び跳ねる。その声援が背中を押したのか、ロックマンは上から圧し潰そうとする圧力に負けじと一歩を踏み出した。
「うぉおおおおおおおお!!」
気合の叫びと共にロックマンが怪物の翼を押し退けた。
勢いよく翼を押し返された怪物が引き摺られるように体勢を崩す。その隙を逃さずロックマンはすかさずロックバスターを構える。狙いはハープ・ノートを捕らえて離さないもう一方の翼だ。
フルチャージのロックバスターが翼を直撃する。畳み掛ける攻撃に怯んだ翼の拘束が緩み、ハープ・ノートの肢体が宙に放り投げられる。そのまま地面に落下するかと思われた寸前、滑り込んだロックマンが間一髪で受け止めた。
ハープ・ノートを抱えて一度距離を取る。翼に握り潰されかけたダメージが大きいのか、ハープ・ノートは自力で立ち上がる気力もないらしい。申し訳なさそうな表情でロックマンを見上げていた。
「よかった、ロックマン。無事だったんだね……」
「うん、心配かけてごめん。動けそう?」
「……ごめんなさい。ちょっと、無理かも」
「分かった。後は任せて、君は休んでて」
「うん……シオナをお願い」
最後にシオナを託し、ハープ・ノートは完全に意識を手放す。すると間も無く電波変換が解除され、意識を失ったミソラが姿を現した。
「ごめん、委員長。彼女を任せてもいい?」
「え? は、え? ミソラちゃん? ミソラちゃんなんで!?」
突如として現れた国民的アーティストに目をひん剥いて驚いていたところに、まるで気にした素振りもなくその身柄を預けられてはルナも驚愕を通り越して混乱する。
「説明は全部終わってからするよ。今はゴン太とキザマロと一緒に下がってて。ボクはシオナを助けてくるから」
「──分かったわよ。海鳴さんも含めて後でちゃんと話を聞かせてもらうから、覚悟しておきなさいよロックマン様!」
シオナを助ける。その一言にルナは自身の疑問や混乱も全てを飲み込み、不器用ながらも激励の想いを叫んだ。その想いにロックマンは力強く頷きを返した。
ミソラを抱えてルナが後ろに下がる。ゴン太とキザマロも混乱はしているが、ルナが上手く取りなして安全地帯まで下がってくれるだろう。これで心置きなく、全力で戦いに臨むことができる。
ロックマンは改めて目の前の怪物と対峙する。怪物は倒した筈の敵の復活とその脅威に警戒を強めているのか、無機質な瞳をロックマンへと注いでいる。そこに本来在るべき温かみは欠片も感じられない。
しかし先のルナの言葉で微かに動揺したように、心を完全に失ってしまっている訳ではない。アンドロメダによる支配が緩めば、シオナの心を取り戻すことは十分にできる筈だ。
そのためにも、ロックマンは一度敗北した相手に今度こそ勝利しなければならない。
「ウォーロック、準備はいい?」
『いいが、本気なんだな?』
普段は無鉄砲な面があるウォーロックが珍しく慎重な姿勢を見せる。スバルがやろうとしていることが、それだけ無茶を通り越して無謀なことなのだ。
ウォーロックの問い掛けにスバルは一瞬の躊躇いもなく頷く。無茶も無謀も上等。無理を通して道理を引っ込めなければ勝てないような相手なのだ。限界なんていくらでも超えてみせる。
「ボク達ならできる。そうだよね、ウォーロック?」
『へっ、タリメーだ! やってやろうじゃねぇか!』
スバルの信頼にウォーロックもまた迷いを捨て去った。
ロックマンが高々と腕を掲げる。その手には
サテライトの管理者たるAM三賢者より授けられたスターフォース。そのカードを同時に二枚、ロックマンは読み込んだ。
一際眩い光がロックマンを包み込む。一つでも絶大な力を齎すスターフォースを二枚も同時に読み込めばどうなるか。それはロックマンも、力を授けた三賢者にも──転生者である海鳴シオナすらも分からない未知の領域だ。
夜空を切り裂く流星のような輝きを振り払ってロックマンが姿を現す。トレードマークとも言える青いフォルムは、蒼氷の天翼と炎獅子の鬣を携えた雄々しいフォルムへと様変わりしていた。
「スターブレイク──ダブルクロス! ブレイジングペガサス!!」
ペガサス・マジックとレオ・キングダム。スターフォースを授けた三賢者ですら想像だにしなかった前人未踏の強化形態。幼馴染を救うため、地球を守るため、ロックマンは掟破りの限界突破を果たした。
「すごい……スターフォース一つの時とは比べ物にならないくらい、力が湧いてくる」
『ああ。だが、こいつは長く保たねぇぞ』
「うん、分かってる」
