SINLESSRPG リプレイ 人魚たちの沈黙   作:CanI_01

1 / 10
こちらの内容はSINLESSRPGのガイドとなります。
世界観の理解のご参考としてください。
もちろん、読まなくても本編を読むことは可能です。


シャドウランナーに贈るSinlessゲームガイド

序文

 

 2090年はクロームと炎の時代だ。

 

 何百万もの人々が疫病で命を落とした。洪水により数十億人が居場所を失い、何千もの種が絶滅した。暴動は大都市を引き裂いた。地球環境は悪化し、地球は人類にとって理想的な惑星ではなくなりつつあった。

 しかし人類はテクノロジーの進歩、サイバーテクノロジーのインプラント、若年固定による不死を確信していた。画期的な医療、超AIを可能にする陽電子頭脳、労働力としての動物の知性化、人間のクローン複製が、増大する問題を解決するはずだった。

 

 …胎動(クイックニング)が起きるまでは。

 

 巨大な巣のようなオーロラが地球を覆い、その一週間後に幻獣たちが現れた。鱗に覆われた巨大な獣がシカゴに上陸し街を破壊した。

 

 一般的な理論は、星辰の位置が正されたというものだ。今までは普遍的な基本粒子であるマノンが地球に到達するのを妨げられていた。今、我々の銀河がそこを離れようとしている時、人類は新しい種類のエネルギー粒子、マノンにアクセスできるようになった。

 

 奇妙な儀式を行うことで、マノンを物理的に操作し、制御できる者は少数だ。

 これらのエネルギーは一部の敏感な者たちを変化させた。いくつかの能力が発現した。ひどい病気に罹ったかのように変貌した者もいた。

 一つはグリーン。妖精のように角や羽が生え、猫や動物のような特徴を帯びるもの。

 もう一つはブライテッド。牛や獣、またはその他の頭を持ち、体は変異し、第二の顔、鱗、その他のグロテスクな特徴を持つもの。

 

 胎動は人類に影響を与えただけではなかった。野生の生物の一部は変化し幻獣となった。奇妙な食人性や吸血性の恐怖が、家や路上で人々を襲った。人を恐れない巨大な肉食獣が野生で徘徊している。人類は辺境の農村地帯を離れ、壁に囲まれた都市へと移住した。

 

 そして、崩落(プランジ)がやってきた。

 

 インターネットはあらゆるところに普及していた。90年間の成長には、銀行記録、レプリカントとシンセティックの製造記録、全ての仕組み、ジェームズ・ボンドの映画カタログ全体など、人類のあらゆる叡智の総和が含まれていた。

 2082年1月19日にインフラ全体の障害が発生した。壊滅的な電力損失だった。全ての楽曲、書籍、説明書、技術資料、銀行残高、テレビ番組、科学論文。あらゆるもの、あらゆる場所から、あらゆるデータが消失した。人類の過去は消え去った。

 

 電力の喪失により数百万人が死亡する恐れがあった。奇跡的にオルフェウス・コーポレーションは、48時間以内に世界規模の電力と通信ネットワークを復旧した。

 混乱は社会を再構築した。金持ち、そして権力は引き継がれた。企業の反乱鎮圧紛争が終わるまでに、30億人弱の人類が生き残った。怒れる過激派や孤立主義者は「新世界秩序」を制定し始め、生き残ったその他人類は軍閥やギャングの下で団結した。金持ちは私設軍隊と民兵組織で自らの居場所を確保した。超巨大企業は、その土地にそれらの社員のために企業の店舗や職場を作り出した。伝統的な政治構造は、裕福で退廃的な人々によって管理され統治される、合併した飛び地の網の中に溶解した。

 

 国際企業裁判所によって施行された尊厳国際権利付与法(DIRE)は、総資産10 億ズズ (ㄓ) を超える各企業に、その所有領域に対する主権的権利と、裁判所からの代表と保護を与えた。所属者の全員が企業からの保護を受け入れる代わりにシステムに登録され、システム識別番号(SIN)によって常に遺伝的に追跡されている。

