謎の強キャラムーブがしたい少年は願望機に愛される   作:上位存在愛されもの好き

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今回は主人公君の話です
彼がどんなことを思っているのかご覧ください


異能力バトルものの主人公・言ノ葉真の日常と非日常

 

 俺の名前は言ノ葉真。能力者であり、秘密結社『ガーディアンズ』の一員として悪の組織『カオスメイカー』と日々戦っている。

 とはいえずっと戦いの場に身を置いているわけではない。皆が当たり前に持っている日常の時間というものもある。

 

「創、よかったら一緒に食べないか?」

「お。いいのか?あいつらと食べるんじゃ……」

「最近は食べてなかったからね。久しぶりにどう?」

「ああいいぜ。じゃあいくか」

 

 彼は高勢創。俺の大切な親友だ。

 彼は俺が能力を持っていることも、戦いに赴いていることも知らない。ただの一般人だ。

 でもそんなことが気にならないくらい創はすごい。俺が悩んでいることの答えを簡単に導き出してしまう。

 俺がまだ自分の能力をうまく使いこなせなかった時には、”構築”という俺に足りなかった応用手段をくれた。

 俺が陽子たちとの仲に困っていた時には、自分の気持ちに正直になればいいと教えてくれた。

 敵対していたピラーさんの救い方がわからなくなって時には、彼女が納得する方法を一緒に考えてくれた。

 それ以外にも俺が困っている時には、いつも手を貸してくれた。

 本当に良い奴だ。俺にはもったいないくらいに。

 

「……どうした?なんか顔が暗いぞ?」

 

 こういう時にも気づいてくれる。少し意味合いは変わってくるが、人を見る目というものがあるんだろう。

 

「いや……俺より創の方が、もっと多くの人を救えるんじゃないかと思ってね……」

 

 もしこんな俺じゃなく創がこの能力を持っていたら。

 あの時彼女と出会ったのが創だったら。

 もっといい未来に向かっていたのかもしれない。そんな思いを吐露する。

 

「いや、そんなことないだろ」

 

 俺の考えをなんでもなさそうに否定する創。

 

「そもそも俺はお前みたいにいい奴じゃない。平気で自分だけの都合で動けるタイプだ。それに人助けだってあんまりしないしな。なんか恥ずかしいというか……抵抗があるんだよ。咄嗟に動けない。でもお前は違う。ノータイムで助けるために動き出せるし、実際にそれができる力もある。だから、お前はお前のままでいいと思うぜ」

 

 そんなことを言って俺を肯定してくれる。こんな()のことをいい奴だって言ってくれる。それがたまらなく嬉しい。泣き出しそうなほどに。流石にそんなことはしないけど。

 昔から”言霊”の力が暴発しやすかったから、人との関りを避けてきた俺に出来た始めての友達。

 君を守るためなら俺は戦えるんだ。だから、どうか俺の日常でいてほしい。

 そんなことを思いながら彼に礼を言う。

 

「ありがとう、おかげで楽になったよ」

「ならよかったぜ。まあ、あんまり悩み過ぎんなよ。全く悩まない俺みたいなのが言うべきことじゃないかもしれないがな」

「そう努力はするよ。でももしまた悩んでしまったら、相談してもいい?」

「もちろん。いつでもいいぜ」

 

 彼の存在が頼もしい。おかげで頑張れそうだ。

 

「じゃあ飯食うか」

「うん」

「「いただきます」」

 

 

 

 

 

 

『ねぇ、君は彼といつもこんな感じなの?』

『ん?まあそうだぜ?』

『そっか……』

 

(創は彼の事を信頼してる。でも、ボクは創のものだし……()()()()()()()()()

 

『あれ?今の思考(ノイズ)は……?』

『どうかしたか?』

『ううん。なんでもないよ』

 

 

 

 

 

 

「みんな、おまたせ」

「遅いわよ!」

「すいません、癒生さん。こちらのクラスの先生の話が長引いて」

「まあそれは仕方ないことだな。では話を始めようか」

 

 俺たちは今、ガーディアンズの一角で話し合いをしていた。

 議題は当然カオスメイカーについて……ではない。

 この前出会った謎の男についてだ。

 あの男は強敵だった。まだ敵対関係にあったピラーさんと力を合わせても、足元にすら及ばなかった。

 しかもその後炎志さんに聞いてみたところ、彼の目撃情報はこの組織にはないという。

 つまり、俺たちしか知らない真の意味で謎の存在なのだ。

 

「まず、キミたちはあの男と以前には会ったことがない、ということでいいんだね?」

「はい。ピラーさんもですよね」

「ああ、組織にいた頃には会ったことも噂すら聞いたこともない」

「つまり、あちら側も把握していない存在であると?」

「それは一概には言えない。ワタシは組織に忠実な駒ではなかったし、あちらもそれをうすうすは感じていたはずだ」

「じゃあ、あんたが知らされてないだけで組織にいたのかもしれないってこと?」

「その可能性は高い。とはいえあれだけ強力な存在、隠そうにも限度がある」

「……なにか知っている事が?」

「さっき噂も知らない、と言ったが直接つながらないものなら耳にしたことがある。と言っても"組織の最終兵器"という情報しかないけどね」

「組織の最終兵器……ですがもし仮にそうだったとして何故あの場に?」

「……キミの能力を狙っていた可能性がある、真」

 

 やはりか。ピラーさんが情報を規制してくれたとはいえ、上層部は俺のことを掴んでいたのだろう。

 俺の能力は強力な部類だ。だがそれだけの力でもないらしい。詳細ははぐらかされたが、司令がそんなことを言っていた。その力を敵は欲しているのだろう。

 だがそれだと疑問が残る。

 

「じゃあ、なんであの時見過ごされたんでしょうか」

 

