ホロライブラバーズ トロフィー「3馬鹿1人三役」取得チャレンジ 作:片割れコンセント
そして保存してからタブを閉じるを忘れた。
今日はクリスマスイブ、クリスマスの前日である。基本的にクリスマス関連のイベントなどは明日に……というのがセオリーだが、そんなことはいざ知らず、やはりクリスマスイブの夜と言ったらのイベントがある。そう、いい子に幸福と欲しいものと一体誰が……突き止めてやる!と言った感じの好奇心を渡すイベントが。そう、それはぁ……!!
(準備は出来ているか?)
(もらった袋に、機体…両方準備完了です!)
「じゃあ行こうか。プレゼント配達に」
トナカイのソリ……ではなく、なんかやけに輝く機体に乗ってやってくるサンタクロースのプレゼント配達である!
「ねえアスラン。僕疲れたんだけど変わってくれない?」
満天の星が辺りを照らす夜空の下、先程まで民家を飛び回っていたキラが愚痴をこぼす。
(キラ……元はと言えばお前が製作に夢中になりすぎて金がなくなったのが原因なんだぞ)
その愚痴がシンに届く前にアスランが迎撃する。実際、アスランの言っていることは正しく、キラが”アレ”の改良の為に生活費にまで手を突っ込み始めたのが問題なのだ。
「だって、あの戦いって実は結構ギリギリだったんだよ?今度やったら負けるかもしれないし…」
(ちょうど良く高収入かつ一晩限定の求人があったから良かったものの、明日からどうするつもりだったんだ?当然、考えて行動したんだよな?)
「そりゃ僕が発端だけど、差出人不明の求人に応募した君もどうかと思うよ?」
「(…………)」
なんだか空気が気温と同じく冷え込んでしまっているのを感じ取ったシンが話題を変えようと口を開く。
(あっ、隊長!これで一般の人たちの配達は完了したので、後少しですよ!)
シンの指摘で手元のメモ帳を見ると、指定されたほぼ全ての家には印がつけられており、無駄口を叩いている間にも終わっていたのだ。しかし、彼らの顔に笑みや喜びはなく、むしろここからが本番というように覚悟を決めた顔を浮かべていた。
(これが本題だな……)
(そうっすね……)
「じゃあ行こうか
ここから、彼らの短く、長い夜が始まった。
蒼き翼で夜闇の中を羽ばたき、彼らは一つの家の前に降り立つ。と言っても、キラが一番良く見る家なのだが……
「じゃあまずはいろはの家だね」
(いきなり最難関っすね……バレずにいけるんですか?)
(彼女の空間察知能力は異常値だぞ?俺たちにも引けを取らないどころか超えられてるかもしれないんだからな……)
そう、いろはの家が最難関の一つなのは、いろはの圧倒的な空間察知能力にある。キラ達なら普通に攻撃を当てれるが、最近のバトロワでは敵の中にヒョイと放り込むとかすり傷ひとつなく全滅させて帰ってくるのだ。無論キラ達だって細心の注意を払わなければいろはが起きてしまうため、慎重になっていた。
「アスラン、もらってた道具って後どれぐらい使える?」
(こよりからもらった……なんでも解錠君か?多分後3回ぐらいが関の山だろうな)
そう言われてポケットから開錠くんを取り出すと、ランプが赤く点滅しており、バッテリーがないのが嫌というほど分かった。ただ、キラはそのまま鍵穴に光を当てる。すると中からかちゃっと音が鳴り、そのままドアを引っ張るとすぅ〜っと開いた。
「じゃあ、ここからは慎重に行くよ」
少年寝室まで移動中……
「よし、なんとか起こさずにここまで来れたね」
まず、ここまで来るために10分弱は犠牲にし、気を休めたいところだが長居するということはリスクが高まるということなのでさっさと袋を振る。
(それにしてもこの支給された袋便利ですよね。振るだけで何が欲しいかわかるしある程度のものならこっから出せるって)
(無から生み出すのは無理な気もするが、まあそれで助かってるんだから気にすることもないだろう)
「え〜っと、いろはが欲しいものは……」
そう言いながら袋を振ると、中からは何かが書かれた一枚の紙が飛び出す。きらはそれを手に取り、書かれている物を読む。
「うんうん……あっ、ちょうど渡そうと思ってた物だ」
そう言ってキラは玉を一つ静かに破ると、中から一本の刀を取り出す。
(それ、確かチャキ丸でしたっけ?いつの間に新調してたんですか?)
