謎の強キャラムーブがしたい少年は願望機に愛される   作:上位存在愛されもの好き

2 / 12
今回は”俺”が好き勝手やる回です
作者もこんなことしてみたい


謎の強キャラムーブデビュー

 

 はいどーも、俺でーす。今ちょっと緊急で動画回してるんですけど、我らが友人である主人公君がなんか強そうなやつに襲われてたので、かっこいい謎キャラムーブしつつ助けていこうと思いまーす。いぇーい。

 え、なんでそんなに余裕かって?だってこっちには全知全能ちゃんことエキナがいるし。それにこういうキャラは余裕を持ってた方が強キャラ感あるでしょ?

 さて現場の方に目を向けるか。おー、みんなこっちガン見してるね。まあこんな怪しい奴いたらそうなるだろうけど。おまけにさっきそこそこでかいのぶち込んだからね。そりゃ警戒もされるわな。

 

「誰だいキミは?あいにくこちらの味方ではなさそうだけど」

「だから言っただろう?通りすがりの者だと」

 

 かっこつけたしゃべり方はご愛敬、ということで。にしても刺客さんめっちゃこっち睨んでるな。ふざけんなって感じ?俺もそっち側にいたら多分そう思うよ。でもやめない。だって楽しいし。

 

「今日の私は退屈していてね……ちょっと暇つぶしに付き合ってもらおうか!」

 

 エネルギー弾を4発、それぞれの人物めがけて。

 

『了解!じゃあいくね?』

 

 視認しにくい球体が、高速で彼らに迫る。

 刺客さんは……やっぱり()()()か。なかなか強い能力だね。

 マドンナさんはレーザーで迎撃。目がいいね。

 ツンデレちゃんは順当に回避。いい動きだ。

 主人公君は……

 

「……っ!”防御”!」

 

 光の壁が攻撃を防ぐ。やっぱりこの中で一番ポテンシャルの高い能力なだけはあるか。余裕はあんまりなさそうだけど。

 

「……おまえは俺たちの敵ってことでいいんだな?」

「ふむ、そうだ。少なくともこの場においてはそうだとも。まあ君たちが真に私の敵となるには、少々力が足りないようだが」

 

 要約:全知全能を相手にするには弱すぎだよ!

 まあ相手にできる能力者がいるなら見てみたいようなそもそもいてほしくないような……

 

『見せてあげようか?』

 

 いや別にいいです。

 さて、この話は置いといて俺のやるべきことをやろうか。

 

「まああるいは、君たちが力を合わせれば、この場は切り抜けられるのかもしれないが」

 

 要約は……しなくてもわかるよね。呉越同舟の協力をしろよ?ってことだ。それこそが俺の目的でもあるわけだし。

 

「まさかワタシに言ってるのかい?こいつらと手を組めと?ごめんだね」

「それもいいだろう。自分の心に従わないのも1つの選択だ。私はそれこそごめんだがね」

 

 言ってる意味がわからないって?なら仕方ない、説明してあげよう。

 刺客さんは主人公君たちと敵対する組織の一員なんだけど、彼女優しいから彼の情報組織に隠してるんだよね。

 そもそも今回戦ってたのも主人公君たちにこれ以上関わるなって忠告するためだし。

 これを知って俺は思ったんだよね。

 これ味方入りフラグじゃね?って。

 だから強制味方入りしやすいようにこうしてわかりやすい格上の敵役を演じてるわけなんだけど……このままうまくいかなかったらどうしよ。

 まあどうにかなるか。主人公君を信じよう。

 適当にエネルギー弾を乱射する。わりとギリギリで攻撃に転じる隙があるくらいの密度で。

 そうすると当然このままではジリ貧なあちら側は攻めてくる。

 

「これで……どうだっ!」

 

 刺客さんがビルの間を壁ジャンして登ってきた。そのまま俺に触れようとしてくる。

 彼女の能力は"歪曲"。簡単に言うと触れたものを曲げる力だ。

 俺の体に触れて無理やり折り曲げて殺す気か。なるほど、遠距離攻撃しか使っていない俺に対してはいい手だ。

 ま、どうにかなっちゃうんだけど。

 

「残念だったな」

 

