自衛隊異世界任務記録 指令は「冒険」、派遣先は幻想的なファンタジー世界! 作:えぴっくにごつ
フレンクィの町の中心に、主力である普通科小隊を始め、前進観測隊の各隊が集まり展開を開始。
状況は変動し始めた。
傭兵にとっての「敵」――自衛隊 前進観測隊各隊が各所から現れ増えたことで。
傭兵たちの攻撃の手は必然散り、そして何より傭兵たちには動揺がまた広まり。
それ故にできる隙が、前進観測隊の展開、前進行動に利に働いた。
「――ッ」
今に町路を、並ぶ建物に沿って駆けるは普通科小隊 第3小銃分隊の面子。
彼らが今目指すは、教会に配置されたものとはまた別の、敵十字砲火態勢の片割れを担うもう一ヵ所の機関銃のその配置場所。
すでに各員からその場所は見えている。
隊員等の進行方向の先、T字路の突き当りにある建物の上階に、わずかに突き出された「銃身」が見え。
そして鳴り響く機関銃火の音が聞こえ届いていた。
時間は掛からずすぐに、第3分隊の隊員等はそのすぐ傍までたどり着く。
一旦、敵火点となっている建物に隣接する建物の壁に取り付き。機関銃銃身の突き出る窓を斜め真上に見る形でその死角にカバー。
「――居るな」
その次に、隊形の先頭を務める第3分隊分隊長は。柴杉二等陸曹という性階級の彼は零す。
機関銃銃身の突き出る上階だけでなく。敵が火点としている該当建物のからは。その内に複数の気配に動きがあることが外からでも感じ取れた。
「多屋、森、裏から入れるか試せ」
「了」
「こっちは十秒後にフラッシュを投げ入れる。タイミングに気を付けろ」
柴杉は、分隊の内から二名に家屋の裏手に周るよう指示。併せてこれよりのこちらの行動を注意事項として伝え、次には隊形を離れて裏手に周っていく二名を見送る。
「いいか?」
「ヨシ」
その次には柴杉は、自身の背後に控えていた隊員に尋ね。
その隊員は今の間に取り出し準備した閃光弾(フラッシュグレネード)を示し、準備完了を伝える。
「用意――行くぞッ」
背後の各員に促し、そして次には柴杉は自身の小銃を振って繰り出し。該当建物の窓をその銃床にて叩き破る。
そして柴杉とすぐさま場を入れ替わり、背後の隊員が閃光弾を破られた窓から投げ入れ。
両名が一旦カバーに戻り身構えた瞬間。家屋内部で、閃光弾の独特の炸裂音が鳴り響く。
「突入ッ!」
それを聞いたほぼ同時の直後、柴杉は張り上げると同時に。
今に抉じ開けた窓へと飛び込み飛び越え、建物内部へと踏み込んだ。
「ッ――!」
建物内部に踏み込んだ柴杉が、まず目撃したのは。
見事に、諸に閃光弾の閃光を浴びたか、一室内で呻きながら彷徨う三人ほどの男たち。
それぞれの、ここまで見て来た傭兵たちと類似した装備姿に。そして敵火点であるこの建物にて、その手にいずれも得物を携えていたことから。
敵傭兵であるとの判別は容易。
「ォ゛っ!?」
「あ゛っ!?」
「な、なん……ぎェっ!?」
次には柴杉は、それぞれに銃弾を必要最低限だけ立て続けて撃ち込み。
その彷徨う傭兵たちを、容易く沈めて見せた。
「――」
その傭兵たちの様に微かに気の毒な所を覚えた柴杉だが。しかしそれにいつまでも意識注意を向けることはせず。
後続で踏み込んで来る隊員等のために場を空ける意味でも。
柴杉はすぐに動き移動、一室の奥にある開け放たれていた扉の傍に取り付く。
後続の隊員等が窓から突入してくる気配を感じながらも、次には柴杉は扉から小銃と視線を突き出して先を覗く。
「な、なんだ今のは!?」
覗き見た先は広くは無い廊下。そして同時、その奥から慌てた声を上げ、立て続けに姿を現したのは二人の傭兵。
柴杉はそれを認めた瞬間、また立て続けに数発発砲。
慌て出て来た傭兵たちは立て続けにその銃撃の餌食となり、流され倒される様相で床に沈んだ。
《――分隊長、反対斜めの部屋から廊下に出ます》
その傭兵たちの沈黙を確かとした直後。タイミングを狙ったかのようにヘッドセットに知らせの声が入る。
