異邦人と大迷宮~現代ダンジョンシーカーは、スキルと知恵で異世界迷宮の果てを目指す~   作:九泉

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第108話 絵画の中の迷宮

 第一の階層に築かれた巨大な冒険者都市テルス。

 大迷宮の攻略拠点として機能するこの街は、常に熱気と喧騒に包まれていた。迷宮の浅層で日銭を稼ぐ者から深層を目指す熟練の探索者まで、多様な人々が行き交う。

 

 しかし今の蒼介たち一行にとって、この街での休息は決して心安らぐものではなかった。

 宿屋の一室で身支度を整えながら蒼介は小さく息を吐き出した。彼の脳裏には数時間前に冒険者ギルドの受付で交わしたやり取りが思い返されていた。

 

 第五十層の主である『嵐を呼ぶもの』の討伐報告。

 それは本来であればギルド全体が沸き立つような偉業である。実際に証拠となる巨大な羽を提出した際、受付の職員は目を剥いて驚愕していた。

 だが蒼介はそれ以上の詳細を語ることを避けた。

 特に新たな仲間の存在については完全に伏せていた。

 

(魔人族の少女を迷宮内で拾ってパーティに入れました、なんて言えるわけがない)

 

 蒼介は使い慣れたナイフの刃こぼれを確認しながら心の中で毒づいた。

 異種族であるネアの存在は、ごった煮のようなこの街でさえ常識から外れすぎている。大迷宮の深層に隠れ住んでいた種族が人間の街に現れればどのような騒ぎになるか、火を見るより明らかだった。

 

 冒険者ギルドという組織そのものも、手放しに信用するのは危険だと感じていた。

 現代日本のダンジョンでシーカーとして活動していた頃から、蒼介は組織というものを信用していなかった。彼らは利益や秩序のためなら個人の事情など平気で切り捨てる。

 

 もしネアの特異な魔法能力や生い立ちが知れ渡れば、ギルドの有力者やこの国の貴族たちに目をつけられる懸念があった。

 だからこそ蒼介は、ネアを宿の部屋に留め置いたのだ。

 買い出しや装備の修理は蒼介とセレスの二人だけで手早く済ませた。街を歩く間も、誰かに尾行されていないか背後を気にし続ける神経のすり減る時間だった。

 

「もー! 次は人間の街をちゃんと見せてよね!」

 

 部屋の隅のベッドで不満げに頬を膨らませるネアの声が響いた。

 彼女は退屈そうに両足をパタパタと動かしている。ずっと外の世界に憧れていた彼女にとって、初めて訪れた人間の街を窓枠の隙間からしか見られないのは、耐え難い苦痛だったのだろう。

 蒼介は苦笑いを浮かべてナイフを鞘に収めた。

 

「悪かったな。お前を目立たせるわけにはいかなかったんだ」

 

「わかってるけどさぁ。ソースケとセレちゃんばっかりずるい。私も串焼きとかいうの屋台で買ってみたかったのに」

 

 ネアの紫色の瞳が恨みがましく蒼介を睨みつけている。

 その隣で荷物の最終確認をしていたセレスが困ったような笑みを浮かべた。

 彼女は買ってきたばかりの布で包まれた包みをネアの膝の上に置く。

 

「機嫌を直してくれネア。貴女が食べたがっていた林檎の砂糖菓子だ。少し多めに買っておいた」

 

「ほんと!? セレちゃん大好き!」

 

 ネアは一瞬で表情を輝かせて包みに飛びついた。

 無邪気に喜ぶその姿を見ていると蒼介の胸の奥にわずかな痛みが走る。

 彼女を隠すように生きさせなければならないことへの後ろめたさだ。しかし今は彼女の安全を最優先にするしかなかった。

 

「次はなんとか対策を考えて、必ず案内してやる。だから今は我慢してくれ」

 

「ほんとだね? 約束だよソースケ!」

 

