杖と呪文の組み合わせ! 〜呪文が400もあるんだってさ〜   作:クッミタス

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好きな呪文の組み合わせはチェーンソー、2倍呪文、バブルスパークです


プレイ2回目

俺は慎重に歩を進める。足元の石畳が湿っていて、歩くたびに体が少し濡れてしまう。暗い鉱山の奥、わずかな光に揺れる影が目に入った。

 

「……敵かっ!」

 

小さな影が動く。ヘルメットをかぶった作業員風の敵――ヘイッコフルッタだ。名前が頭に浮かぶ。どうやら鉱山で働く危険生物のようだ。

杖を握り直す。スパークボルトの杖が微かに光る。

撃つなら――今だ!

パシュッ。火花が一直線に飛び、フルッタに直撃。

 

「ギッ……!?」

 

一撃では倒せない。二発、三発。連続して放つと、フルッタの動きが鈍る。

少し間を置いて、再び二発。ついに敵は崩れるように倒れ、床に光る粒が落ちた。

手のひらサイズの金の粒。触れると「チャリン」と音を立てて消え、意識の中に「$10」と浮かぶ。金塊のドロップだ。

 

俺は周囲を確認する。まだ奥に闇が広がっている。次の敵が潜んでいるはずだ――鉱山の奥へ、慎重に足を進める。

 

道はやがて狭い通路に変わった。目の前には緑色の水たまり。……なんだこれ? 俺は軽い気持ちで足を入れてみて……体中に不快な感覚が走った。何かが減る感覚がある。

金塊を手に入れた時のように、意識に何かが浮かんでくる。HP99、98、97……。

 

「……やばっ、これ毒か?!」

 

慌てて足を抜くが、まだ毒が治らない。96、95……。あああ、どうすればいいんだ?!

俺はパニックに陥りかけて、ふと腰のポーションに目がいった。

そうだ、水をかければ!

俺は腰にあるポーションを足にびちゃびちゃとかける。水は足を濡らし、足元へと流れていった。

 

「なるほど……毒は洗い流せる、と」

 

俺は深く息を吐き出し、焦った心を落ち着けた。

しかし、水のポーションはこうやって使うんだな。ずいぶん使ってしまった。残りは70%だ。うかつに水たまりに突っ込んではダメなんだな……。

と、毒の池を見て気がついた。一部の色が変わっている。無色透明、水のようだ。なんで? 一回毒を受けると色が変わるのか?

注意深く観察していると、足から流れ落ちたポーションの水が、そのまま毒の池に流れこんだことに気づいた。よく見れば、そこから放射状に水になっている。試しに毒の部分に水のポーションを振りかけると、みるみるうちに色が変わっていった。

ほへー。毒は水で浄化されるのか。「水のポーション」はそういう使い道もあるのか。ショボいと思ってごめんなさい。とっても有用でした。

 

俺は息を整え、再び前に進む。鉱山の奥には、まだ見ぬ敵が待っているはずだ。

鉱山の道は複雑だった。左右に上下にと道が曲がっている。平面だけならまだしも、身長より高く上ったり下りたりするのではとても道が覚えられない。

とはいえ救いはあった。一度通った場所は、何となく分かるのだ。ゲーム的に解釈するならば、脳内にミニマップが広がる感じといったところだろうか。

あとは行ったことのない場所を探索すればいいのだろう。

 

そう思いながら下に向かう穴を飛び降りると、目の前に三本足の蜘蛛のような怪物が何匹もいた。

ハミス。敵の名前がわかるのと、ハミスが飛びかかってくるのはほとんど同時だった。

HPは90、85、80と連続で減った。

「痛ってぇ! いや、痛くない……」

HPは減ったが、痛みはなかった。毒の池に浸かった時のような、何かが減る不快感はあるがそれだけだ。……HPが0になってもそれだけかは不明だが。

「クソぉぉぉ!!」

慌てて杖の狙いをつけてスパークボルトを連射する。ハミスはブチュッ、ブチュッ、と一撃で潰れていった。

だが二発撃った後は少し間隔が開く。その隙に残ったハミスにまた体当たりをくらってしまった。

HP75。

「ああああ!」

俺は慌てながらも最後のハミスを撃ち殺した。

 

はー、はー、はー。

荒い呼吸の音だけがその場に響いた。

クソッ。落ち着け。たかがゲーム、たかが夢だ。びっくりして慌ててしまったが、楽しめばいい。ちょっとした障害は付き物だ。

俺は目の前の3つの金塊を手に入れて、呼吸が落ち着くのを待った。ふう。

さて辺りの探索に戻ろうか、と闇の先に注意を向けてみると、微かな光を感じた。なんだろう。何かが光っているのか……?

