Fate/stay night - for IF 作:oriha
ロンドン。
グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国およびこれを構成するイングランドの首都。
大都会と言ってなんら問題のないこの地に、現代科学の影に潜む魔術の都、その郊外に『時計塔』と称される魔術師達の組合、魔術協会の三本柱の一つが居を構えている。
その魔術協会では、日夜学術棟やその実験場、時にはフィールドワークとして敷地内外で人目をはばかりながら神秘がちらついている。 勿論、秘匿されるそれらは一切一般人に知覚されること無く影から影に姿を移すばかり。 その隠密性の高さたるや―――
『————Anfang!』
『————En Garand!』
この日はとある一室で、二人の声と声なき多くの悲鳴があがる。そして一拍置いて爆撃を受けたかのような大きな衝撃音が響き渡り、窓枠を吹き飛ばしてもそれら全てが学区の境界線で無音化されるほどである。
更にその範囲は公共の場だけではなく、
「Oh.....Ah..My Goooooooood!!
ああ、嗚呼!! パトロンの皆々様になんて言えば良いんだ!嗚呼!畜生!!見てくれ!ああ!!僕の!!2週間!!給料半年分!!アアーーッ!!アアアーッ!!誰かァーーっ!!アアアアアアーーッ!!!!」
爆音が鳴り響いた部屋の上階に
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッ!!!!!」
● ● ●
「―――それで、姉さん達は、『ちょっと』頭にきちゃって、どうしたんですっけ?」
「えっと……それで、その……教材で……そう!実物提示教育を―――」
「誤魔化さないでくださいッッ!!」
「はいっ!!」
「……頭にきて?」
「教材として持ってきた宝石を触媒に
―――あ、でもでも桜?ルヴィアの奴の宝石、外注のモノに刻印したからだーとか言ってたけど正面から衝突して直ぐに陣が歪んで、あの時のあいつの顔ったら」
「二度目はないですよ?」
「はい。
……解ってるわよ、でもその……意識しちゃってるのは、意識しちゃってるし……言葉でパッパと直せるものじゃないし……」
「それでも、防護陣を先に撒いてから手を出す程度に理性が効いてるならせめて私を呼んでください。 今回はシロウさんが直ぐに私の所に飛び込んできてくれたから良かったものの、あと一歩遅れてたら天井が煤まみれじゃすまなかったですよ?」
「えっ、ちょっとまって桜。おかしいわよ、シロウの席、窓際の最前列に―――」
「で・す・か・ら、『おっ始めようとしていた』って教えてくれたんです。……もう、完全にタイミングまでお見通しだなんて、いっそシロウさんを―――」
「す、ストップストーーップ!!な、何言い出すつもりよ桜!!」