 

 世界は断絶している。

 DIRE協定のメンバー間の公然の紛争は禁止されている。しかし、衝突は起こる。

 

 企業が保護する安全地帯外の荒野には、崩落前の知識が秘匿されたデータメディアが存在する。

 人々はファシスト政府に抵抗する。

 小規模な軍閥が企業の輸送機関を襲撃しようと待ち構える。

 シンセティックーーーAI構造体は権利のために戦う。

 

 レプリカントは人間社会に侵入する。

 高価なペイデータが盗まれるのを待っている。

 代理戦争が未開の領域で激化している。狂信者、神権者、民兵、過激派が荒野を支配している。家族は離散し、人は行方知れずとなる。

 

 他に誰も助けてくれないなら、

そして、もし見つけることができたなら、

それらをーーー罪のない者を頼ることができるかもしれない。

  

 

 法の外側にいる誰か。救われざるものたちの救済者。システム識別番号を持たない、罪のない者。

ーーーーSinless。

 

1:Sinlessについて

 Sinlessはゲームデザイナー、ライターのコートニー氏がキックスターターで開始したオリジナルTRPGです。

 https://www.kickstarter.com/projects/agonarchartist/sinless/description

 トップページのバナーで分かる通り、シャドウラン的魔法・科学・サイバーパンクのコンセプトを引き継ぎながら、世界観やルールを含めて全部を再構築するという意欲的なシステムになっています。

 キックスターターは成功し、最終的に北米を中心として22196ドルを集め、日本からも(筆者を含めて)9人のバッカーが参加しています。

 

 システムは絶賛製作中で、作者のディスコードでは活発なやり取りが行われています。幸い、現在Sinlessのキックスターターページでは製作途中のルールがGoogleドキュメントとして公開されています。まだキャラクターシートやマップ、一部のデータなどは無いものとなりますが、完成度は高く、現時点でほぼ遊べるクオリティとなっています。

 

 https://www.kickstarter.com/projects/agonarchartist/sinless/posts/3884396

 

 せっかくなので興味を持つシャドウランプレイヤー向けにSinlessを紹介しようとこのテキストを書きました。

 

2:ゲームシステム

 原型を留めないほどカスタマイズされてはいますが、シャドウランの3版をベースとしています。判定はD6を決められた個数ロールし、4以上が成功として記録されます。

 ダイスにはそれぞれブラウン、フィネス、フォーカス、リゾルブのプールがあり、戦闘時は次のラウンドになるまでプールは復活しません。戦闘は距離や遮蔽の概念があるかなりタクティカルなもので、シャドウランプレイヤーには馴染み深いものでしょう。

 特徴的なのはプレイヤーの分身たるPCだけでなく、PC全体が所属するチームを「ブランド」として扱います。ギャングのチームやヤクザの組のようなもので、ゲームの最終的な目標は10億zzを集め、独自の国家的組織として世界に認められることです。その経過としてボードゲームの陣取りのような資産の奪い合いが発生します。

 

3:キャラクター作成

 シャドウランを元にした慣れ親しんだものになっています。

 能力、技能、遺産、資産、魔法をそれぞれABCDEとして優先度を割り振りキャラクターを作成します。強さの大雑把なイメージとしてはシャドウラン5版で言うと通常のランナーというよりはプライムランナー寄りの強さになり、プレイヤーキャラクターはかなり世界観の中でも上澄みの部類と思われます。

 

 能力は筋力、体力、反応力、知力、意志力、魅力の6種。それぞれから算出されるプール4種となります。

 