「いや、あの時に使って、そのまま壊しちゃったから申し訳なくて……ついでに色々強くしておいたんだ」
そう言っていろはの枕元に新しいチャキ丸を置くと来た道を戻り、いろは宅を出る。
「じゃあ、次に行こうか」
まだまだやることが多い彼らは足早にさっていく。
「このチャキ丸、前の原型が形しかない気がするでござる……」
当然、とっくの昔に起きていた彼女のつぶやきなど聞こえるはずもないものだ。
ここでカット!流石に間に合わないぜ!かなたそごめんよ……
「なんかすんなり終わったね。かなたは……」
(まぁ、涎垂らして布団蹴っ飛ばして寝てるんだからそりゃ起きないでしょうね)
(一応ベッドは整えて涎も拭いたが、その数秒後に布団が飛ぶんじゃ意味はなさそうだよな……)
「欲しいものもちょっと前に作った握力の制御装置で済んだしね」
(……なぁキラ、あれって誤作動で上下の倍率が十倍になってなかったか?)
「………じゃあ次はアスランに頼むよ?」
(キラ?おいキラ!?)
(あれ?俺は二番手って話じゃないんですか?)
「いや、ちょっと嫌な予感がして……お願いできない?シン)
(まぁ、別にいいですけど……)
「シンの分の時間は俺が作るさ。アスラン・ザラ、ズゴック出る!」
夜の街を低空飛行でスイスイと進み、目的地の一つで立ち止まる。
(あれ?あんたのことだからポルカ先輩から行くかと思ってましたけどこよりから行くんすね)
「まぁ、ここには多分時間がかかるだろうからな」
そこはholoXの拠点があるビルで、アスランは手慣れた手つきで地下へと進み、こよりのラボ前の廊下に立つ。そこにあったのは少しの隙間もないほど張り巡らされた赤外線レーザーに火炎放射器やタレットに地雷と、アニメや漫画でしか見ないほどのセキュリティだった。
「な?時間がかかりそうだろ?」
(まぁ、確かにそうっすね……)
「はぁ……はぁ……またセキュリティを増やしたなこより……」
ところどころに焦げたような跡がある廊下の奥で、アスランが膝をつく。かつては蟻一匹も通れないほどの廊下でしたが……
(こんな荒らして大丈夫だったの?)
なんということでしょう!システムはハックされ、防衛装備は9割がた破壊されたクリーンな廊下に!
「こっ、これならぁ……」
「ん?あいつまさか……」
辺りは静かになったが、ラボから何か声が聞こえるのを感じたアスランは扉を少し開け、中を覗く。するとそこには……
「へっへっへ……苦節4日目……ようやく完成だぁ……」
目の下を真っ黒に染め、桃色の髪を煤で灰色に染めたこよりの姿だった。
「あっ、あいつ……」
(ダメだよアスラン。バレたら終わりだって)
思わずラボにカチコミそうなアスランをなんとか抑え、ビー玉から一体のハロを取り出し、ラボ内に転がす。
「ハロハロ!アッカンデー!チャントネーヤー!!」
機会音声を流しながら辺りに煙を散布するハロ。すると、ドアの向こうからドサっと何かが倒れる音が聞こえてくる。
「よし行くぞ」
それを確認したアスランはドアを開け中へと入っていくのだった。
「ん〜……こよぉ〜……」
「はぁ……ちゃんと寝ろと言っているのに、どうしてこいつは……」
ラボ内の品に覆われて倒れていたこよりを持ち上げると、そのままベッドに輸送し、袋を振り中から紙を引っ張り出す。
「何?holoXのみんなと一緒にいたい……後は、アスラン君で遊べればいいだと?こより……」
(アスランで遊べるってすごいですね……)
(僕たちにはできないことだよね。だめだよアスラン落ち着いて)
わなわなと震えるアスランをなんとか抑えると、玉からハロを取り出し、枕元に置いておく。
「まぁ、これでいいだろ。あいつ前からハロをしらべたいって言ってたもんな」
(これ僕が前使わされてた寝かしつけ用のハロじゃないの?)
