ジェイ・ソーティ 自衛隊異世界任務記録   作:えぴっくにごつ

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Part1:「向こうへ」

 始まり――「兆候」はある日。その世界に、日本に訪れた。

 

 最初に観測された「それ」は、日本領土やその近辺に異常気象という形で発生し始めた。

 激しく、そしておどろおどろしい嵐のように巻き起こるそれは。観測調査の結果、現在の地球では未観測の「未知のエネルギー」を有するものである事が判明。

 強力かつ危険なものであるそれは、船舶や航空の便を始め。日本の人々の生活にトラブルや被害をもたらし始めた。

 

 それと時期をほぼ同じくして起こったのは。日本近海においての、既知の海洋生物のいずれとも合致しない「大型海洋生物」の目撃情報の急増。

 程なくして船舶が襲われる被害事例が発生し、その危険性が判明。危険指定生物とされたそれらは、世間にて『海獣』などと呼ばれ始め。

 各海洋機関は駆除のため、危険を伴う行動処置に出ることを余儀なくされた。

 

 さらに未知の生物の目撃、被害事例は日本の空、そして本土領土内に置いても発生事例が多発し始め。

 その事態の深刻さ、そして異常性に世間は騒ぎ始めた。

 

 しかし、それは驚きの事態の序盤に過ぎなかった。

 

 世間を騒がせ脅かす「それ」らの観測調査が進んだ結果。それらの出現地点付近には、多くの場合において「磁場の不安定」が観測されたのだ。

 

 そして間もなく、耳を疑う調査結果がもたらされる。

 未知のエネルギーを伴う異常気象に、目撃被害事例を多発させる未知の生物の数々。

 その全ては、日本の各所に神出鬼没な出現発生が確認された「時空の接続点」を抜け。「こちらの世界」に流れ込んで来たもの。

 未知の宇宙、世界――『異世界』よりのものであるという。荒唐無稽極まりない、しかし確かである事実が判明したのだ。

 

 世間はその発覚からまた驚愕に沸き、そしてその事実からの不安と懸念に包まれ。国に対応解決を求める声が殺到。

 

 無論政府、関係各機関もとっくに動いていた。

 持つ限りの技術、リソースが注がれ。その「時空の接続点」や「未知のエネルギー」についての研究解明が急ピッチで進められ。

 結果、「時空の接続」の生成を任意に可能とする技術が確立。

 

 そして、その未知なる『異世界』との恒常的な「接続」が開かれた。

 

 満を持して開かれた、異常気象や未確認生物の出現元である「その向こう」へ。

 最初に無人観測機が送り込まれ、それが送って来た映像情報により。ついにその「未知の世界」の姿が明らかとなる。

 

 世界を、時空を越えて抜けた、その向こうに広がっていたのは。

 広大で美しく、そして数多の異なる存在が住まう。幻想の世界であった――

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