 振り下ろされるのは俺の手に突如として現れた大剣。さっきまでの攻撃方法とは毛色の違うそれに一瞬硬直する刺客さん。その隙にたたっ斬られて終わり。

 そうなるはずだった。彼が動かなければ。

 

「"引寄"!」

 

 彼女が主人公君の突き出した手のひらに吸い寄せられ、攻撃を紙一重で躱す。

 やっぱり君ならそう動くと思ってたよ。

 

「何故……なぜワタシを助けた?」

 

 さて、こっからは説得ターンだ。様子見で行こう。

 

 

 

 

 

「何故……なぜワタシを助けた?」

 

 ワタシは戦闘中にも関わらず、思わずそう問いかけていた。

 ワタシと彼らは敵同士なのだ。むしろ見過ごすべき場面だったはずだ。

 

「俺は……誰かが死ぬところを見たくない。それだけだ」

 

 その答えに拍子抜けしてしまう。ここで恩を売ってあの男を倒すのに協力させる、などならまだ理解ができるのに、言うに事欠いて誰にも死んでほしくないだと!?しかもそれを心の底から言っている。

 本当に良い子だ。眩しくなる。

 

「……わかったよ。助けてくれたお礼だ。少し時間を稼ごう。その隙に逃げるといい」

「いや、逃げない。時間を作ってくれるなら……あいつを倒す」

 

 大きく出たね。あれはそう簡単に倒せるものじゃない。それでも彼ならもしかして、と思ったしまう。これも彼の能力なんかではない本当の力なのだろうか。

 

「わかりました。私もこの方に協力します」

「……怪我したら言いなさいよ。しょうがないから回復してあげるわ」

 

 彼女たちもきっとその力に引っ張ってこられたのだろう。

 ではワタシも覚悟を決めるとしよう。

 

「話し合いは終わったかい?それでは続きといこうか!」

 

 ひとまずはこの場を乗り切らなくてはな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 うーん、急にチームワークが良くなってるね。

 ドカドカ打ち込んでる弾が全部捌かれてる。

 大半が刺客さんの能力で曲げられてるし、残りも的確に撃ち抜かれてる。

 回復要員もいるし、しばらくは持ちそうだね。

 まあそれより……あれなに?

 

「"構築"……"攻撃"、"射出"、"爆発"、……」

 

 なんかやばそうなのが組み上がってるんですけど。

 

『あれは言ノ葉 真(ことのは まこと)の能力、"言霊"の応用技の"構築"だね。極度の集中力を必要とする代わりに複数の言葉の力を組み合わせることができるよ』

 

 説明ありがと。

 へ〜なにそれすごい強そうだし応用力もありそうじゃん。

 なんか前に教室でこんな感じの話した気がするな。

 まあこっちは何喰らっても平気だし大丈夫でしょ。

 

「ちょっとそれは不味そうだ。……"動力源構築弾多量複製式天雨"」

 

 警戒するフリをして放つは必殺技モドキ。

 といっても、さっきより多い数の弾を発射するだけの数打ちだが。

 さて、どう対処する?

 

「ねじ曲がれ……"進路歪曲"」

 

 エネルギー弾の大半が進む先を左右に散らす。

 なるほど、あれが本気か。

 

「ならば私も……!"枝分閃光"!」

 

 無数に枝分かれしたレーザーが的確に残りを撃ち抜く。

 あれ全部制御できてるってことか。すごいな。俺だったら頭こんがらがりそう。

 さて、これを対処されたってことは……あっちのターンか。

 

「……"必中"、"捕捉"……出来た!行くぞ……"構築式・渾身一射"!!」

 

 完成したのは巨大な弓。バリスタと呼んだほうがいいのかもしれない。

 そこから放たれる一射は吸い寄せるかのようにこちらに迫る。

 あの威力は撃ち落とせないだろう。

 

『消去する?』

 

 いや、しない。防御だけ準備しておいてくれる?

