東京喰種:八   作:平和希

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今回は初のバトルシーンです!不安!


第七話

ガヤガヤガヤ………

 

東京20区、その街中を俺はあんていくへむかい歩いている。平日の夕方だというのに、なぜこんなにも人が多いのだろうか…流石魔都TOKYO、やっぱり千葉の方が落ち着くわー。

しかし、人が多い場所は落ち着かない。昔から好きではなかったが、周りにこうも人がいると口に唾が溜まって仕方がない。……気分が悪い、嫌でも自分が喰種になったのだと実感させられる。…しかしこれには抗いようがない。

 

とっととここを抜けちまおう。と、俺が足を速めようとした時だった。

 

「この匂い………。」

 

俺の鼻がなにかの匂いに反応する。

思い出すのは路地裏で喰種に遭遇した場面………これは血の匂い…か?

俺はその元へと目を向ける。するとそこには若い男と女性が歩いているのが目に見えた。匂いの元は男のほうだな…。喰種なのか?

あの女性も喰種に食われてしまうのだろうか。だとしたらなんとかしないと…。

 

「何考えてんだよ、俺。」

 

そこまで考えたところで俺は頭をふる。俺なんかが行ったところで、どうにかできる訳が無い。返り討ちにされるのがオチだ。

あの女性には悪いが、俺にはどうすることもできない。そう決め、俺はまたあんていくへと足を向ける………のだが。

 

「あぁ…くそっ!」

 

俺は再び体を向き直し二人の後ろをつけるのだった。何やってんだ俺………。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

辺りがすっかりと暗くなってきた。俺はなるべく距離をとり二人をつけ、女性の方を助ける機会を伺っていた。それに…まだあの男が喰種と決まったわけではない。確信が持てるまでは何かをするわけには行かないだろう。

 

…そこで俺はだんだんと人気がない通りへと向かっていることへ気づく。…これはほぼ黒とみていいのか?

しかもここら辺俺んちの近くじゃねぇか。

と、俺が二人から一瞬意識をはなした時だった、視界から二人が消えた。いや、正確には男が女性を無理やり路地へ引っ張りこんだ。まずい…!

俺は急ぎその路地へと向かう。するとそこには気を失っているのか倒れている女性と止めを刺そうと鋭い爪を振りかざしている男がいた。やはり喰種だ!

 

「くっ…!」

 

俺はとっさに足元に転がっていたブロックを男の後頭部に投げつける。さすがに喰種でもこれはきいたのか男はよろける。そして、赤く鋭い目で俺を射抜くーーー。

 

「へ!いいざまだなクソ喰種!」

 

そこですかさず俺は喰種を挑発する。頼む乗ってくれよ…。

 

「この、クソがきが!」

 

喰種はそう怒鳴ると俺を追いかけてくる。よし!かかった!俺はよろける足を必死に動かし走る。後ろを向くと数メートル後に喰種の姿。このままだとすぐに追いつかれちまう…。さて……ここからどうする?どうやって撒くか…。

 

「はぁ、はぁ!」

 

俺は道の角を曲がり、そして直ぐにある路地へ身を隠す。これは賭けだ…!頼む!

すると俺のいる路地をスルーし走っていく喰種の姿がみえた。

 

よし…助かった………。やはりステルスヒッキーは今でも健在か。そんなアホみたいな事を考えつつ路地からでると、足がガクガクと震えていることに気づく。やっぱりこわいよな。三度目でもこわいもんはこわい。でもまだ終わりじゃない。あの女性を何処かへ運ばないと…。急ぐか。

 

「はちまん?」

 

俺が女性の元へ向かおうとした時だった。不意に後ろから声をかけられる。その声に振り返ると、そこにいたのは…。

 

「結衣………?!」

 

「やっぱりはちまんだ!こんなところで何してるの?家にもいなかったし…。」

 

その声の主は結衣だった。結衣は何やら俺に話しかけてきているが、俺は酷く混乱している。なんでここに結衣がいるんだ!?

 

ーーー『明日様子見にいくからね。』ーーー

 

「あ………。」

 

思わず俺の口から声が漏れる。そうだ、結衣の電話。出る時の感じた忘れてる事って…!

 

くそ!とりあえず結衣をここから離れさせないと…!

と、俺が結衣の元へ駆け寄ろうとした時、俺の目が後に人影が現れたのを捉える。ーーー喰種だ!見つかったのか!

