鳥人戦隊ジェットマンと次元戦団バイラムの戦いが終わり、平和な未来が始まってから、約1年。
その日。鹿鳴館家の邸宅に訪問者があった。
鹿鳴館家の両親は、1人娘の鹿鳴館香が伴って来た男性に関心を隠せなかった。
その男性は、地球防衛隊スカイフォースの制服姿で現れた。
「天堂竜と申します」
そう名乗る男性に、香の父は挨拶の後に質問をぶつけた。
「貴方は軍人ですか」
「はい。地球防衛隊スカイフォースに所属しております」
「失礼ながら、貴方の様な軍の方と、箱入りと言って好い我が鹿鳴館家の1人娘が何処で知り合われたのですかな」
竜は香の両親をしっかりと見据えて答えた。
「実は、香さんにはスカイフォースに協力させて頂いておりました」
「まあ」
母親が感嘆した。
「香さん。危ないことはしなかったでしょうね」
「ご安心下さい。地球を侵略した次元戦団は、既に鳥人戦隊が倒しております」
「それならば好いですけれど」
それから、香の両親は何かに気付いた様に確かめた。
「以前の香は、別な男性を連れて来た様だったが」
この父親の質問に対して、竜は予想していたかの様に答えた。
「結城凱君も我々の協力者です。そして、私たちは掛け替えの無い友人です」
「そうだったのですか」
それから、話題は将来のことに移った。
「天堂さんも御存じの通り、香は鹿鳴館家の1人娘です。
天堂さんは軍を辞めて鹿鳴館財閥に入る気は在りますか」
「それは……」
その時、もう1人の来客が現れた。
「これだけは確かです。竜は守るべきものの為には戦うことが出来る戦士です」
「貴女は何方ですかな」
闖入したとも言える相手を訝る父親に竜が答える。
「失礼しました。こちらは我々の上官です」
「小田切綾と申します」
「そうですか。それでは、香の子供に期待しますかな」
ここで、両親と竜の対話を大人しく聞いていた香が、口を開いた。
「お父様、お母様。私は多くの経験をしました。
少なくとも竜さんたちが、私の掛け替えの無い人たちであることは確かです。
竜さんや小田切長官だけではありません。
凱さん。早坂アコさん。大石雷太さん。みんな、私の大切な人たちです」
両親は、何時の間にか自分たちの娘が成長していたことに気付かされた。
「今1つ、申し上げておかねば成らないことが在ります」
竜は、居住まいを正した。
「私は、かつて藍リエという女性を愛しました」
両親は何を言い出すのか、という態度を示した。
「私はリエを忘れることなど出来ません。そして、香さんも其のことを知っています」
「失礼ながら、その女性は」
父親の質問には、竜の前に香が答えた。
「リエさんは次元戦団の犠牲に成りました」
「それは失礼しました」
そう言いながらも、父親は言葉を続ける。
「ですが重ね重ね失礼ながら、まさか貴方は其の仇を取る為に軍へと入られたのですか」
竜は、決心した様に答える。
「リエの復讐に目の眩んでいた、私の目を覚ましてくれたのが香さんでした」
「そうだったのですか」
香は両親を見据えて言い切った。
「竜さんはリエさんを失った悲しみを生涯無くさないでしょう。
私は、そんな竜さんと共に居たいと思ったのです」
「そうなのか」
両親も其れ以上は追及しなかった………。
……。
…更に2年が過ぎた。
その日、天堂竜と鹿鳴館香は生涯の誓いを交わした。
2人を友たちが祝福する。
農家に戻っていた大石雷太。
アイドルデビューを果たした早坂アコ。
そして花婿の上官として花嫁をエスコートした小田切綾。
だがしかし、今1人の友、結城凱が遅れていた。
その遅れの理由には、誰もが思い至らなかった。
まさか、あれ程の次元戦団との戦いを生き抜いた不死身の戦士を襲った不慮の運命などには………。
……。
…更に3年後。
竜と香の間に誕生した息子には、掛け替えの無い友「凱」の名が受け継がれた。