目が覚めたら禪院直毘人 作:余裕T
虎杖悠二はもう宿儺の指を飲まされている頃だろうか。
飲まされているとしても一本程度だし、まぁなんとかなるか。
虎杖はおそらく脹相との戦闘に負けて一度死んでいるはずだから、、もしかして宿儺を呼び覚まして蘇生させなければならないのか!?
宿儺と対面とか無理無理、流石に俺の呪力が尽きかけてるし、嫌なので"まだ"虎杖は死んだままでいてもらうことにする。
ただ虎杖を回収する必要はあるな。
「なぁ、どこに向かってんだ?」
「ん?虎杖悠二のところにだが?」
「いや、4人のうち誰も悠二の居場所がわからないのに無闇に歩き回るの頭悪くないか?」
「確かに」
あぁ、そうそう居場所が全くもってわからん。
「五条先生のところに向かっていたんで、渋谷駅構内にいることは確かなんですが。」
「そもそもなんで虎杖なんだ?」
3人が疑問の視線を向けてくる。うーん、いっそ話ちまうか?そっちの方が楽だし。なりきるのが面倒になってきたしな。
「はぁ、いきなり突拍子のないことを言うが信じて欲しい。この状況だしな。」
3人の視線が怪訝なものに変わる。
「まず、俺はこの世界の人間じゃない。」
「はぁあ?」
「頭でも打ちましたか?」
「、、、、、。」
3人は憐れみの視線を向けてくる。や、やめてくれ!?
「いやいや、マジで真剣に聞いて欲しい。俺は禪院直毘人ではない。つい数時間前、普通にベッドに入って寝て目が覚めたらになんか憑依しちゃってたんだ。で、俺の前世?というべきか分からんが、その世界では『呪術廻戦』という漫画が存在していた。つまり、三次元世界から二次元世界に入りこんじまったってわけだ。そして、それを読んでいたんで、なりきることもできたし、なんとかなった。とりあえずここまでで質問あるか?」
3人はというと皆一様に口をあんぐりさせて、呆然としている。
数秒時が止まったようになった後、ようやく情報を飲み込めたようで、
「じょ、冗談言ってるような状況じゃないですよ、?」
「確かに違和感があったが、、、いや納得できない!!」
俺は質問をして欲しいんだが、、
「えーと、じゃあナナミンの好物はカスクート。」
「っ!!」
「いやしかし、それだけだと証拠として不十分では?、、でもまぁ信じるししかないでしょう。それに、私たちはあなたに助けてもらいましたし。」
「信じてくれてありがとう!それで、伏黒恵は中学時代いろいろやんちゃしてたんだろ。そのせいでお前の姉の津美紀に怒られて、反発しちゃったんだろ?」
「っ!!」
言った途端に恵の顔が曇ったので、自分の失言に気づく。
「あ、、ごめん。」
「いや、いい、、、俺はお前を信じる。それよりも津美紀は、、、助かる、、、、のか?知っているんだろう?」
今にも泣きそうな縋り付くような目で精一杯言葉を絞り出す恵に心が痛む。呪術廻戦は辛い過去持ちの奴が多すぎる、、
「、、、助からんこともない、、が、原作通りだと死ぬ運命にある。」
「なっ!!!んで、、、」
「いや待て、落ち着け、どうにかする方法はある。」
「そうなのかっ!!」
そこから俺は3人にいろいろと説明した。まず、偽夏油の中身、羂索を倒さなければならないこと、原作が辿った道筋、今、辿っている道筋。
余り時間がないので、早口で捲し立てる。3人も信じきって、一言一句逃さないように、聞いている。
この調子なら渋谷事変で全てが解決できるかもしれない。
つくづく"この"世界は残酷だ。
*****
「陀艮が祓われ漏瑚も戦闘不能にさせられた、、しかも同じ術師に。
これは確実にイレギュラーが起きたね。」
「、、、どうするのだ?」
渋谷の高層ビルの屋上にて2つの影が話し合っていた。
1人は前髪が特徴的な長髪の袈裟を身につけている男。もう1人は白髪に赤色が混じった髪をしている冷徹そうな顔の中性的な者。
「そりゃあ、そのイレギュラーを潰しにかかるさ。その術師は我々の脅威になりうるからね。不思議なことに彼は一級術師なんだ。実に興味深いよ。」
「そんなことは知らん!だが貴様、、宿儺様を復活させる算段はついているのか?」
「それについては問題ないさ。私にはまだ手札があるからね。」
「必ずや、呪い全盛の世を作ってみせるよ。」
男、、羂索は不気味な笑みをして闇夜に消えていった。