 

『わかった』

 

 その矢は敵を貫き爆発する、ように見えただろう。実際爆発はしてるし。ただこっちは無傷なだけで。

 いやでも怖かったんだよ、これでも。例えるなら、目の前で拳を寸止めされても思わず目を瞑ってしまうやつレベル100だからね。そりゃビビるさ。

 じゃあとりあえず喰らった事にして飛び降りるか。もちろん補助ありで。ないと普通に死ねるし。

 

「ふふ……なかなかやるじゃないか」

「今ので倒せてなかったのか……」

「いや?それなりには効いたとも」

 

 実際は無傷だけどね。

 

「何、安心してくれたまえ。今日はそれなりに楽しめたのでね。これで帰るとするさ。だがせっかくだ。1つ忠告しておこう。きっと君たちの前にはこの先私よりも強い者が現れる」

 

 まあそんなことないとは思うけどね。全知全能より強い奴いたら逆に怖いよ。

 

「それでも君たちは前に進むのだろう。ならばもっと強くなることだ。そうすればきっと選択肢も増えるはずだ。ではまた」

 

 そう言い残してその場から姿を消す俺。見えないだけでまだいるけど。

 俺が消えたことを確認すると、刺客さんはすぐに立ち去っていった。

 主人公君もなにか言いたいことはあるみたいだったが、結局何も言えなかった。

 まあこいつら今日が初対面だしね。その内また出会う機会はあるだろう。

 そろそろ俺も本当に帰ろうかな。

 

 

 

 

 

 空間転移によって自室に到着。なお今は転移酔いで若干気持ち悪い。こればっかりは慣れかな。

 

「今日はありがとうね、エキナ」

「どういたしまして、君の願いは叶った?」

「ああ、もちろん。今日は楽しかったよ」

 

 いや本当に楽しかった。エキナの補助ありとはいえいろいろかっこいいこともできたし。

 だからこれはきっと本心からの感謝、なのだろう。

 

 

 

 

 

 今日も創はボクにお礼をしてくる。ボクはただの願いを叶える機構に過ぎないのに。

 

『俺の願いをいち早く叶えろ!』

『俺の頭の中を読んでるだぁ?気持ちワリィからやめろ!』

『なんでいちいちお前は言わなきゃ動けねぇんだ!この役立たずのポンコツが!』

『お前なんてただ俺の言うことを聞いていればいいんだよ、クソが!』

 

『ありがとうね、エキナ』

 

 まあでも気分はいい。

 

 ……ボクにそんなものないけど。

 

 

 

 

 

 

 

「よう、真!」

「おはよう、創」

「……なんかあったか?悩み事がありそうな顔してるが」

「はは……わかっちゃうか。創にはいつもお見通しだな」

「そんなことないぜ?で、今回はどうした?」

「……これはいつも通りフィクションの話なんだけどさ、罪を犯した人の救い方ってどんなものがあるかな」

「なるほど……定番なのは殺した分だけ人を救う、とかだな。まあ要するに禊だな。後は本人に罰を与えるとかか?」

「罰……それで納得してもらえるのか?」

「内容によるだろ。俺らと一緒に来るのが罰、みたいな詭弁使うケースもあるけどな。まあ確かに本人が納得するのが一番大事だとは思うぞ」

「そうか……いつもありがとうな」

「何、いいってことよ。友達が困ってたら助けるもんだぜ!」

「ああ……そうだよな」

 

『ワタシはキミたちとはいられない。罪人だからね』

 

(助けてもらった恩は必ず返す。それが……こいつに教わったことだ)




 高勢創

 謎の強キャラムーブをした者
 今回一番いい空気を吸ってる
 何気に主人公君への信頼はある


 エキナ

 今回はサポートに徹していた
 以前のマスターに恵まれなかったらしい
 今回のリザルト:湿度+1


 主人公君

 ”言霊”の能力を持つ
 ザ・主人公みたいな性格のようで……?
 

 ヒロインちゃん

 ”操光”の能力を持つ
 創のクラスメイト
 主人公君以外には塩対応


 ツンデレちゃん

 ”回復”の能力を持つ
 主人公君たちの隣のクラスの人
 全方位型ツンデレ


 刺客さん

 ”歪曲”の能力を持つ
 とある組織の一員
 なおこの後なんやかんやあって仲間入りする(ネタバレ)






書いてて楽しい作者です
やっぱ好き勝手動かせるキャラがいると違うなー
次回は掲示板回の予定です
今回も高評価・感想お待ちしています
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。