短小編集(小ネタあれこれ)   作:高島智明

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異世界迷宮に彼女と共に(原作:異世界迷宮でハーレムを)

見付けてしまった。

「自殺の決意をする前に」

そう”あの”ライトノベルのプロローグに出てくるサイトだ。

 

果たして、本当に実在するのか?

あのライトノベルのファンが作ったファンサイトかも知れない。

その振りをした詐欺サイトかも知れない。

あるいは『原作』主人公が思った通り、何かのゲームの販促サイトかも知れない。

実の処は、本当に自殺志願者を対象にした相談サイトかも知れない。

 

そもそも実の処、俺は此の世からオサラバしたい程、悲観している訳でも無い。

学校で虐められているわけでも無ければ、親ガチャに失敗しても居ない。

何より、奴隷を買ってまでハーレムを作りたいわけでも無い。

これでも、俺の好みド真ん中の彼女が居て、仲も好いのだ。

 

だがしかし、何故か興味を持った俺はボーナスポイントに挑戦してみた。

何時間もかけて99ポイントまでカンストしたときは、達成感を感じた。

 

この時点で、俺は彼女を呼び出した。

何故か彼女も興味津々で見守る前で『原作』を思い出せるだけ活用して、設定を選択していく。

 

そして、遂に”この”メッセージが出た。

「警告!あなたはこの世界を捨て異世界で生きることを選択しました」

俺は、彼女の手をしっかりと握りしめ、もう片手でマウスを操作してクリックした………。

 

……。

 

…『原作』通り、馬小屋の中で俺は目覚めた。

先ず、最初に確認したのは、彼女が隣に居るかだった。

 

馬小屋の外には、何人かの村人が居た。

突然に現れた男女2人組を訝しんでいる様だ。

そうだ。”あの”イベントが在った。

「盗賊が襲ってくるぞ!」

設定の際、共通語のブラヒム語以外にも人間族の言語らしいのも選択しておいた御蔭だろう。

村人たちが辺りをキョロキョロと見渡し、そのうち誰かが遠くから砂塵の上がって来るのを見付けた。

 

村人たちがワラワラと動き始め、半鐘らしきものが鳴り響いた。

何処かから武器を持ち出す者。村の入り口にバリケードを設置する者。

俺も、彼女を馬小屋に避難させると、キャラクター再設定で聖剣を出現させた………。

 

……。

 

…盗賊は全滅した。殆どが俺の聖剣の犠牲と成った。

鑑定を使ってみると、見事に英雄LV1を獲得していた。

ついでに言えば、パーティーに入れておいた効果だろう、彼女も戦っていないのに村人LV2に上がっていた………。

 

……。

 

…1夜明けて、村からの礼金と盗賊のインテリジェンスカードを受け取り、盗賊から剥ぎ取った装備を村の商人の馬車に積んで、俺たちは街へと向かった。

 

馬車に揺られながら、これからのことに思いをはせる。

やはり、迷宮に入って魔物と戦って生活することに成るだろう。

そして彼女は、パーティー効果でLVupするまでは、お留守番だろうからソロということに成る。

それでは何かと不便だろうし、おそらくは稼げない。

やはりパーティーメンバーを探さないといけないだろう。

 

そう成ると、やはり奴隷を買うことに成るか。

だがしかし、俺には『原作』の様に女の奴隷は不要だ。

俺には彼女が居る。ハッキリ言って邪魔だ。

 

それに『原作』のヒロインたちが高価だったのは、ぶっちゃけ女の性奴隷で、ついでに言ってみれは美少女で処女だったからだ。

男の迷宮用奴隷が1人位なら、村からの礼金と此れから街の騎士団で受け取る賞金で何とか成るだろう。

それに”まだ”奥の手は在るのだし………。

 

……。

 

…そうしたら、奴隷商人からは「番(つがい)」の奴隷を勧められた。

彼女を連れて行って

「迷宮で戦えるパーティーメンバーを求めている。

この通り決まった相手が居るので、性奴隷はむしろ邪魔だ」

と言ったなら

「それなら奴隷にも番の相手が居た方が宜しいでしょう」

と言われたのだ。

 

連れて来られたカップルは、2人とも其れなりのLVの探索者だった。

聞けば、他の4人とのパーティーメンバーで迷宮に入っていたが、ある時パーティーのリーダーがドジを踏んで借金を抱えることに成り、結局は全員が税金を払えずに奴隷落ちしたという。

 

「男は迷宮用奴隷としての相場で20万ナール。

女は迷宮では役に立ちますが、性奴隷では無いので同じく20万ナールとさせて頂きます。

しかし、2人も御買い上げ頂き、また此方(こちら)の希望や条件を御聞き頂いたので、28万ナールとさせて頂きます」

 

1人だけの積もりだったのに、1度に2人は予定外だ。

3割引きのキャラクター再設定はして置いたが。

それに、迷宮に入ってもらう以上は装備も買い与えなければ成らないし、仕方ない。

奥の手を使うか。

 

「この商館では、奴隷以外の商品は扱っていないか?」

数ある2次創作の登場人物たちは、この異世界で高級品として売れそうな物を持ち込んでいた。

例えば、鏡とか酒とか石鹸とかガラス製品とか。

俺も”その”類の物を買い込んで来たのだ。

 

俺が披露した”商品”を値踏みした奴隷商人は、10万ナールの買取価格を付けた。

俺は”商品”の現物と金貨18枚で、支払いを済ませた。

「好い御取り引きをさせて頂きました。

生まれた子が15歳に成った時も、当商館を御利用を」

などと挨拶された………。

 

……。

 

…こうして商館を出たときには、俺たちは4人と成っていた。

もっとも「彼女」のLVがupするまでは、迷宮に入るのは3人だが。

それでも、迷宮では先輩に成る2人を獲得して、初心者としてはマズマズのスタートと成った。

 

先ずは、丁度5日目に開かれていた市に出かけ、先程、盗賊たちから剥ぎ取った装備を売った武器商人や防具商人の所で、装備を選ばせた。

「遠慮せずに、自分が使えそうな得意な武器やしっかりした防具を選べ。

値段は気にするな。

お前たちが迷宮で傷付いたりしたら、28万ナールの損だ」

 

それから、宿に行って4人部屋を取った。

食事付きで同等な部屋という待遇に恐縮していたが、これが自分の国の流儀だと黙らせた。

 

これから、迷宮での冒険が始まる。

この迷宮の在る世界でも、俺は彼女と生きていく。

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