 

「結衣逃げろ!!!」

 

「えっ…?はちまん、なん………あッ!」

 

俺が叫び結衣に注意を喚起するも、間に合わず結衣は喰種に殴られ意識を刈り取られる。

 

ーーーあいつ、結衣を殴りやがった…っ!

 

「てめえぇぇぇぇぇぇえっ!」

 

沸き上がる怒りを抑えられず、俺は思わず男に殴りかかる。しかしーーー。

 

「あ?」

 

ぱし。と俺の拳は男になんなく受け止められ。

 

「なっ?!おご……っ!」

 

俺の腹を蹴り飛ばされ、その場から吹っ飛ばされてしまう。げほっげほっ!くそっ!いてぇ!

そうして、むせる俺を男は見下した目でみている。

 

「なんだよお前。コイツの恋人かなんか?てか、さっきはよくもやってくれたなぁ。なに?あの女救おうとでもしてたわけ?てめぇ、喰種だろ?はあぁ、ヒーローきどりってやつ?あのさぁ、そういうの」

 

男はそこで言葉をきり、俺に心底嫌なものを見る目を向け、

 

「クソ反吐が出る。」

 

そう言いきり、こちらへと歩いてくる。

 

「見たところてめぇ、肉、食ってねえだろ?僕は人の肉なんて食べませ〜んってか?いるんだよなぁ、そう言う奴。」

 

そう言いながらも、男は俺の元へ歩いてくる。俺はまだ立ち上がれずにいた。さっきのケリのダメージが身体に残って、うごけねぇ…!

そして男は俺のすぐ目の前で立ち止まり、

 

「お前、そのままじゃ死ぬぜ?まあ、どうせ死ぬんなら、ここで死ね…やっ!!!」

 

そう言い思い切り俺の腹を蹴り抜く!

 

「うごッ!」

 

俺は吹き飛ばされ、そのままの勢いで路地の壁に激突する!

 

「ガハッ!」

 

衝撃で肺の空気が全て叩き出される…。なんだよこれ…、いてえなんてもんじゃない、意識を保つのがやっとだ…!

 

そんな俺にかまわず、男は話し続ける。

 

「あーあ、つまんねぇ…なんか殺るき失せたわ。あっ、そうだ…。この女お前の目の前で殺してやろうか?ははっ!いいね、おもしろそーじゃん。」

 

は…?コイツ今なんて言った?

 

「目の前で彼女を殺される!いいねぇ…悲劇じゃねえか!おもしれぇ。」

 

そう言いながら男は結衣の元へ歩いていく。

 

あいつ、結衣を殺すっていったか?結衣が殺される…?結衣が…?

 

そして、男は倒れてる結衣の元にたどり着くと、腰からズルりと赤い尻尾のようなものを出現させ、それを振りかぶる。

 

「 どうせ、なんもできねえだろ?あれだけ俺の手を煩わせてくれたんだ…。死ぬ前にちっとは楽しませろや。」

 

結衣が殺される…?

 

ーーー『ヒッキー!』ーーー

 

あの尻尾で、結衣を殺すのか?

 

ーーー『やっはろー!ヒッキー!』ーーー

 

俺の見てる目の前で?

 

ーーー『ヒッキー…ありがと!』ーーー

 

そんなの、

 

ーーー『はちまんっ!』ーーー

 

そんなの、許さねえ!!!

 

『ーーー手をかしてあげようか?比企谷君。』

 

「ふざけるなああああああああ!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

side 錦

 

「ふざけるなああああああああ!!!」

 

それは、喰種ーーー錦が赫子で結衣を殺そうとした時だった。

 

突如として八幡が絶叫する。

 

(ああ、もう。なんだよ…うるせえな。)

 

錦は、八幡にまだ叫ぶ力が残っていたがことに少し驚きはしたものの、どうせイタチの最後っ屁だろうと、面倒そうに八幡へと目を向ける。しかし、瞬間。その目は驚愕に色を変えることになる。

 

目の前には、まるで獣の爪のような甲赫を両手に出現させた八幡が迫っていた!

 

「わ''たしの結衣をはなせぇぇぇぇぇええええ''!!!」

 

(なんだこいつーーーッ!)