「あぁ、そうだが?こいつはこれを使わないと寝ないだろうしな」
足早にラボから離れ、ついでに上で寝てた三人にもプレゼントを渡し、ビルから一気に飛翔する。
「さて、次はポルカのとこに行くか」
少年飛行中……少年飛行中……
「さて、ポルカの家に着いたわけだが、誰かいるのか?」
ポルカの家の前にズゴックを停め、中に入ろうとしたのだが、普段よりも人気が多い気がするのだ。まぁ、アスランからしたら誰かわかるのだが、確認のため中にハロを送り込む。
「ハロハロー!ダレヤネーン!!」
「まぁ、やっぱり
そのカメラに写っていたのは白髪のライオンにその近くに倒れ伏す子供。そしてトイレから誰かの断末魔が聞こえる。メンバーが予想通りすぎて特に驚かないが、トイレに入ったラミィに気づかれるかだけを念頭に置いて内部に侵入する。
「まぁ、こいつら2人は寝てるなら起きないよな……」
足音を一切立てず慎重に、慎重にポルカがいる部屋へと足を運ぶアスランしっかり寝ている2人にもプレゼントは渡しておいたぞ。ついでにラミィのプレゼントはトイレ前に置いておいたので、大丈夫だろう。
「うぅ……ラミィがウルセェ……」
ポルカのいる寝室のすぐそばまで移動すると、ポルカの嘆きが聞こえてくる。チラッとそこを覗くとポルカは毛布にくるまり、ブルブルと震えていた。そのまま袋から紙を出そうとしたアスラン。すると……
「おい、そこで何やってんだよアスラン……」
気づけば毛布から頭だけ出してこちらに振り返っているポルカの姿があった。
「へぇ〜プレゼントを配るバイトねぇ……そんなものあるんだ……」
「俺も偶然目に入った物だったがな。金がなかったんだよ」
ポルカのベッドに腰掛け、事情を話すアスラン。ポルカは興味深そうに頷いていると、ガチャっとドアが開く音が響く。
「あぁ!なんかドアが開かないと思ったら誰だよここに物置いたの!ていうかなんだよこれ!?」
「「!?!??」」
それと同時にさっきまでトイレで死闘を繰り広げていたラミィの声が辺りに響く。そして、矢継ぎ早にこちらに向かってくる足音が……
「なんかちょうどラミィが欲しかったもんが丁重にラッピングされてたけど、それって一人しか知らないよなぁ……」
「嘘だろ!?タイミングが悪すぎるってぇ!」
「今すぐここから脱出……いやもう時間が……!」
あたふたしているうちに扉からノック音が鳴る。
「ちょっと入るよ〜?」
「どうするポルカ!?どう言い訳すれば……」
「………いや、こうなりゃもうヤケだ!大人しくしてろよアスラン!」、
ガチャっとドアが開く。そこにあったのは、少し前と同じく、毛布から頭だけ出したポルカの姿。そして……
(なっ……ポルカ!?)
その毛布の中に収納されたアスランだった。
「ね〜え〜前ラミィが欲しいって言ってたたっかいお酒って買ったりした?」
「いや!?かっ、買ってないよ!?」
アスランが密着していることにプラスしてその酒の事は普通に何も知らないのである事に驚愕したせいか声がとんでもなく上擦ってしまうポルカ。それを聞いてラミィはさらに怪しく感じたのか、ジリジリとにじり寄る。
「本当にぃ?ラミィがこれ欲しいって言ったのは一人しかいないんだけどなぁ?」
「いやほんとに違うって!」
(ポルカを全身で感じる!あぁ……天国はここにあったのか……)
勝手に気分が良くなってるアスランは放っておいて、そろそろ精神が限界になりそうなポルカが最後の手を打つ。
「というか!ポルカ未成年だから酒買えねえし!クリスマスイブなんだからサンタがくれたんじゃないの!?」
ポルカが声を張り上げて放った一言に、ラミィはにじり足を止める。そして、納得したような清々しい顔を浮かべる。
「確かに!そもそも変えないんじゃありえないもんね!疑ってごめん!」
「あぁ全然気にしないから!それより寒いから早く出てって!」
ラミィを凄まじい速度で部屋から締め出し、毛布からアスランを開放する。
「はぁ……はぁ……息ができなかった……」
「ごめんアスラン。びっくりした?」
過呼吸になっているアスランをさすり、ベッド前に立たせるポルカ。アスランは毛布から袋も引っ張り出し、その場に置く。
「いや、ありがとうポルカ。危うくバレるところだった」
「いいってことよ。というかあんな高い酒どこから出したんだよ?」
その質問にアスランはその場の袋を持ち上げてポルカに見せる。
「これから出てきたんだ。他2人にもあげたからあとはポルカだけだぞ」
アスランの返答に驚きつつ、その袋を興味深く見ていたポルカだが、自分が何が欲しいかと聞かれるとパッと思い浮かばなかったのか、う〜ん……と首を捻る。
「まぁ、ポルカはいらないよ。特にこれと言って欲しい物ないし」
「そうか?まあ無理強いはしないからそれで構わないぞ……あっ、すまないポルカ。袋が詰まったからそっちから押してくれないか?」
そう言ってしれっと窓から飛び出そうとしていたアスランの袋を押し出す中、ポルカがポロッと声をこぼす。
「まぁ、並の物より遥かにいい物もらったし……」
その呟きに袋がしゃべっているようにしか見えないアスランが反応する。
「どうしたポルカ?何か言ったか?」
「いいや!?なんでもない……よっ!!」
そう言ってアスランを外に押し出すと、地面に華麗に着地したアスランを見送る。
「じゃあ、バイト頑張れよ〜」
「あぁ、すぐに終わらせて、またポルカと毛布の中で密着するさ」
「はぁ!?絶対やんないからな!?」
その声がアスランに届いたのかは定かではないが、アスランはどこか嬉しそうにズゴックで飛び立っていった。
「まぁ、別に嫌ってわけじゃなかったし、またしてやらんこともない……かな?」
「ふぅ〜……これなら残りもやれそうだ」
(アスラン、ポルカを吸うのは普通に引くからやめてよね)
(それ、昔ならまだしも今の隊長が言えます?最近はいろはを吸わなきゃ生きてけないって良く言ってるじゃないすか)
(………アスラン、その気持ちよくわかるよ)
(分かってくれたかキラ!)