そして伝え示された通り、次には廊下を挟んだ反対斜めの一室から。先に回り込ませた隊員の内の一名が慎重な動きで姿を見せる。
《こちらは一名のみを排除、他は接敵ナシ》
「こちらもクリアだ――あとは上だな」
そして廊下越しにハンドサインを交わしながら、併せて通信にて互いの結果に状況を知らせ。
そしてまた併せて、柴杉は天上を軽く示しながら次の動きを促した。
「――とッ」
階段で出くわし、しかしすぐさま射撃にて撃ち無力化した敵傭兵の一人が。
階段を痛ましい形で転げ落ちていく。
しかし柴杉はそれに気取られることなく、それを避け入れ違う形で階段を駆け上がる。
そして数秒程度で、柴杉は建物の上階へと踏み込んだ。
「――ウラァぁ!!」
流石に傭兵たちも侵入者の存在に気付いており。
柴杉が階段を駆け上がり二階の廊下に出た瞬間。待ち構えていたのだろう一人の傭兵が、すぐ近くの扉から飛び出してきて手斧を振り上げ柴崎を襲う。
「ハんッ!」
「ガっ!?」
だが、状況からの焦りか傭兵の動きは荒くムラが見え。そして同じく、待ち伏せを想定して備えていた柴杉に軍配が上がり。
柴杉は傭兵よりも早く小銃を振るい、その銃床にて傭兵を殴打。
「ぎゃがっ!?」
先手を叩き込まれて姿勢を崩した傭兵はそこを狙われ。殴打からすかさず小銃を射撃体勢に構え直した柴杉に銃弾を叩き込まれ。
その屈強な体を、しかし床に投げ打って沈み沈黙した。
「GOッ、GOッ」
今の立ち回りから一旦態勢を整え直しながらも、柴杉は後続の隊員に促し。
隊員等は柴杉の横を駆け抜け、二階の制圧に取り掛かっていく。
「火点発見ッ!」
その向かって行った隊員等の内から一名が、廊下の突き当りに至る姿を見せると同時、張り上げ知らせを寄越す。
同時に響くは、複数の銃声。
突き当りにある一室の扉にカバーした三名ほどの隊員等が、その室内に各火器を突き込み撃ち込む姿を見せ。
そしてそれも束の間、次には順にその室内に突入する姿を見せた。
次には態勢が整い直った柴杉もすぐにそれを追い、廊下を抜けてその一室に踏み込む。
そして見たのは。室内を丁度制圧した瞬間の隊員等の足元に、抵抗を図ったか得物を手にしたまま、しかし甲斐なく無力化された様子で沈んだ数名の傭兵たちの体。
そして、窓際に置かれ据えられた驚きの「それ」。機関銃のシルエットであった。
しかし、それを最重要の代物を承知しつつも。今はそれをゆっくり確認する時間を取る事は無く。
柴杉等はまた察知していた「気配」に対応するべく、急き動きを続ける。
《尾張31、そちらに敵が接近中。およそ一個分隊規模ッ》
「分かっている、気付いているッ。対応する」
本部班の飛ばす観測ドローンの側でもそれを見つけたのだろう、ほぼ同時に本部班からの警告の通信が飛び込むが。
柴杉はそれに端的に承知している旨を返しながらも。近場の窓に動き取り付き、その窓を叩き開く。
広がり見えたのは、今の建物が位置するT字路周り。そしてそこから伸びる一つの通りの向こうから、おおよそ一個分隊程と見える陸竜騎兵数体を含む敵傭兵部隊が迫る姿であった。
「森ッ」
「了」
柴崎は自身も小銃をまた繰り出す伴いながらも、一名の隊員を指名し呼ぶ。
そしてしかし呼ばれるが早いか、その該当隊員は一室内に踏み込み現れ。
次には開け放たれた窓に、その装備火器であるMIMIMI軽機をほとんど放って置く勢いで据えて構え。
そして、苛烈な機関銃銃火を眼下の通りに唸らせ注ぎ始めた。
T字路の向こう通りに掃射の銃火が降り注ぎ。
剣幕が伝わって来るまでの様相で迫っていたその傭兵の一部隊は。しかし次にはその先頭から、まるで己から掃射銃火に突っ込むようにして、次々に面白いまでにその餌食となって打ち崩れ沈んでいく。
その軽機の掃射を主体として、柴杉始め各員が撃ち向け浴びせた銃火によって。
そのT字路の周り近くから傭兵から傭兵の姿が無くなるのに、そう時間はかからなかった。