「あ……」
私が経験した"最初の死"は、世界が滅ぶ時だった。
訳も分からない内に、周りの生徒達共々死ぬというあっけない幕引き。
そうして余韻に浸る間もなく2度目を迎えて
「何で、夢じゃなかったのっ!?」
……うん、また死んだ。
同じ死に方だったかな。
何せ、どうしてこんなこと覚えているのだろうとか、多分夢だとか考えていたら、結局同じところまで行っていたんだと思うなぁ。
バカだからね当時も今も、仕方ない仕方ない。
そうやって■回は繰り返した。
何度も何度も、何も分からないままに理不尽を押し付けられ続けて、それでも『死にたくない』の一心で避ける方法を探して。
そうやって『先生』に辿り着いた。
「……砂漠で、失踪?」
死んでやり直して早々、毎度毎度連邦生徒会長様が居なくなったとかニュースで言われ続ければ嫌でも印象に付くのだ、シャーレの先生とやらにね。
そしてなんとなく調べて見れば、毎回アビドスの砂漠で失踪・脱水死を迎えているということを知った。
あ、言っておくと私が関わった時の先生はクソ雑魚ナメクジ以上に弱っちくて、触れたら死ぬマンボウよりも繊細な生き物なんだってことを覚えておかなきゃね。
……ほんとはマンボウって触れても死なないらしいから、ほんとクソ雑魚だよ。
なんで今回私抜きであの……シキサイ?の子達まで助けることができたのかほんっと不思議だからね。
最初からやれよ……とまでは言わないけど、流石にえげつないよねぇ。
「大丈夫?そこの干からびてる人」
「水、飲む?」
それは良いとして次。
そうして次は、砂漠で先生を死なせないこと、を試してみた。
すると何とびっくり、死ぬのが遅くなったのだ!
本来なら死んでいた様な時期に死ぬのでもなく、殺される相手も違う。
その時こう思ったよね。
あ、これ先生を生かすのが私の役割だ、って。
「そしたら今度は私が死にまくるんだもん、クソゲーだよねぇ」
先生を助けるということは、その身に降りかかる不幸を私が受け止めてあげるということなのだ。
先生が受け止めたら死ぬからね、よわよわだから。
……頑張ってはいるんだけど、どうにもあの人弱いんだよね、外の人ってあんななの?
「そこからは覚えゲー、降りかかる災難を受け止めて、成功したら次に行く。失敗したら死んで、止められなくて先生が死んだら私も結果的に死ぬ」
しかもこの頃は赤錆色の銃とか持ってないからさぁ、一々苦しい方法で自殺するか滅びを待つかの2択だったんだよねぇ。
まあ持ってても、この時の私に引き金を引く覚悟なんてこれっぽっちもないけどさ?
「あとは……まぁ、あーだこーだしながら今に至る訳だけど……」
ミイラ取りがミイラになったこともあったねぇ。
先生助けようとして私が干からびた事件、砂漠ってば手厳しい。
ナントカの女王だか王女だかに何度轢き殺されたか、物量は正義ってのを痛感した。
ミカさんとアリウスにはたーくさん叩きのめされました、強過ぎるってあの人達。
奇をてらい過ぎた結果がゲヘナだったり、懐かしいね。
「そうして何度も繰り返す内に、赤錆色のハンドガンが懐にあって」
その頃になると、死ぬことへの躊躇いなんて引くほど無いからありがたかった。
あとはまぁ……私の体質?
どれだけ被弾しようが何しようが死ぬまで身体を動かせる、代わりに他の人が持ってる様な硬さが無い、私には。
ちょっとずつ硬くなってる気がしなくもないけど、それがはたして痛みへ慣れているだけなのかの区別は、私にはつかない。
だから頑丈さで言えば先生よりはあるってくらい、何で私が先生庇ってんだか。
「だからってミカさんの攻撃とか受けてたら、命がいくつあっても足りない」
あれ偶に隕石が降ってくるのを幻視するレベルで痛いし、何してたらああなるのミカさん。
「あのサボテンがあそこにあるならこっちかな」
「ここで上、右からドローン後ろからロボット終わったらさっさとでっかいの」
「ミカさんには当たって砕けるくらいじゃないと無理!」
「狙撃、ワイヤーロケラン狙撃、でサオリさんと爆弾まで避けたらちょっとクールダウン」
相手からしたらやることなすことが全部見透かされてる気持ち悪い奴。
私からすれば、ここまでしても勝ち確にならない強い人達で。
まーこの頃は虚無ってたよねぇ、たまにの癒しこそあったけど変化はないし。
「色彩」
「ぁ……」
違う世界のシロコさんにとんでもないものを見る目で見つめられたことこそ例外だったけどまあ、大差ないよね結局そっちの私は死んだんだから。
どんな世界でもやることや私自身が変わってないのだけは安心したね。
そうやって、あの手この手を尽くして尽くし続けて
他ならぬ、私の平穏のために。
「ループ系ってのはハッピーエンドを迎える為にあるんだ、走り続けないとね」