短小編集(小ネタあれこれ)   作:高島智明

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前回の短編で妄想力の限りの積もりでしたが、未練がましくも妄想が浮かんできました。
この長い『原作』の何処まで追い続けられるかも分かりませんが、妄想力の続く限りは、とは思っています。


Re:ゼロの使い魔(その2)(原作:ゼロの使い魔)

決闘騒ぎも無事に決着して、さて次の学院の休日を2人で過ごした其の夜。

 

女子寮のルイズの自室では、いささかウザったい事態に成っていた。

キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーが友人のタバサまで連れて、押しかけて来た。

お目当ては(”今”のルイズにとっては案の定だが)決闘騒ぎ以来、目を付けたらしい才人である。

 

「貴女。こんな処で無駄な時間を過ごすよりは、コルベール先生に個人授業でも受けてきたら」

「はあ?あんな攻撃的な筈の火のメイジとも思えない、腑抜(ふぬ)けた発明オジサンに何を教わるというのよ」

オチを知っていればこその忠告だったが”今”のキュルケには「馬の耳に念仏」だった様だ。

 

「そんなことよりもダーリン。これは、かの名工が造り上げた宝剣なのよ。

あんな訳も分からないことをしゃべるだけの、元は錆だらけだった駄剣よりも、こっちの方が貴方には相応しいわ」

残念ながら「神の左手」のルーンを刻まれた才人の「目利き」では、豪華な儀式用の宝剣でこそあれ、実戦の役には立たないナマクラだった。

 

「愛しのダーリン」のつれない反応に、肩透かしを喰った「微熱」だったが、それでも自分の身体の豊かな場所を主張したりする。

”中身”は成熟しているルイズは好い加減ウンザリしたり呆れたりしていたが、そこへ地鳴りらしきものが微かに伝わって来た。

「何…危険…」

最初に気が付いたのは、流石に危険な場数を踏んて来たタバサだった。

当然ながら、ルイズは何が起こっているのかを知っている。

(どうしようかしら。放置して置いて、明日才人に活躍させるのも好いけれど)

そんなことも思いながら結局、誰かのヤジウマ根性に付き合うように、広場に出てみた。

 

来てみると、身長30メイル程もある岩のゴーレムが、宝物庫の壁を破壊しようとしていた。

(ここで試して置くのも好いかも知れないわね)

短くもない後半生を過ごした”後”で、あの長いルーンの全てを記憶しているとも言い切れないが

(詠唱短縮でも、核を狙えば…)

「才人。ゴーレムの注意を引き付けて」

「ええっ。何だよ、いったい」

文句を言いつつも背負った「魔剣」を抜き放ち「神の左手」だけに可能な身のこなしでゴーレムに立ち向かう。

 

(力を溜めて…溜めて…)

「爆発!!」

ゴーレムの人間で言えば心臓の辺りから閃光が閃(ひらめ)き、轟音と土煙が辺りを覆った。

収まってみると、巨大なゴーレムは土くれの山に戻って再生する様子すらない。

「そんな馬鹿な。ゼロのルイズが?こんな事、信じないぞ」

何時の間にか集まっていたヤジウマの中には、そんなことを言い出す者もいたが、そんなのは黙殺し、ルイズは満足げな微笑を浮かべて才人の労を労(ねぎら)った。

 

ゴーレムを操っていた何者かは、土煙に紛れて、何処かに逃げ去った様だった………。

 

……。

 

…翌朝。

ルイズたち1同は、事情聴取の為、学院長に召集されていた。

「ところで学院長。秘書のミス・ロングビルは?」

最近雇った学院長の秘書が、側に居なかった。

(逃げたわね。まあ、いずれは再会するでしょうけれど)

”かつて”の許婚と連れに成る怪盗に、いささか複雑な思いを密かに感じるルイズだった。

 

ゴーレムが爆発したあとに落ちていたカードから、犯人は近年、貴族専門に荒らし回っている怪盗「土くれのフーケ」

狙われたのは、学院長の秘宝「破壊の杖」と判明したが、それ以上の事は分からなかった。

持って来られた「破壊の杖」は、才人の世界の武器だとは判明したが。

 

「まあ、もう好かろう。今夜は舞踏会じゃ。楽しむが好い」

学院長の其の言葉が、この場は締めに成った。

 

その夜。双月の照らす下。

ルイズのリードで初めてのダンスを踊りながら、才人は公爵令嬢に相応しいドレスで着飾ったルイズに見入っていた。

そんな才人をリードしながら、ルイズは”これから”に想いをはせていた………。

 

……。

 

…学院を王女が訪問するということで、ひと騒動が起こっていた。

 

その夜。

ルイズの自室を密かに王女が訪ねていた。

「旧友」の「お願い」には頷いたルイズだったが、魔法衛士隊からの護衛は、断固として拒絶した。

「とんでもありません、あんな裏切り者!」

「裏切り者?」

「ワルド子爵はレコン・キスタに通じています。

あ奴の狙いは、姫様の手紙とウェールズ殿下の暗殺です」

「そんな…それに何故、貴女はそんなことを知っているの」

王女は親友の言葉にショックを受けつつも半信半疑の様子だったが

「調べれば分かることです。

それにあの男は「土くれのフーケ」の情夫です。

許婚としての私をも裏切っています」

(私には才人が居るのよ。あなたには彼女が御似合い)

 

「そんな…それではルイズ、貴女1人でアルビオンまで行かせる訳にも…」

「大丈夫です、姫様。この才人と2人で御役目を果たせる手段が御座います」

 

実は休日を1日潰して、不審がるメイドの1人を口説き落とし、彼女の故郷を訪ねていた。

そして、発見していた。零式艦上戦闘機。

既に学院に持ち帰った上で、異世界の機械に興味津々の教師コルベールの手によって整備され「神の左手」のルーンに導かれた才人の操縦で、試験飛行にも成功していた。

ガソリンも満タンまで錬金されており、アルビオンまでの往復に何ら支障はない………。

 

……。

 

…翌朝の夜明け。

ゼロ戦のプロペラが羽ばたき始める。

「栄」エンジンが充分に暖まると、風メイジの起こした向い風に向かって滑走し、茜空に向かって飛び立った。

脚を交互に引き込み飛行機械本来の優美な姿を取り戻すと、見送る王女たちの頭上を1回旋回して、目的地の方角へと飛び去って行った。

目指すは、天空を浮遊する大陸アルビオン。

 

(才人との間を姫様にややこしくされないためにも、殿下には何としても生き残って頂かないと)

ゼロ戦の後部座席で、いささか不純とも言える事を思うルイズだった。

(さて、どうやって口説き落とそうかしら)

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