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近年、千葉県などで異常繁殖と食害が問題とされていますが、もしかして此のシリーズの新作が止まっているのは、原作者が其処に忖度した結果だったら残念です。
「キョンちゃ~~ん」
スリスリ、ムニョムニョ、プニプニ。
何時もの朝の様に俺を起こしに来た筈の妹が、掛け布団越しにおでこだろう、摺り寄せてくる俺の胸の感覚が怪しい?
モゾモゾとベッドから這い出してみると、見慣れた筈の俺の部屋が可笑(おか)しい。
壁沿いに吊るしてある、北高の”女子用制服”その隣にドレッサーなんかが在って、そこに映っているのは。
お袋が若返った、あるいは妹が成長したらこんな顔に成るかという女顔、如何にもポニーテールが結えそうな長さの黒髪そして明らかに女物の寝間着の胸を押し上げる……
何だこりゃ!
だがしかし、妹は何の疑問も無い様なカパッとした笑顔で、俺の手を引く。
「さあ、早く歯を磨いて、顔を洗って、着替えて朝ごはん」
妹に引かれるまま洗面所に向かい、部屋に戻ると恐る恐る着替えを始めた。
エイヤッとやってみると、まるで体が覚えているかの様にブラジャーを付けることが出来た。
制服も着れた。スカートがすうすうする。
髪もポニテに結えた………。
……。
…ママチャリに跨って、北高へ向かう。
自転車置き場から校門までの強制ハイキングコースを登っていると、抱き着いて来た奴がいた。
「おっはよー!キョン」
その瞬間に確信した。こいつが全ての元凶だ。涼宮ハルヒ。
ハルヒに纏わり着かれながら到着した2年5組の教室では、クラスメイトの誰もが俺を女として扱う。
同性の悪友だった筈の谷口や国木田までが、俺を異性として扱いやがる。
誰も、何の疑問にも思っていない。
休憩時間。
纏わり付いてくるハルヒに悩まされながらも向かったトイレも、まるで体が覚えているかの様に、エイヤッで出来た。
体育の授業の前の休憩時間。
つい、谷口や国木田に「着替えに行こうぜ」と声を掛けそうに成ったが、その前にハルヒが纏わり付いて来て、抵抗する間も無くブルマ姿にされた。
こいつ、慣れてやがるな。朝比奈さんとかで………。
……。
…やっと、訪れた昼休み。
纏わり付いていたハルヒが、ようやっと学食に消えた間に手早く弁当を片付けると、大急ぎで文芸部室へと向かった。
助けて、有希えもん。
だがしかし、俺の訴えを聞いた長門の宣告は残酷だった。
「これは、涼宮ハルヒが思ったことに原因する。
「どうして、キョンなんかにこんなにモヤモヤさせられるのよ。
キョンが女の子だったら、有希やみくるちゃんみたいに仲好しで好いのに」
その結果、涼宮ハルヒの情報改変能力が発動した。
現在、彼女はあなたが最初から、同性の親しい友人だったと認識している」
「それで、どうなるんだよ」
「残念ながら、私には此の状況を覆すだけの情報改変能力は無い」
「そんな…どうしようも無いのかよ」
「涼宮ハルヒが満足して、改変能力を元に戻す為に使うのであれば可能性はある。
だが、涼宮ハルヒの認識は、先程の通り」
それじゃ、何時に成るか分からないじゃないか。
「只、彼女はあなたの記憶まで改変しなかった。
それを望んでいなかったのは、異性のあなたと近付きたいとの願望も在るはず。
しかし、彼女自身が現状では其れを認めていない」
結局、長門に頼った結果は、現状を理解する役にしかたたなかった。
どうやら、ハルヒの気まぐれ任せの様だ。
何時まで、この悪夢が続くやら。やれやれ………。
……。
…放課後のSOS団アジト。
ショックだったのは、マイエンジェルですら、俺を同性として扱ったことだ。
俺の前で、ハルヒや長門の前の様に、平然とメイド服に着替えた時には内心焦った。
長門が俺のことを記憶していたのは、思念体とやらの支援の御蔭だという。
そして、相変わらずハルヒは纏わり付こうとしていた………。
……。
…唐突に訪れた、とんでもない事態は、唐突に終わった。
ある日、ハルヒがこんなことを呟いていた。
「何よ。どうしてキョンのことでこんなにモヤモヤするのよ。
キョンは仲の好い女の子なのに。
まるで、キョンが男の子だったら、あんなことが出来るみたいに。
これは精神病だわ」
翌朝、妹のダイブで起こされると、全てが元に戻っていた。
実は其の前夜、ここに書きがたい夢を見ていた。
(以下自粛。R18作品ではありません)
フロイトさんも真っ青、これは以前も言ったか、だがあの時よりも過激な、しかし甘々な夢だった………。
……。
…教室に入ると、何故かハルヒが真っ赤に成って、視線を逸らした。