短小編集(小ネタあれこれ)   作:高島智明

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『原作』小説版とWeb版で、大きく話が変わりながら、今の処最新話が止まっています。
そこで小説版の設定に、Web版の要素を入れてみたら、と思い付いてみました。


小説版とWeb版を混ぜてみたら(原作:理想のヒモ生活)

カープァ王国の女王アウラは、今、王としての思案を巡らせていた。

他でも無い。

王国軍の元帥に任命した、プジョル・ギジェン侯爵に関してである。

 

この野心家で、しかも王国軍には不可欠な将軍の手綱をどう取っていくか、それは王として常に思案し続けていなければ成らなかった。

現状、軍の大権を王と分け合っていると言っても好い元帥の地位に付けたのも、そうせざるを得なかったからだが、それで此の野心家が満足しているかどうかは未知数だった。

 

その上、更に王としてのアウラを思案させることがあった。

プジョル元帥の結婚である。

 

只でさえ、ガジール辺境伯家という有力な領主貴族と縁続きに成ったのだ。

これがプジョル元帥の権勢を増すことに成ったのは間違いない。

女王としては、本音を言えば許可したくない縁談だったが、そうもいかなった。

女王の結婚相手候補として数年間その身を縛って来た、という負い目が女王の側にあった。

その為に許可せざるを得なかった、というのが実情だった。

 

もっとも、こんな野心家に王配という地位を与える訳にもいかない、という事情もあった。

その事情もあって、わざわざ異世界から婿と成る旧姓ー山井善治郎を召喚して結婚したのだ。

 

そう言う事情の在った元帥の結婚だったが、その上にプジョル元帥の妻と成った旧姓ールシンダ・ガジールが賢明過ぎた。

ガジール辺境伯家に居たころから、戦場に赴いていた父辺境伯や若すぎる弟の次期辺境伯の代理として、辺境伯領の政務を引き受けていたのである。

プジョル元帥に嫁いだ現在、元帥の陰の軍師と言って間違い無かった。

 

その上、武人肌の若い次期辺境拍チャビエル・ガジールは、先の大戦の英雄であるプジョル元帥に憧憬を抱いているらしい。

これ以上、辺境伯家を野心家の元帥に取り込まれたくない女王としては、打てる手は打って置きたかった。

 

思い付くのは、次期辺境拍チャビエル・ガジールが未だ独身である、ということである。

カープァ王家に近い結婚相手を送り込み、王家の側に引き戻したかった。

だがしかし、誰でも好い訳では無い。

結婚してみて、相性が合わなければ最悪だ。

政略結婚であればこそ、破局は避けなければ成らない。

 

候補の1人は、宰相でもあり王都の治安維持を代々担ってきた家系であるレガラド子爵の娘を考えてみた。

更に、子爵の娘は後宮侍女として仕えており、王配善治郎のお気に入りだった。

と、言えば好さそうなのだが、本人の実態は『問題児3人組』と呼ばれるうちの1人だった。

そもそも、王配のお気に入りというのも、本来異世界の1市民でありしたがって此の世界の王族らしくない後宮の主に順応しているからでもあった。

とてもじゃないが、辺境伯家の次期当主夫人として送り出せるタマじゃ無かった。

 

次の候補は、女王自身の乳母夫婦だったララ侯爵家の娘たちだった。

能力的にも、人格的にも最も信頼のおける配下である。

それに、夫婦の人柄や教育能力については、女王自身が好く知っている。

 

夫妻の娘たちの内、上の2人は既に嫁いでいるが、まだ下の娘2人が残っていた筈だ。

複数というのも都合が好い。

どちらかがチャビエル・ガジールと相性が好い、という可能性が其れだけ広がるのだ。

 

ガジール辺境伯家とララ侯爵家に働きかけることを、女王アウラは真剣に検討した。

その為のには、現在『瞬間移動』の魔法を習得してあちらこちらと活躍している、王配善治郎にララ侯爵領への使者に立ってもらうことも考慮した。

 

1つには、公私混同ながら、この機会に自分の「家族」と夫を引き合わせたい、という思いもあった。

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