 その質問にピラーさんは悩ましげな顔を見せる。

 

「この程度ならいつでも捕まえられるから、だけではないような気がするのだが……すまない、ワタシにはわからない」

「やはり様子見という線が有力ですかね」

「ほんとに暇つぶしにきただけだったりしない?なんか最後すごい満足そうに帰っていってたし」

「だとしてもそれなら他にも目撃情報があるはずだ。俺たちが何らかの理由で狙われたと考えた方がいい」

 

 色んな案が出るが決定的なものはない。

 結局そのまま会議は終わった。

 あの男は一体どこで何をしているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っくしゅん!……なんだ?誰か噂でもしてんのか?」

「噂にくしゃみを誘発する効果はないよ」

「アカシックレコードが言うと説得力が違うな……」

 

 俺は今、家でこの前の戦いを振り返っていた。エキナが出してくれた映像付きで。

 

「いやーにしてもこれいいな!こんな形で自分が見れるとは」

「その時の記録を再生してるだけだよ?」

「でも画角とかはエキナが判断してるんだろ?見やすくていいぜ」

「そうかな?……ありがとう」

 

 にしてもやっぱいいムーブができたな。第三者目線から見た謎キャラ感があふれてる。いい感じに場を引っかき回せてるな。

 

「あっちからはどんな感じで見られてるんだろうなぁ」

「ボクが教えようか?」

「うーん……いや、いい。こういうのは妄想するのも楽しみだからな」

 

 そう言うと、エキナは何故か焦ったような表情になる。

 

「え……?ボク、いらないの?ボクじゃ役に立たないの?ねぇ……ねぇ!」

「いやどうした急に。もう既にめちゃくちゃ役に立ってるが?」

「そ、そう?」

「だってエキナがいなかったら俺はくだらない退屈な日常を過ごしてただろうし、あの主人公君と会った時もエキナがいなきゃ楽しめなかったんだぞ?エキナがいてくれて助かってるよ」

「そ、そっか……えへへ、よかった

 

 いつもみたいに戻った。何だったんだ?今の。

 さて、振り返りに戻るか。

 にしても、今見返すと謎キャラ感は出てるが強キャラ感はあんまり出てないか?

 全力の攻撃で無傷はそれっぽいが、逆に言うとそこしかないかもな。

 とはいえ全力出すと一瞬であいつらは消せちゃうし、加減が難しいよなぁ。

 次はいっそのことボコボコにしてみるか?まあ、いわゆる負けイベってやつを味あわせるのも悪くない。

 それ以外にもあいつらの上司を倒すのもいいかもな。エキナによるとなんかの組織に属してるらしいし。

 

「エキナはどう思う?」

「えー?世界を支配しちゃうのはダメなんでしょ?」

 

 それは流石に……いやいっそのことラスボスになるのは……なしよりのアリだな。

 

「今回はそれ以外で頼むよ」

「んーやっぱり創の好きなようにやればいいんじゃないかな。願ってくれたらボクがなんでもしてあげるよ?」

 

 そういうことじゃないんだがなぁ。まあ今後に期待、か。

 じゃあやっぱり主人公君たち以上の強者を倒す方向性でいくか。

 となるとまずは情報を集めてもらわないとな。

 

「エキナ、頼めるか?」

「もちろん。ボクに任せて」

 

 

 

 

 なるほど。この炎志ってやつ強そうだな。おまけに負け知らずの自信家か。

 こういうやつが負けてパワーアップして再登場するのは熱いよな。炎だけに(クソ寒ギャグ)

 じゃあ次はこの自信家さんと主人公君たちが同じ任務に出る時を見計らうか。

 まあそれまでただ大人しく待ってるわけもないが。

 さーてなにしよっかな。

 

「なぁエキナ」

「なに、創」

「せっかくの人生だ。楽しもうぜ」

「うん?創がそう言うならそうするよ?」

 

 

 

 

 

 

「喰らえ、"水流斬"!」

「はっ、ぬるいぜ。"爆炎爪"!」

 

 水を纏った剣による斬撃と、炎で形どられた大爪が斬り合う。

 吹き飛ばされたのは剣使いの方だった。

 

「くっ!何故だ。このミズキリの能力は貴様と相性の悪いはず!」

「そんなもので勝負が決まると思っているようじゃ、オレ様には勝てないな。死なん程度に加減はしてやる。"爆炎業火"!」

 

 大柄なその人物の身の丈を超えるほどの直径の炎球が剣使い目掛けて飛んでいく。

 やがて、それは轟音と共に大規模な爆発を起こして敵を撃退した。

 

「組織の連中もこの程度か。ぬるいな。こんな奴らにオレ様が負けるはずなどないな。ハッハッハ!」

 

 高らかに笑い声を上げた彼は、満足そうに気絶した敵の身柄を確保しにゆっくりと歩みを進めた。

 

 

 

「フラグ感がすごいなこいつ……まあこんな奴ならぶっ飛ばしても問題ないだろ」

 

 そう言って少年はプランを練り始める。

 炎使いの彼は、未だ全知全能を率いる気まぐれな悪魔に目を付けられたことを知らない。

 その代償は理不尽ながら……自らの敗北をもって支払うことになるだろう。




 創

 無自覚におやっさんムーブをする男
 今回は「お前は俺の獲物だ!」した模様


 エキナ

 今回のリザルト:湿度ポイント+5・ヤンデレポイント+1


 真

 前回の通り感情が重めの人
 友達の存在は彼の支えになっている


 炎志

 推定次回の被害者
 なんかイキってたのが悪い
 戦力的に見れば主人公君たちより上位
 でもそんなの関係ねー!(上位存在並感)



次回、炎志死す
デュエルスタンバイ!
高評価・感想も(以下略)
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