202X年。
日本国の在った世界は、決して平和とは言えなかった。
その他国の戦争が、現代の戦争についての2つの課題を明らかにしていた。
1つは、ドローン等の安価な無人兵器の大量動員に因る新たな戦場の様相だった。
もう1つは、決して安価とは言えない、したがって備蓄に限りの在るミサイル等の精密兵器を大量消費した時の不足と備蓄の問題である。
この2つの課題に面して、如何に自国の防衛体制を構築するか、まさしく其の課題に直面していた時、日本国は異世界に転移した………。
……。
…異世界も平和では無かった。
元の世界からの平和主義を建前としようとした日本国だったが、ロウリア王国、パーパルディア皇国、魔王、グラ・バルカス帝国と次々に戦争に成ったのである。
これらの戦争に於いて、先の2つの課題に対応していた日本国自衛隊は、この世界の常識からは全く別次元の戦争を戦った。
ロウリア王国のワイバーンも、パーパルディア皇国が誇るワイバーンロードや戦列艦、竜母等も日本国自衛隊が民間から買い上げたものを含めた日本国では安価な自爆型ドローンと次々に相打ちに成って失われて行った。
このドローンの活躍は、ミサイルなどの精密兵器の節約にも成った。
精密兵器は、未だ未だ経済大国の端には引っ掛かっていた日本国にとっても大量消費には向かなかったのだ。
この実情を知れば、ロウリアや皇国の犠牲者たちは、更に血の涙を流したかも知れない。
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それでも、これら兵器の大量消費は、日本国にも負担で無かった筈は無い。
日本国内の工場のみでは無かった。
日本国が此の世界で得た友好国に輸出したプラント、例えば地下資源に恵まれたクイラ王国のボーキサイド産地に建設したアルミニウム精錬プラント等がフル稼働していた。
当然ながら、ドローン等の軽飛行機の素材にはアルミニウム等の軽合金が使われている。
ミサイル等に比べれば安価な無誘導の砲弾等が多用されたが、当然に砲弾を生産するには鉄も火薬も消費する。
クイラ等の炭田等に建設された製鉄所、鉄の生産には鉄鉱石以上に石炭を消費する為、製鉄は炭田の近くの製鉄所等に鉄鉱石を運搬して生産したりする。
TNT火薬のTの1つのTはトルエン、石油成分であるから、油田や製油プラント。
こうしたアレコレのプラントがフル稼働していたのである。
当然ながら日本国の側では、これらのプラントは敵国の攻撃対象と認識していた。
だがしかし、この異世界の常識には無かった様である。
例外は、転移国家で第2次大戦当時の科学文明国のグラ・バルカス位だったが、これらのプラントは帝国とは別の大陸に存在していた。
何れにせよ、前線で日本国の現代兵器やドローンが活躍していた裏では、これらの生産拠点はテンヤワンヤだったのである。
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