 ネアは蒼介の顔をじっ、と見た。蒼介はその瞳を見つめ、しっかりと頷いた。

 仲間を守り抜くという覚悟は五十層の死闘を経てより強固なものになっていた。

 腰に下げた銀のペンダントからリリアの穏やかな気配が伝わってくる。

 物理的な声は発しないものの彼女もまたこの和やかな光景を温かく見守っていることが蒼介にはわかった。

 

「さて出発するぞ。ここから先は未知の領域だ」

 

 蒼介が革の外套を羽織って声をかける。

 セレスは新調した革の籠手をはめ直して静かに頷いた。ネアも残りの菓子をポーチに詰め込んで立ち上がる。

 

 一行は誰の目にも留まらぬよう宿の裏口からこっそりと抜け出した。

 そして転移の魔法陣が設置されたギルドの地下施設へと向かう。

 彼らの次なる目標は大迷宮第五十一層である。

 

 

 * * *

 

 

 眩い転移の光が収まると周囲の空気が一変した。

 足の裏に伝わる感触が硬い岩盤からふかふかとした柔らかいものに変わっている。

 蒼介は警戒しながらゆっくりと目を開けた。

 そこはこれまでの階層とは全く異なる異質な空間だった。

 荒々しい自然の脅威が剥き出しになっていた魔の峡谷の面影はどこにもない。

 視界に広がっていたのはどこまでも続く人工的な回廊だった。

 

「なんだここは……」

 

 蒼介は思わず低く呟いた。

 床には一面に深紅の絨毯が敷き詰められている。

 壁は磨き上げられた大理石のように滑らかで、高い天井には水晶のシャンデリアが等間隔に吊るされて青白い光を放っていた。

 

 しかし何よりも異様なのは左右の壁に飾られた無数の額縁だった。

 金や銀の豪奢な装飾が施された巨大な額縁が等間隔で延々と並んでいる。

 だがその額縁の中には肝心の絵が描かれていない。  すべてが真っ白なキャンバスのままだった。

 

「……趣味が悪いな」

 

 蒼介は周囲を見渡しながら顔をしかめた。

 静寂が支配する空間だ。風の音も魔物の気配も感じられない。

 それが逆に神経を逆撫でしてくる。まるで自分たち以外の時間が完全に停止しているかのような錯覚に陥りそうだった。

 

「迷宮の中にこんな立派な建物があるなんて……いや、迷宮そのものが建物の中、とでもいうのか? いずれにせよ信じられない」

 

 セレスが槍を構えながら周囲を警戒している。

 彼女の青い瞳が真っ白な額縁を一つ一つ確かめるように睨みつけていた。

 

「静かすぎて耳が痛くなりそう。精霊の声も全然聞こえないよ」

 

 ネアが蒼介の外套の裾をギュッと握りしめてきた。

 魔の峡谷では風の精霊と交信していた彼女だがこの空間には自然の気配が一切存在しないらしい。

 

『皆様、気をつけてくださいませ』

 

 腰のペンダントからリリアの緊張を孕んだ声が響いた。

 

『ここは空間そのものが歪んでいます。先程から魔力の流れを追おうとしているのですが、すべてが捻じ曲げられていて私の感知が正常に働きませんわ』

 

「リリアの感知が効かないってのは厄介だな」

 

 蒼介は右目に青い光を走らせた。

 体内のナノマシンを駆動させ【探知(サーチ)】のスキルを起動する。

 

 しかし視界に展開されたレーダーの反応はノイズだらけだった。周囲の壁や床から不規則な魔力の波長が放射されており正確な地形データを取得できない。

 物理的なレーダーすら欺くほどの異常な空間。

 大迷宮第五十一層から始まる中層の後半戦。ギルドの記録にもほとんど情報が残されていない【法則の歪む画廊】という名に相応しい場所だった。

 

「とにかく進むしかない。壁の額縁には不用意に近づくなよ」

 

 蒼介を先頭にして四人は赤い絨毯の上を静かに歩き始めた。

 足音が絨毯に吸い込まれて消えていく。

 

