短小編集(小ネタあれこれ)   作:高島智明

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2026年、明けまして御目出とう御座います。
本年も宜しく御願い致します。


ラスボス(原作:異世界迷宮でハーレムを)

俺こと加賀道夫は、パーティーメンバーたちとあちらこちらの迷宮に入りながら、異世界の日々を送っていた。

 

ある時、新しく出来た若い迷宮の討伐への協力を求められた俺たちは、順調に各階層の攻略を進めていた。

そんなある時、魔物とのエンカウントが途切れた際、ふと俺はメンバーたちに話しかけた。

 

「なあ、ここでも他の迷宮でもいいが、もっと低い階層で銅や板をドロップする階層を周回してみないか」

「どうしてですか?」

日頃、俺が慎重に1階層ずつ攻略していることもあって、時々、俺のパーティーメンバーたちはイケイケな意見を述べることがある。

「もう、この迷宮では50階層を突破して、しかも誰も攻略したことの無い、情報無しの階層に挑んでいる」

「どんな魔物とエンカウントするか分からない、未知の階層は慎重に、ということでしょうか」

「それもあるんだが…」

 

「もう何時、例えば今この階層が、この迷宮の最後の階層ということだって在り得る」

流石に、この指摘にはメンバーたちが緊張した。

「確か、迷宮最後のボスは装備を破壊するスキルを持っている筈だ。

帝国解放会で聞いた話では、だから使い捨てにしても惜しくない武器や防具を多数用意するパーティーも在ると聞いた。

だから、銅の剣とか、木の盾とかを持てるだけ用意しておくのも有りかと思ってな。

セリーには、鍛冶師として頑張ってもらうことに成るが」

「そういうことでしたら、頑張ります」

他のメンバーたちも、頷(うなづ)いた。

 

「ご主人様。そういうことでしたら、帝国解放会でも調達できるかもしれません」

「そうだな。セバスチャンにでも聞いてみるか」

 

後日、解放会で確かめてみると、実際にラスボスに挑むパーティーのために使い捨て用の装備を多数用意してあるとのことだった………。

 

……。

 

…そんな会話を交わして何日か。

更に数階層を攻略し、その階層もボス部屋に辿り着いた。

 

煙が固まり、ボスが現れる。

「行きます」

何時もの様にロクサーヌがボスの正面に回り、獲物の片手剣を突き刺そうとしたが…その剣がポキリと折れた!

ボスの反撃は彼女だけの早業で回避したが、こいつは…

「ラスボスだ!アイテムボックスを開け。装備を惜しむな」

俺はメンバーたちに指示を飛ばすと同時に、デュランダルで慎重に切り付けた。

 

(いっそのこと、LV99でカンストしてくれれば、1発で片付くボーナス呪文が在るのに)

そんな雑念が1瞬入った為か、多少甘めに切り付けたデュランダルが破壊された。

「ご主人様!」

誰かが悲鳴を上げた。

特に低階層や低LVの頃はデュランダル頼みだった。

その”チート”武器が破壊されたのだ。

だがしかし、俺は直ぐに冷静さを取り戻した。

 

キャラクター再設定で1旦ボーナス武器を消し、続いて武器6を選択する。

”無傷”の聖剣デュランダルが出現した。

「これは?!」

「俺と”この”剣だけのスキルだ。内密にな。それより、気を散らすな」

再び、更に慎重にデュランダルを振るう………。

 

……。

 

…使い捨ての装備は使い果たし、遂に何時もの装備を使う様に成った頃、とうとうラスボスも煙に成った。

後には、何時ものドロップアイテムでは無く、何時かインテリジェンスカードの鑑定の時にも見たギルド神殿が残された。

 

同時に、迷宮の景色が歪み始めた。

「迷宮が消える。急いで外に出るぞ」

ギルド神殿を抱え、急いで迷宮の外へとワープした………。

 

……。

 

…さて、このギルド神殿をどうするか?

実はこの迷宮は、もう領主の居る領地に新たに出現した迷宮だった。

したがって、討伐しても貴族に成れる訳では無い。

代わりに此の神殿を討伐の証拠として持ち込めば、報奨金が貰える筈だった。

 

クーラタルの町の中心には帝国最古の迷宮が存在し、その存在を前提に町が成り立っている。

その為、この第1迷宮を討伐しようとする者は居ないが、新たに生まれる子迷宮までは話が別だ。

したがって、クーラタルの領主から探索者ギルドと冒険者ギルドを通じて、街の探索者や冒険者にも迷宮討伐への協力が要請されていたのだ。

 

そこで俺は、討伐の証拠となるギルド神殿をクーラタルの冒険者ギルドに持ち込んだ。

その時、ギルド職員の1人が微妙な様子をしていた。

何だか「やれやれ」とでも、言いたさげな様な。




今話のラストは以前の投稿と、少しだけ引っ掛かりが在ります。

ご意見ご感想をお待ちしております。

年末年始の間に、少しばかり書き溜めの様なものが出来ました。
この為、暫くは連続投稿も可能とも思います。
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