『震度4』
異世界での台風や地震などについての描写が『原作』で確認出来ませんでした。
そこで、こんな小編を思い付いてみました。
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以前から書き溜めていた小編ですが、これを投稿する予定の日に震度4に見舞われました。
複雑な心境です。
『トマホークの宣告』
通常弾頭様の作品では「建造中」とされていた<はくげい>型原子力潜水艦が間に合っていたら、と考え、思い付きました。
引き続き『海の恐怖!グラ・バルカス帝国海軍vs原子力潜水艦』(作者:通常弾頭)(原作:日本国召喚)に応援のエールを送らせて頂きます。
震度4:
日本国が異世界に転移してから、どうやら季節は1巡りした様だった。
この間、台風ないしは其れに類似した発達した低気圧は、襲って来なかった。
また、地震らしい地震も観測されなかった。
どうやら日本国が転移した場所は、そうした発達した低気圧の類の進路からは外れていたらしい。
その1方で、稲の生育に不都合の無い程度に雨も降り、夏は適度に暑かった。
更に此の惑星のプレートテクトニクスの類がどう成っているのかは知らないが、地震の原因と成るようなプレートの境目の様な場所に転移した訳でも無さそうだった。
「これは都合が好いな。下手をすると、元の世界に帰りたくなく成りそうだ」
ある日の政府の会議で、担当大臣がそんな発言をした程だった。
転移した瞬間には、列島全土が震度4に相当する揺れを経験した、
だがしかし、何度かの震災を経験し、それに対応した建築基準で建設されていた日本国の都市は耐え抜いた。
そして転移後には、全く元の世界の様な天災の類からは、解放されているかの様に見えていた。
片や、元の世界で少なくない天災から教訓を得た日本国の防災技術は、この世界でも好い”売り物”に成りそうだった。
まるで”何者か”が、全てが都合好い様にして「召喚」したかの様に。
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トマホークの宣告:
「……我が日本政府は……貴国に対する無制限潜水艦作戦を実行する用意がある」
無制限潜水艦作戦という宣告に、グラ・バルカス帝国側に明らかな動揺が走った。
「付け加えておきますが、無制限とは貴国の海上交通路に対する攻撃のみを意味しません」
「どういうことだ」
日本国の外交官は、おそらくムー辺りで市販されているのだろう、この世界の文字に翻訳された日本国の兵器について書かれた軍事雑誌を示した。
<はくげい>型原子力潜水艦
速力:水中30ノット以上
航続距離:無制限
武装:
潜水艦用VLS×22セル
トマホーク巡航ミサイル(1セルあたり4発)
続いて日本国の外交官は、別のページを示した。
トマホーク巡航ミサイル
海上の艦船や”水中の潜水艦”から地上を攻撃できる兵器。
電子計算機によって誘導され、目標に必中。
地形に隠れて飛行する為、迎撃は困難。
「この兵器で、我が植民地たるレイフォル州でも攻撃するというのか」
これに対して、日本国の外交官が示したのは、グラ・バルカス帝国本土が正確に描かれた世界地図だった。
日本国が転移後に打ち上げた人工衛星によって撮影された写真に基づいて描かれたとは、知らないが幸福である。
「この様に、我が国は貴国本土の位置を掴んでいます。
そして、航続距離:無制限の原子力潜水艦はトマホークの射程距離に貴国を捕らえるまで海中を行くことが出来ます」
「我が帝国を脅迫する積もりか!」
「国際会議の場で、あの様な宣言をされた貴国に言われたくはありませんな」
帝国の外交官は、言うべき言葉を失った………。
……。
…この報告が持ち帰られた結果、帝国では大議論が持ち上がった。
「この潜水艦の攻撃は、防ぐことが出来るのか?」
これに対する、海軍側の答弁はこうである。
「日本国は、我が帝国の誇る戦艦<グレード・アトラスター>を葬った原子力潜水艦を建造した転移国家です。
この潜水艦やトマホークとかいう兵器のことも、ハッタリとは言い切れません。
帝国本土が、危険である可能性は在ります」
ようやっと、帝国が宣戦を布告した列国の中に、とんでもない強国が混じっていたことに気付かされた。
果たして、その日本国の要求を呑むべきか否か。
更なる議論が続いた。
日本国の例えには「小田原評定」と言う。
知らないが幸福だった。
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