短小編集(小ネタあれこれ)   作:高島智明

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『原作』『熱き血潮に』で『無印』からリメイクされたことの1つが、大魔王サタンすら最後には天使ミカエルの愛に救われたことでした。
個人的には、こちらの方がホッとしました。


光の子(原作:サクラ大戦 熱き血潮に)

帝国華撃団と降魔を操る葵叉丹1味との戦いは、佳境に入っていた。

 

華撃団「花組」隊長の大神一郎とパートナーの真宮寺さくらは、仲間たちの犠牲を乗り越えて目指してきた「聖魔城」の最深部「霊子砲」の目前まで辿り着いた。

その前に、遂に敵の首魁である葵叉丹自らが立ち塞がる。

 

味方は只2人。だがしかし、2人だけでは無い。

命を懸けて、自分たちを此処まで送り込んできた仲間たちが居た。

彼女たちが居たから此処まで来れた。

だからこそ負けない。

 

叉丹が召喚した降魔どもを纏めて、1つに成った霊力の合体攻撃が吹き飛ばす。

続いて、霊子甲冑「神武」大神機とさくら機が魔装機兵「神威」叉丹機に迫った。

この期にも見下そうとする叉丹に対して、さくらが言い返す。

「それはちがうわ!あたしたちは、みんながいるから戦えた!

みんなで支え合って来たから、ここまで来れた!

観念するのは、あなたよ!もう此の世界に、あなたの逃げ場は無いわ!」

 

つい先程、大神を庇ったさくらまでがひと時倒れていたときは応答が沈黙していた作戦命令に、今はさくらの「了解」の応答が心強い。

ここまでの戦いの経験値も込めた大神機とさくら機の攻撃が、次第に「神威」叉丹機を追い詰めて行った。

 

……遂に「神威」を破壊された叉丹が「霊子砲」を放とうとした時、華撃団の切札「空中戦艦ミカサ」が突入して、叉丹も倒れた。

と見えた時……

 

葵叉丹の中に眠っていた真の敵が現れた。

山崎真之介に転生し、葵叉丹の中に眠っていた其の存在。

*

かつて、大いなる天の父に背いた天使が存在した。

「光の子」とまで呼ばれた光り輝く天使ルシフェルは、こう呼ばれる様に成る。

大魔王サタン。

*

その圧倒的な敵の前に力及ばずと見えた、大神とさくらの前に、新たに現れた者が居た。

藤枝あやめでも降魔殺女でも無い、サタンと共に転生を繰り返し、あやめの中に眠っていた大天使ミカエルが現れた。

 

サタンが蘇る時、ミカエルも又蘇る。

そしてミカエルは、サタンと闘う勇気を説くと奇跡を起こした。

「行きなさい…そして、正義を示すのです!あなたたちに大いなる父の祝福がありますように」

 

そこには倒れた筈の仲間たちが、傷すら無い「神武」に乗って存在していた。

大神は仲間たちとの再会を喜び、そして闘志が返ってくる。

「みんな行くぞ!俺たちに残された選択は只1つだ」

これがゲームならばアナログLIPS最大とばかりに宣言する。

「帝国華撃団「花組」出撃せよ!!!」

「「「「「「了解!」」」」」」

帝国華撃団は最後の戦いに飛び立った。

 

……ミカエルに導かれて宇宙と思しき空間まで飛び立った華撃団の前に、巨大な大魔王サタンが立ち塞がる。

だがしかし、ミカエルがサタンへの道を開き、そしてサタンの胸に浮かび上がる核を示した。

「あれがサタンの弱点…核である天使体です。

大いなる父の子として、本来は無限の命を持つサタンですが、あの天使体を傷付けられれば魔王としての力を失います。

華撃団のみなさん…後は頼みましたよ…あなたたちに大いなる父の祝福がありますように」

 

これを受けて大神隊長の檄が飛ぶ。

「よし!狙うのは天使体だ。これを最後の戦いにするぞ。帝国華撃団、出撃せよ!」

「「「「「「了解!」」」」」」

最後の戦いが始まった。

 

……激しい戦い。

だがしかし「黒之巣会」そして降魔との戦いの経験にも支えられて、華撃団は進む。

ミカエルが示した道を進んでサタンの天使体の前に集結すると、代わる代わるの攻撃を加えた。

その攻撃の前に、次第に天使体は傷付いて行った。

 

……遂に天使体に明らかな傷が現れた。

「今だ!」

花組の乙女たちは、其々に舞台の見得を切るかの如く、最後の攻撃を加える。

「うおおおーっ!これが最後だ。狼虎滅却…」

大神隊長が体当たりした最後の必殺攻撃が止めと成って、遂に天使体が砕け散った。

「うおおおー」

宇宙の彼方に届くばかりの爆光の中に、サタンの巨体が消えた。

 

……傷付き、虚空を漂うサタンに呼び掛ける者が在った。

「ルシフェル、ルシフェル。あなたは光の子。

大いなる父に誰よりも愛された光り輝く天使ルシフェル」

「ミカ…エル…か」

 

共に天に還ろう,と呼びかけるミカエルに、尚も檄する様に反論しようとし、剣を向けようとするサタンだったが、ミカエルは折れた剣を握るサタンの手を押さえた。

「何を恐れているの?

神の時は無限…神の愛も無限…そして…私の愛も…無限。

あなたの罪がどれほど重くても、わたしがあなたの罪を許します。

あなたは、愛されるために生まれて来たのだから」

「俺が…愛されることなど…」

初めて、サタンが迷ったかの様だった。

 

そのサタンを抱き留めるかの様に、ミカエルは更に呼び掛ける。

「何も心配はいらないわ…さあ、自分の手で扉を開けて。心に在る神の国の扉を…

わたしがそばにいる。あなたを守り続ける。だから…ね」

サタンは、遂にミカエルへの詫びを口にすると、光の中に消えた。

後には、今は光り輝く天使ルシフェルへと戻った魂がミカエルに抱かれていた。

 

ミカエルは、何時の間にか地上に戻っていた帝国華撃団の1同へと最後に呼び掛けると、ルシフェルの魂と共に天界へ旅立って行った

 

……残された地上では、大神一郎が

「誰を選ぶんです!」

と「花組」の乙女たちに囲まれていた。

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