 

錦は後ろへ飛び、既のところでその攻撃をかわす。しかし、その顔は焦燥で彩れていた。

 

「なんだてめぇ!その赫子ーーー!」

 

「う''あああああああ''!!!」

 

錦が言いきる前に八幡が錦へと襲いかかる。

 

(クソ…ッ!完璧にイカレてやがる…!)

 

錦が再びその場から逃れようとするがーーー

 

「なーーーっ!」

 

錦の目の前にはすでに八幡が迫っていた。

 

(なんだ、この異常な速さは!)

 

本来、甲赫にはありえないまでの異常な速さに、驚きを隠せない錦。

 

「がぁぁぁああああああっ!」

 

目の前で炸裂する八幡の叫び声。回避が間に合わない事を悟った錦は咄嗟に赫子でガードする………が、八幡の甲赫は錦の横腹を尾赫ごとえぐる…!

 

「ガハッ!」

 

大量の血を吐き出し錦は倒れる。

 

(な…んなんだ、この化け………もんは………。)

 

そうして、錦は意識を手放すのだった………。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

side 八幡

 

さっきまで手も足もでなかった喰種が、腹を抉られ倒れるのを俺はまるで他人事の様にみていた。

正直自分も何が起きているのか理解が追いついていなかった。結衣が殺されそうになったとき、一瞬陽乃さんの声が聞こえたと思ったら、体が勝手に動いていた。…しかし、不思議と動揺はない。まるでこれこそが自分の本来の姿であるというかのように。

ともかく、なんにせよ結衣を守れてよかった。これで結衣をーーー食べれる。

 

「は?」

 

そこで俺は初めて自分に違和感を感じる。何を言ってるんだ俺は?結衣を食べる?俺が?自分本来の姿?あの夜の陽乃さんや、目の前で倒れている喰種が出した物と同じような何かを出しているのに?

 

「なんだ、なんなんだよ…!」

 

おかしい!オカシクナイ。まるで、体の中に俺じゃない何かがいるようだ…!オレハオマエダ。

頭の中に誰かの声が響く!

 

「やめろっ!やめてくれ!一体だれなんだ!」

 

俺は頭を抱えその場にうずくまる。しかしまだ頭に響く声は止まらない。

ハラガヘッテルンダロゥ?メノマエニウマソウナニクガアルジャナイカ。

 

「違う!肉じゃない!あれは結衣だ!俺は腹なんか減っていない!」

 

ウソヲツケ、ソンナニヨダレヲタラシテイルノニ。

 

「な…?!」

 

そこで俺は自分の口から大量の涎が垂れている事に気が付く。

うそだろ…?これじゃまるで……。

 

「オれがユいをタベたがってイルみたイジャないか!」

 

自分の意志とは反対に俺の足は結衣の元へと向かい動きだす。その足を必死に止めようとするが体が言うことを聞いてくれない!

 

「くそっ!やめろっ!やめてくれ!おれは…っ!おれはぁぁあああああああ!」

 

俺が涙を流しながら絶叫する。しかし足は止まらない。チクショウ…なんだ、なんなんだよ!

そして、遂に後一歩踏み出せば結衣に俺手が届くというとこまできた時だった。

 

「………まったく、無様ね。」

 

「あ………?」

 

目の前が黒に染まる。これは前にも経験があるーーー。目の前にはこの前俺を喰種から助けたあのパンさんがたっていた。そしてそのパンさんは苦しむ俺に目を向ける。

 

「…苦しいのね。」

 

そういいつつパンさんは俺に歩み寄ってくる。この声…俺は聞いたことがある。何度も何度も聞き、慣れ親しんだ声だ。

 

「喰種の餓えは耐えられるものではないわ。その様子だとあんていくにはまだいってないのね。………いいわ、今回は助けてあげる。」

 

そしてパンさんは手を振りかざす。

 

「ーーーはち君。」

 

はち君…?俺をそう呼ぶのは一人しかいない。

 

「…ゆき……のっ………。」

 

「おやすみなさい。」

 

そこで俺の意識はパンさんーーー雪乃の手によって刈り取られるのだった。




はい、今回になってやっと八幡の赫子がでました!
八幡の赫子に関していろいろと疑問も感じたでしょうが今回はスルーして下さい!後後に、ちゃんと回収します!はい。

そして遂にパンさんの正体が…て、まあ分かってましたよね。皆さん。はい、正体はゆきのんでした!

最近1話の文字数増やしてからぐんと更新スピードが落ちてしまいました。難しいです…。

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