「はいはい、猥談は後にしてくださいね。シン・アスカ、デスティニー行きます!」
上空を飛んでいた赤い影は、いつの間にやら輝く翼を羽ばたかせ、最後の砦へと向かうのだった。
「まずはトワの家からだな!」
トワの家に着いたシンはデスティニーをしっかり家の隅に置いて、アスラン主導の元ピッキングを成功させ、中へと侵入し、寝室まで一気に駆け上がる。
「……ん〜……ん」
そこにはかなたとは大違いですごい寝相も良くよだれなんて1mlも見えないトワが居た。
「トワは寝相いいなあぁ……それにやっぱり可愛い……じゃなかった!!やばいやばい……」
その寝顔に思わず見惚れていたシンはなんとか意識を取り戻すと袋を思いっきり振る。すると突然復路が飛んでもないほど膨らみ、中からその膨らみの正体がムクムクっと出てきていた。
「うわぁ!?これ、パソコン!?なんかどんどん出てくるんすけど!?」
袋からはパソコン本体やマウスにキーボードさらにヘッドホンや椅子まで、大量のパソコン用品が部屋に散乱した。慌ててシンはセッティングしようとするも、デスティニーがないので力が足りないのだ。
「アスラン!こういうのはあんたの仕事だろ!?手伝ってくださいよ!」
(シン!俺はそんな腕力があるわけじゃない!そもそもラッピングしてあるんだからそのままでいいだろ!)
(なかなか大きいけど、最新のやつよりかはスペックが悪い……いわゆるゲーミングPCってやつかな……)
結局PC用品は放置して、次なる目的地へと進むシンだった。
「次はフブキの家!じゃああの道具使いますね」
そう言ってシンはノータイムで鍵開け君を使いドアの鍵を開ける。普段ならここでアスランが突っかかってくるのだが……
(まぁ、懸命な判断じゃないか?)
今回ばかりは何も言わない。それだけ白上フブキは侮れないのだ。デスティニーをわざわざ付けっぱで来たのも全ては自分の身を守るため、生身で侵入なんてしよう物なら一瞬で確保される。さっきとは打って変わって緊迫した空気の中、寝室へゆっくりと向かっていく。
「ぷわ〜……ふへへ、シン君……」
そこには寝言を呟き、笑みを浮かべながら眠るフブキの姿が!寝言の内容に危機感を覚えつつも、シンはそーっと袋を振る。中からは紙が吹き出され、シンはそれを掴み内容を読む。
「何々?空飛びたいは前言ってたな……デスティニーで抱えて飛ぶんじゃダメだったのかな?それと………シン君?えっ?」
書かれていた内容に唖然とするシンだったが、突如急激な悪寒が背中を走る。恐る恐る振り向くとそこには……
「あれぇ?シン君じゃないですかぁ……こんな夜中になんでここにぃ?」
そこには、明らかに捕食者の目をしているフブキが、ベッドから離れて立っていた。嬉しさからか、フブキは顔を綻ばせる。
「いやぁサンタクロースっていい人ですねぇ。本当に欲しい物をちゃんとくれるなんて……」
舌舐めずりをするフブキから一歩、また一歩と遠ざかろうとするシン。しかし、その背中に壁がぶつかる。
「嘘だろ!?ここって部屋の隅!?」
そう、シンはいつの間にやら逃げ場を完全に失っていたのだ。前方にはフブキ後方には壁。もう助からないと悟ったシンはデスティニーを外す。
「もう、なんでこうなるんだよ……」
「おっ、手間が省けていいですねぇ……じゃあシン君、ちょっと時間もらうね!」
「くっそおおおおおお!!」
(あぁ、結局こうなっちゃった……)
(お〜いキラ)
(ん?どうしたのフブキ)
(私のは肉でいいからな。出来る限り高いのを頼むぞ)
その後何があったかは詳しくは語れないが、死んだ魚のような眼をして少し痩せたように見えるシンがフブキ宅から出てきたのは確かだ。おぼつかない足取りのまま、ふらふらと最後の場所へ向かうのだった。
「最後は……すいせいの……家……」
(シン大丈夫?変わろうか?)
