「いつつつ………。」
俺は動く度に痛む体の節々を抑えつつ、階段を上がる。
あの後、見事自分の赫子を出すことに成功した俺は、その後霧島と赫子を使っての稽古に入ったのだが…。
『鱗赫ならやり過ぎても大丈夫でしょ。』
そう言った霧島にたっぷりいたぶられました。
あいつ、赫子だすとき本気出すっていいながら全然だしてやがらなかった。まだ赫子を出したばかりで扱いになれてない俺を、圧倒的な速さでいたぶり続け、本当に死ぬ寸前ってとこでようやく攻撃の手を止めやがった。そのまま俺は意識を失ったのだが…目覚めた時巨大な地下空間にたった一人で寝転んでいました。
正直、起きた時に折れていたはずの骨が、既にくっついていたのには驚いたが、俺の扱いの酷さにはさらに驚いた。喰種になってもこんな感じなの…俺は…。
もう、一度死にかけた事とか霧島に対する怒りとかで今ならスーパーサ●ヤ人なれそう。
しかし、さっきから足元がふらついてしょうがない。一度赫子を出した事でRC細胞をかなり使ってしまったようで、さらに霧島の無慈悲な攻撃によって大量の血を流したので、空腹と貧血でかなりグロッキー状態になっている。
さっき窓に映った自分の姿を見たが、かなりやばかった。何がって、もうバイオでハザードな感じになってた。俺実は喰種じゃなくて屍食鬼になったんじゃないの?
そんな事を考えつつ、地下からの長い階段を登り続け、ようやくあんていくまで上がってきた俺は、二回の従業員用の休憩室へと向かう。とにかくコーヒーでも飲まないと空腹で死んでしまいそうだ。
そして、目的の休憩室についた俺はドアに手をかけるのだが、中から物音が聞こえてくることに気がつしき、ドアをひこうとしていた手を止める。
…誰か中にいるのか?いや、今の時間だと皆店に出てるはずだが………。
俺は疑問に思いつつも、意を決して扉を開く。そこにいたのは………。
「……………。」
口から血をしたたらせながら肉を食べる少女だった。
「ぎゃぁぁぁぁああああ!」←慣れない光景に驚いた俺の悲鳴。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」←突如入ってきて、叫びだしたゾンビ(俺)の悲鳴に驚いた少女の悲鳴。
少女はかなり驚いたのか、膝をかかえて縮こまりぷるぷると小動物の様に震えている。って、この子たしかこの前笛口さんが連れてた………。
それを、理解した瞬間俺は背中からだらだらと汗をかき始める。
「す、すまん、え、ええっと、ひ、ひな「ひなみ!!!」へぶぁ!?」
俺が震えているひなみに驚かせてしまった事を謝ろうとすると、突如勢い良く開かれた扉に吹き飛ばされてしまう。
どうやら入ってきたのは霧島のようだ。
霧島は泣いているひなみと俺を交互に見て何かを察したのか俺をキッ!っと睨む。
い、いや、こいつ絶対なにか勘違いしてる!
「ま、まて!話せばわかっーーー!」
俺がその言葉を最後まで言い切ることはなかった。俺の言葉を言い切るのを待たずに霧島は足を振り上げる。
「死ねっ!!!」
その言葉と共にパァァァン!と俺の頭に衝撃が走り、俺は意識を失う。あぁ、こういう時なんていうんだっけ。………そうだ。あの名言を借りるとしよう。
……………不幸だ………………………。
お久しぶりです!
最近一人暮らしの準備やら引越しやらテストやらで時間が取れずに今日になってようやく更新することができました………。
久々に開いてみれば、な、なんとお気に入りが220をこえて、さらに評価平均がでているではありませんか!!!
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そして、そして、これから少し話の更新の仕方を特殊な形を取るようにしたいと思います。詳しくは活動報告の方に書いておきますので、気になった方はチェックをよろしくお願いします。
ではでは、これからもご愛読をよろしくお願いします。