ここまで積み重なってきたダメージと疲労に加えて、後先を考えない掟破りのスターフォースの重ね掛け。スバルとウォーロックに伸し掛かる負担は通常のスターフォースとは比べ物にならないものになっている。
『ソッコーで決めるぞスバル!』
「分かった!」
短期決戦を目指して構えるロックマン。相対する怪物は見たこともないロックマンの姿と力に動揺し、その瞳を僅かに揺らしていた。
しかし動揺は束の間。障害になるのであれば何であろうと排除する方針に変わりはなく、怪物はその巨大で歪な翼を広げた。
「──ウェーブバトル、ライド・オン!」
二つの星の力を宿した少年と災厄の兵器に囚われた少女の、星の行末を決める決戦が幕を開けた。
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「バトルカード、プレデーション──インビジブル!」
戦端が開かれるや否やロックマンはバトルカードを読み込む。直後に容赦なく降り注いだミサイルと隕石がロックマンを飲み込んだ。
「バトルカード、プレデーション──フリーズナックル!」
周辺一帯を更地にする勢いで降り注ぐ爆撃の中を突っ切りながら、左手を凍てつく拳に変えてロックマンは振り被る。一秒でも無駄にできない以上、最短ルートでなおかつ最速。地上を疾る流星となって、ロックマンは怪物の間合いに踏み込んだ。
「やあああっ!!」
心を封じられたシオナの傍らを駆け抜け、ロックマンは振り被ったフリーズナックルをアンドロメダの本体たる翼へと叩き付けた。
歪な片翼が一瞬で凍り付き、殴られた衝撃に怪物が蹌踉ける。力を増したロックマンの一撃は怪物にとっても無視できるダメージではなかったようで、無事なもう一方の翼がその砲口を向ける。
チャージは一瞬。威力を極限まで絞りつつ速度に重きを置いたレーザーが放たれる。しかしレーザーは虚空を穿つだけでロックマンは既にその場から離脱していた。
翼を覆う蒼氷を力尽くで砕き、怪物は駆け回るロックマンを捉えようと動く。しかし足を止めることなく、流星のように疾走するロックマンを捕捉することは至難の業だ。
速度に翻弄されて攻撃もままならない怪物。一方のロックマンは狙いを絞らせないように立ち回りながら、隙が少ないバトルカードで確実に翼を攻撃し、ダメージを蓄積させていく。
余りにも一方的な戦況だ。それもこれも全て、スターフォースを同時に二つ行使しているから──だけではない。
「やっぱりだ……」
『ああ。アンドロメダに取り込まれたせいで動きがのろくなってやがる!』
アンドロメダに取り込まれたシオナは心を囚われ、星を滅ぼす電波兵器の力を宿す怪物に成り果てた。その秘めたる力は咆哮一つで地球の電波環境をズタズタに引き裂くほどの代物で、砲撃に至っては衛星砲と遜色ない。
しかし代償としてアクア・レディの時の強みであった柔軟な動きや水流を纏った高速機動を失った。背中に浮かぶアンドロメダの翼が機敏な動きの阻害をしているのだ。
状況に応じたバトルカードの選択とコンボ。変幻自在の水流を操った攻防一体の立ち回り。隙なくシンプルな強さが売りだったアクア・レディと比べると、怪物の動きは余りにもお粗末が過ぎた。
ダブルクロスという前提はあれど、厄介さで言えば手札を全て解禁したアクア・レディに劣る。であれば、ロックマンが負けるようなことなどあり得ない。ただ順当に、着実にアンドロメダの本体たる翼にダメージを与え続けるだけだ。
積み重なるダメージに怪物は動きの精彩を欠いていく。心を封じ込められている筈なのに、核であるシオナの表情は焦燥と苦悶に満ちている。
星をも滅ぼす性能を誇る兵器の力が押されている。理解し難い現実に怪物──アンドロメダは無慈悲な兵器でありながら混乱していた。その混乱はシオナの心を縛める鎖にも影響を及ぼす。
『ア、アァ……クライ、サムイ、ツメタイ、……ヒトリハ、イヤ……ァァ……』
「──っ、シオナ!」
蚊の鳴くようなか細い呟きを、激しい戦闘中であってもスバルは聞き逃さなかった。
怪物が寒さに震えるように自らの両腕で身体を掻き抱く。見開かれた無機質な瞳は激しく揺れ動き、ぽつぽつと涙が溢れ出る。深い海の底へと沈められていた心が水面へと浮上しようとしていた。
「もう、少し──!」
『──止まれスバル! 防御しろッ!!』
翼への攻撃を敢行しようとしたスバルをウォーロックが全力で制する。震えながら嗚咽を零す唇が大きく息を吸い込んで咆哮の体勢に入ったことを察したからだ。