また不意打ちを受けないように慎重に光の方へ進むと、そこには台座と、そこに浮かぶ杖を発見した。

「おお……やっと三本目の杖か」

 

杖3

呪文:チェインボルト

シャッフル:いいえ

同時詠唱数:1

詠唱遅延:0.48秒

再装填時間:0.58秒

マナ最大値:190

マナ回復速度:48

呪文スロット数:4

拡散:3度

 

 

ふむふむ。四つのスロットのうち、二つがチェインボルトという呪文が入っている杖か。

ではチェインボルトの呪文はというと。

 

 

呪文名:チェインボルト

タイプ:放射

マナ消費:80

ダメージ:25

スピード:40

詠唱遅延:0.75秒

拡散:14度

 

 

スパークボルトのダメージがたったの3だった事を考えると、かなり強い。強いが、マナ消費も多いし詠唱遅延も長い。スパークボルトが速射とすると、チェインボルトは重砲と言ったところか。杖自体も詠唱遅延と再装填時間が長く、なかなか使い所を考えさせるな。

まあものは試しだ。残弾もないことだし、撃ってみるか。

俺は遠くの壁に狙いをつけて、チェインボルトを放った。

ピチュン、ピチュン、ピチュン、ピチュン。

ん?

スパークボルトは撃った後で目標めがけて一直線なのに対し、チェインボルトは途中で四回弾けた。もう一度撃つが、やはり途中で四回弾ける。

近くの壁に狙いを変えて撃つと、壁の手前で一度弾け、その後、壁の中から弾ける音が聞こえた。

これは……一定の距離を進むと弾ける呪文なのかな? 何のために? ……わからない。適当に敵を見つけて試し撃ちをするしかないか。

もうちょっとチュートリアルというかヘルプというか、情報を出してくれればいいのになあ。不親切なタイプのゲームなんだな。

 

敵を探してうろうろとしていると、先ほど攻撃を食らったハミスがいた。しかも今度はさっきより多い四匹がまとまっている。ちっ。チェインボルトは連射がきかないから、一度撃ったらすぐに持ち替えないと……。

幸いにもハミス達は少し開けた場所にいる。俺はフワフワと空を飛び、離れた距離からチェインボルトを撃ち出した。

ピチュン、ピチュン、ピチュン、ピチュン(ブチュ×4)。

……え? 一箇所にまとまってたハミスが一度に死んだ。しかも最後に弾けた時、微妙に場所を調整したように見えたぞ。

これひょっとして、当たり判定四回、しかも自動追尾する呪文か? 近くで撃てば四回当たって、距離が延びると当たる回数が減るとか? ……だとすると、消費にあった超強力な呪文じゃん。

俺はニヤけるのを止められなかった。

「これなら俺tueeeができる……杖だけにな……」

 

ご機嫌で探索を続ける俺は、下に向かう穴を見つけた。どうもこの鉱山は、下に下にと向かわせたいらしいな。底まで降りた時は何があるのだろうか……。

とりあえず目の前の穴に飛び込んでみると、土の通路と土の壁……それからドラム缶がいくつも地面に落ちていた。毒の池の様な、いかにも毒々しい緑色でドラム缶は塗られている。……中に何があるのかよく分かるな。

いつでも飛び退けられるようにしながら、軽くドラム缶の一つを蹴ってみる。

ドゥン、ドゥンと中に液体が詰まっている音がする。蹴ったくらいじゃ中から何かが漏れてくる事はないらしい。強い衝撃を与えなければ大丈夫ということだろうか。

 

ガチャ。

 

ドラム缶を前に考え事をしていると、後ろから何か音がした。

振り向けばそこには、ヘイッコハウリッコヒーシがいた。ハウリッコヒーシは何か筒状の物をこちらに向けている。

って、あれってまさか!!

 

バァン!!!

 

ハウリッコヒーシが持っていた銃から弾が三発飛び出し、俺の体に当たった。HPは54。ヤバイヤバイヤバイ!

ガチャ。ハウリッコヒーシが銃を操作すると、またさっきの音がする。装填する音だったのか。

俺は射線から逃れるべく、慌てて上空に飛び出した。

バァン!!

間一髪、銃弾は俺に当たらずそのまま飛んだ。危ねえ。今度は俺が撃つ番だ!

 

ドカァン!!!!

 

……やつの撃った弾は俺を外れ、俺の後ろにあったドラム缶に命中した。

ドラム缶は一瞬で全てが誘爆し、俺の体は肉塊となってあたりに飛び散った。

 

 

俺は死んだ。

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