 資産は最大120万zzというかなりの金額が取得でき、かなりな量のデータから好みに合うように購入することができます。シャドウランとの特徴的な違いはサイバーウェアの埋め込み限界で、エッセンスやあるいはサイバーパンクREDの人間性のようなサイバー化の上限は存在しません。かわりにゾエティックポテンシャルという魔力相当の能力値が減少します。ゾエティックポテンシャルは0になってもキャラクターは死亡しないため、シャドウランならサイバーゾンビ、サイバーパンクREDならサイバーサイコと呼ばれるグレードまでサイバーウェアを埋め込み続けることが可能です。

 

 遺産(ヘリテージ)は種族を表します。エルフやドワーフ、獣人のようなグリーン。オークやトロールのようなブライテッド。そして知性化(アップリフテッド)された動物、AI,そして人間です。

 グリーンやブライテッドはリスト化された複数の特徴から自分に合うものを選択できます。アップリフテッドは犬やゴリラ、クマからサメ、アライグマに至るまで様々なものが揃っています。

 AIもまたPCが使える種族として存在します。シンセティックと呼ばれるアンドロイドは人間と遜色ない知能を備え、最低限の魔力すら持つ人工生命体です。

 サイバーウェアの埋め込みは機械であるため容易く、逆に生体部分が存在しないためバイオウェアは装備できません。また魔力にあたるゾエティックポテンシャルはどれほどサイバーウェアを埋め込んでも1から低下しません。ただし金属を含む装備を持つと他種族と変わらず減ります。個人的なシンセティックのイメージはオーバーウォッチのオムニックでしょうか。

 レプリカントは人間そっくりに作られたアンドロイドです。人間以上に優秀な能力を持ちますが、寿命が存在し特定の時間が経過すると停止するか抹殺されます。…どこかで聞いた話ですね。

 人間は普通に人間です。特に良い点はありませんが悪い点もありません。優先度が最低になるので優先度割り振りの自由度がそのまま強みになります。

 

 技能で一番シャドウランと違うのは技能リンクの存在です。例えば素手戦闘技能は-2の修正値を受け入れることで投擲技能や武器戦闘技能を兼ねます。

「○○の達人だけど他はヘボヘボ」みたいなことが比較的発生しにくいシステムになっています。

 

 魔法は文字通り魔法です。優先度により全ての魔法・能力を使えるアークメイジ、特定の学派(スクール)の魔法を使えるスペシャリスト、魔力を肉体的能力に変換するアンプ、精霊と契約、束縛し能力を行使するシャーマンの4種があります。

 シャドウランに当てはめるならフルマジシャンがアークメイジ、スペシャリストがアデプト、アンプがフィジカルアデプトになるでしょうか。

 シャーマンが呼ぶ精霊は高いフォースで呼べばシャドウランのもの以上に凶悪(敵を即死させる、のような能力が平気で存在する)ですが、異様にコストが高く、高フォースでも防御力が上がるわけではないので無双できるほどではない印象です。

 シャドウランと違うのは呪文をフォースごとにかなりの金額(安くて数百〜高くて数万)払い習得しなければならないこと。また収束具も呪文の詠唱・ドレイン軽減ごとに用意されているため、魔力収束具だけ買えばOKみたいなことにはなりません。(そういうものも一部ありますが・・・相当な代償が要求されます。)

 魔力はゾエティックポテンシャルとして表されますが、シャドウランと違い「金属を含むものを所持していると下がる」というかなり厳しい制約があります。例えばアサルトライフルは重量2、ハンドガンは1ですが、この2つを持っていると魔力は3下がります。サイバーウェアを埋め込んでも当然下がります。ただしバイオウェアはOKなので、魔術師だから即座に身体強化は無理というわけでもありません。制限はきついですが。

 