怪物の咆哮は地球の電波環境に大打撃を与える超範囲攻撃。回避不可能の電波衝撃が四方八方を蹂躙する。まともに受けようものなら一撃で戦闘不能に追い込まれかねない。
ウォーロックの警告に対してスバルは防御ではなく突撃を敢行する。バリアが間に合わないと判断したのもそうだが、電波世界に甚大な影響を齎す咆哮を二度も撃たせる訳にはいかないと考えたからだ。
口を物理的に塞いででも止めようとするロックマン。その行手を二枚の歪な翼が塞ぐ。咆哮の邪魔をさせまいとアンドロメダが妨害に走ったのだ。
翼の壁を迂回する暇も、バトルカードを読み込んでいる時間もない。ならばとロックマンは溢れ出るエネルギーを右手に集中させ、躊躇うことなく行手を阻む翼へと踏み込んだ。
「──邪魔を、するなああああああ!!」
気合いの叫びと共に振るわれた渾身の右アッパーは、驚くべきことに巨大な翼を撥ね飛ばすような勢いでかち上げた。ダブルクロスによる溢れ出るエネルギーがあったからこそできた滅茶苦茶な芸当である。
しかし殴り飛ばせた翼は一枚が限界。依然として怪物とロックマンを隔てる翼は残っており、咆哮を阻止することはもはや叶わない。
限界まで息を吸い込み、怪物が口を開く。電波世界を揺るがす咆哮が再び放たれる──寸前、何処からともなく湧き出た水が怪物の口を塞いだ。
口を大きく開いたところに飛び込んできた水流に怪物は驚愕し、反射的に口元へと手を伸ばす。口を塞ぐ水を取り払おうとするが、液体である水を掴むことは叶わず地上で溺れるようにもがくだけに終わった。
それだけでは終わらない。両肩に載せられた二つの水瓶から大量の水流が吐き出され、瞬く間に怪物を水球の中に閉じ込めてしまう。抵抗する間も無く、怪物は強固な水の牢獄に封じ込められてしまうのだった。
「これって……」
『──アンドロメダの支配が緩んだ隙を突き、干渉しました』
頭に直接響くアクエリアスの声に驚くスバル。しかしアクエリアスは構わず言葉を続ける。
『シオナの身体は私が全霊をもって守り抜きます。ロックマン、アンドロメダの対処を……!』
「──分かった!」
アクエリアスがシオナを全力で守るというのなら遠慮は要らない。幼馴染を捕らえて離さないアンドロメダに引導を渡すべく、ロックマンは切り札たる
距離を取り左手の砲口にエネルギーを溜め始めるロックマン。収束するは氷と炎。砲口に集中するエネルギー量はアトミックブレイザーを優に上回り、ろくに感情などないはずのアンドロメダをも戦慄させた。
アンドロメダであってもまともに受ければ戦闘不可能に陥るだろう砲撃。シオナが拘束されてしまっている以上、回避はできず迎え撃つ選択肢しか残されてはいなかった。
即座にアンドロメダは対抗するべく翼の砲口にエネルギーを収束し始めるが、アクエリアスの妨害によって水瓶は使用不可。砲門を二つに減らした状態での砲撃戦を強いられることになった。
両者、十分にエネルギーをチャージ。これが最後の激突になると互いに察しながら、持てる力の全てを注ぎ込んでこの勝負に臨む。
解放は一瞬。相反する氷と炎の砲撃、空間を歪める破滅の光線。解き放たれた砲撃はあらゆる障害を消し飛ばし、そして──
「──アイシクルブレイザー!!」
『──ディザスターノヴァ……!』
──激突の衝撃が、電波世界を超えて現実世界をも震撼させた。
氷炎の砲撃と光の奔流は激しく押し合い、鬩ぎ合う。規格外の砲撃と衝突は周囲一帯を消し飛ばし、現実世界の地面や建物を容赦なく粉砕していった。
ロックマンとアンドロメダ。二度目の砲撃戦を制したのは二つの星の力を宿したロックマンだった。
ダブルクロスの強化を得た
砲撃の拮抗が崩れ、アンドロメダの翼を氷と炎の奔流が呑み込む。幾つもの星を滅ぼしてきた電波兵器といえど無敵ではなく、積み重ねてきたダメージに砲撃が止めの一撃となった。
獣の断末魔が響く。悶え苦しむように翼が歪み狂い、取り込んでいたシオナを戒める呪縛が解けていく。
そして──
▼
ふと気が付くと、スバルは光のない深海のような暗闇の中にいた。
大吾と再会した時のような星々に囲まれた宇宙ではない。光源の一つも温かみの欠片もない孤独な暗闇。一人でこんな場所に居たら遠からず気が狂ってしまいそうな空間だった。
そんな空間に聞き覚えのある少女の嗚咽が木霊していた。膝を抱えて泣き続けている海鳴シオナがそこにいた。
