短小編集(小ネタあれこれ)   作:高島智明

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怪獣墓場(原作:ウルトラマン)

月ロケットに激突して、怪獣墓場から地球に落ちて来た亡霊怪獣シーボーズは、怪獣墓場に帰ろうとしていた。

 

それを理解した科学特捜隊は、月ロケット2号機でシーボーズを宇宙に打ち上げて怪獣墓場に戻そうとするが、その意図が通じないシーボーズは暴れてしまう。

更にウルトラマンが、格闘の末に捕らえたシーボーズを宇宙へ持ち上げようとするが、そこでカラータイマーが消えてしまった。

ウルトラマンの姿が消え、シーボーズは再び地上に落ちた。

 

ガックリとする科特隊。

間も無く、何故か疲れたハヤタ隊員が発見されたが、ハヤタはあることを提案した。

「シーボーズは怪獣墓場に帰りたがっています。仲間たちの処へ帰りたがっています」

「その通りだが、それが?」

「その仲間たちの姿を見せてやってはどうでしょう」

「どういう意味だ?」

 

1990年代、既にレーザーホログラムは実用化されていた。

「”それ”を応用して、夜空にシーボーズの仲間の怪獣たちの姿を映してやるのです。

そして、それでシーボーズをロケットの方に誘導するのです」

ハヤタの提案は、ムラマツ隊長や隊員たちにも考えさせるものだった………。

 

……。

 

…日は落ちた。

暗い夜空は暗い怪獣墓場を思い出させるのか、シーボーズは夜空に向かって咆哮していた。

(帰りたい…戻りたい)

と、でも言う様に。

 

その夜空に、浮かび上がったもの。

夜空に光の線が怪獣の姿を描いた。

ネロンガ…アントラー…ガボラ…次々と浮かび上がる姿に、シーボーズは懐かしげに、如何にも嬉し気な吼え声を上げる。

 

ところがシーボーズも気付いた。夜空に描かれた怪獣たちの姿が流れ始めていた。1つの方向へ。

(待ってくれ…連れて行ってくれ)

と、言わんばかりに吼え地団駄を踏んだシーボーズだったが「仲間たち」の後を追う様に駆け出していた。

 

駆けるシーボーズ。

やがて、その行く手に現れたもの。

発射台に据え付けられたロケットだった。

その寸前で躊躇(ためら)う様に立ち止まったシーボーズを尚も誘う様に、光の線で描かれた怪獣たちはロケットの周囲を巡る。

 

尚も躊躇うシーボーズの後ろで、フラッシュビームが輝いた。

ウルトラマンの出現に後退るシーボーズに対し、ウルトラマンは威嚇する様にスペシウム光線のポーズを取るが、光線を放たない。

更に後退るシーボーズは、遂にウルトラマンから隠れようとするかの様にロケットの後ろに回って縋りついた。

その瞬間…

 

「今だ」

待ち構えていた科特隊の発射したワイヤーがシーボーズをロケットに縛り付けた。

 

「発射手順開始」

管制室では、次々にスイッチが入れられ、モニターの表示が流れて行く。

「最終秒読み。10、9、8、… …3、2、1、0。Take Off」

月ロケット2号機はシーボーズを括り付けたまま、炎を引いて打ち上げられて行った。

 

「シュワッチ!」

そのロケットを先導するかの様に飛び立つウルトラマン。

やがて、ロケットは夜空に消えて行き、最後に星の様な光が瞬間だけ残った………。

 

……。

 

…後日。

宇宙空間をパトロールしていた科特隊のジェットビートルは、怪獣墓場を通りかかった。

眠り続ける怪獣たちの中に、ロケットに摑まったシーボーズを見付けた。




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