4:実際のゲーム

 キャラクター作成後の展開はほぼシャドウランと同様です。ジョンソンによる依頼、レッグワーク、戦闘を含む任務実行、そして結末。

 ブランドというPCたちの組織にも能力値があり、またPCそれぞれが持つアセットという具体的なコネもそれぞれ独自の能力を持っています。

 サイバーゴリラで戦闘支援してみたり、敵のマップに爆薬を仕掛けたり、人物の誰かをクローンやアンドロイドと入れ替えてみたり、etc。

 アセットも数十種類が用意されており、キックスターターの成功で全員がイラスト付きカードで提供されることが決まっています。

 フレームワークと呼ばれる時間経過を起点としたゲーム展開もシステムとして規定されているので、シャドウランよりはわかりやすい進行になると思います。

 オペレーションフェーズは各キャラクターに2つのアクションが与えられ、時間は大雑把に一週間になります。セクターフェーズと呼ばれるその後は1ヶ月後となるため、一度のシナリオでオペレーションを行う場合、通常のキャラクターは8回調査などの行動ができることになります。

 

 面白いのは「ヒート(熱)」という概念があること。

 任務中のオペレーションヒートは上がると敵がどんどん強くなり、最大段階に達するといわゆるトラウマチームが出動し2D6分以内に脱出しなければゲーム終了。爆発物を使ったり派手に攻撃したり、ゴツいアーマーを見られたりといった危険な行動で上がっていくので、PCたちも火力に任せたドンパチよりは隠密戦が要求されます。

 

 

5:技能と判定

 Sinlessのダイスプールは能力値から、リミットは技能から算出されます。例外はありますが、基本的に振れるダイスの数は技能値が上限です。例えば素手戦闘技能が6なら、プールが30個あろうとダイスは一度に6個しか振れません。

 ダイス目が全部1だとファンブル(GMが判断する)が発生します。安定した成功には技能値4以上が欲しいところでしょう。

 

 キャラクター作成時には技能ポイントを割り振って取得するアクティブ技能の他に、魅力から算出するエチケット技能、知力から算出する知識技能があります。

 特にエチケット技能は社会個別に7種類あり、これがなければアセットを雇入れ仕事をしてもらうことが出来ないので、作成時に魅力はそれなりに上げておきたいものです。

 

 特殊な技能として素手戦闘から派生するマーシャルアーツがあります。ガン=カタ(ご想像の通りの映画リベリオンのアレです)、奇妙な道、戦車の道(銃夢のアレですが一部では戦車道と呼ばれます)、シブミの4種。

 ガン=カタは近接銃器戦闘のエキスパート。奇妙な道は回避メインの素手・武器戦闘、戦車道はサイバー戦士専用の破壊力重視、そしてシブミは人体強化ご法度の暗殺術です。

 マーシャルアーツは通常の2倍の経験点・技能ポイントを必要としますが、一部の技能と互換性があるためビルド次第ではかなり強力です。

 ガン=カタは拳銃とSMG専用の銃器技能、奇妙な道は武器戦闘技能、シブミは武器戦闘及び銃器の代用として戦うことが出来ます。

 

 

 

6:戦闘

 Sinlessの戦闘はデッドリーです。重武装だとヒートが上がりますし、銃器の射撃は簡単にフリーダイスを追加できるため回避は困難です。可能な限り強力な敵との直接戦闘は避ける行動が必要となるでしょう。

 マップと射程、遮蔽の使い方についてはシャドウランと大体同じです。弾は撃つほど当たりやすくなる(フルオートで20発撃つとDP+20になります!)ので、敵への当たりやすさでは射撃>呪文>格闘>精霊その他、になります。

 フルオートは恐るべき高火力が出るので、個人的にはここだけはハウスルールで「遮蔽物がある場合フルオート射撃は勝手に遮蔽に当たるものとしてアーマーにバリアレーティングを追加して良い」と扱っても良いと思います。ただし重サイバー化戦士のダメージ減少ダイスは30に達する場合があるため、撃たれてすぐ死ぬかというとキャラによってはそんなこともなかったりはします。

 