幼馴染が声を上げて涙を零している。スバルはすかさず駆け寄り、震える肩に手を添えようとして気付く。その唇が延々と零し続けている謝罪の言葉に。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。幸せを奪ってごめんなさい。普通じゃなくてごめんなさい。助けられなくてごめんなさい。変えられなくてごめんなさい。余計なことしてごめんなさい。傷付けてごめんなさい。我儘言ってごめんなさい──」
「シオナ……」
幼馴染の見たこともない弱り切った姿にスバルは掛ける言葉を失い立ち尽くしてしまう。
口数少なく感情表現に乏しいシオナが心の弱い部分を剥き出しにして泣いている。今までは上手く取り繕い隠してきたのだろうが、幼馴染として側にいながら今の今まで気付いてあげられなかったことが不甲斐なくて堪らなかった。
不甲斐ない自分自身への怒りに拳を握り締めて、しかしすぐにその手を解きシオナの前に膝を突いた。そして顔を上げることなく延々と涙を零し続けるシオナに呼び掛ける。
「こっちを向いて、シオナ」
「…………」
スバルの呼び掛けにシオナは謝罪の言葉を止め、腕に押し付けていた顔をのろのろと上げる。どれだけの時間泣き続けていたのか、顔は泣き腫れていて顔色も酷いものだった。
今にも壊れてしまいそうな有様のシオナにスバルは優しく語り掛ける。
「帰ろう、シオナ。みんなが待ってるよ」
「……帰る場所なんて、ない」
「あるよ。委員長が言ってたじゃないか。シオナの帰る場所はちゃんとある」
「……私なんて、居ない方がいい」
「そんなことない。
「……で、でも。私は──」
瞳をふらふらと泳がせて必死に自分を否定する言葉を探す。そんなシオナの手をスバルは優しく取った。
「──ありがとう、シオナ。ずっと守っていてくれたんだよね?」
「それは……」
「父さんを助けようとしてくれて、ありがとう。母さんを励ましてくれて、ありがとう。落ち込んでいたボクを支えてくれて、ありがとう」
シオナが自分を否定するのなら、それを上書きしてしまえばいいと言わんばかりにスバルは畳み掛ける。その言葉は全て本音で事実だからこそ、シオナもろくに否定できず何も言えなくなってしまう。
真摯な言葉と真っ直ぐな瞳を向けられて、シオナは視線を落ち着きなく彷徨わせる。常日頃の大人しく落ち着き払った態度とは違う、年相応の子供らしい反応にスバルは思わず笑みを零した。
迷い躊躇い苦悩するシオナの手をスバルはしっかりと握り締め、言葉を紡ぐ。
「これまではシオナに沢山助けられてきた。だからこれからはボクが助ける番だ。シオナがちゃんと自分を認めてあげられるようになるまで、ボクが側にいるよ」
「……いい、の?」
「いいんだよ。シオナの帰るべき場所はちゃんとある。誰にも否定なんてさせない。シオナにだってね?」
恐る恐る問うてくるシオナにスバルは迷いなく断言する。疑問を差し挟む余地もない力強い宣言だった。
「…………」
ずっと誰かに認めてもらいたかった。ずっと誰かに愛してもらいたかった。
認めてもらうには、愛してもらうにはまず自分から。転生者でありながら無垢な心を持つ少女は、子供なりに一生懸命頑張ってきた。
家族には愛されず、望んだ未来を掴むことは叶わず。絶望の果てに、歪めてしまった未来を壊してしまおうとした。
「……たい」
不純物である自分を否定することにだけ腐心して、誰にも理解されることのない孤独に膝を抱え、際限ない自責の念に謝罪の言葉を繰り返していた。でも心の底には捨て切れない本音が沈んでいる。
「かえり……たい……」
居場所があると認めてほしかった。帰る場所は此処だと言ってほしかった。
「──かえり、たい!」
心の奥底に深く沈めていた本音を、偽りのない至極平凡な願いを、ようやく口にすることができた。
「──うん、帰ろう」
ぼろぼろと泣き崩れながら叫んだシオナの手を、スバルは優しく微笑みながら引いて立ち上がった。
光の差さない深海のような水底から少年と少女は浮上する。水面に向かって一直線に突き進む姿は一筋の流星のようで、未だ往生際悪く深淵へと引き摺り込もうとする手を振り切っていく。
暗い海の底に残されたのはただ
流星無印はバージョンが三つありました。小学生だった自分に全部揃えることはできませんでしたが……これができたら、もっと売れたんじゃないかなぁ二作目ではできたし。
……むしろ余計荒れたかな?
そんな理由でダブルトライブならぬダブルクロスです。