アダルトな魅力があるとの評価も在りますが、やはり「ガメラは子供の味方」というコンセプトが在ってこそ、昭和ガメラシリーズは映画会社そのものが無くなるまで続いたと思います。
神戸港に出現した冷凍怪獣バルゴンが、大阪に進撃して来た。
大阪市民には、老若男女問わずに避難が通告された。
地下鉄に避難した市民の中に子供たちが居た。
「ガメラが居てくれたらなあ」
ポツリと子供たちの中から、そんな言葉が漏れた。
「呼んでみたら好いじゃ無いか」
先生らしい1人の大人が応えた。
「ガメラが子供の味方だというなら、ガメラに願いをかけても好いじゃ無いか」
「ガメラ…ガメラ」
何時しか、子供たちはガメラを呼んでいた。
その願いが届いたのか、バルゴンの上空にガメラが現れた。
回転ジェットで飛んで来たガメラは、バルゴンの目前に着地すると対峙する。
「ガメラだ。ガメラが来た」
子供たちは、避難場所から飛び出さんばかりにして、ガメラを声援する。
ガメラの火炎噴射がバルゴンを襲う。
だがしかし、バルゴンの冷凍液が火炎噴射を消火して、逆に低温を弱点にするガメラを襲った。
「あ…あ…ガメラが…」
子供たちの失望を嘲笑うかの様に、凍り付いたガメラを尻目に進撃していくバルゴン………。
……。
…その後、大人たちは水に弱いと知らされたバルゴンを琵琶湖に誘導すべくダイヤモンド作戦を実施、更には反射作戦と挑み続けたが、バルゴンに止めを刺し切れない。
結局、水に弱いバルゴンを人工降雨で琵琶湖の岸辺に足止めして、それ以上の被害を先送りしていた。
*
バルゴンに凍り付かされたガメラ。それを見守る子供たち。
「ガメラ…負けないよね。未だ負けないよね」
「先生…」
「ガメラが子供の味方だというなら、ガメラに願いをかけても好いじゃ無いか」
「ガメラ…もう1度立ち上がって。バルゴンなんかに負けないで」
その子供たちの願いが届いたか、ガメラの目が光を取り戻し、火炎噴射が大阪城の氷を溶かした。
「ガメラが生き返った!」
再び回転ジェットで飛び始めるガメラ。
「行こう、ガメラを見届けに」
先生の言葉に子供たちも頷いた………。
……。
…琵琶湖の湖畔。
人工降雨に足止めされていたバルゴンの上空に、ガメラの回転ジェットが現れた。
倒したはずの敵の再来に、動揺するかの様子を見せるバルゴン。
着地したガメラとバルゴンは、再び対峙した。
琵琶湖湖畔を見下ろす展望台。
ガメラを見守る子供たちから声が上がる。
「ガメラ、負けないで。負けないで、ガメラ」
子供たちの声援を背に、ガメラとバルゴンの最後の戦いが始まった。
この時、足止めの為の人工降雨に因って、水に弱いバルゴンは前回ガメラを倒した冷凍液が使えなく成っていた。
その為か、次第にガメラに追い詰められていくバルゴン。
遂に、ガメラはバルゴンに牙を突き立てると、湖畔から琵琶湖の水中へと引き込み始めた。
「あ、バルゴンが水の中に」
やがて、水面が紫色に染まり始める。
水の中で生きられないバルゴンは、水の中に居ると身体の組織が水に溶けて、紫色の血が流れ出すのだった。
ガメラに抵抗しようとするバルゴンも、次第に弱っていく。
子供たちは男の子も女の子も無く、ガメラへと最後の声援を送った。
「ガメラ!後もう少しよ。頑張って!」
「くたばれ!バルゴン」
遂に2体の怪獣は、紫色に染まった水面に姿を消した。
その水面を割って、バルゴンの虹色の殺人光線が伸びたが、直ぐに途切れる。
「あ、虹が止まったよ、先生」
「バルゴンの断末魔だ」
「だんまつま?」
「バルゴンの最後だよ。ガメラの勝利だ」
その途切れた虹も消え、水面は静かに成った。
「勝ったーガメラが勝った」
間も無く、水面を割ってガメラの回転ジェットが現れた。
「ガメラ、有り難う!ガメラ、さようなら!」
子供たちは、飛び去るガメラに手を振り続けていた………。
……。
…帰宅する途を辿る子供たちの中から、何時しかガメラを讃える歌声が上がった。
銀河を越えて 叫ぶ声
今こそ護れ この地球
友達が居る 仲間が居る
友情が在る 愛が在る
斗えガメラ 火を吐けガメラ
愛する者の為にゆけ 愛する者の為にゆけ
子供たちの歌には、ガメラを信じた其の想いがこもっていた。
正義は常に 悪に勝つ
信じて護れ この地球
友達が居る 味方が居る
励ましが在る 知恵が在る
空飛べガメラ 海ゆけガメラ
愛する者の為にゆけ 愛する者の為にゆけ
そして、子供たちには未来が在った。自覚しているかには関わらず。
未来は続く 果ても無く
勇気で護れ この地球
友達が居る 僕らが居る
幸せが在る 夢が在る
斗えガメラ 火を吐けガメラ
愛する者の為にゆけ 愛する者の為にゆけ
その歌声に込められた願いを、何時か子供たちが未来に思い出すだろうか。
今は只、ガメラを信じ願いをかけた、その思い出が貴重だった。
最後の歌詞は、映画『宇宙怪獣ガメラ』主題歌『愛は未来へ…』です。
JASRAC楽曲に登録されている為、歌詞コードを入力致します。