 数百メートルほど進んだ頃だった。

 蒼介がふと右側の壁にあった一つの額縁に視線を向けた瞬間、異変が起きた。

 真っ白だったキャンバスの中心から突如としてドス黒い染みのようなものが浮かび上がったのだ。

 

「なんだ!?」

 

 セレスが咄嗟に蒼介の前に出て盾を構える。

 染みはまるで生き物のように蠢きながらキャンバス全体へと広がっていく。

 それは絵の具だった。赤や青、緑の極彩色の絵の具が内側から滲み出すようにして一つの風景を描き出していく。

 数秒後にはそこに燃え盛る森の絵が完成していた。

 絵の中の炎はゆらゆらと揺れ動きキャンバスの表面から微かな熱気すら感じられる。

 

「近づくと景色が浮かび上がる仕掛けか。気味が悪い」

 

 蒼介は油断なくナイフを構えたまま後ろに下がった。

 幸いにして絵の中から魔物が飛び出してくるようなことはなかった。

 しかしこの回廊そのものが彼らの行動に反応していることは間違いない。

 

「先を急ごう。長居していい場所じゃない」

 

 一行は歩みを速めた。

 両脇を通り過ぎるたびに真っ白だった額縁に次々と不気味な絵が浮かび上がっていく。

 

 首のない騎士の絵。血の海に沈む街の絵。何十もの瞳がこちらを見つめる抽象画。

 どれも精神を削るような狂気に満ちたモチーフばかりだ。

 

 やがて彼らの前方を完全に塞ぐようにして一つの巨大な壁が現れた。

 いや、壁ではない。

 それは回廊の横幅いっぱいに設置された規格外の大きさの絵画だった。

 

「行き止まり……ではないようだな」

 

 セレスが油断なく槍を構えながらその巨大な絵画を見上げる。

 高さは十メートル以上。金色の豪奢な額縁に縁取られたそのキャンバスには一つの奇妙な風景が描かれていた。

 

 灰色に曇った空と無機質な石造りの街並み。

 それだけならどこにでもある風景画だ。

 しかしその絵の中に描かれている「雨」の軌道が決定的におかしかった。

 

 雨粒が空から地面に向かって降るのではなく、地面の石畳から灰色の空に向かって逆流するように描かれているのだ。

 絵画の下部には真鍮のプレートが打ち付けられており、そこにはこの世界の言語でタイトルが刻まれていた。

 

「『逆さまの雨』……」

 

 蒼介がその文字を読み上げる。

 回廊を迂回する道はない。左右の壁は滑らかで抜け道を探す余地もなかった。

 

『どうやら、この絵画の中に入らなければ先へは進めない仕組みのようですわ』

 

 リリアの推測に蒼介も重く頷いた。

 

「絵の中に入るなんて御伽噺みたいだな。だが迷宮のギミックならあり得る話だ。ゲームでなら何回も見た」

 

「すっごーい! 面白そう!」

 

「皆、当たり前のように受け入れるのか……なんだ、絵の中に入るって? 動揺している私がおかしいのか……?」

 

 はしゃぐネアと、なにやらブツブツ言っているセレスを尻目に、蒼介は巨大なキャンバスの表面にそっと手を伸ばした。

 指先が絵の具に触れた瞬間、水面に手を入れたような奇妙な波紋が広がった。

 キャンバスには物理的な抵抗がなく指がそのまま絵の中の風景へと吸い込まれていく。

 

「行くぞ。何が起きてもすぐに対処できるように固まって動け」

 

 蒼介は覚悟を決めてキャンバスの中へと足を踏み入れた。

 セレスとネアもそれに続く。

 視界が極彩色の絵の具に塗り潰され、強烈な目眩と共に四人の体は絵画の内部へと完全に吸い込まれていった。

 

 

 * * *

 

 

「うわっ、気持ち悪っ!」

 