 行動は移動を含む通常行動2回。これにエクスプロイトアクションと呼ばれる追加行動、リフレックスアクションと呼ばれる反応行動が追加されます。

 エクスプロイトは特定の装備や能力で追加されるアクションで、例えばワイヤードリフレックスをインストールしたサイバーサムライはレーティングに応じて1〜3回の追加白兵(射撃ではない)行動を得ます。デッカーはサイバーデッキのランクに応じて追加ハッキングアクションが可能ですし、精霊を呼んだシャーマンは精霊に命令するアクションを得ます。

 よく出来ている点としては、コホートと呼ばれる何らかの手下(ペット、精霊、ドローン、etc)扱いのユニットについては「主人の」アクションを消費しないと行動させることはできません。精霊に「がんばって戦ってね」といっても行動を消費しないと動かないので、手下が増えてもそれほどバランスが壊れないのは良いと思います。

 

 

7:アイテムや装備

 たくさんあります。シャドウランで装備リストを見てうっとりするタイプの人、楽しんで下さい。完成したら全てのアイテムにイラストがつく予定です。

 主要なアイテムには全て重量があります。これは持ち歩ける上限を表していて、例えばシャドウランのストリートサムライでよく見る装備「アサルトライフル、ハンドガン、刀、アーマージャケット、アンダーアーマー」だと重量2+1+2+4+1=10となり、よほどの力自慢でなければまともに動けなくなるでしょう。(サイバー化で解決しますが。)

 シャドウランのサイバーリム問題はSinlessでは解決しました。交換した四肢は現在の筋力や体力と同じ数値を持ちますが、両手には筋力強化、両脚には移動力強化を追加できます。ただし肉体のほうが同等以上にサイバー強化されていないと腕や足がもげて落ちる場合があるので気をつけましょう。

 前述したとおりサイバー化には限度はありません。バイオウェアはボディインデックスという体力と同値の限界があり、これを超えると体からキノコが生えたり三葉虫になって走り去るような悲惨なことになるので注意。

 

8:魔法

 シャドウランほど無双はできませんが魔術師は強いです。ただしアストラル投射はありません。アストラル知覚と儀式魔法は全てのPCが習得できます。魔法はさすがにゾエティックポテンシャルが0だと使えませんが、アストラル知覚はゾエティックポテンシャル0であっても使えるとデザイナーから回答があります。

 しかもこのゲーム、「見える敵は撃て」ます。幽霊でもネットワーク防衛のプログラムでも、適切な技能や装備を使って見えさえすれば精霊を銃で撃ったり防衛プログラムを魔術で吹き飛ばしたりもできます。

 

 呪文はマノンからエネルギーを招来するエンキャンター、精神を操るメンタリズム、闇を操るアストラルアンブラ、自然を操るバウンドの4学派に別れます。さらに誰でも学べる儀式呪文があります。

 それぞれ特異な名前の呪文名がついているので、リストの呪文を眺めているだけでも楽しめますが、全部を使えるのはアークメイジだけなので制限は割と厳し目です。

 

 アンプの身体強化は慣れ親しんだフィジカルアデプトそのもの。

 

 ただしシャドウランと全然違うのはシャーマンでしょうか。

 シャーマンは束縛スロット最大4つ、注入スロット(銃器2、保護2、ドローン1、デジタル1,フィジカル1)、エレメンタルプール4つを持ち、キスメットを取得した成長によりその力を増していきます。

 現在データとして存在する精霊は四大元素に対応するものが2種ずつ、さらに電気と死に関するもの2種ずつ。それぞれを束縛して従わせるか、あるいはどこかの注入スロットに入れ強化を受けるかを選ぶことができます。

 強力なシャーマンとなるにはかなりの経験と多数の精霊との契約が必要ですが、そのぶん精霊パワーには理不尽なほど強力なもの(回避不能の炎ダメージ、セーブ失敗したら死亡する毒ガスetc)があり、その加護も手持ちの武器から果ては電脳空間やドローンにさえ及ぶのでかなり面白いキャラクターになっていると思います。