(あんなにやられちゃ耐えれないだろ……無茶せずにちゃんと言えよ?)
「分かってる……分かってるさ!」
半ば精神が死んでいるものの、しっかりと鍵を開け、内部に侵入する。まるで酒に酔ってでもいるかのようにフラフラと寝室へと向かっていった。
「多分ここだと思うけど……」
シンはすいせいの自宅に行ったことが実はないのでそれっぽい部屋のドアを開け、部屋の中を見るするとそこには……
「やっぱりこ………」
「えっ?シン君なんでここに?」
今まさに毛布にくるまり寝ようとしているすいせいに遭遇するのだった。
「あっ、すいません。人違いで〜……」
そう言ってゆっくり扉を閉めようとしたが、突如自分の体がグインとすいせいのほうに引っ張られ、毛布内へ誘拐される。
「いやいや、すいちゃんの部屋にこんな夜遅くに来て帰れるわけないじゃん」
これはヤバいと全身が危険信号を出しているが、さっきのフブキとの戦いのガタが体にきていたシンは、足に力すら入らず、すいせいにそのまま抱きつかれる。すいせいはシンの顔にほぼゼロ距離まで顔を近づけると、顔を少し顰める。
「なんか違う匂い……フブさんかな?すいちゃん家に来る前にフブさんに会いに行くなんて贅沢なやつめ!」
「いや、そういうバイトで……夜明けまでにやんなきゃだから俺もう行かなきゃ!!」
そう言って自分を振り解こうとするシンを押さえつけながら時計を見る。針の示す時間は1時半。それを確認したすいせいはさっきのフブキと似たような黒い笑みを浮かべる。
「まだ時間たっぷりあるからぁ……とりあえずフブさんの匂いを全部すいちゃんのに変えちゃおっか?」
抱きしめられる力がまた一段強くなったのを感じるとシンの目から涙がこぼれ落ちる。
「なんで俺いつもこんなのばっかなんだ……もっと男っぽくなりたい……」
それから2〜3時間後シン・アスカは廃人と化した。
現在時刻4時過ぎ。自宅へと帰ってきたキラは手頃な椅子に腰掛ける。
「一夜ですごい疲れたね……」
(それはそうだが一番キツいのはシンじゃないか?)
(ははっ、トワは可愛いなぁ……ははは……)
「これでバイトも終わりかな」
(そうだな。ってキラ、袋って目の前に置いたよな?)
「そうだけど……あれ?袋がない……」
そんなことを話していると目の前に置いておいた袋が消えており、そこには札束と一枚の手紙が。
「え〜っと?『メリークリスマス!君達にとっては大変な一日だっただろうが私には面白い見せ物だったよ。あの時の抜け殻のような君とは大違いだなキラ君!あっ、求人に書いていた君の欲しいプレゼントをあげる事だったが何がいいかね?後日郵送するとしよう』」
(なんだか、どこかで聞いたことある口調だな)
「流石にないとは思うけどね。僕が欲しい物か……まぁ、今日みたいに、みんなが戦いなんかしないで、手を取り合って生きていける世界……かな」
誰が聞いているわけでもない独り言をキラがボソッと呟くと、脳内に何かが聞こえる。
「その世界は、君が作る物だろう?」
誰の声かはわからなかったが、キラは虚空に向かって返事をする。
「うん。僕達でみんなを守るんだ」
「フハハハハハ!君ならそういうよなキラ君!私に君が世界をより良くしていく様をもっと見せてくれよ!」
そんな声が夜空に響いた気がした。不思議な不思議な彼らの聖夜はこれにて幕を閉じるのだった。
寝ます。ギリ24日だからセーフー
さて、次の敵はどうしようかな?
-
オリキャラ
-
いい感じのホロメン
-
その他
-
自分で考えろや