 ネアの悲鳴に近い声が響いた。

 絵画の中に吸い込まれた蒼介たちが目を開けた時、そこには言葉を失うような異常な光景が広がっていた。

 

 彼らは無機質な石造りの街の広場のような場所に立っていた。

 空は絵画で見た通りの重苦しい灰色に覆われている。

 そして彼らの足元の石畳から無数の水滴が湧き出し、上空に向かって激しく降り注いでいたのだ。

 ザーザーという激しい雨音が響いているが水は決して下に落ちてこない。

 足元から空へと逆流する雨。

 その視覚情報が脳を激しく混乱させる。

 

「なんだこの空間は……。重力の方向が狂っているのか?」

 

 セレスが槍を杖のように突き立てて必死にバランスを取ろうとしている。

 彼女の金色の髪が、下から上に向かって吹き上げる雨に煽られて不自然に逆立っていた。

 

 蒼介もまた胃の中が激しく掻き回されるような吐き気と戦っていた。

 人間が生まれつき持っている空間認識能力が破壊されている。

 地面に立っているはずなのに空に向かって落ちていくような強烈な錯覚に襲われるのだ。

 

 体内を巡るナノマシンが三半規管の異常を検知し即座に補正をかけようとする。

 神経系に強制的な介入が行われ視界の揺れが少しずつ収まっていった。

 

「セレス、ネア! 足元を見ろ。空を見上げると感覚が狂うぞ」

 

 蒼介は視線を石畳に固定したまま二人に指示を出した。

 ネアはその場にしゃがみ込み両手で頭を抱えて唸っている。

 

「ソースケぇ……目が回るよぉ……」

 

「我慢しろ。ここはそういうルールの世界なんだ」

 

 蒼介は周囲の街並みを観察した。

 石造りの建物はどれも歪んでおり真っ直ぐな壁が存在しない。

 ピサの斜塔のように傾いているものもあれば完全に逆さまになって空からぶら下がっている建物すらある。

 だまし絵の中に迷い込んだかのような狂気の世界だった。

 

『ソウスケさん! 上から……いえ、下から何かが来ますわ!』

 

 リリアの警告が響く。

 彼女の感知能力はこの歪んだ空間でも少しずつ適応し始めているようだ。

 

 蒼介が顔を上げると、逆流する雨の向こう側から奇妙な影が接近してくるのが見えた。

 それは人間の形をしていた。

 しかし歩き方が致命的におかしい。

 その影は空に向かってそびえ立つ建物の壁面を重力を無視して歩いているのだ。

 しかも頭を地面に向けた逆さ吊りの状態で。

 

「魔物か……!」

 

 セレスがふらつく足取りで前に出た。

 接近してきた魔物の姿が雨の中に鮮明に浮かび上がる。

 ボロボロの衣服を纏った痩せこけた男の姿だ。

 しかしその顔には目も鼻もなく、ただ巨大な口だけが耳まで裂けていた。

 両手両足には鋭い鉤爪が生えており、壁面にしっかりと食い込んでいる。

 タロットカードの図柄にあるような「逆さ吊りの男(ハングドマン)」を彷彿とさせる異形だった。

 

「ギギギギギギ……ッ」

 

 仮称ハングドマンは首を奇妙な角度に曲げながら気味の悪い笑い声を上げた。

 そして壁面を蹴り、逆流する雨に乗って蒼介たちに向かって跳躍してきた。

 空から降ってくるのではなく壁から水平に落ちてくるような予測不可能な軌道だ。

 

「私がやる! 【雷刃(ライトニング・エッジ)】!」

 

 セレスが槍を鋭く薙ぎ払った。

 紫電を纏った刃がハングドマンの胴体を真っ二つに切り裂く。

 

 斬られた魔物の肉体は黒い絵の具の飛沫となって弾け飛び、石畳の上に奇妙な染みを作った。

 血すら流さない無機質な死に様にセレスが顔をしかめる。

 

「手応えが薄い。絵の具の塊を斬っているようだ」

 

「油断するな。次が来るぞ!」

 