 

 精霊は実体化が可能ですが、レイラインと呼ばれる様々な場所を通って実体化するため、好きな場所で実体化したりアストラル化したりを行うことは出来ません。

 

9:電脳

 電脳担当はデッカーと呼ばれ、非常に高価なサイバーデッキとハッキングプログラムを揃え、カメラ映像の差し替えや敵セキュリティの停止、デバイスの乗っ取りといった想像通りの働きができます。

 ただし普通のサイバーパンクと違うのは、この世界のインターネット空間はアークデュークと呼ばれる世界に4つしかいない超超AIから提供される「勝手に成長するエネルギー・情報伝達網」によって成り立っています。

 

"メタトロンという名前の自律型大公クラスの人工知能がネットワーク管理を「技術的に」担当していることが明らかになりました。人間の介入やグリッドの管理はもはや必要ありません。メタトロンは、自己生成ドローンを使用して、自社の核融合電力網を新たに命名された電力網に結び付けました。人々がある地域に移動すると、24 時間以内にアクセス ノードとワイヤレス パワーが使用できるようになります。”

 

 結果的に人類はほぼ無制限の電力とインターネット網が使える代わりに、ネットワークアクセスノードと呼ばれる起点がネットワークがある場所のどこにも必ず存在します。

 

 デッカーが操るのはこのネットワークアクセスノードです。改造されていないサイバーデッキは10m以内に近づくと操作できるようになり、最も強力なプログラムは魔法のような結果を生み出します。ただしハッキング操作は全てアラートレベルと呼ばれるAIの注意を引く数値を上昇させていくため、好き放題やっていると後で悲惨な目に遭います。

 

10:リギング

 神経にヴィークルコントロールリグを埋め込んだリガーは車両やドローンを手足のように操ることが出来ます。車両はかなり高い耐久力と装甲を持ち、スタンダメージを無効化するため、小火器で破壊することは困難で、専用のチェイスルールが存在します。

 

11:その他データ等

 エネミーデータには固定のダイスや能力値を持つものが用意されます。精霊はそれぞれ独自の名前と能力を持ちます。

 面白いのは不動産データがあります。最終目標は10億の時価総額を稼ぐことで、さらに作成時以外に存在するアセットを雇用するにはブランドの時価総額から雇用費を捻出する必要があります。

 オペレーションが終了した後のセクターアクションでは、フォールアウトと呼ばれるその後の展開がGMからプレイヤーへと語られます。ここでは「プレイヤーは知っているがキャラクターは知らないこと」も伝えることが推奨されます。(恨みを持った相手から暗殺者が送られた、など)

 セクターアクションで展開されるのは社会戦です。マップやシナリオに配置された資産には影響力や耐久力があり、影響力を強めれば自分たちのブランドのものになりますし、騒動を起こせば稼ぎが減りますし、耐久力が減れば営業停止してしまいます。

 サイバーパンクのシナリオには色々ありますが、「うちの事務所が襲撃された!相手は対立するマフィア連中だ!」だけで普通にシナリオに参加する動機になるゲームはあまりないと思います。

 

 最後に

 拙いですが以上でSinlessの簡単な紹介を終わります。

 読んでいてとてもワクワクするゲームなので、是非興味を持った人はグーグルドキュメントになっているルールを読んでみてください。

 ドキュメントは自分のグーグルドライブにコピーさえすればまるごと自動翻訳できるので、英語が全く読めなくてもルールの形を掴むのは支障なくできると思います。

 2090年、炎とクロームの時代へようこそ。




Sinless
シンレスRPG基本ルールブックはこちらになります。
https://www.drivethrurpg.com/en/product/472142/sinless

Manon Quarterly
現在魔法サプリManon Quarterlyがキックスターター中。
良ければ是非。
https://www.kickstarter.com/projects/agonarchartist/manon-quarterly?ref=creator_tab
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。