 蒼介が警告を発した直後、街のあちこちから同じようなハングドマンの群れが湧き出してきた。

 ある者は空から逆さまに落ちてくる。ある者は地面から這い出してくる。

 重力の方向が一定ではないため、あらゆる方向が敵の侵入経路となるのだ。

 

「これじゃあどこを防御すればいいのかわからないよ!」

 

 ネアが風の障壁を展開しながら悲鳴を上げた。

 四方八方から迫る奇妙な魔物の群れ。

 三半規管が狂わされた状態での戦闘は彼らの体力を劇的な速度で奪っていく。

 

(ただでさえ不利な状況だ。このまま乱戦になれば押し潰される)

 

 蒼介は冷静に状況を分析した。

 この空間のルールを見極めなければ勝機はない。

 彼はナノマシンの出力を上げ、【探知(サーチ)】のスキルを最大範囲で展開した。

 

 通常の魔力探知ではノイズが多すぎる。蒼介が探ろうとしたのは魔物ではなく、この空間そのものの「重力のベクトル」だった。

 目に見えない重力の波を青い光の線として視界に可視化していく。

 彼の目に映ったのは一定方向に流れる川のような重力ではなく、複雑に絡み合い絶えず変化し続ける巨大な乱気流のような重力場だった。

 

「……見えた」

 

 蒼介は口角を上げた。

 ランダムに見える重力の変化にも必ず予兆となる波長が存在する。

 ナノマシンの演算能力がそのパターンの法則性を瞬時に解析し始めた。

 

「セレス、ネア! 俺の指示通りに動いてくれ!」

 

 蒼介の鋭い声が雨音を切り裂いた。

 彼は右手のナイフを構えながら前衛に立つセレスの背後に回る。

 

「三秒後に右の壁が床になるぞ! 跳べ!」

 

「なんだと!?」

 

 セレスは蒼介の突拍子もない指示に驚愕した。

 しかし、これまでの死闘を経て培われた絶対の信頼が彼女の体を無意識に動かした。

 

 彼女は迫り来るハングドマンの群れを無視して右側の建物の壁に向かって跳躍した。

 一、二、三。

 

 蒼介がカウントダウンを終えた瞬間、世界が横転した。

 空間の重力が突然九十度傾いたのだ。

 

 今まで足元にあった石畳が巨大な絶壁へと変わり、跳躍したセレスは右側の建物の壁面に不時着することなく綺麗に着地した。

 逆に地面に立っていたハングドマンたちは突然の重力反転に対応できず、新たな「壁」となった石畳を転げ落ちていく。

 

「すごい……! 本当に地面が変わった!」

 

 ネアも風の魔法で宙に浮きながら器用に壁面へと着地した。

 彼女の顔から吐き気の苦悶が消え、パズルを解くような好奇心の輝きが戻っている。

 

「ここからはルールが変わる。俺たちが環境を支配するんだ」

 

 蒼介もまた壁面に降り立ち、体勢を立て直そうとする魔物たちを見下ろした。

 物理法則の異なる世界での戦い。

 それは力と力のぶつかり合いではなく、空間の法則を先に読み解いた者が勝つパズル的な戦闘へと移行した。

 

「次は五秒後だ! 今度は天井が床になる! セレス、落ちてくる奴らを串刺しにしろ!」

 

「承知した! はあああッ!」

 

 蒼介のナビゲートによってセレスの槍が正確に敵の急所を貫いていく。

 重力の変わり目を可視化することで蒼介は次にどの方向へ「落ちる」のかを完全に予測していた。

 ネアも重力の波に合わせて風の魔法を放ち、魔物たちを効果的に吹き飛ばしていく。

 

 雨が下から上へ降る狂気の世界で、三人の連携はまるで精密な歯車のように噛み合っていた。

 絵画の中の迷宮。

 その歪んだ法則の謎を解き明かしながら、蒼介たちは次なる階層への活路を確実に切り拓いていくのだった。

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